かわいがっていたハムスターが死んでしまったら、大切に供養してあげたいですよね。今は、大事なハムスターを火葬してくれる業者や施設が数多くあります。
後悔のないお別れをするため、ハムスターの葬儀・火葬を行うための方法や値段、注意点などについてご紹介したいと思います。
ハムスターが死んでしまったら
ハムスターが死んでしまったと思った際には、まずは死亡確認を行う必要があります。
死亡確認を行う
ペットとして飼われているハムスターは、通常ほとんどの場合冬眠をしません。しかし体温の低下や栄養不足などの危機的状況に追い込まれると、「疑似冬眠」とよばれる仮死状態になることがあります。
疑似冬眠は気温の冷え込みによる体温が低下し、身体を暖めようとしてエネルギー不足に陥った状態なので、まだ生きてはいるものの危険な状態です。
- ゆっくりでも呼吸をしているか
- 身体がやわらかいか
- 目や口が閉じているか
これらに当てはまる場合、疑似冬眠の可能性が高いので、以下の手順で起こして対処してあげてください。
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疑似冬眠の特徴にあてはまらず、呼吸が止まり身体が硬くなってきている場合は、亡くなってしまった可能性が高いです。
もし自分で判断や対処をするのが難しい場合は、かかりつけの動物病院へ相談しましょう。
遺体を安置する
死亡確認ができた後は、火葬するまで遺体がくずれないよう安置する必要があります。ハムスターも他の動物と同様、亡くなって少し時間が経つと死後硬直や腐敗が始まります。
死後硬直が始まる前に、自然に眠っているような体勢に整えてあげましょう。まぶたが開いている場合は指先でそっと閉じます。すでに身体が硬くなっている場合は、無理に動かす必要はありません。
もし身体が汚れている場合は、ガーゼや布を湿らせてやさしく拭き、清潔な状態にしてあげましょう。
ハムスターの身体に合った大きさの箱を用意し、新聞紙やタオルなどを敷いて遺体を寝かせます。保冷剤で冷やし、箱は日の当たらない涼しい場所に置きましょう。
身体に直接水分がつくと腐敗が早まることがあるので、保冷剤はガーゼなどに包んで当てておくと良いです。暑い時期は複数の保冷剤を用意して、時々交換しながら念入りに冷やしましょう。
ハムスターの供養方法は?火葬するか埋葬するか決める
亡くなったハムスターの遺体を安置することができたら、次はどのような供養を行うかを決めましょう。
ペットの遺体は行政に依頼して供養してもらうこともできますが、多くの市区町村ではペットを産業廃棄物としてゴミと一緒に扱ってしまうため、大切に供養するためには自分自身で火葬業者を見つけるか埋葬を行う必要があります。
ハムスターを火葬する場合
しっかりと供養しようと思う場合、最も一般的な方法が火葬です。火葬を行うことで遺骨を大切に残しておくこともできますし、火葬業者によっては人間と同じようなセレモニーを行うことができ、大切におくりだすことができます。
ただし、いかに小さいハムスターといえど、火葬を行うためにはある程度費用がかかります。民間に依頼する場合は1万円以上はかかると考えておいたほうが良いでしょう。また、各種オプションなどを利用すると更に費用がかかる場合もあります。
ハムスターを埋葬(プランター葬)する場合
ハムスターの遺体は小さいため、家庭にあるプランターに埋めて供養するという方法も可能です。本来、埋葬を行う場所は私有地のみですが、プランター葬であればいつでも身近に大切なハムスターを感じることができます。
デメリットとしては、プランター葬の場合匂いや虫が発生するリスクがあります。日当たりが悪いところにおいておくと土が乾燥するまでに時間がかかり匂いや虫が発生する原因となります。また、土中の微生物や空気が足りない場合、ミイラのような状態になってしまうことがあるため、初めての方にはあまりおすすめができません。
大切なペットを安全かつ安心して供養した場合には、やはり火葬すると良いでしょう。
ハムスターの火葬方法別の値段
ハムスターの葬儀や火葬を行うための費用は、依頼する先やオプションの利用有無によっても大きく異なります。
