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シュロの木とは?基本的な情報や特性、育て方について

最終更新日: 2021年04月06日

シュロの木は比較的に手間をかけずに育てられる常緑樹として知られており、一般家庭でも広く親しまれています。

育て方によっては大きく生長させられ、見映えがする点でも人気です。栽培するうえでの注意点や、剪定・伐採の仕方などについて解説します。

シュロの木の基本を知ろう

細長い葉が大きく広がるシュロの木は、幅広い層の人々から人気を集める品種です。青空によく似合い、爽やかなイメージを演出してくれます。

南国をイメージする人も少なくありませんが、どのような樹木かよく知らない人もいるでしょう。

そこで国内の一般家庭でもよく目にするシュロの木の概要について解説します。

シュロはヤシの仲間

ヤシ科シュロ属に分類され、国内で広く知られる品種は「ワジュロ」です。それ以外にも中国原産の「トウジュロ」などがある常緑樹です。

標準的には幹径が10~15cmになり、高さは3~7mに生長します。幹は直立した状態で真っ直ぐ上に向かって伸び、上部を枯れた葉と繊維状の葉鞘(ようしょう/鞘状になった葉の基部で茎を包む部分)が覆う形状です。

葉は幹先に集中して密生しています。径が50~80cmとなる扇状の葉は、一定の間隔で先端から葉の基部に向かって2/3程の深さにまで裂けています。そのためパッと見ると細い葉が扇上に広がっているように見えるのです。

5~6月になると、葉の基部から肉質の花を咲かせるでしょう。枝分かれした小さな花が集まった円錐花序(えんすいかじょ)が現れ、薄く黄色に染まった小花をたくさん付けます。秋に熟す果実は青黒く、小鳥たちの餌になっています。

生長は遅いが大きく育つ

生長の速度は遅い部類の植物です。スラリと真上に伸びる姿からどんどん伸びる印象を抱く人もいますが、ゆっくりと育つ特性を持っています。

育てるうえで手間はさほどかからず、水やりも冬場はほぼ不要です。庭植えであれば、自然に降る雨だけで十分といえます。

生長の速度が遅めである一方で、大きく育つことも特徴です。ヤシの一種であり、夏のイメージを抱かれやすい品種ですが、実は寒さにも強い側面があります。

そのため少しお手入れをしていない間に、気がついたら想像以上に大きくなっていたということもあるのです。

名前が似ているシュロチクは別の種類

「シュロチク」という種名を、耳にしたことがある人もいるでしょう。シュロとよく似た名前ですが、別の品種です。

シュロチクは中国南部原産のヤシ科ラピス属に分類されます。標準的なもので5m程の高さにまで生長します。スラリと細長い葉姿が爽やかな印象を与え、ショップや各家庭のシンボルツリーとしてよく採用される品種です。

美しく清潔感のある緑色の葉を付けることから「緑の宝石」とも称され、お屋根のインテリアとしても活用されています。2m程の樹高の品種もあり、室内にも収まることから観葉植物としても人気です。

耐陰性もあり、日本の気候にとても合うシュロチクは、育てやすさも魅力といえます。

シュロをうまく育てるには

栽培の経験がない人にとっては、不安がつきものです。そこで上手に育てるコツについて解説しましょう。

植え方で気をつけること

地植えでは、1本1本に高低差をつけて植えると、育ったときに見栄えのする光景となります。シュロが並んだときに、ビジュアルに立体感が生まれるでしょう。

真っ直ぐに上へと伸びるため、上部にはなにもない場所に植えなければなりません。玄関回りのシンボルツリーにしようと軒先などに植えてしまうと、失敗の原因になります。

耐陰性があり、陰樹に分類されるため、幼木の時期はできるだけ日の当たりすぎない場所に植えることも大切です。生長後に植え替えをする場合は、日当たりのよい場所でも問題ありません。

水の与えすぎに注意

シュロの木全般にいえることですが、水やりにはさほど神経を使わなくても大丈夫です。国内の気候であれば、自然による降雨のみで十分でしょう。

土壌には腐葉土などを使い、水はけのよい状態を保つことが大切です。水気が多すぎると吸収が追いつかず、その結果根が腐ってしまう可能性があります。

加えて、必要以上の水気や湿気は、害虫を引き寄せる原因にもなりかねません。ハダニなどが発生することがあるのです。

肥料は2月から3月に

肥料を与える回数は、年に1度だけです。与えすぎは、逆効果をもたらしてしまいます。

鉢植え・直植えに関わらず、肥料を撒く時期は2~3月が適しています。堆肥や鶏糞、腐葉土や緩効性の固形肥料を用意し、樹木の根元を取り囲むように溝を掘り、そこに撒いていきましょう。生長の速度と合わせるために、液肥を使用しないこともポイントの一つです。

