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飲食店を開業したい!資金のはなし・資格のはなし

最終更新日: 2022年12月13日

「自分のお店を持ちたい!」と飲食店の開業を目標にしてきたけれど、「足りない資金はどうしたらよいのだろう」「どこかに開業資金の融資をお願いできないだろうか」などと戸惑いやお困り事を抱えてはいませんか。

ここでは、飲食店の開業に役立つ情報を発信しています。開業に必要な費用やスケジュールのお悩みもここですっきり解決しましょう。

飲食店開業までの道のり

開業までのスケジュールを立てよう!

飲食店の開業をするには、様々な手順を踏まなければなりません。

事前にしっかり流れを把握しておけば、スムーズに飲食店を開業できるはずです。

それでははじめに飲食店開業までの大まかな道のりや必要な心構えを見てていきましょう。

飲食店開業の流れ

飲食店の開業には、準備期間を含め通常1年、短くても半年程度の期間が必要です。

これから飲食店の開業をどのように進めていくのかおおまかなスケジュールを一覧表にしてみると「いつ、何をすべきか」を把握しやすくなります。

①半年前・・・コンセプトの作成

まずは頭の中にあるお店のイメージを第三者に説明できるよう形にしましょう。

ターゲット層や価格帯、エリア、メニュなどを検討し「どんなお店にしたいのか」を明確にします。

コンセプトが決まればそれに合った店舗物件を探しましょう。

②5ヶ月前・・・事業計画や資金調達

コンセプトを元に事業計画を作成します。事業計画書は開店資金の融資を受ける際にも必要です。

③3ヶ月前・・・店舗の内外装の施工着手とメニューの開発

物件が決まれば内装や外装の施工と、お店で提供するメニューの開発にとりかかります。

④1~2ヶ月前・・・諸官庁への届出や手続き、備品の購入や求人募集

保健所や消防署への届出やお店で使う調理器具などの備品を揃えましょう。従業員を雇う場合には求人を行ないます。

⑤2週間~1ヶ月前・・・各種マニュアルの作成、従業員教育、販促活動

各種マニュアルを作成し、従業員に対し接客や調理の研修を行ないます。

チラシやホームページの作成など販促活動も始めましょう。

「好きだから」で決めて良いの?

飲食店開業までの大まかな流れを把握いただけたでしょうか。

飲食店を開業するまでにはいくつかの手順を踏まなければいけませんが、中でもコンセプトの作成は特に大切です。
飲食店は比較的参入障壁が低い事業だと言われていますが、はっきりとしたコンセプトを持たず「とりあえず好きだから」といった理由だけで開業するのはおすすめできません。

コンセプトがあればそれに沿って行動を起こすことができますし、方向性が決まっていれば様々な判断がつきやすくなります。

お店の場所の決め方

コンセプトに合った希望する全ての条件をクリアする立地を見つけるのは簡単ではありませんが、賃料やエリアなど優先順位をつけると希望に近い場所が見つけやすくなります。

コンセプトに沿ったイメージ通りの飲食店が作れるスケルトン物件は人気がありますが、開業資金を節約したいとお考えなら、初期投資が少なく済む居抜き物件もおすすめです。

飲食店の開業へ第一歩、資金集めはどうする?

開業資金の不安や疑問も解決!

飲食店を開業するためには資金の準備が必要です。

やはり気になるのは「飲食店の開業資金はどのくらい必要なの?」「資金ゼロからでも始められる?」といった点ではないでしょうか。

飲食店開業までに準備しておきたい資金額や助成金制度などについて見ていきましょう。

開業までにかかる資金はいくら?

それでは飲食店の開業までにかかる資金はどのくらいなのでしょうか。

日本金融政策公庫総合研究所の「2017年度新規開業実態調査」によれば資金調達費用の平均額は1,323万円となっています。
飲食店開業にかかる費用の内訳は大きくわけると、店舗を借りる際の保証金や敷金などの「物件の取得費用」と、店舗の内外装や備品購入といった「店舗投資費用」の二つです。

資金調達の平均額が1,000万円以上と聞くと不安に感じるかもしれませんが、資金を融資してもらったり借り入れる方法もあります。

次で詳しく見ていきましょう。

開業資金ゼロでも始められる!?

