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解体工事の内容・費用・やり方まとめ!全体の流れや業者の選び方も解説

最終更新日: 2023年03月08日

建物の老朽化、土地の有効活用…理由はさまざまですが、建造物を所有している以上いつかは「解体工事」に直面します。

今まさに解体工事を検討している人は「何が必要?どのくらいの費用や時間がかかる?そもそもどんな流れになる?」と疑問ばかりが浮かんでいるのではないでしょうか?

この記事ではこれから解体工事を行う人向けに「解体工事の全体像」について分かりやすく解説していきます。

大きく「流れ(工事内容)」「費用」「解体業者の選び方」の3パートに分かれているので、知りたい項目を読んでみてください。

解体工事の全体像を知ろう!すべきことや流れを確認

解体現場

解体工事の始まりから終わりまでの工程は、ざっくりと3つのフェーズに分かれて進んでいきます。

工事開始前段階:自分でやるべきことが多い段階

工事中段階:基本的には解体業者にお任せする段階

工事終了後段階:多くはないが、自分でやらなくてはならない手続きあり

まず気になるのが解体工事にはどのくらいの期間がかかるのか?という点についてでしょう。一般サイズ(30~40坪)の家屋解体には、通常1週間から1カ月程度かかります。

しかし解体にかかる期間については一概にこれと言えない点に注意。以下の要因で大幅に長引くこともあるからです。

  • 建物のサイズが大規模
  • 解体難易度が高い(密集地域の解体、ビルやホテル・大型商業施設の解体など)
  • 建物の造りが堅牢(木造よりも鉄骨・鉄筋コンクリート造の方が、解体に時間がかかる)
  • 屋根材が特殊
  • 追加工事の発生
  • 悪天候

なお解体工事前後の段階(業者にお任せする作業以外)は余裕を持って1~2カ月見ておけると安心です。

そして解体工事全体としては最低でも2~3カ月はかかるものと思っておいた方がよいでしょう。実際の工事期間については、見積の段階で解体業者に確認してみてくださいね。

次からは解体工事のフェーズごとに流れを解説していきます。

解体工事の手順!工事開始前・工事中・工事後の3フェーズに分けて解説

解体業者

一般家屋の解体であっても、ビルやホテルの解体であっても基本の流れは同じです。

【①解体工事開始前 やることの流れ】

手順 やること 備考
1 建物の情報を確認する
  • 見積の際に正確な金額を提示してもらえるように、広さや構造を確認する
2 建物敷地内の清掃・家財等の撤去
  • 解体業者によっては、追加料金を払えば作業を依頼できることも
3 補助金申請可否の確認・手続き
  • 解体業者選定前に確認する必要がある

関連:家屋解体の補助金は自分の地域でも貰える?金額や条件・申請方法などを徹底解説! Ι ミツモア

4 業者選定
  • 業者選びのポイントに関しては本記事後半「解体工事業者の選び方」を参照
5 役所等への各種手続き

「解体工事の届け出」

「道路使用許可申請」など

  • 業者が代行するケースが多い

関連:家屋解体に必要な6つの手続きまとめ!提出書類や期日・申請方法などを解説! Ι ミツモア

6 インフラの停止
  • 水道以外のインフラを停止する(水道は工事中に使用する可能性があるため)
7 近隣への挨拶

【②解体工事中 一般的な工事の流れ】

手順 工事内容
1 建物周囲の養生
2 足場の設置
3 屋根の撤去
4 内装の撤去
5 重機による外装の撤去
6 基礎部分解体
7 整地
8 周囲清掃

※重機で地上から解体する場合

ホテルや高層ビルの解体工事は規模が大きいため、上記の流れとは異なり特殊な工法を使うこともあります。

どんな建物を解体するかによっても異なるので、詳細はこちらの記事を確認してみてください。

家屋解体について

関連:家屋解体の手順!どんな流れで何をするのか?自分がすべきことや工事内容も具体的に解説! Ι ミツモア

ビル解体について

関連:ビル解体工事の費用相場!構造ごとの坪単価や総額・工事内容の内訳を徹底解説!費用が高くなるケースとは? Ι ミツモア

【解体工事後 やることの流れ】

手順 やること 備考
1 近隣挨拶
  • 後々のトラブルを避けるためにも、業者への支払い前に行う
2 業者への支払い
  • 見積もりとの違いを確認する
3 水道の停止
4 建物滅失登記の手続き
  • 解体後1カ月以内に法務局に届け出ないと罰則がある

解体工事の費用!規模・造りによって大きく変わる

ブルードーザーのミニチュア

解体工事費用は安いものではありません。一般家屋で少なくとも100万円以上ホテルやビルの場合は1,000万円以上(場合によっては億単位)かかることを見越しておく必要があります。

解体費用はさまざまな条件で変動するため、正確な金額を知りたい場合は業者から見積をもらうのが最も確実

とはいえ事前に相場だけでも知っておけると安心ですよね。解体費用は以下の情報を知っておくことで、おおよその当たりを付けることが可能です。

  • 解体工事費用の内訳(どんな費用がかかるのか)
  • 各内訳における平均相場

次から解体工事費用の内訳と平均相場について詳しく解説していきます。自分の建物に当てはめて、解体費用を算出してみてください。

解体工事費用の内訳

解体工事費用の見積もりは、基本的に以下の内訳で表示されます。

費用 内訳
解体工事費用
  • 建物本体部分の解体費用+解体で発生したコンクリートがら等の処分、リサイクル費用
付帯工事費用
  • 建物本体以外の解体費用や、地中埋設物の除去費用など
アスベスト除去費用
  • 建物にアスベストが使用されている場合の除去費用
諸経費
  • 解体業者によって含まれているものが異なる場合があるため、詳細は要確認
  • 手続きの代行費用、ガードマン設置費用、出張費用などが含まれる

