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ニオイヒバはどうやって育てる?育て方や管理方法について解説

最終更新日: 2021年03月02日

ニオイヒバは種類が豊富で、緑色や黄色、銀白色など品種ごとに異なる葉色が楽しめるコニファーです。独特の甘い芳香で、リラックス効果も期待できます。自宅で育てる方法やポイント、普段の世話の方法について詳しく解説します。

ニオイヒバとは?

ニオイヒバ

まずはニオイヒバの基本情報をチェックしましょう。どこにどんな用途で植えるのか、どんな特徴があるかなど、自分の目的に合う樹木かどうかを確認してから購入するとよいでしょう。

さらに豆知識として、名前の由来や花言葉についても知っておくと、より親しみが湧くのではないでしょうか。

ニオイヒバの特徴

ヒノキ科の針葉樹(コニファー)です。樹高が15mに達するものから1m未満の園芸用矮性種まで、さまざまな種類があります。

北アメリカが原産地で、生育が旺盛なうえ暑さにも寒さにも強いため、初心者でも育てやすいでしょう。

葉は鱗片(りんぺん)状の卵形をしており、先端が鋭くとがっています。表面は緑色や黄色など、品種によって色のバリエーションが豊富です。

葉肉には精油を含んでおり、かすかな甘い芳香を放ちます。建築や船舶の木材となったり、精油を薬用とするなど用途が豊富です。

家庭では庭のシンボルツリーや生垣、クリスマスツリーのほか、ボール型や卵型、円錐型など観葉植物として樹形を楽しめるでしょう。

ニオイヒバの種類

ニオイヒバの品種は数多く、葉の色や樹形、香りなどもさまざまです。ここでは市場によく出回っている品種をピックアップしました。目的や好みに合わせて選びましょう。

  • エメラルド:「スマラフト」「スマラグ」とも呼ばれる。濃い緑色の葉と甘い柑橘系の匂いが特徴
  • ゴールドクレスト:近年はクリスマスツリーとしても使われる。山椒のような独特の香り
  • 黄金ヒバ:葉先が黄金色になる。フラワーや生け花の花材にもよく使用される
  • ヨーロッパ・ゴールド:黄色の葉色が美しく、街路樹など列植に向く
  • コノテヒバ:子どもの手の平のような葉形。生垣などに向く
  • グロボサ:樹高約1.5m、濃い緑色の葉と球形の樹形が特徴的

ニオイヒバの名前の由来と花言葉

漢字では「匂檜葉(匂う檜の葉)」と書くとおり、名前は独特の芳香を持つことに由来します。

これは葉肉の中に含まれる精油の匂いで、「フィトンチッド」と呼ばれる森林の香りです。リフレッシュやリラックス効果が期待できます。

花言葉は「固い友情」「真の友情」、また「私のために生きて」などです。ポジティブな言葉なので、自宅用にはもちろん友人や知人、恋人へのプレゼントにも向いているでしょう。

クリスマス時期には、鉢植えのクリスマスツリーやリースとして贈るのも素敵です。

ニオイヒバ植え付け前までの育て方

黄緑色が美しいニオイヒバの実

植物を育てるためには、ただ花や木そのものを購入すればよいわけではありません。その前段階として、植え付け前の準備も大切です。

ニオイヒバが健康的に育つための環境と、実際の植え付け方法について学びましょう。

育てる環境をチェック

ニオイヒバが好むのは、日当たりと水はけのよい場所です。

一般的には半日陰でも育ちやすいものの、日光が足りないと葉が枯れやすくなったり、黄色い葉色の品種は濃い緑色となりせっかくの葉の特長を生かせなかったりします。

地植えの場合はあらかじめ日当たりのよい場所を選ぶ、鉢植えの場合は季節によって置く場所を変えて対応するとよいでしょう。

また水はけに関しては、地植えの場合は用土をよく耕したり、ピートモス・腐葉土などを混ぜ込んだりすることで向上できます。鉢植えでは鉢底石を入れることで対応も可能です。

