家庭に合ったトイレブラシを選べば、日々の掃除もスムーズかつ気持ちよくできます。トイレブラシを選ぶときは、どこに注目すればよいのでしょうか。選び方やブラシを使った掃除方法・お手入れ方法、おすすめの商品を紹介します。
トイレ掃除用ブラシの種類
トイレを掃除するためのブラシは、大きく分けて3種類あります。それぞれ性質やメリットは異なるため、特徴を理解した上で選ぶのがベターです。
トイレブラシを種類別に見ていきましょう。
便器を傷つけないスポンジ式
家庭用トイレでは、汚れが付着しにくいよう便器に防汚コーティングが施してあるものが少なくありません。このコーティングを傷つけずに掃除できるのがスポンジ式です。
スポンジ式は便器掃除中の水はねが少なく、掃除しやすいのがメリットといえます。しかし、水切れが悪い点は難点です。
スポンジを濡れたまま放置すると、雑菌が繁殖しやすくなります。スポンジのトイレブラシを衛生的に使うには、小まめに乾燥させることが必須です。
頑固な汚れにピッタリブラシ式
汚れを落とす力が強く、便器にこびり付いた汚れを落とすときに向いているのがブラシ式です。スポンジ式のトイレブラシでは落とせない汚れも、ブラシ式ならきれいに落としやすいでしょう。
また、水切れがよいのもこのタイプのメリットです。ブラシ部分に雑菌が繁殖しにくく、スポンジ式よりも衛生的に使えます。
注意点としては、強くこすり過ぎると便器の防汚コーティングまで落としかねないという点です。コーティングが施された便器を使っている家庭は、コシの強すぎるブラシは避けましょう。
衛生的な使い捨て式
使い捨て式は、掃除後に汚れたブラシ部分を廃棄できるトイレブラシです。汚れや水分の付いたブラシを放置せずに済むため、衛生面では最も優れているといえます。
掃除後は柄の部分をさっと拭くだけでよく、お手入れの手間もありません。また、トイレに流せるものを選べば、汚れたブラシ部分に触らずに処理できます。
ただし、使い捨てということは、毎回新しいブラシを準備せねばならないということです。頻繁にトイレ掃除する家庭なら、コスト的にはかなり割高になるかもしれません。
ブラシを選ぶポイント
トイレブラシは、先端の素材や形状によってメリット・デメリットが異なります。
「どれを選ぶべきか」と迷ったときは、どのような観点からチェックすればよいのでしょうか。トイレブラシを選ぶとき、検討すべきポイントを紹介します。
掃除の頻度
小まめにトイレ掃除をしている家庭は、スポンジ式がおすすめです。一方、トイレ掃除の間隔が長く空きがちな家庭なら、ブラシ式がよいでしょう。
頻繁に掃除していれば、トイレがひどく汚れる心配はありません。便器に傷をつけにくくやさしい使い心地のスポンジ式で十分です。
ところがトイレの掃除頻度が少ないと、汚れがこびり付く恐れがあります。スポンジ式では、汚れが落としにくく非効率です。ゴシゴシこすって汚れをかき出すブラシ式の方が、ストレスなく掃除できるでしょう。
洗いやすい形状か
トイレブラシの形状は、大きく分けて次の3つに分類できます。
- ドーム型
- ボール型
- カーブ型
ドーム型は、ブラシの先端部分がドーム状に丸くなっています。シンプルで扱いやすく、繊維の種類も豊富です。使用感や衛生面にこだわって選びやすいといえるでしょう。
一方ボール型は、ブラシ全体を丸くしたトイレブラシです。全方位を使って掃除でき、複雑な便器の形状にもフィットしやすいでしょう。ブラシ部分はやわらかい素材が使われていることが多く、便器を傷めにくい仕様です。
また、カーブ型はブラシの先端部分がゆるく傾斜しています。汚れがたまりやすい縁裏に沿いやすく、細かい部分の掃除に向いています。
ブラシや容器のデザイン
トイレブラシの「見た目」も重要なポイントです。
「トイレブラシはトイレにそのまま置きっぱなし」という家庭は多いのではないでしょうか。トイレに入ったときに違和感を覚えないよう、トイレの雰囲気やインテリアにマッチしたトイレブラシを選びましょう。
また、小スペースのトイレなら、コンパクトなサイズがおすすめです。トイレポット一体型や、スリムサイズのトイレブラシなら場所を取りません。
なお、近年は容器の素材もさまざまです。よくあるプラスチック製のほか、ステンレス製や陶器製の商品もあります。お手入れのしやすさや見た目の印象を考えて、使用感に満足できそうなものを選びましょう。
トイレブラシを使った掃除のコツ
使い勝手のよいトイレブラシを購入しても、使い方を誤るとトイレはきれいになりません。トイレブラシを使うときは、どのような点に注意すればよいのでしょうか。トイレブラシでトイレをきれいに保つコツを紹介します。