なお見積もりの表記は解体業者によって微妙な差があることも。少しでも不明に感じた点は必ず担当者に質問し、疑問点をクリアにしておくことがポイントです。

追加費用の発生を極力抑えるためにも、見積もりに曖昧な点を残すのはやめましょう。

各費用の内訳について詳しく見ていきましょう。

①【解体工事費用】構造ごとの基本料金の相場

解体工事費用を求める一般的な計算方法は「坪単価×坪数(延べ床面積)」。坪単価は建築物の構造によって変わってきます。

そのため解体したい建物の「構造」と「坪数(延べ床面積)」が分かれば、おおよその費用を算出することが可能です。

<構造ごとの解体費用相場>

建築構造 坪単価あたりの費用相場
木造 3万~4万円
S(鉄骨)造 3万5,000~5万円
RC(鉄筋コンクリート)造 3万7,000~7万円
SRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造 8万~9万円

※なおビルの構造が分からない場合は「建築確認申請書(第四面)」「建物登記簿謄本」などで確認してください。もしくは建物を購入したハウスメーカー・工務店などに問い合わせてみましょう。

上記はあくまでも相場なので、建物や周囲の状況によっては金額が大きく変わることも。建物の解体費用は以下の要因で変動します。

  • 地域(都道府県)
  • 建物周囲の道幅
  • 建物と隣地との距離
  • 周辺の交通量
  • 繁忙期
  • 特殊な建材を使用しているか
  • 特殊な構造をしているか
  • 発生した廃棄物の量が著しく多い場合

②【付帯工事費用】該当があれば発生する

上記で解説した「解体費用」は建物本体のみの解体にかかる費用。建物以外の敷地内設置物の解体は別工事扱いとなり、「付帯工事」として別途費用がかかります。

<付帯工事の対象となる解体・除去物例>

  • 庭木、庭石
  • 花壇
  • ウッドデッキ
  • フェンスやブロック塀
  • アスファルト、コンクリート舗装

フェンスや花壇は多くの敷地に存在します。何らかの付帯工事があることは予想しておいた方がよいでしょう。なお料金は対象物の大きさや解体・除去難易度によって異なります。詳細は解体業者に見積もりを依頼してみましょう。

③【アスベスト除去費用】該当があれば発生する

アスベストとは1960年代~80年代まで積極的に使用されていた耐火・断熱用の建材のこと。アスベスト繊維を多量に吸うと肺がん発症の原因になることが分かっており、現在では使用が禁止されています。

アスベスト除去費用の相場は以下の通りです。

アスベストの処理面積 1㎡あたりの除去費用
300㎡以下 2万~8万5,000円
300㎡~1,000㎡ 1万5,000~4万5,000円
1,000㎡以上 1万~3万円

1980年以前に建てられた大規模建築の場合、アスベストを使用している可能性が高くなります。追加料金の発生を想定しておきましょう。

解体費用を安く抑えるコツ

解体費用を安く抑えるには、以下のような方法があります。

  • 繁忙期以外で依頼する
  • 雑草や不用品の処分・ゴミ出しは自分で行う
  • 自分で申請手続きをする
  • 補助金や助成金の制度を利用する

まず解体工事の繁忙期は「12月~翌年3月」なので、それ以外の時期に依頼するのが最も簡単な方法です。

不用品の処分や申請手続きなど、自分でできることを事前に行っておけば多少費用を下げることができるでしょう。

補助金や助成金は地域によって適用条件や金額・そもそも制度があるかどうかが異なるので、問い合わせてみてください。

解体工事業者の選び方

解体業者

悪徳業者を避け、誠実で丁寧な解体業者を選ぶことがトラブル回避に直結します。よい解体業者を見極めるためのポイントは以下の4点。

  1. 相場と比較して安すぎる(高すぎる)業者を避ける
  2. 解体工事に必要な資格や認可を取得しているか確認する
  3. 見積もりや工事への質問に対して、細かく回答してもらえるかどうかを見る
  4. 自分が解体したい建物に近い構造をした建物の、解体実績があるかを見る

以上のポイントを踏まえ、必ず複数の解体業者を比較して選んでください。というのも1社だけの見積もりだと、それが高いのか安いのか分からないまま依頼をすることになるからです。

逆に複数社から見積もりを取っていれば適正価格が分かるので「安いけれど安すぎず、品質も良さそうな業者」を選びやすくなります

複数の解体業者から見積もりを取る際は、ぜひミツモアを利用してみてください。ミツモアは郵便番号や求める条件を入力するだけで、最大5社から無料で見積もりが届くサービスです。

費用だけでなく口コミなども比較できるので、より安く信頼できるところに依頼できますよ。無料のチャットで相談もできるため、気になることは質問してみてください。

解体工事でよくあるトラブルとは?知っておきたい注意点

解体工事において、業者や近隣とトラブルが発生する可能性はゼロではありません。起こりうるトラブルには以下の例があります。

  • 料金関係のトラブル(追加料金の請求、不透明な見積もりなど)
  • 工期の遅れ
  • 工事上のミスや事故による近隣への損害
  • 騒音等による近隣からの苦情

大規模工事だからこそ、やむを得ないトラブルがあることも事実。しかしトラブル回避のための対策を徹底することで、問題の発生率を最小限にすることは可能です。

それにはまず解体業者や、近隣住民とのコミュニケーションを大切にしましょう。

そして何か分からないこと・不安なことがあれば解体業者に相談すること。そもそも親身に相談に乗ってくれるところにお願いすることも大事なポイントです。

近隣挨拶を軽視しないことも大切。今後の近所づきあいにも影響するため、万全の準備をして臨んでください。近隣挨拶の際は、可能な限り業者にも同行してもらいましょう。

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