開業資金が不足していても、様々な手段で不足を補える可能性があります。

①日本政策金融公庫からの借り入れ・・・まずは日本政策金融公庫へ相談に行きましょう。

飲食店を開業させるまでの融資の流れや制度、返済方法などの説明を受け、借入申込書や創業計画書(開業計画書)に必要事項を記入し、添付書類と一緒に提出した後に面談が行なわれ、融資が決定すれば資金が指定口座に振り込まれます。

②自治体の制度融資からの借り入れ・・・各地方自治体が信用保証協会、金融機関などと連携し、中小企業の資金調達などを支援する制度です。まずはお近くの自治体へ問い合わせをしてみましょう。

③友人や知人、身内からの借り入れ・・・友人や知人、身内などから不足している開業資金を借り入れる方法です。

近しい人との金銭の貸し借りは、場合によってはトラブルに発展することもあります。

トラブルを避けるためにも、資金を借り入れる前には事業計画や返済条件などを説明し、借用書や金銭消費貸借契約書を交わしましょう。

助成金も利用しよう

飲食店の開業時には一定の条件を満たせば助成金や補助金が交付されます。

先に紹介した融資や借り入れとは違い、助成金や補助金は返済する必要はありません。

助成金や補助金の申請には規定の時期や必要な書類があります。

「飲食店の開店準備が忙しく申請時期を逃してしまった」「書類の作成が間に合わなかった」というケースも多いので、損をしないためにもきちんと流れを把握しておきましょう。

公的な書類作成のプロである社会保険労務士の力を借りるのもおすすめです。

「飲食店を開業したいけれど、自己資金はゼロに近い」「なかなか資金が集まらない」とお悩みの方も、融資や助成金を上手に活用すればスムーズに準備が進むでしょう。

資金調達などは税理士に相談できる

一口に資金調達・助成金を受けると言っても「まずは何をしたら良いのか」「どんな書類を用意しなければならないのか」分からないことだらけですよね。

お金に関しては絶対に失敗したくありませんよね。

行政期間でも教えてはくれますが、やはり資金繰りに関しては知識のある専門家と二人三脚で進めると安心です。

そんな時には、ミツモアでパートナーとなってくれる税理士を探してみませんか?

ミツモアでの税理士への依頼相場は下図のようになっています。

価格の開きは、創業年数やどの範囲までのサポートを求めるかで大きく変わってきますので、いまご自身が何に困っていて、どんなサポートを欲しているのか明確にして見積もり依頼を出しましょう。

依頼内容に沿って、内訳と見積もりを最大5名のプロから受け取ることが出来ます。

また、実際にどんな業務をお願いできるのかや、ミツモア登録税理士の方々の口コミが知りたい時には『融資・資金調達・助成金に強い税理士』のサービスページをご覧ください。

よくある質問の欄では、実際にユーザーの皆さんからの質問に、税理士の先生からご回答が届いています。

依頼した際のやり取りの雰囲気なども掴めますよ。

許可や各種申請の届け出場所は?

どんな手続きが必要?

飲食店の開業には、届け出なくてはいけない申請や必要な許可があります。

「いつ、どこへ、どんな書類を申請すればいいの?」と戸惑う方も多いはずです。

申請や届出を怠ればペナルティーが課されたり損をすることもあります。

ここでは、安心して飲食店の開業ができるよう必要な届出や資格などを見ていきます。

飲食店の開業の許可申請の流れ

飲食店を開業する際には、保健所への許可申請と消防署への届出が必要です。

①保健所への許可申請の流れ

1.店舗物件の内外装の工事が始まる前に、保健所へ行き施設基準をクリアしているかどうか判断してもらいます。
2.店舗の工事が完了する10日前までに必要書類を保健所へ提出します。
3.店舗の完成後、施設基準に合致しているか保健所に判断をしてもらいます。
4.営業許可書が交付されます。