用土と植え付けの方法

地植え・鉢植えいずれも可能です。大きく育てて庭のシンボルツリーや目隠しにしたいなら、地植えが適しているでしょう。

植え付け時期は年間いつでもOKですが、冬までにしっかり根付かせるためには、暖かくなる3~4月が適します。水はけのよさが大切なので、用土に腐葉土などを混ぜましょう。

また矮性品種や小さく育てたい場合は、鉢植えが便利です。水はけのよさと有機物質の多い土を好むため、用土には赤玉土と腐葉土または堆肥を混ぜたものか、市販の培養土を使用します。植え付け時期は3~4月か9~10月がよいでしょう。

地植え・鉢植えの共通点として、植え付け時には底に緩効性肥料か有機質肥料を元肥として加えます。

ニオイヒバ植え付け後の育て方

黄緑色が美しいニオイヒバの実

植え付けてから最初の2年ほどは、より丁寧なケアが必要です。小まめに木の様子を見ながら、適切な世話を続けましょう。ここでは特に水やりと肥料にフォーカスし、ニオイヒバを育てるコツを解説します。

水やりについて

ニオイヒバは水切れに弱い樹木です。水が足りないと、葉が茶色く変色したり枯れてしまったりすることも珍しくありません。

地植えの場合は植え付けから2年未満とそれ以降で対応が変わります。2年未満の幼木はまだ根の吸水力が弱いため、土の表面が乾いたらたっぷりと水をあげましょう。特に夏場には注意します。

また植え付けから2年を過ぎた成木であれば、通常は自然降雨で足りるため水やりは不要です。猛暑など乾燥が激しいときのみ、適宜水やりをしましょう。

一方鉢植えの場合は水切れを起こしやすいため、より頻繁に水やりが必要です。ただし水はけはよくしたいので、鉢底を底上げするとよいでしょう。

肥料について

肥料は主に年1回与えますが、地植えと鉢植えでは対応が変わります。

地植えの場合は休眠期の2月ごろ、緩効性(ゆっくり成分が浸透するタイプ)の有機質肥料を寒肥(かんごえ)として株元周辺に埋めましょう。

「寒肥(かんごえ)」とは「樹木の生育が活発になる春に備えて、冬季に予備的・補助的に与えられる肥料」のことです。

これによって樹木は活力を蓄え、春に新芽や花芽が増えたり根がよりしっかり張ったり、1年間健康を維持しやすくなったりします。そのほか生育が悪いようであれば、10月ごろにも一度与えるとよいでしょう。

鉢植えの場合は3月に化成肥料を株元に追肥します。

ニオイヒバの管理方法

ニオイヒバ

樹高を管理するだけでなく、木の健康を維持するうえでも定期的な剪定が必要です。作業に適した時期や具体的な作業内容など、ニオイヒバの成長管理についてを解説します。

なお同じ「枝葉を切る作業」でも、「剪定」と「刈込」では作業の内容と目的が異なるため注意が必要です。

「剪定」は樹木の枝葉を切り、形を整えたり風通しをよくしたりするほか、芽・枝の生え方などを調整しながら樹木の成長をコントロールすることも目的とします。

対して「刈込」は生垣の高さやトピアリーの樹形など、単純に外形を整えるだけの作業です。

剪定時期

剪定の時期は3~10月がよいとされます。特に5~6月の梅雨時期または9~10月の成長期だと、樹高の高さを効果的にコントロールしやすいでしょう。

幼木のうちは3月と10月、年に2回の剪定をすることで、成長したときに形がより美しくなります。成木になった後は年に1回、樹形を整え樹木の健康を維持することに重点を置きましょう。

あまり大きく育ってほしくないという場合には、年に2回小まめに剪定します。ちなみに「刈込」の場合は1年のうちいつ行ってもOKです。

剪定方法

まずは不要な枝や葉を切り取り間引きます。枯れた枝や密集した箇所、目立って太かったり長かったりする枝を切りましょう。

樹木の内側を見たときに、反対側が透けて見えるぐらいまでカットします。外側だけでなく、内側にもハサミを入れて作業することが大切です。

また不要な枝葉をバッサリと間引くことで、通気性と日当たりがグッとよくなり病害虫の予防にもつながります。加えて枝の太さや間隔を均一化することで、養分や日光が全体に行きわたるようにもなります。

その後は高さや幅を調節する「刈込」作業で樹形を整えて完了です。

小さく育てたい場合は?

