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ペットが死んだらどうする?亡くなった後から葬儀までの流れを紹介

最終更新日: 2024年06月28日

愛するペットは、家族の一員として私たちの生活には欠かせない存在です。しかし、いつかはそんなペットともお別れをするときが訪れます。

そんなとき、不安や悲しみに苛まれ、飼い主として何から手をつければいいか戸惑ってしまうかと思います。

そうした方に向けて、本記事では愛するペットが亡くなった際に取るべき行動や手続き、そして葬儀までの流れを丁寧に解説します。ステップごとに重要な観点をお伝えし、ペットの最期を迎える際に必要な準備と心構えを共に考えていければと思います。

ペットとの別れは辛いものですが、大切に供養するために必要なことをしることで、心の整理をする手助けになれれば幸いです。

ペットが死んだらするべきこととは?

ペットが死んでしまった場合、火葬をする目安はおよそ2~3日と言われています。そうした短い時間の中でお別れのための準備を行わなければなりません。

お別れのために何をすればよいかをSTEP毎にまとめましたので、確認したい箇所から読み進めてみてください。

STEP1:ペットが動かなくなった直後にすること

ペットが動かなくなってしまったとき、死んでしまったのか意識が消失しているのか判断がつかないことがあるかもしれません。

ペットの死亡確認

動物病院で亡くなった場合は、獣医さんが適切に判断・処置を行ってくれますが、自宅だとペットが動かなくなったときの判断に迷うケースも考えられます。

呼びかけたり身体を触ったりしてみて、反応を確かめましょう。

  • 意識が残っているか
  • 呼吸や脈拍はあるか
  • 心肺は動いているか
  • 瞳の反応(対光反射)はあるか

上記のいずれも反応がない場合、亡くなってしまった可能性が高いでしょう。その場合は、遺体を清めるために必要なことを行います。

遺体の姿勢を整える

動物は亡くなって2~3時間後から死後硬直が始まります。身体が完全に固まってしまう前に、手足を胸のほうにたたみ、自然に眠っているときのような姿勢にします。

不自然な姿勢で硬直したまま棺に入れようとすると、遺体を傷つけてしまう恐れもあります。犬や猫の場合、1日ほどで死後硬直は解けるので、無理に姿勢を動かさずに待ちましょう。

STEP2:遺体を清めて安置する方法

猫の棺

死後硬直が始まる前に、素早く遺体の姿勢を整えたら、遺体を清めて安置しておきましょう。ペットの遺体を正しく管理するために準備すべきものや、具体的な安置方法を解説します。

事前に準備すべきもの

ペットの遺体を安置するために、次のものを準備しましょう。

  • 段ボールなどの箱
  • ビニール袋やビニールシート
  • バスタオル
  • ガーゼ
  • 保冷剤

まずはペットよりもひとまわりほど大きい箱を用意しましょう。遺体から排せつ物や体液が漏れ出すことがあるので、箱の底にはペットシーツや新聞紙などを敷いておきます。万が一箱から漏れて部屋を汚さないように、ビニール袋などで箱を覆っておくとよいでしょう。身体の穴を塞いでおくためのガーゼもあると便利です。

遺体の腐敗を防ぐために、身体を冷やす保冷剤も用意しましょう。保冷剤の代わりにドライアイスを使うと冷却効果が高いですが、触ると危ないので取り扱いに注意する必要があります。

遺体を拭いてきれいにする

まず遺体の表面の水分をタオルで拭き取りましょう。遺体を動かすと体液が漏れ出る可能性があるため、きれいに掃除します。あらかじめ使い古したタオルや、ビニールシートなどを下に敷いておけば、床を汚さずに済みます。

ぬるま湯でぬらしたタオルやガーゼで、全身を拭いてきれいにしてあげましょう。

動物は亡くなった2~3時間後から死後硬直が始まりますが、1日ほど経つと弛緩します。硬直が解けたタイミングでも体液が漏れ出る可能性があるので、改めてきれいにしてあげましょう。

遺体の安置方法

遺体を清めたら、事前に用意した段ボールや木の箱などに収めます。遺体をタオルや毛布で包み、棺の中に寝かせましょう。新たに体液が出てくる可能性もあるので、新聞紙や別のバスタオルなどを、底に敷いておくことをおすすめします。