汚れに合った洗剤を選ぶ
トイレに付着しやすい汚れといえば、主に次の3つです。
- 垢
- 黄ばみ
- 黒ずみ
これらを落とすときは、性質によって使う洗剤を分けましょう。
水垢は、水道水のミネラル分が固まってできた汚れです。白っぽくざらっとしており、放置すると固まって落としにくくなります。アルカリ性の性質があるため、酸性の洗剤で中和できます。
一方、黄ばみは尿の成分が固まった汚れです。水垢と同様にアルカリ性なので、こちらも酸性の洗剤がおすすめです。
また、便器の水たまり部分にできる黒ずみは、水垢とカビが合わさってできています。落とすときは強力な塩素系漂白剤を使用するとよいでしょう。
ただし、塩素系の洗剤と酸性の洗剤は絶対に混ぜてはいけません。有毒なガスが発生する恐れがあります。
縁の裏側までこする
便器の縁裏は、汚れているかどうか見えにくい場所です。ついつい掃除がおざなりになりがちですが、ブラシを当ててしっかりとこすりましょう。
便器の縁裏は、跳ね返った尿で汚れます。放置すると汚れが積み重なって、尿石として蓄積されます。尿汚れが尿石になると、軽くこすったくらいでは落ちません。汚れが軽いうちに、小まめにきれいにするのがおすすめです。
万が一汚れが尿石化してしまったら、酸性洗剤を含ませたトイレットペーパーで覆いましょう。洗剤が染みわたってからブラシでこすると、頑固な汚れも落としやすくなります。
水位線の汚れをしっかり落とす
トイレの水たまりと乾いた部分の境目は、水垢が付着しやすい場所です。トイレ掃除では、この部分を中心にブラシでこすっていきましょう。
水位線の汚れは、日頃からお手入れしていれば比較的容易に落とせます。しかし、汚れをため込んでしまった場合は掃除に一工夫必要です。
以下の手順で掃除に取り組みましょう。
- バケツに半分ほどの水を入れ、便器に流す
- 水位が下がったら汚れの上にトイレットペーパーを敷き詰める
- トイレットペーパーにトイレ用洗剤を染み込ませる
- 30分放置する
- トイレブラシで汚れをこすり落として水を流す
なお、水位線を掃除するときは縁裏用などの小型ブラシがおすすめです。力を入れやすく、汚れをきれいに落とせます。
ブラシをきれいに保たないと逆効果
トイレをきれいにするために、特に気を付けたいのがトイレブラシの衛生状態です。どんなにきれいに見えるトイレでも、汚れたトイレブラシで掃除してしまっては衛生的とはいえません。
トイレブラシをきれいに保つべき理由について紹介します。
トイレブラシは雑菌だらけ
トイレの中で最も衛生状態が懸念されるのはトイレブラシなのだそうです。トイレブラシはカビや雑菌の好む環境となりやすく、掃除後の処理を適当にするとすぐに汚染されてしまいます。
また、諸説ありますが、家庭用のトイレブラシの汚染度は下水道とほぼ同じ程度ともいわれています。もちろんこれは使用程度によっても異なりますし、一概に同じ程度汚いとはいえないでしょう。
しかし、排泄物を流す場所であるトイレを掃除するための道具であることを考えると、清潔とはいえません。
基本的に、使用後のトイレブラシは雑菌を含んでいると考えて扱いましょう。
菌が広がるリスクがある
下水並みに不潔なトイレブラシで掃除すると、細菌を便器にまで広げてしまう恐れがあります。これではトイレをきれいにするどころか、汚しているのと同義です。
トイレブラシが細菌の温床になってしまうのは、先端部分が濡れたままの状態で放置してしまうため。雑菌やカビは湿気と汚れが大好きです。トイレブラシは最適なすみかとなり、増殖が止まりません。
掃除後のトイレブラシは、水を切って乾かすことが必須です。
ただし、水を切るために便器の縁でブラシをトントンするのはやめましょう。振動で水を切ろうとすると、雑菌を含んだ水滴が周辺に飛び散ります。トイレ全体が汚染されてしまう可能性が高まります。
ブラシを清潔に保つ方法
トイレをきれいにするためには、トイレブラシの清潔を保つことが大切です。使用後のトイレブラシはどのようにお手入れすればよいのでしょうか。
トイレブラシを清潔に保つ方法や、汚れたブラシをきれいにする方法を紹介します。
しっかり乾燥させる
トイレブラシに雑菌やカビが繁殖するのを防ぐには、ブラシと受け皿の水気をきちんと切ることが必要です。
トイレ掃除をした後は、トイレブラシと受け皿を水で軽くすすぎましょう。その後はベランダなどの屋外で乾くまで干しておくだけです。日に当てて日光消毒すれば、雑菌やカビが繁殖しにくくなります。
