ペットが亡くなってしまったら、数日以内に火葬するのが一般的です。火葬方法にはほかのペットと一緒に火葬してもらう引き取り型の「合同火葬」や、個別で火葬してもらう「個別火葬」などがあります。
本記事では、ペットの個別火葬についてわかりやすく解説します。合同火葬との違いや個別火葬のメリット、注意点などを紹介するほか、個別火葬の流れについても解説していきます。
ペットの「合同火葬」と「個別火葬」の違い
ペットの火葬は、主に「合同火葬」と「個別火葬」の2つに分けられます。合同火葬と個別火葬の大きな違いは、火葬後の返骨があるかどうかです。
合同火葬では葬儀社に引き渡すタイミングで最後のお別れとなるのに対して、個別火葬では拾骨後に骨壷を受け取れます。
合同火葬
合同火葬はほかのペットと合同で火葬してもらう火葬方法です。「寂しくならないよう、天国でも他のお友達と一緒に過ごして欲しい」といった理由で選ばれることが多いです。
個別火葬よりも費用は安く、引き取り後は火葬場と提携している施設や霊園などへそのまま合同供養されます。引き渡しのタイミングで最後のお別れとなり、その後は返骨ができなくなる点に注意が必要です。
個別火葬
個別火葬とは、個別で火葬してもらう火葬方法です。プランによっては、出棺の前にセレモニーやお葬式を開催してくれるところもあります。また、火葬場まで移動するのが難しい場合は、訪問火葬車などに依頼して自宅へ来てもらうことも可能です。
合同火葬とは異なり、火葬のみを単体で行っている業者もあるため、埋葬や納骨を行う場合は別途手配が必要となる場合があります。
ペットを個別火葬するメリット
ここからは、ペットを個別火葬するメリットを紹介します。ペットの訪問火葬のメリットは以下の通りです。
- 立ち会いできる
- 大切なペットのご遺骨を残せる
- 自分たちの都合に合わせて手配できる
立ち会いできる
火葬後の拾骨で立ち会いたいという飼い主の方もいますが、引き取り型の合同火葬では立ち会うことはできません。個別火葬の場合、プランによって立ち会うことが可能です。
ただし、個別火葬の中でも葬儀社に任せる「一任火葬」などのプランでは、立ち会いがないこともあるため注意が必要です。
大切なペットのご遺骨を残せる
大切なペットのご遺骨を残せる点も個別火葬の大きなメリットです。個別立ち合い火葬では、火葬後に飼い主が拾骨を行い、骨壷に入った状態で返骨されます。
合同火葬ではご遺骨はそのまま合同施設へ納骨されるため、ペットのご遺骨を受け取ってから供養したい場合には個別火葬を選ぶと良いでしょう。
自分たちの都合に合わせて手配できる
個別火葬では、自分たちの都合に合わせてスケジュールを組める点もメリットです。葬儀社やプランによっては、訪問火葬車でペットとの思い出の場所を回ってくれる業者もあるようです。
また、合同火葬では、ペットとのお別れにかけられる時間はどうしても短くなってしまいます。ゆっくりお見送りの時間を取りたい方は、個別火葬をおすすめします。
ペットを個別火葬する注意点
様々なメリットのある個別火葬ですが、一方で以下のような注意点もあります。
- 合同火葬より費用がかかる
- 悪徳業者とのトラブルに注意
それぞれについて解説します。
合同火葬より費用がかかる
1つ目の注意点は、合同火葬よりも費用がかかる点です。
合同火葬の場合は複数のペットを一度で火葬するため、依頼の費用を抑えることができます。一方で、個別火葬は時間をかけて丁寧に火葬してもらえる分、合同火葬よりも費用は高くなります。
悪徳業者とのトラブルに注意
2つ目は、悪徳業者とのトラブルが起こりやすい点です。現在日本国内では、ペット火葬の運営に特別な資格や制度は設けられていません。そのため、利益を得るためにさまざまな企業が参入している状況です。
もちろん、ペットや飼い主の方を思って運営している火葬業者もありますが、費用の高額請求や、契約違反を行っているような火葬会社には注意しましょう。特に初めて火葬業者に依頼する場合は複数の業者の見積もりを比較検討するなど、相場を調べてから依頼することをおすすめします。
ペットを個別火葬する流れ
ここからは、ペットを個別火葬する流れについて解説します。
- ご遺体の安置
- 火葬内容の決定・依頼
- 火葬・引き渡し
- 拾骨(立会の場合)
それぞれ解説していきます。
1. ご遺体の安置
ペットが亡くなってしまったら、できるだけ早くご遺体を冷やした状態で安置します。涼しい場所に移して、目や口をやさしく閉じたあげましょう。湿らせたタオルなどを使って、体をきれいに拭いてあげるのも良いでしょう。その後、保冷剤やドライアイスなどを用いて冷やした状態で安置します。
気候や室温、ご遺体の状態により安置できる期間は異なりますが、夏場は1〜2日、冬場は2〜3日程度が目安となります。
2. 火葬内容の決定・依頼
ご遺体を適切に安置したら、火葬内容を決めて業者に依頼しましょう。時間の経過とともにご遺体の腐敗は進んでしまうため、できるだけ早く依頼することをおすすめします。
供養の方法に悩んでいる場合、まずは火葬のみを依頼する方法もあります。
火葬から供養までを一貫して行っている業者もあれば、訪問火葬車をはじめ火葬のみに対応しているところもあります。個別火葬方法に対応している業者を見つけて、希望する内容を伝えてみましょう。
3. 火葬・引き渡し
事前に決めたスケジュールと場所で火葬を行います。当日の立ち会いが難しい場合は、代行業者に一任で任せることも可能です。