さらに遺体をきれいなままに保つため、直射日光の当たらない冷暗所に棺を置き、保冷剤で冷やしておきます。遺体は消化器官から腐敗していくので、腹部を中心に冷やすとよいでしょう。

関連記事:ペットの遺体の安置・保存方法。用意するものや保存できる期間を解説

STEP3. 葬儀・火葬の業者の手配をする

ペットの棺

ペットの供養方法には土葬と火葬の二つがありますが、現代では火葬が一般的です。火葬は遺体を焼却して骨を粉砕する方法であり、その後の骨は遺骨として保管されるか、飼い主に返されます。

また、火葬する際には、市区町村の役所や保健所に依頼する方法民間の葬儀業者に依頼する方法があります。

市区町村の役所や保健所に依頼する場合、手続きが比較的簡単であり、費用も抑えられるメリットがあります。一方、民間の葬儀業者に依頼する場合は、より多様なサービスやオプションが提供され、飼い主の希望に合わせた葬儀が行うことができます。

それぞれの特徴について確認しましょう。

市役所や保健所に依頼して火葬する場合

ペットの火葬を行う際には、住んでいる地域の市役所や保健所に依頼することができます。自治体によって異なりますが、費用は1,000円から3,000円程度の範囲で受け付けているところが一般的です。一方で、一部の市区町村では無料で火葬を引き受けてくれる場合もありますが、逆に1万円以上の費用がかかるところもあります。

火葬の方法としては、基本的には合同火葬が行われることが一般的です。つまり、他のペットと一緒に焼かれるため、個々の骨を持ち帰ることはできません。ただし、一部の自治体では個別火葬を行うことが可能な場合もあります。横浜市などでは個別火葬を受け付けていることが知られています。

民間で火葬する場合

ペットの火葬を民間の葬儀業者に依頼する場合、市役所や保健所に依頼する場合よりも費用は高くなりますが、その分丁寧にお別れをすることができます。

民間の葬儀業者は合同火葬だけでなく、個別火葬という選択肢を提供しています。個別火葬には、全てをお任せする一任火葬と、葬儀から火葬、拾骨まで全てに参加できる立ち会い火葬の2種類があります。立ち会い火葬では、飼い主がペットの最期に立ち会い、心を込めて見送ることができます。

また、民間の葬儀業者ではさまざまなオプションも提供されており、骨壷や遺骨をアクセサリーにするなど、ペットとの思い出を形に残すことができるサービスもあります。自身やペットのニーズに合ったサービスを選ぶことが重要です。

関連記事:ペットの個別火葬とは?メリット・注意点・流れを紹介

お住まいの地域のペット火葬について調べる

以下のリンクより、各地域のペット火葬・葬儀社を見つけることができます。プロの情報や口コミも見られます。

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STEP4. 火葬した後の遺骨を持ち帰る

猫の遺骨と祭壇

ペットを火葬したあとには遺骨が残ります。火葬業者から返骨を受け、手元に置いて供養することもできますし、ペット霊園に納骨することもできます。

手元供養

大切にしていたペットと離れたくない場合は、遺骨を自宅に置いておく方法(手元供養)を選択するとよいでしょう。業者によっては火葬後に返骨してくれるところもあり、法的にもペットの遺骨の所持は特に問題ありません。

実際、骨壺をペットが生活していた場所に置いたり、仏壇を作って設置したりする人が多くいます。後から、ペット霊園に納骨を依頼することも可能です。

霊園に納骨

火葬後にペットの遺骨を霊園に納める場合、納骨堂に安置する方法と、動物用の個別墓や合祀墓(共同墓地)に埋葬する方法があります。霊園では定期的に法要を執り行ってくれるので、ペットを手厚く弔いたい場合におすすめです。

また家庭の事情で手元供養ができなくなった場合や、引っ越しをする場合など、後から霊園に納めることもできます。霊園によっては、一時的に遺骨を預かってもらえる場合や、将来自分のお墓にペットの遺骨も納めるプランを提供しているところもあります。

STEP5. ペットの葬儀後に行うべき手続き

ペットの埋葬・火葬が終わったら、以下の手続きが必要です。ペットの種類によっては、何もせずにいると問題になる場合もあるので注意しましょう。

死亡届を役所に提出する

犬や特定動物(ヘビや猛禽類など)が死亡した場合は、死んでから30日以内に、役所や保健所に死亡届を提出しなければいけません

犬の場合は狂犬病予防法により、死亡届の提出が義務とされています。死亡届を出さずに放置していると、20万円以下の罰金を科される場合があるので、必ず届出をするようにしましょう。

またヘビやワニなど、他者に危害を加える可能性がある動物の場合も、基本的に死亡届の提出が必要です。これらの動物を飼う際に注意事項として知らされているはずなので、必要な場合は届出を忘れないようにしましょう。

猫や小型の鳥など、犬や特定動物以外の場合は、特に死亡届の提出は必要ありません。

動物病院への連絡は必要?

