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種類豊富なコニファーは庭木にピッタリ!目的別のおすすめ品種を紹介

最終更新日: 2024年06月28日

庭の植栽として人気がある「コニファー」は園芸用針葉樹の総称です。

コニファーにはさまざまな色合いや樹形があり、シンボルツリーや生垣、グランドカバーなど、品種ごとに適した使い方が異なります。

目的に応じたコニファーの選び方やおすすめの品種をご紹介します。

コニファーとは?

コニファー

見映えのする樹木が植えられた庭は、季節ごとに異なった表情を見せ、住宅の印象を大きく向上させます。何を植えようかと考えながら雑誌やネットを眺めていると、コニファーをすすめる意見を見聞きするでしょう。

実際にコニファーは数多くの住宅で庭木として採用されています。コニファーとは一体どのような植物なのでしょうか。その概要から見てみましょう。

コニファーとは針葉樹の総称

「我が家は庭木にコニファーを植えている」と聞くと、具体的な品種名だと思いがちです。しかし、固有名詞ではなく「数多くの品種が位置付く針葉樹の総称」として使われています。

対象は「ヨーロッパで自生している針葉樹」で、成長したときの樹高は「0.5~20m」程度と広く当てはまります。その中から手入れがしやすい低木が、ヨーロッパ諸国をはじめとして日本でも庭木として用いられるようになりました。

種類が豊富な点も魅力

コニファーの種類は実に500以上とされています。品種で見るとなんと数万ともいわれ、その幅の広さには驚かされるでしょう。

多数の科目にまたがっている点もコニファーの特徴です。主なものを以下に紹介します。

  • マツ科
  • ヒノキ科
  • ナンヨウスギ科
  • イヌマキ科
  • イヌガヤ科
  • コウヤマキ科
  • イチイ科

これらは、あくまでも一例にすぎません。コニファーは多様な科目に位置づいています。

目的に合ったコニファーの選び方

コニファー

庭に植えるコニファーを選ぶにあたって、どのような基準で決めたらよいのでしょうか?選定のポイントについて解説します。

大きさで選ぶ

「庭と住宅のバランスにあった適切なサイズ」の樹木を選ぶことが大切です。数多くの種類・品種が存在するコニファーですが、なかには「20mを超えるくらい」にまで成長するものもあります。

また、コニファーの特性のひとつに「成長が比較的に早い」点があります。葉の色・形だけで選んで植樹した結果「思いのほか大きく育ちすぎる」と困惑するケースも珍しくありません。

愛着がわいて何年も大事に育てているうちに、気づくと当初のイメージを越えて伸びていることもあるでしょう。庭木として採用する上では、「成長したときの大きさ」を踏まえて選ぶことが大切です。

色や形の好みで選ぶ

樹木はそれぞれに、葉の色や樹形に違いがあります。コニファーにおいても「付ける葉の色づき方」や「全体の樹形」は品種によって異なるのです。

育てる前には、季節ごとに葉がどのような色に染まり、成長するにつれどういった形になるのかを把握しておきましょう。そのうえで、自分の好みに応じて選ぶことをおすすめします。

住宅の外壁の色や形状に合わせて、庭木を選ぶことも重要です。家庭用の庭木として育てる場合、樹木単体だけでなく「庭全体のバランス」も見ておきましょう。庭と隣接する建物と調和した色・形の樹木を選べば、住宅全体のイメージをより向上できます。

人気のある代表的な品種①ゴールドクレスト

ゴールドクレスト

ヒノキ科イトスギ属に分類されるコニファーで、国内ではもっともポピュラーな品種といえます。山椒や柑橘系を思わせる独特のさわやかな香りが特徴的です。

生育旺盛で、自然に任せておくと樹高が20mほどになることもある高木です。自宅の庭で育てる場合は、ちょうど良い大きさにとどめるために定期的に剪定しましょう。

幹や根に水を溜め込みすぎると「蒸れ」によって枯れやすくなります。一方で、根は浅いため水を吸いにくく、乾燥しやすいのも特徴です。山砂を使用するなど、水はけのよい状態で水をやりすぎずに育てることが肝心です。

人気のある代表的な品種②ブルーアイス

ブルーアイス

ヒノキ科ホソイトスギ属に属する品種です。

白みを帯びた銀色の葉を付けるシルバーリーフのひとつとして、高い人気を集めています。新しい枝が伸びる5~6月が、シルバーブルーの葉が最もきれいに輝く時期です。

森の中にいるかのような爽やかな香りで、生活を邪魔するようなきつい臭いを発しないことも庭木に相応しい要素です。害虫が寄生しにくく丈夫な点からも、育てやすい品種といえるでしょう。

【目隠し・生垣】おすすめコニファー3選

コニファーの生垣

ある程度の高さに成長するコニファーは、目隠し用の生垣として植えるのにおすすめです。

生垣は見た目や大きさを保つためにも定期的に刈り込みや剪定をしたほうがよいので、剪定の刺激に耐えられる品種を選びましょう。

エメラルドグリーン

  • ヒノキ科クロベ属

気温の高低にも左右されることなく、広い地域で育てられる点が評価されている品種です。全国の家庭の多くで採用されています。

樹高も「3mほど」まで成長するため、低すぎず高すぎません。この点からも、庭木に適している品種といえます。スラリとした姿も、生け垣用に向いているでしょう。低めにしたい場合は、こまめに剪定をするのがポイントです。