個別火葬の場合、火葬業者によっては、お葬式やセレモニーを行っているところもあります。内容は葬儀社によってさまざまですが、大まかな流れは人間のお葬式とほとんど同じ流れで、出棺前に読経や焼香などを行います。
4. 拾骨(立会の場合)
個別火葬で立ち会う場合、火葬後には骨拾も行います。火葬台から直接拾骨する場合もあれば、骨上げ台や専用のトレーなどへ移した状態で拾骨を行う場合もあります。
また、人間のお葬式の骨拾では遺族が2人1組となって「箸渡し」を行いますが、ペットの場合は行わない場合もあります。
拾骨した遺骨を骨壷に収めて、返骨してもらうことで個別火葬は終了となります。
ペットを個別火葬した後の供養方法
「骨壷をそのまま自宅に安置する」「お墓に供養するためペット霊園に持ち込む」といったように、骨壷を受け取ったあとは飼い主の決めた方法で納骨や供養を行います。
ペットの供養に明確な決まりごとはなく、飼い主の考え方によって自由に選択して問題ありません。ここでは、ペットを個別火葬した後の供養方法について主流となっている方法を紹介します。
- 自宅供養
- 各施設で合同供養
- 各施設で個別供養
- アクセサリーとして身につける
- 散骨
自宅供養
火葬後の遺骨を施設に納骨せず、自宅の庭にお墓を建てたり、骨壷を自宅に安置したりする供養方法です。室内で安置する場合は、骨壷をそのまま祀る方もいれば、室内の一角にお墓プレートや供養グッズなどを設置する方もいます。
ペット霊園に足を運ばなくても毎日供養できるため、グリーフケアとして選択する方も多いです。また、管理料がかからず費用を抑えやすいメリットもあります。お墓やお墓プレートを作る場合は数千円~5、6万円程度、骨壺を祀る場合は数千円〜2万円程度がおおよその目安相場です。
各施設で個別供養
ペット霊園をはじめ、各専門施設の一角を借りて個別のお墓を建てる方法です。個別墓では管理料をはじめ納骨後のランニングコストが発生するため、予算と相談して決めるようにしましょう。管理料の相場は、年間で3千円~2万円程度です。
霊園によっては墓石のお墓だけでなく、樹木を墓標とする「樹木葬」に対応しているところもあります。樹木葬の場合、墓石と違って継承者が不要だったり、飼い主と一緒に入れたりする点がメリットです。
また、室内のロッカーや棚等で個別のスペースに分けられている「納骨堂」で供養する方法もあります。納骨堂は合同で使用する施設ではあるものの、返骨が可能な点が大きな特徴です。
各施設で合同供養
多くのペット霊園では、個別墓だけでなく合同のお墓(合祀墓・合同供養塔)も用意しています。合同火葬のご遺骨が供養されるほか、個別火葬の骨壷から遺骨を取り出し、他のペットと一緒に納骨することも可能です。
ただし、一度納骨したあとは返骨できない場合が多いため注意が必要です。
個別のお墓と比べると費用は1〜2万円と比較的安く、年間管理費もかからない場合がほとんどです。お参りはいつでも可能なほか、霊園によってはお彼岸やお盆などで供養祭を行っているところもあります。
アクセサリーとして身につける
ペットの遺骨をアクセサリーにして身につける方もいます。
アクセサリーの種類は手軽に作れるキーホルダーやペンダントタイプのものから、本格的な金やプラチナなどの素材を使用したネックレス、遺骨で作るダイヤモンドまで、さまざまな価格帯のものがあります。使用する素材によって料金相場は大きく異なりますが、一般的には、数千円〜数万円程度のアクセサリーが作りやすくて人気です。
散骨
散骨は、火葬後の遺骨をパウダー状にして自然に還す葬送方法です。散骨は海や私有地などさまざまで、立ち会いだけでなく郵送等で代行してくれる散骨業者もあります。
代行の場合は1万円前後〜、立ち会いの場合はチャーター便の手配などで10万円前後〜がおおよその費用目安です。「大切なペットを自然に還してあげたい」「のびのびと自由に過ごしてほしい」といった思いから、近年特に注目されている供養の1つです。
ペットの個別火葬に関するよくある質問
最後に、ペット供養に関するよくある質問を簡単に紹介します。
- ペットが亡くなってから何日以内に火葬の必要がありますか?
- お花や手紙を火葬できますか?
それぞれについて解説していきます。
Q. ペットが亡くなってから何日以内に火葬の必要がありますか?
遺体の状態や気候、室温などで安置できる期間は異なりますが、夏場は1〜2日、冬場は2〜3日がおおよその目安です。とはいえ、できるだけ早く火葬するに越したことはありません。火葬までに時間がかかってしまう場合は、保冷剤やドライアイスを用いて冷やすようにして、できるだけ状態を保てるように工夫しましょう。
Q. お花や手紙を火葬できますか?
火葬業者によっては、棺にお花や手紙、写真などを添えられる場合もあります。ペットと一緒に撮った写真や、感謝の気持ちを綴った手紙を添えてあげましょう。お花は火葬業者で用意してくれている場合もあります。
また、お気に入りのおやつやご飯があれば、袋から出して一緒に火葬してもらえることもあります。
まとめ
予算やお住まいの地域によっては、なかなか火葬業者を探せないという方もいるかもしれません。しかし、大切なペットとしっかりお別れするためにも、できるだけ早く火葬業者を見つけることをおすすめします。
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