ペットが亡くなる前に動物病院に通っていた場合、できればひとこと連絡を入れておくとよいでしょう。

必ずしも亡くなったことを伝える必要はないものの、お世話になった獣医さんに感謝の気持ちを伝えておくことも大事です。病院側もその後の経過を心配せずに済むでしょう。

動物病院への報告は、急ぐ必要はありません。葬儀が終わり、気持ちが落ち着いてから報告しましょう。

ペットの火葬・葬儀において注意すべきこと

ペットを丁重に弔うために、以下の点にも注意しましょう。埋葬する場所はもちろん、火葬のタイミングにも配慮が必要です。

ペットの遺体を埋めるバイは場所に配慮する

小型のペットを埋葬する場合、私有地なら基本的に問題はありません。しかし公園や河川敷などは国の管理下にあたるので、ペットの埋葬はNGです。またマンションやアパートの敷地内は、家主や不動産会社の所有地なので埋葬はできません。

一戸建ての場合は敷地内ならOKですが、近隣住民の迷惑にならないように配慮する必要があります。臭いが出たり、野生動物などに掘り起こされたりしないように、しっかりと深い穴を掘って埋葬しましょう。

亡くなって即日の火葬は避ける

亡くなってすぐの火葬は避ける必要があります。人間の場合も同様ですが、本当に死んでいるかを判断するために、24時間は様子を見なければいけません。自分でペットの死亡を判断するだけではなく、できれば獣医さんに確認してもらった方がよいでしょう。

動物によっては仮死状態だったり、冬眠をしていたりする可能性もあります。例えばハムスターやプレーリードッグ、カメやヘビなどは冬眠する生き物です。単に冬眠しているだけにもかかわらず、死んでしまったと勘違いしないように、十分注意する必要があります。

ペット保険に加入している場合

ペット保険に加入している場合は、すぐに保険会社にペットが死亡した旨の連絡を入れて、保険料に関する手続きを確認しましょう。手続きが遅れると、火葬や納骨などにかかる費用が、保険金として受け取れない可能性があります。

事前にどういった契約を結んでいるか確認し、必要な手続きを理解しておくことが大事です。ペットが死んだショックから、連絡を忘れてしまう人もいるので注意しましょう。

ペット火葬・葬儀業者は料金や評判を比較して選ぼう

ペットの火葬は人間と比べて法律などの制約が少ないため、葬儀社のサービスの質にもばらつきがあります。悪質な事業者を避けるためにも、いくつかの候補から料金・評判を比較して選ぶとよいでしょう。

「ミツモア」なら一度に複数の葬儀社から見積もりを受け取れて、事業者同士の比較がかんたんにできます。

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監修者:谷口史奈

獣医師
猫の診療室モモ 院長
安達文化学園 専門学校ビジョナリーアーツ 非常勤講師

動物病院に3年、猫専門病院に2年半勤務したのち、2016年8月に猫専門病院「猫の診療室モモ」を開院。

主な監修書籍

  • 「NyAERA 2023」(朝日新聞出版)2023年2月発行
  • 「ネコお得技大全2022 完全版」(晋遊舎)2022年5月発行
  • 「ネコとの新生活完全ガイド」(晋遊舎)2022年4月発行
  • 「ネコDK the Best 2021-22」(晋遊舎)2021年11月発行

など多数

コメント
最近はペットとのお別れの方法も多様化しているようで、例えばご自宅付近で火葬してくれたり、遺骨をアクセサリーにして身につけられるオプションがあったりと、ひとりひとりに寄り添ったサービスが増えているなと感じます。
別れは淋しいですが、ペットが元気なうちから「終活」をしておくのは、元気な日々をより幸せに過ごすためにプラスになると思います。

参考:猫の診療室モモ 公式サイト