もしも植えた場所の水はけが悪ければ、鹿沼と赤玉土を混ぜることで土壌を改善できるでしょう。

シュロの木は活用法が豊富

シュロの木は古来より、余すことなく全てを使える木として、人々の生活に役立ってきました。そこで、あまり知られていない活用法についても紹介しましょう。

皮の繊維はタワシやほうきに

シュロの幹の繊維は、とてもしなやかで伸縮性を備えています。また、水にも強く丈夫です。そのような特性を活かし、繊維を束ねてタワシやほうきを作れば家事に活用できます。

シュロのほうきは、使うほどに風合いが増していき、掃除をする人の手にも馴染んでいきます。そのため、10~20年という長きにわたって使い続けられるものなのです。

柔軟な特徴は、タワシにすると食器や炊事道具を傷つけることなく洗える利点があります。繊維が細かい部分にまで届くため、汚れをしっかり落とす効果もあるのです。

加えて、幹の皮にはワックス効果も期待できます。植物性油脂が含まれているため、皮で畳やフローリングを掃除すると、表面に油膜を張り、保護効果が生まれるでしょう。

幹は鐘つきの棒になる

繊維はしなやかで柔らかい性質を持っていますが、幹そのものはとても堅くて丈夫です。頑丈で太さも手頃な幹は、撞木(しゅもく)といって、お寺の鐘をつく棒として昔から使用されてきました。

繊維が詰まっている幹は、重さも程よく扱いやすいものです。また、柔軟性も備わっていることから、鐘をついたときの音がとてもよいと評価されてきました。

このように、シュロの木は、生活のさまざまな面で幅広く活用されてきた樹木なのです。

シュロの剪定や伐採について

上手に育てるうえで、剪定や伐採は不可欠な作業です。基本を知って、正しい作業を行いましょう。

基本的に剪定や伐採は難しい

木の表面は、繊維状の皮で覆われた状態です。伐採でチェーンソーなどを使用する際に、繊維に刃が引っかかりやすいため、作業にはある程度の慣れと慎重さが必要になります。

高い木を切り倒すには技術と広いスペースが必要ですが、一般的な住宅の庭だと、何度かに分けて切っていかなければなりません。また、伸びたシュロを切るにあたっては、電線にも注意が求められます。

幹はとても堅く、重さもあります。繊維が詰まった幹を切断するには、慣れていないと苦労をともなうかもしれません。

剪定や伐採に必要な道具

シュロの剪定や伐採作業にあたって、必要な道具は以下の通りです。

  • ナタ
  • 剪定バサミ
  • チェーンソー
  • ハシゴ
  • ロープ
  • 軍手
  • 作業着
  • ヘルメット
  • ゴミ袋

剪定や伐採の手順は、おおまかに次の通りです。

  1. ハシゴを立てかけロープで木に固定する
  2. ナタで繊維の皮を剥く
  3. 剪定であれば剪定バサミで高い所から不要な葉を切り、伐採ならば40~50cmずつチェーンソーで切り落とす
  4. 切り取った木をゴミ袋に入れて処分する

剪定や伐採の際に注意することは

高く伸びる木であるため、1人で作業せず、必ず2人以上で行いましょう。特に、ハシゴが外れケガをするケースが多いため、サポートは不可欠です。

シュロの幹はとても重さがあります。伐採で落ちてくる際に頭を打つ事故も想定されるため、作業する人は全員ヘルメットを着用します。

切り倒す場合は、最も安全な方向に向けて倒すことが重要です。角度を誤ると、外壁や塀を破損しかねません。

大量の繊維で覆われている幹の部分には、いきなりチェーンソーを使用してはいけません。刃が絡まる事故につながりやすいため、ある程度はあらかじめナタで剥がしておきましょう。

シュロの木にもっと詳しくなろう

シュロの木は、爽やかかつダイナミックな姿から、シンボルツリーとして採用するなど国内でも人気の樹木です。

ただし、剪定や伐採には慣れが必要であることなど、知っておくべき点もあります。詳しい知識を備えて、上手にシュロの木を育てましょう。

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