自治体などで合同火葬する場合は、およそ1,000~3,000円で火葬することができます。また、個別火葬や立ち会い、拾骨などをお願いしたい場合は民間の火葬業者に依頼することになりますが、その場合は1万円~3万円ほどの費用がかかります。
民間へ依頼する場合、葬儀社や火葬業者のオプションを利用すると更に費用がかかります。
この章では、費用への影響が大きい合同火葬と個別火葬について以下にてもう少し詳しくご紹介します。
合同火葬の値段
合同火葬は「ほかのハムスターとともに火葬をする方法」です。自分の家のハムスターだけでなく、飼い主のいない動物にも利用されています。
ほかのペットの骨と混ざってしまうので、遺骨は返却してもらえません。遺骨を手元に残せない人におすすめです。
火葬後はほかのペットの骨と一緒に埋葬されます。他の火葬方法に比べると費用を抑えられることが特徴で、業者によって料金は異なりますが、目安は自治体に依頼する場合で1,000~3,000円程度、民間に依頼する場合で1万円前後になります。
個別火葬の値段
個別火葬の場合、葬儀から拾骨までを全て葬儀社に依頼する一任と全てに立ち会うことができる立ち会いの2種類があります。それぞれによって値段が異なりますので、それぞれご紹介します。
一任の場合
個別一任火葬は個別に火葬をしてもらい、骨上げまでを一任する形式です。業者代行で収骨までしてほしい人向けのプランで、悲しみが深くて遺骨を目にしたくない状態の人でも、ペットを供養してあげられます。
個別一任火葬の方法は、訪問火葬と火葬場で行うパターンの2つです。訪問火葬はペット専用の火葬炉の付いた車で自宅を訪問し、遺体を回収して火葬をする方法です。ペット霊園へ行かなくても火葬できます。
火葬後は業者によってペット霊園・合同供養塔などに埋葬されたり、遺骨を骨壺に入れた状態で遺族に返却してくれたりなど、業者によって異なります。どのような対応をしてくれるのか、確認してみましょう。
業者によって料金は違いますが、目安は1万5千円から3万円程です。
立ち会いの場合
立ち会い個別火葬は、人間の葬儀に近い形式で行われます。火葬炉が付いた車や火葬場で個別に火葬し、火葬後は家族が遺骨を拾う形式です。
遺骨はそのまま霊園に埋葬してもよいですし、自宅に持ち帰って安置した後、日にちを置いてから埋葬することもできます。
家族がそばで寄り添って見送ってあげられるので、手厚く供養したい人におすすめです。業者によって料金は違いますが、目安は1万7千円から7万円までと一任と比べて少々高い金額帯となっています。
火葬料金を安く抑えるための方法
葬儀や火葬の費用を安く抑えたい場合には、火葬場までハムスターを持ち込みすることでいくらか費用を抑えられる場合があります。火葬場によっては、およそ1,000円から3,000円程度金額が安くなることもありますので、お願いする前に確認をしてみると良いでしょう。
その他、時間があるようであれば複数社見積もりを取るなどによって費用を抑えられる可能性が高くなります。
ハムスターの火葬みんなどうしてる?ミツモア利用者の傾向
ハムスターの火葬をするにあたり、火葬方法や拾骨の有無によっても値段は変わってきます。そのため、火葬する人が実際どのような火葬を行っているかは気になりますよね。
そこで、ミツモアでハムスターの火葬を依頼されている方の傾向を分析しましたのでご紹介します。
火葬方法は個別火葬と合同火葬どちらが多い?
ミツモア利用者の傾向を分析した結果、個別火葬を選択する方が65%と多いことがわかりました。
やはり、愛情を持って育ててきたハムスターを火葬する際には、他のペットと一緒に火葬する合同火葬ではなく、個別火葬でお別れをしたいという方が多いようです。
個別火葬の場合、拾骨は希望する?しない?
次に、個別火葬を選んだ方の中で遺骨のお拾いを希望するかどうかについての回答結果です。希望しないと回答している方が60%と多いことがわかりました。
遺骨のお拾いはオプションであることが多いため、基本的な料金プランで火葬を希望する方が多いのかもしれません。
お別れのために自身で遺骨を拾いたいという場合は火葬業者に事前に依頼するようにしましょう。
ハムスターの火葬はどこに依頼すると良い?