②消防署への届出

消防署へは「防火管理者」と「乙種防火管理者」または「甲種防火管理者」の届出をします。

届出別に詳細を見ていきましょう。

1.「防火管理者」の届出が必要になるのは、店舗の収容人数が従業員を含み30人以上のケースです。収容人数が30人未満の場合には届出は要りません。

2.「乙種防火管理者」は店舗の延べ床面積が300㎡未満の場合に届出ます。

3.「甲種防火管理者」は店舗の延べ床面積が300㎡以上の場合に届出ます。

1.の「防火管理者」の届出には資格の取得が必要です。後から詳しく解説していきます。

③警察署への届出

保健所や消防署への許可申請や届出の他に、お店でお酒を提供したり深夜0時を過ぎても営業をする場合には、警察署へ深夜酒類提供飲食店営業開始届の提出が必要になるのでご注意ください。

④税務署への届出

確定申告をする際、青色申告をしたい方は「開業届」を税務署へ提出すると、一緒に青色申告承認申請ができます。

「開業届」の提出は義務ではありませんが、届出をすれば一年間の収入から経費に加え65万円の控除ができるといったメリットがあります。

飲食店の開業に必要な最低限の資格

それでは、飲食店の開業に必要な資格を見ていきましょう。
「飲食店の開業」というと「調理師免許が必要だろう」と思われる方が多くいらっしゃいますが、飲食店の開業に調理師免許は要りません。飲食店の開業に必要な最低限の資格は、「食品衛生責任者」と「防火管理者」の2つです。「資格の取得」と聞くと「難しいのではないのだろうか」と不安になるかもしれませんが、どちらの資格も講習会に参加すれば取得できます。

・食品衛生責任者・・・都道府県で実施している講習会に参加します。受講費用は10,000円程度で、講習期間は1日です。

・防火管理者・・・各地の消防署が実施している講習会に参加します。受講費用は3,000円~5,000円程度で、講習期間は甲種は2日、乙種が1日です。

どの種類の許認可が必要なのか?

ここまでの説明で、「まずは保健所へ」と思われた方も多いかと思います。しかし、保健所で取得できる食品に関わる許可はとても多いのでご注意ください。

「飲食店営業」や「喫茶店営業」だけでなく、提供するメニューや営業形態、販売方法によっては「菓子製造業」や「乳製品製造業」などの許可を一緒に取得する必要があります。

保健所に飲食店開業の許可を取りに行ったが「種類が多くて困ってしまった」ということのないように事前にきちんと確認しておきましょう。

許認可に関しては行政書士に相談できる

許認可に関する専門家と言えば行政書士です。

ご自身が営業したい飲食店の種類や、取り扱いたいメニューなどを具体的に提示して、行政書士に一体何の許認可を取れば良いのか相談してみましょう。

許可が下りるまでのアドバイスや、書類作成のサポートなどをしてくれます。

また、『許認可に強い行政書士』のサービスページでは、ミツモア登録行政書士の評判や、許認可に関する質問に行政書士の方々か答えてくれています。

行政書士の方々がどんな風にサポートしてくれるのか、参考になること間違いなしです。

宣伝の準備をしよう!

インパクトのある写真で宣伝を!

飲食店に限らず開業時には、集客をするための宣伝が欠かせません。「宣伝」といってもチラシの作成からSNSの利用まで手段は多岐に渡るので、「どの宣伝媒体を使えばいいの」「宣伝準備には何が必要?」と迷われてしまうかもしれません。

しっかりと宣伝のポイントを抑えれば費用対効果抜群の宣伝ができるでしょう。

どの宣伝媒体を使うのがベストなのか

以前は宣伝というと、折り込みチラシやポスティングなど紙媒体を使っての方法がメインでしたが、インターネットの普及により宣伝方法にも変化が出ています。

コンセプトの作成時に絞り込んだターゲット層やターゲット地域に合った宣伝媒体を選びましょう。

・折り込みチラシやポスティング・・・特定地域へ宣伝活動をするなら、折り込みチラシやポスティングは効果的です。

・SNSの利用・・・FacebookやTwitter、InstagramなどのSNSは、日替わりメニューやお店の様子を随時投稿することができます。投稿が拡散されればお店の知名度アップや見込み顧客へのアプローチができるでしょう。