いちいち干す手間をかけたくない場合は、トイレブラシを便座の下に挟みこみ、放置するのもおすすめです。ブラシの水気がすっかり落ちてからケースに収納しましょう。
ブラシを漂白する
汚れたトイレブラシは、月に1度の頻度で殺菌・漂白しましょう。
実際のところ、トイレブラシは都度新しいものを使うのが理想です。とはいえ、これではコスト面での負担が大きくなります。今あるトイレブラシを衛生的に長く使うには、徹底したお手入れが必要です。
まず大きめのビニール袋4枚とバケツを用意し、次の手順で漂白しましょう。
- 2枚重ねたビニール袋をバケツに被せる
- 塩素系洗剤を入れたぬるま湯をバケツに入れる
- トイレブラシと容器を入れて30分ほど放置する
- 時間がたったらトイレブラシと容器を取り出し、お湯とビニール袋を捨てる
- 新しいビニール袋を2枚バケツに被せる
- きれいな水を入れる
- バケツの中でトイレブラシと容器をすすぐ
- 取り出して日の当たる場所に干す
水よりもお湯の方が汚れを落としやすくなります。50℃程度の水がおすすめです。
また、乾かないうちにブラシを収納すると、再び雑菌やカビが繁殖する恐れがあります。水気がなくなったのを確認してから収納しましょう。
トイレブラシを使わない掃除方法は?
トイレ掃除は、便器などの掃除に加えトイレブラシのお手入れも手間がかかります。トイレブラシを使わずにトイレをきれいにするにはどうすればよいのでしょうか。
トイレブラシを使わない掃除方法について紹介します。
こすらず落とせる洗剤やクリーナーを活用
日々のトイレ掃除には「便器に振りかけて流すだけ」の洗剤を使ったり、お掃除クリーナーでササっと拭いたりを心掛けましょう。
振りかけるだけの洗剤は、縁裏などに直接使えます。粘着性のある液体が汚れに密着するため、しばらく放置して流すだけです。
また、トイレを使った後に便器や便器周辺、床などをお掃除クリーナーで拭く習慣を付けましょう。拭いたクリーナーはトイレにそのまま流せるものを選べば、手間もかかりません。
日々の小まめな掃除を心掛ければ、汚れが蓄積されにくくなります。ブラシを使って掃除しなくても、快適な状態をキープしやすくなるでしょう。
スポンジで掃除する
台所で使うキッチンスポンジも、トイレ掃除に適しています。スポンジを新しいものに交換したタイミングで、トイレ用に下ろしましょう。ゴム手袋をはめて直接便器をこすれば、トイレスポンジと同じように使えます。
また、便器の縁裏などを掃除する際は、スポンジを小さくカットするのがおすすめです。狭い縁裏にフィットしやすく、隅々まできれいにできます。
掃除が終わったらそのまま捨ててしまいましょう。
おすすめのスポンジ式トイレブラシ
家庭のトイレが防汚コーティングされているなら、日々の掃除にはスポンジ式のブラシがおすすめです。さまざまあるスポンジ式トイレブラシから、特におすすめの3品を紹介します。
サンコー やわらか トイレブラシ
また、トイレブラシに使われているのは、特殊な断面形状を持つエステル繊維です。繊維そのものが汚れをかき出し、便器を傷つけず汚れを落とします。泡立ちもよく、少量の洗剤でトイレをしっかりきれいにできるでしょう。
なお、トイレブラシの長さは約39cmあり、水たまりの掃除も容易です。収納ケースのカップは取り外し可能で、たまった汚水をそのまま便器に捨てられます。
アイワ トイレブラシ スポンジケース付
また、収納ケースのブラシ受けは、簡単に外れる仕様です。掃除後に汚水がたまっても、さっと捨てられるのは便利です。
なお、ブラシの角度調整は手元でできます。汚れたブラシを直接触る必要はないため、手が汚れる心配はありません。
アイセン工業 フッ素ガード
フッ素の効果は、2~3日に1度の掃除で3~4カ月続きます。
また、ブラシ部分のしなりがよい点も見逃せないポイントです。掃除する場所に合わせて形状が変わるため、狭い場所の掃除も苦になりません。縁裏や水たまりの奥までしっかりきれいにできます。
なお、ブラシに付いた白い薬剤がフッ素です。薬剤がなくなってしまえば、フッ素効果もなくなります。これを目安に、新しいブラシに交換しましょう。
おすすめのブラシ式トイレブラシ
便器に付着した頑固な汚れは、ブラシ式のトイレブラシが頼りになります。こちらもさまざまな種類があるため、使い勝手を考慮して選びましょう。ブラシ式のトイレブラシからおすすめの3品を紹介します。
山崎産業 Satto トイレブラシ