ハムスターの火葬を行うためには、まずは火葬業者を探す必要があります。
ハムスターを火葬してくれる依頼先は大きく2つで、自治体と民間事業者です。では、それぞれの特徴についてご紹介します。
自治体に火葬を依頼する
ペットの火葬は多くの自治体で行われています。自治体に依頼したい場合は、自治体のHPを確認し、受付しているか事前に問い合わせましょう。
自治体の場合、平日のみの受付となっていることが多く、希望の日時に対応できないケースが少なくありません。また、ほかのペットと一緒に火葬する、「合同火葬」の形式を採用しているのが一般的です。
立ち会いや遺骨の返却はしてもらえないのが大半ですが、比較的安く供養することができることがメリットです。火葬後の扱いもさまざまで、合同墓地に葬られるケースや、骨が残らないように高温で焼くことも少なくありません。
自治体によって料金設定が異なり、1,000円程度の場合もあれば、1万円近い料金がかかることもあります。自治体でペットの火葬を行っていないという場合には、民間のペット火葬業者を探しましょう。
民間のペット火葬業者・葬儀社に依頼する
ペット葬儀社に依頼すると、合同火葬以外にも個別一任火葬・立ち会い個別火葬などの、希望に合うプランを選べます。また、移動火葬車を保有している葬儀社の場合、自宅や希望する場所へと出張火葬も行ってくれます。
ハムスターを火葬した後に遺骨を残したいであったり、火葬に立ち会いたいといった要望がある場合には迷わず民間の火葬業者や葬儀社を探しましょう。
自治体に依頼するよりも、民間の場合火葬の日時を自由に選べる可能性も高いので、家族全員で見送ってあげることができます。訪問火葬を選べば、事情があって火葬場までの移動が困難な方でも問題なく弔ってあげられます。
希望する内容が多い程、時間や費用はそれなりにかかりますが、家族が望む形で手厚く供養することができます。
お住まいの地域のペット火葬・葬儀社を探す
以下のリンクより、各地域のペット火葬・葬儀社を見つけることができます。プロの情報や口コミも見られます。
ハムスターの火葬・葬儀社を選ぶポイント
ハムスターの体は小さいので、上手に火葬するためには経験豊富な火葬業者を選ぶ必要があります。後悔しない選び方のポイントを見ていきましょう。
ハムスターに対応した火葬炉があるか
ペットの火葬業者を選ぶ際、「小動物に適した火葬炉」を備えているかは確認したいポイントです。
ペットの火葬業者といっても、対応できる種類はさまざまです。犬・猫などのペットは問題なくても、ハムスターのような体が小さいペットは、うまく火葬できないことがあります。
小動物用の小型炉を備えていない場合、ハムスターに対して火力が強すぎて、骨が残らない状態になってしまうケースもあるのです。火葬してしまった後では、やり直しはできません。
小動物用の小型炉を備えているか、ハムスターの火葬実績が十分にあるかを、しっかりと確認してから依頼しましょう。
ペット火葬業者の実績を確認
「ハムスターの遺骨を残すために、どのタイミングで火葬を終えるのか」を見極めるには、経験にもとづいた知識が必要になります。経験の浅いスタッフしかいない業者だと、火葬に失敗するリスクが高くなるでしょう。
ただでさえ悲しいときに、火葬に失敗すればより悲しい思いをすることになります。大切なペットを任せられる火葬業者かどうかを判断するには、「創業年数」をチェックする方法がおすすめです。
古くからある業者の方が、それだけ経験が豊かで確かな技術を持っていると考えられます。最低でも3年以上、ペット火葬に携わっている業者に依頼するようにしましょう。
ペット火葬業者の評判や口コミをチェック
ペット火葬業者のホームページには、過去に火葬を依頼した人の口コミが掲載されているので、チェックしてみましょう。
ホームページの口コミの内容が極端にかたよっている場合、「SNS・ネット上の口コミ」などで評判をチェックするのも大事です。評判が悪い業者には、依頼しないようにしましょう。
業者に依頼する際は、相見積もりを取る方法がおすすめです。1カ所の業者だけで決めてしまうと、相場と比べて安いのか高いのかを判断しにくく、失敗する原因になります。ミツモアなら簡単に相見積もりを取れるので、ぜひ利用してみましょう。
ハムスターを自分で火葬することはできるか?