庭のスペースに限りがあるなど、ニオイヒバをなるべく小さく育てたいという場合には、「芯止め」をすることで樹高をコントロールできます。

方法はシンプルです。樹木の頂上部分にある枝を節のすぐ上で切り落とします。それほど太くない枝なら高枝切りハサミ、太い枝なら剪定用ノコギリを使いましょう。剪定後は切り口に癒合剤を塗り、細菌などの侵入を防止します。

なお高所での作業につき、脚立を用いることが多いはずです。樹高が数mにもなる場合は、転落など事故に十分注意しなければなりません。

自分では難しいようなら、プロの業者に依頼するのもひとつの手です。

枯れ葉の掃除をしよう

剪定の際には、枯れ葉の除去も忘れず行いましょう。

ニオイヒバの多くの品種では、秋から冬にかけて古い葉が茶色く変色して枯れます。そのままだと自然に落葉しないため、景観も美しくないうえ病気や害虫のリスクが高くなるのです。

枯れた葉はカラカラに乾燥しており、手で軽く揉むだけでも簡単に落とせます。高所にあるものはホウキなどで軽く幹を叩いて落としましょう。

この際日が当たりにくい樹木の内側にも手を入れて除去することがポイントです。通気性アップにつながるので、小まめに根気よく取り除きましょう。

ニオイヒバの増やし方と注意点

ニオイヒバ

ニオイヒバの株をもっと増やしたいときには、2つの方法で可能です。移植にも強いので、初めてでも割と簡単でしょう。

それから植物を育てるうえで忘れてはいけないのが、病気や害虫対策です。特にニオイヒバで多く見られる害虫について知っておいて損はありません。

なお害虫対策は、見つけたら即対応しなくてはなりません。普段からよく木を観察し、注意を払っておきたいものです。

増やし方は2種類

「挿し木」または「種まき」で増やせます。一般的には挿し木の方が、より簡単でスピーディなうえ、成功率も高いでしょう。

挿し木の時期は2~3月です。去年伸びた枝先から約10cmの位置で切り穂木とします。この際切り口を斜めに切ると、水を吸収しやすいです。2時間ほど水揚げした後、用土を入れた鉢に挿します。

その後鉢ごと透明なビニール袋で覆い乾燥を防ぎ、直射日光が当たらない明るい場所に起きましょう。

1から種で育てたい場合は、10~11月の時期に薄茶色に熟した球果から種をとり、用土にまき育てます。

害虫に注意

ニオイヒバは病気には強い植物ながら、ミノムシやハダニ、アブラムシ、カイガラムシなどの害虫被害は気を付けたいところです。

特にミノムシはよく見られます。春~夏に幼虫が生まれ葉を食べるだけでなく、秋にはミノを作り越冬した後成虫になります。

またメスはミノの中に産卵をし、放置すると数が増える恐れもあるため、見つけたらすぐに駆除が必要です。

家庭園芸用スミチオン乳剤を散布するか、または手で取り除きます。枯れ葉や枯れ枝を好むので、虫だけでなくそれらもきれいに取り除くことが大切です。

成虫になると除去が難しくなるため、幼虫期のうちに対策しましょう。

正しく育ててニオイヒバを楽しもう

ニオイヒバ

ニオイヒバを上手に育てるポイントには、「日当たりのよさ」と「水はけのよさ」、「十分な水やり」が挙げられます。寒肥や追肥も適宜必要です。

また定期的な剪定作業も欠かせません。不要な枝葉を除去することで日当たりや通気性がよくなるだけでなく、病害虫の予防にもつながります。

ニオイヒバが常に元気でいられるよう暖かく見守りながら、美しい葉色とさわやかな芳香を楽しみましょう。

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