・ホームページの開設・・・インターネットの普及から事前に情報を調べる人が増えています。ホームページは名刺代わりとも言われ、お店の認知度アップにつながるでしょう。

・ブログ・・・ネット検索でブログがヒットすれば、見込み顧客だけでなく潜在顧客へのアプローチができ、SNSとリンクさせることでより宣伝効果が高まります。

・webサイト・・・食べログやぐるなび、ホットペッパーなどのグルメ系紹介サイトの利用。掲載料はかかりますが、口コミやクーポンを元にお店選びをしている人へアプローチができます。

・ビラ配り・・・お店周辺への宣伝にビラ配りは効果的です。クーポンや引換券などを付ければ来店への動機付けになるでしょう。

・ポスター・・・記憶に残るデザインや訴求力のあるポスターは集客効果を高めます。

タイプの異なる宣伝媒体を組み合わせれば相乗効果を生み、集客効果を高めることができるでしょう。

ミツモアではホームページ作成が依頼できる!

「いざ、ホームページを作ってみよう!」と思い立っても、ご自身で0からコードを書ける方は少ないのではないでしょうか。

また、簡単にホームページを作成できるツールを使用しようとしても、思い通りのデザインにできなかったり、ホームページに使う画像を探したりなどしていると時間がいくらあっても足りません。

そんな方におすすめなのは、ホームページ作成を代わりに行ってくれる業者に依頼をすることです。

いくらくらいかかるのかと言うと、下図がミツモアでのホームページ作成業者の価格分布になります。

約12万円~30万円と開きがありますが、写真やイラストの準備もお任せするのか、どんな機能を付けたいか等で価格は変動します。

飲食店のホームページ作成業者がどんな業務を行ってくれるのか、それぞれのおおまかな値段をもっと詳しく知りたい方は『飲食店ホームページ制作のサービスページ』をご参照ください。

写真の準備をしよう!

宣伝媒体を問わず、顧客に興味を持ってもらうためには写真の活用が欠かせません。

写真を使えば「どんなお店でどんな料理を提供しているのか」をダイレクトに伝えることができます。

「このお店に行って見たい」「この料理を食べてみたい」と感じてもらえるようなインパクトのある写真を準備しましょう。

また、写真は文字や文章よりも見る人の視線を引きつけますので、店内で利用するメニュー表やメニューボードにもどんどん写真を取り入れるべきです。

ここで重要となるのが、写真の撮り方。昨今のデジタルカメラは機能も進化しており、料理専用のアプリを駆使すればご自身で写真を撮ることも可能です。

しかし、機材を揃えるには費用がかかりますし、ライティングやスタイリングのコツを掴むには時間もかかるでしょう。

例えば「良い写真が撮れた」と思っても、全ての写真のクオリティーを揃えることはできるでしょうか。

段取り良くインパクトのある写真をご希望なら、プロのカメラマンへ依頼をする方法もあります。

機材や技術力を備えたプロのカメラマンなら、お店のコンセプトや雰囲気が伝わる店内写真はもちろん、シズル感たっぷりの料理写真の撮影が可能です。

ミツモアでの料理写真の料金相場

ミツモアには、料理写真の撮影を請け負うプロが登録しています。

撮影料金を決める要素は、料理の品数やカメラマンの拘束時間、加工希望の有無などできまります。

ミツモアでは、チャット形式でプロカメラマンとコミュニケーションを撮ることができますので、どのような写真が何枚欲しいのかを相談してみましょう。

それに応じて、見積もりと内訳を送ってくれますよ。

料理写真のプロはどんな写真を撮影するのか、口コミや評価はどうか知りたい場合は『料理写真・飲食店撮影のサービスページ』をご覧ください。

上記の他にも、他の方がどんな風に依頼を出しているのかを見ることができます。

見積もり依頼の参考になりますよ。

まとめ ミツモアでプロを探そう!

心強いプロをミツモアで見つけよう!
(画像提供:PIXTA)

資金調達やホームページの作成など、これまでやったことのない手続きや作業が発生する飲食店の開業。

誰かに相談したい、手伝って欲しい、専門家に相談したい時には、ぜひミツモアでプロを探しましょう。

税理士、行政書士、カメラマン、ホームページ制作業者など、ミツモアには全国から経験豊かなプロが集まっています。

依頼したい内容などを入力すれば、最大5社から見積もりがもらえます。

ミツモアには、飲食店の開業から運営まで、幅広くサポートしてくれるプロが見付かりますよ。