ハムスターを火葬する際、注意したいことがあります。一歩間違うと法律違反になってしまったり、衛生上の問題が起こったりすることがあるのです。どんな点に注意すればよいのか見ていきましょう。
飼い主が自分で火葬することは法律で禁止されている
「小さなハムスターであれば、自分で火葬できる」と考える人もいるかもしれません。しかし飼い主による火葬は、法律で禁止されているので、家庭で火葬するのはやめましょう。
ペットが死んでしまうと、法律上その遺体は廃棄物と見なされます。廃棄物を燃やすと、有害ガスなどが発生する恐れがあることから、家庭では焼却できないと法律で決まっているのです。
ペットの火葬炉は「1,000度近い高温」で、遺体・有害物質などを完全に燃焼させる仕組みを備えています。一般家庭にはそのような設備がないため、臭い・有害物質が発生する火葬を飼い主が行うのは不可能です。
私有地であれば土葬することが可能
飼い主による火葬は禁じられていますが、私有地にペットを土葬するのであれば問題はありません。ハムスターのような小型ペットの場合、自宅の敷地内や庭、プランターなどに土葬するのも1つの方法です。
ただし近隣住民に迷惑をかけないように、土葬の仕方・埋める場所には気を遣う必要があります。
十分な深さの穴を掘って、腐敗臭がもれ出すのを防いだり、虫が湧いたり野生動物に掘り返されたりしないように注意しなければなりません。近くに川・畑などがある場合は、水質・土壌汚染につながってしまう可能性もあります。
また土葬した後、ペットの体が土に還るまでには長い年月が必要です。長い間ずっと管理し続けられる環境かどうか、よく考えてから土葬することも大切です。
ハムスターを火葬する際の注意点
ハムスターを火葬する際の注意点についてもいくつかご紹介しておきたいと思います。
ハムスターの遺骨を残すための注意点
せっかく大事に飼っていたハムスターですので、火葬後は骨を残したいと考える方も多いかと思います。最近では、手元供養としてネックレスとして遺骨を活用される方もいらっしゃいます。
骨を残すためには、いくつか注意しておく必要があります。
まず、合同での火葬を依頼してはいけません。合同火葬の場合、他のペットと一緒に燃やすため、あなたのペットの骨だけを取り出すということはできません。自治体で火葬する際は基本的に合同火葬になりますので、遺骨を残したい場合は自治体のHPをよく確認するか、民間に依頼しましょう。
移動火葬車での火葬の場合も、ハムスターなどの小動物においては合同火葬が行われることがあるため注意が必要です。
ハムスターが亡くなってからいつまでに火葬する必要があるか
1つの目安としては、亡くなってから2~3日以内に火葬することです。寒い日や環境が良ければ5~10日程大丈夫ということもありますが、なるべく早くに火葬してあげることが大事です。
火葬方法や火葬業者を決めるまでに考えることは多いですが、なるべく早く決めることを心がけましょう。
葬儀社に依頼してハムスターを大切に供養しよう
ペットのハムスターが死んでしまったら、自治体かペット葬儀社に依頼して火葬をしましょう。ハムスターに対してもお葬式を行うことで、大切にしていたペットを大事に供養することができます。
飼い主が火葬をすることは法律で禁じられているので、火葬しない場合は私有地内に埋葬するか、業者に依頼して火葬した後に遺骨を埋葬することとなります。
土葬すると野生動物に掘り返されたり、臭いが発生したりなどの問題が起こるケースがあるので、業者に依頼して火葬すると安心です。
火葬業者のホームページやネット上の評判などを参考に、ハムスターの小さな体を適切に火葬できる業者を選びましょう。
監修者:石井未希
獣医師
日本獣医生命科学大学卒業。
猫の診療室モモ、わかば犬猫病院にてパート獣医師として勤務。
獣医行動学研究会所属。
東洋医学を勉強しており、鍼灸治療や漢方薬を取り入れた治療を行っている。
コメント
私が子供の頃はハムスターを火葬してくれる施設があるなんて知りませんでした。
今はペットも大事な家族の一員として葬儀をする人も増え、葬儀の選択肢が増えました。
このような情報がペットと暮らしている人達にもっと広まり、皆さんがペットが亡くなったときに後悔のないお別れができるといいなと思います。