色やサイズが豊富で強い耐久性を持つタイルは、近年人気が高まっています。ただ施工費がどれくらいかかるか気になるところですよね。
この記事では、タイル工事の費用相場から気をつけるべきポイントまで詳しく解説していきます。新築時やリフォームに合わせて、お家のタイル張り施工を検討している方は必見です。
タイル張り施工の費用相場・単価表【外壁・水回り・玄関】
タイル張り施工の費用相場は以下の通りです。場所別・工事費を含む単価ごとにまとめています。
タイルは他のフローリング材やサイディングと比較して、施工費が高くなる傾向があります。他の建材の相場が4,000〜7,000円なのに対し、タイルは1万円を超えるのが一般的です。
タイル工事にかかる費用は「材料費」「副材費」「施工費」の3つで構成されています。副材費とは、タイルを張るために使用する接着剤やモルタル、目地剤のことです。施工には「タイル張り」「目地詰め」「洗い」が含まれます。目地詰めはタイルとタイルの継ぎ目に目地剤を詰めていく工程です。洗いはタイル表面についた接着剤を落とす作業を指します。
具体的な金額は、施工箇所や面積、タイルの種類・大きさ、施工方法などで変動します。以下で施工場所ごとの費用相場について詳しく見ていきます。
外壁
外壁をタイルにすることで、見た目のデザイン性を高めることができます。また耐久性・耐火性が強く傷や汚れがつきにくいのも特徴です。
外壁タイルの費用相場は以下のようになります。
タイルの種類 | 費用相場(1㎡あたり) |
二丁掛け | 15,000円 |
ボーダータイル | 14,000円 |
レンガタイル | 27,000円 |
セメント系ブリックタイル | 14,000円 |
外装モザイクタイル | 5,000円 |
外壁をタイルにリフォームする場合、施工費を含めた費用相場は1㎡あたり1万円を超えるのが一般的です。2階建て30坪の住宅の外壁を単価15,000円のタイルに張り替える場合、最低でも150万円以上はかかります。
外壁タイルの施工費はタイルの種類や面積の他に、施工方法にも左右されます。
外壁の施工方法には「乾式工法」「湿式工法」の2つがあります。ご自宅の状況に合わせて工法を選ぶとよいでしょう。
工法 | 向いている住宅 |
乾式工法 |
|
湿式工法 |
|
近年主流となっているのが乾式工法です。壁面の下地材の上からあらかじめ生産されたタイルを重ねていくため「乾式」と呼ばれます。下地となるサイディングの溝などにタイルを引っ掛けたり、接着剤で固定したりしてタイルを張っていきます。施工費は1㎡あたり4,000円〜と安いのが特徴です。
一方の湿式工法は、塗り壁材を水と混ぜて練ったものを下地材の上から塗っていく方法です。タイルが水を含んでいることから「湿式」と呼ばれます。高い技術を必要とし工期が長くなるため、乾式工法に比べて施工費がかさむのが難点です。具体的な金額は業者によって大きく変わります。湿式工法でタイル張りを検討している方は、いちど業者に見積もりをとってもらうことをオススメします。
トイレ・洗面所・キッチン・リビング・寝室
水回りやリビング、寝室をタイルに張り替える際の費用相場は以下の通りです。
内装壁
タイルの種類・大きさ | 費用相場(1㎡あたり) |
エコカラット | 12,000円 |
デザインブリックタイル | 15,000円 |
ガラスモザイクタイル | 35,000円 |
100角モザイクタイル | 1,200円 |
200角モザイクタイル | 1,600円 |
300角モザイクタイル | 11,000円 |
400角モザイクタイル | 12,000円 |
300×600角モザイクタイル | 13,000円 |
600角モザイクタイル | 15,000円 |
内装床
タイルの種類・大きさ | 費用相場(1㎡あたり) |
50角モザイクタイル | 13,500円 |
200角モザイクタイル | 18,000円 |
300角モザイクタイル | 11,000円 |
400角モザイクタイル | 12,000円 |
600角モザイクタイル | 15,000円 |
300×600角モザイクタイル | 15,000円 |
壁よりも床をタイルに張り替える方が高くなります。200角や300角のモザイクタイルでも、1万円は超えるのが一般的です。内装壁をガラスモザイクタイルに張り替える場合の費用相場は35,000円と、他と比べて高額な点に注意が必要です。
タイルは汚れがつきにくく、耐久性を高める効果があります。そのため衛生面やお手入れの手間が気になるトイレやキッチン、洗面所には最適な建材です。また種類やサイズが豊富なため、空間の雰囲気に合わせて内装をコーディネートできるのも嬉しいポイントです。
玄関
玄関タイルの施工費は以下の通りです。
タイルの大きさ | 費用相場(1㎡あたり) |
300角 | 13,500円 |
400角 | 14,000円 |
600角 | 15,000円 |
300×600角 | 14,500円 |
タイル貼りは玄関タイルでよく使われるモルタル貼りよりも高くつきます。小さめのサイズでも1万円を超えるのが一般的な費用相場です。
玄関をタイルに張り替えることで、汚れが目立ちにくくなる他、見た目に上質さをプラスすることができます。また仕上がりやひび割れなどの心配がないのもメリットです。モルタル貼りと異なり、タイル貼りは技術を持った業者が施工を行う必要があります。
浴室
浴室のタイルを張り替える費用は以下の通りです。
タイルの種類・大きさ | 費用相場(1㎡あたり) |
50角サーモタイル | 14,000円 |
150角サーモタイル | 18,000円 |
200角サーモタイル | 19,000円 |
300角サーモタイル | 19,000円 |
100角外床 | 9,000円 |
150角外床 | 12,500円 |
200角外床 | 15,000円 |
300角外床 | 14,000円 |
400角外床 | 16,000円 |
600角外床 | 16,000円 |
乱石貼り | 22,000円 |
浴室の床によく使用されるのがサーモタイルです。従来のタイルに比べ、熱が逃げにくい構造になっているため冷たさを感じにくいのが特徴です。機能性が高い分、一般的な外床タイルよりも高くなります。
また乱石貼りとは、大小さまざまな大きさのタイルを隙間なく張っていく方法です。おしゃれで高級感のある見た目に仕上げたい方にはオススメです。ただし職人による手作業になるため、施工費が高額になる点には注意しましょう。
【施工箇所別】タイルの種類はどれを選ぶべき?