乾燥にも耐性がある一方で、湿度には弱いため水やりは少なくて大丈夫です。秋のはじめと真冬に「寒肥(かんぴ・かんごえ)」を与えておくと、春以降の葉の色がよくなります。

ヨーロッパゴールド

ヨーロッパゴールド

  • ヒノキ科クロベ属

樹高が高くなりすぎず、ゆっくりと育つ品種なので、生垣として植えるのに向いています。

春は黄金色、夏は緑色、冬は黄金がかった褐色というように、季節ごとに少しずつ葉色が変わっていき、一年を通して違った顔を楽しめます。

エレガンティシマ

  • ヒノキ科クロベ属

自然ときれいな円錐形に育ち、手間があまりかからないので、ガーデニング初心者にもおすすめの品種です。刈り込みにも強く、樹形を整えたいときにも思い切って剪定ができるでしょう。

暖かい季節は明るい緑色をしており、冬は茶色っぽく変化します。

【低木】おすすめコニファー2選

低木のコニファー

あまり樹高が大きくならず、低木のままで楽しめるコニファーもあります。

大きな木を植えるスペースはないけれど植栽を楽しみたいという方や、花と合わせて庭をにぎやかにしたいという方におすすめです。

シルバースター

シルバースター

  • ヒノキ科ヒノキ属

成長しても2m以下におさまることが多く、管理しやすい大きさのコニファーです。

涼しげな青緑色の葉をしており、剪定をしなくてもきれいな円錐形に育ちます。

ラインゴールド

ラインゴールド

  • ヒノキ科クロベ属

幼木の頃は半球形にこんもりと成長し、成木になるにつれて芯が伸び、紡錘形に近づいていきます。摘芯をすることで半球形のまま育てることも可能です。

葉は先端がオレンジ色、根元がライムグリーンという独特の色合いをしています。

【グランドカバー】おすすめコニファー3選

コニファーのグランドカバー

「グランドカバー」とは、地面を覆うように植物を植えること。庭をおしゃれに演出するほか、雑草の繁殖をおさえたり、土の乾燥や流出を防ぐはたらきをします。

まっすぐ高く伸びるイメージが強いコニファーですが、中には「這性(はいせい)」「匍匐性(ほふくせい)」と呼ばれる、地面を這うように成長する品種もあるのです。

グランドカバーに適したコニファーを3種類ご紹介します。

フィリフェラオーレア

フィリフェラオーレア

  • ヒノキ科 / ヒノキ属

別名を「オウゴンヒヨクヒバ」といい、垂れ下がるようについた黄金色の葉が特徴的です。

自然樹形はすその広い円錐形で、放っておくと樹高も5m超に成長しますが、上方に伸びる枝を刈り込んでグランドカバーとして育てられることが多いです。

ゴールデンモップ

ゴールデンモップ

  • ヒノキ科ヒノキ属

フィリフェラオーレアの変異種といわれており、葉色がよく似ています。フィリフェラオーレアに比べて枝が立ち上がりにくく、先端が垂れ下がるので、枝が伸びて成長すると半球型に見えます

ブルーカーペット

ブルーカーペット

  • ヒノキ科ビャクシン属

ほふく性のポピュラーなコニファーで、枝が横へ成長する品種です。春から夏にかけては灰青色や青緑色の葉が茂り、冬になると茶褐色になります。

葉先はやわらかく、触ってもあまりチクチクしません。

コニファーの剪定時期と方法

剪定されたコニファー

コニファーは基本的に剪定をしなくても元気に育つ樹木ですが、放っておくと管理しきれない大きさに成長したり、茂りすぎて見た目が悪くなったりしてしまいます。

きれいな外見を保つためには、定期的に剪定をして形を整えてあげると良いでしょう。

コニファーの剪定方法については以下の記事でも詳しく説明しているので参考にしてみてください。

関連記事:コニファーの剪定方法は?適切な剪定時期や注意点も紹介|ミツモア

剪定に適した時期

コニファーの剪定に適した時期は、冬を越して暖かくなってくる3~4月頃です。

この時期には、大幅に枝を切り落として樹形を整えたり、透かし剪定をして風通しをよくしたりします。

枯れた枝葉を取り除いたり、一部の伸び過ぎた枝葉を切り取ったりする軽い剪定は、6月頃または10月頃にもおこなうことができます。

コニファーは暑さへの耐性がないので、気温の高い7月末から9月上旬にかけては剪定を避けましょう

剪定方法

3~4月の剪定に最も適した時期には、枝をたくさん切り落とす強剪定をします。

放っておくとぐんぐん伸びるので、高さをおさえたい場合はこの時期に主幹を切り取る「芯止め」を行いましょう。

あわせて混みあった枝の間引きや、枯れた枝の除去をして、風通しや日当たりをよくします。

6月や10月の軽い剪定の時期には大がかりな枝の剪定はせず、枯れた部分を取り除いたり、手でちぎってかんたんに樹形を整えたりする程度にとどめましょう。

自宅に合ったコニファーを選ぼう

コニファーブルーカペット

庭木は住宅の外観を好印象に導く大切なアイテムといえます。木々が生き生きと育つ庭を持った住宅は、住む人の温かい人柄をも連想させるものです。

コニファーは手入れが簡単でサイズも日本の住宅に見合ったものが多いため、庭木として人気があります。自宅に合った種類を選び、素敵な家づくりを実践しましょう。