また、ブラシを収納するときはそのままケースに差し込むだけです。ブラシがケースの底に付かないよう設計されているため、衛生面が心配な人にもおすすめできます。
なお、ブラシをケースに収納したときのサイズは約38 × 15 × 10cmで、場所を取りません。シンプルな白いケースは、どんなインテリアともよくなじみそうです。
マーナ スクエア トイレブラシ
ケースの底面にはくぼみがあり、水切りしやすく作られています。ブラシの乾燥が早く、衛生的に使えるのが特徴。また、柄の部分には滑り止めの溝があります。握ったときにフィットして掃除しやすいのも魅力です。
さらに、水はね防止対策として、ブラシは硬質と軟質の毛を交互に植毛しています。水はねエプロンも付いており水はねを軽減してくれます。
日本クリンテック ka:z cleanトイレブラシ&スタンド ホワイト
また、先端部分のブラシは、便器の縁裏などにも対応しやすい扇形です。高さ約46cmとコンパクトなサイズ感で、小回りをきかせながら掃除できます。
おすすめの使い捨てトイレブラシ
トイレブラシの衛生面が気になる人は、使い捨てのトイレブラシが安心です。近年はさまざまなメーカーが気軽に使える使い捨てのトイレブラシをラインアップしています。使いやすそうなものを選んでみましょう。
おすすめの使い捨てトイレブラシを紹介します。
ジョンソン 流せるトイレブラシ
また、ハンドルは便器の縁裏にもフィットさせやすいよう、弓形にカーブしたデザインです。
掃除後は手元のボタンをスライドさせれば、汚れたブラシ部分が外れます。そのまま便器に流せるので、後始末の手間も不要です。
なお、ハンドル部分を立てかける便利なホルダーも付いています。
スリーエム スコッチブライト トイレクリーナー
また、独特の形状をしたスポンジは、トイレの縁裏にもぴったりフィットする仕様です。掃除の後は汚れたスポンジをそのまま廃棄します。トイレにはハンドル部分だけを置いておくこととなり、ブラシの不衛生を気にする必要がありません。
ただし、使用後のスポンジブラシは流せません。きちんと水を切って、ゴミ箱などに入れて捨てましょう。
セシール トイレの黄ばみスッキリ棒
ブラシ部分は、内側がスポンジ、外側が研磨剤の2層構造です。隙間にもぴったりとフィットして、汚れをかき落としてくれます。
また、柄の部分には木材が採用されています。掃除後は燃えるゴミとして廃棄できるため、掃除後の手間もかかりません。
なお、陶器製の便器専用です。
デザイン重視派向けおしゃれなトイレブラシ
トイレインテリアにもこだわりたい人なら、デザイン性の高いトイレブラシがおすすめです。お気に入りのブラシがあれば、毎日のトイレ掃除がより一層楽しくなるでしょう。
デザインを重視したい人におすすめのトイレブラシを紹介します。
レデッカー トイレブラシセット
また、ブラシ部分は固めの植物繊維です。力を入れやすく、ゴシゴシこすって汚れを落とせます。
なお、素焼き風のセラミック受け皿は、取り外し可能です。気軽に洗えるため、衛生面が気になる人にもおすすめできます。
ブラシを立てたまま収納した場合、高さは約39cmです。
ジョセフジョセフ フレキシブルヘッド トイレブラシ
ブラシ部分は柔軟性に優れた樹脂素材が使用されています。水を素早くはじく仕様で、水切れがよいのが特徴です。柔軟性も高いため、便器の縁裏などにもフィットします。
また、ブラシ収納ホルダーは壁掛け式です。床に接面しないため、掃除の邪魔になりません。トイレの床に物を置きたくない人や、トイレをスタイリッシュにすっきり見せたい人におすすめできます。
フルックス トイレブラシ
底面が広い収納ケースは、ブラシを指すと円錐形状になります。一見するとトイレブラシに見えず、スタイリッシュな空間にもマッチしそうです。
また、使いやすさにこだわって、ハンドル部分は長く作られています。ブラシ本体は357gと軽量な上耐久性も高く、機能面にも満足できるでしょう。
お気に入りのトイレブラシで掃除を快適に
トイレブラシは、ブラシ式、スポンジ式、使い捨て式があります。
しっかりこすりたいならブラシ式、やさしく掃除するならスポンジ式、衛生的に使うなら使い捨て式がおすすめです。トイレブラシを購入する前に「どのような点を重視したいか」をしっかり考えて置きましょう。
ただし、使い捨て式以外はブラシのお手入れについても考慮しなければなりません。ブラシのお手入れを怠ると雑菌やカビが繁殖しやすくなります。ブラシ選びはお手入れまで考えるのがおすすめです。
自宅のトイレにはどのタイプが合うの考えながら、トイレ掃除用具を見直してみてはいかがでしょうか。