タイルにはたくさんの種類があるため、どのタイプを選べばいいか悩みますよね。
各タイルの特徴を踏まえて、場所別にオススメのタイルをまとめてみました。タイル張り替えの際にぜひ参考にしてみてくださいね。
外壁にオススメのタイル
外壁には磁器質や石器質、瓦タイルがオススメです。外壁は常に外気にさらされ、雨や日光などの影響を受けます。耐久性のある、丈夫で変質の心配のないタイルを選ぶ必要があります。
磁器質は給水率1%と、セラミックの中で最も水を吸いにくく硬い材質です。石器質も5%以下の給水率で、変色や変形に強いのが特徴です。
瓦タイルは断熱性や通気性、調湿性に優れています。そのため傷や汚れ、外気による劣化を防ぐはたらきが期待できます。
また最近では軽量化を図った軽量レンガタイルや、軽量セメントで作られたセメント系ブリックタイルなども外壁タイルとして用いられることが多いです。
キッチンにオススメのタイル
キッチンにオススメなのは磁器タイルです。油や水を吸わないためキッチン掃除が楽になります。特に釉薬(うわぐすり)を用いて光沢が出されたものは、油を弾く効果があります。
またモザイクタイルに張り替えれば、モダンで可愛らしい雰囲気のキッチンに仕上げることが可能です。
タイルだけでなく、目地の色にも配慮する必要があります。目地が大きくなく、色はグレーのタイルがオススメです。目地が白色のタイルを選ぶと、キッチンの汚れが目立ってしまいます。疎水性や耐油性、防汚性に優れた目地のタイルもあるので、タイル専門の施工業者に相談してみるとよいでしょう。
トイレにオススメのタイル
トイレは吸水性の低いタイルを選びましょう。水ハネが避けられないトイレでは、磁器タイルが適しています。特に床は磁器タイルが必須です。汚水を吸ってしまうと、臭いが付着して取れなくなる恐れがあります。
またお手入れのしやすさを考えると、ツルツルとした釉薬(うわぐすり)タイルがオススメです。無釉(むゆう)タイルなどザラザラしたタイルにすると、トイレ掃除に手間がかかってしまいます。
「エコカラット」もトイレ掃除を楽にしてくれるタイルです。調湿や脱臭、有害物質を吸収する機能を持っています。
玄関にオススメのタイル
玄関には衝撃や汚れに強く汚れにくいタイルが必須です。磁器質、石器質、陶器質すべてのセラミックタイルが適しています。
セラミックは給水率が高い上に、凍結にも強い性質を持っています。そのため冬場に寒くなりがちな玄関であっても、タイルが膨張して割れる心配がありません。
浴室にオススメのタイル
浴室には水を吸いにくく丈夫な材質の磁器質や石器質のタイルがオススメです。
絶対に避けるべき材質が陶器質と大理石です。セラミックタイルの中でも、陶器質は給水率が22%以下と最も高くなっています。大理石などの石材タイルは吸水して変質するため、浴室には不向きです。
ヒヤッとしない温かみのある「サーモタイル」など機能性タイルも適しています。お子さんやお年寄りが同居している家庭では、冬場に重宝すること間違いなしです。
タイル工事で気をつけるべきポイント
タイル工事で気をつけるべきポイントは以下の3つです。
- 全面を張り替える
- コーナーの数はなるべく少なくする
- タイル専門の施工業者に依頼する
壁や床の全面を張り替える
「施工費が安く済みそうだから」とタイルの一部張り替えを検討している方は要注意です。一般的に壁や床全体にタイルを張り替える大規模な工事よりも、面積の小さい部分を張り替える工事の方が高くなります。手間がかかる上に、小規模な工事であっても人件費は同じようにかかります。
費用を抑えたければ全面でタイルを張り替えるのがオススメです。費用面だけでなく見た目にもよいでしょう。
コーナーの数はなるべく少なくする
費用を抑えるためには、コーナーの数をなるべく少なくするのがポイントです。
タイルは平面に張る用の「平物タイル」、コーナーに張る用の「役物タイル」の2つに分けられます。タイルの施工は、平面に張るよりもコーナーに張る方が手間がかかります。そのため役物タイルは材料費や施工費が高くなりやすく、平物タイルよりも50%ほど費用が上乗せされるのが一般的です。
タイル専門の施工業者に依頼する
タイルの張り替えはタイル専門の施工業者に依頼するのが最も安全です。リフォーム業者やハウスメーカー、工務店への依頼はオススメしません。
原則としてタイル業界では保証をつけないのが一般的です。タイルの知識があまりない業者に依頼してしまうと、後々トラブルにつながる可能性があります。施工後は綺麗な仕上がりに満足していても、数年後に剥がれや割れが生じるといったケースが見られます。
またタイル張りのには丁寧な作業が求められます。養生や接着などは、技術を持ち合わせた職人以外には難しい作業です。
せっかくのタイル張りに後悔しないためには、複数社に依頼して「比較検討」することが大切です。
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