部屋の内壁をリフォームして、自分好みのおしゃれな雰囲気にしたいと思う方は少なくありません。しかし壁の塗装には注意が必要なポイントがあり、業者に依頼しなければできない場合があります。DIYする手順や業者へ依頼する注意点を紹介します。
内壁塗装のメリットとデメリット
内壁塗装には「自分好みの質感や色」に変えられるというメリットがありますが、費用の負担といったデメリットも存在します。まずはメリットとデメリットを把握してからリフォームを検討しましょう。
メリットは質感や色
内壁塗装の最大のメリットは、壁紙クロスでは出せない質感とカラーリングです。
塗装が施された内壁は、おしゃれなカフェや雰囲気のあるレストランのような空間を演出できます。塗料によって壁が平面ではなく立体的になり、厚みのある洗練された部屋に仕上がります。
さらに、塗料であるペンキやオイルは単色だけでなく複数の色を混ぜ合わせることが可能です。たとえば白だけでも微妙な違いで164種類もあるといわれているので、カラーは質感よりもオリジナリティを表現できます。
このほかにも「修復のしやすさ」や「環境への配慮」といった点でもメリットがあります。壁紙は基本的に一部の汚れや傷でも部屋全体を貼り直しますが、塗装であれば周囲の質感とカラーに合わせて塗るだけで修復が完了します。
デメリットはにおいや費用
塗装はにおいが発生してしまうケースがあり、気になる人にとってはデメリットとなります。しかし、塗料は時間が経てば揮発してにおいが減少するので、こまめに換気扇を回したり窓を開けたりして換気しましょう。
また、内壁塗装は自分好みにできる分、大量生産の壁紙クロスより初期費用が高くなる可能性があります。壁や天井といった場所や壁の素材に合わせて作業するので、施工費のコストが上がってしまうのが原因です。
さらに、塗装には手間がかかることも忘れてはいけません。内壁を塗装に変更する際は色の調合や下地の処理が必要なので、施工に手間がかかって工期も伸びてしまいます。
内壁塗装に使う塗料の種類
内壁塗装に使用される塗料は、主に「自然塗料」「AEP塗料」「オイルステイン」の3種類です。それぞれの特徴について解説します。
自然塗料の特徴
自然塗料とは原料に石油や合成顔料を含まない天然素材が主原料の塗料で、人体や環境への影響が少ないのが特徴です。
主原料は「柿渋」「カルナバロウ」「亜麻仁油」「ラベンダーオイル」「桐油」「白ロウ」「蜜ロウ」などが使用されます。近年は健康や環境問題に対する意識が高まっているので、悪影響が少ない自然塗料は注目を集めています。
石油系の合成樹脂塗料と比べると、天然素材を主原料にしているので保護する力は弱いですが、傷や汚れといった経年変化を楽しむことが可能です。
また、日本は自然塗料を明確に定義する法令などがないので、有害なホルムアルデヒドやVOC(volatile organic compounds、揮発性有機化合物)を発生させる恐れがあります。自然塗料だからといって素材を確認せず選ばないように注意しましょう。
AEP塗料の特徴
AEPは「アクリルエマルションペイント」の略称で、水性アクリル樹脂塗料を指します。AEP塗料は内壁だけでなく外壁や家具などでも使用され、ホームセンターなどで手軽に購入が可能です。
AEP塗料には有機揮発溶剤が含まれていないので、においや健康への影響が少ないといった点も使用場面が多い理由になります。
また、水性アクリル樹脂塗料は費用が安く、汚れの補修も簡単です。水性なので素人でも塗装しやすく、ローラーを使用すれば手軽に綺麗な仕上がりにできます。
オイルステインの特徴
ステイン塗料は主成分によって「油性」と「水性」にわけられますが、オイルステインは主成分が油性のステイン塗料になります。オイルステインは木材の表面に油分の膜が重なるので、つやが出て高級感を演出できます。さらに、木材をしっかりと保護するのでDIYでは人気がありますが、ほかの塗料と比べるとにおいが強いので注意しましょう。
また、オイルステインは初心者でも塗りやすく、材料に浸透するので刷毛の運びが滑らかで伸びもよいのが特徴です。乾くのも早いので2度塗りが簡単で、表面に刷毛跡が付きにくいので木目をきれいに出すことができます。
内壁塗装をDIYする方法
内壁塗装のメリットとデメリットや塗料の種類を把握し、塗装に挑戦しようと思い立ったら、こちらのDIYする方法を確認しましょう。
基本の道具をそろえる
まずは、内壁塗装に必要な以下の基本道具をそろえます。
- タオル、雑巾
- 養生テープ
- 中性洗剤
- パテ
- コーキング材
- 接着剤
- ヤニ止めシーラー
- マスキングテープ
- マスカー
- 下塗り材
- 内壁用塗料
- 刷毛
- ローラー
- ローラーハンドル
- ネット
- バケツ
上記の道具はホームセンターやネット通販で手軽に購入可能です。
養生や下地の準備
次に、内壁塗装をする前の下準備をします。
まずはタオルなどで内壁をきれいに拭いて、ホコリや油分などの汚れを落としましょう。ヤニ汚れにはヤニ止めシーラーを使用し、穴やひびなどを発見した場合はパテで埋めます。
その後は壁にそってマスキングテープを貼り付け、エアコンやコンセントを養生しましょう。このほかにも、巾木などに貼ったマスキングテープの上からマスカーを貼って養生範囲を広げます。
床面は作業中に踏んでしまう可能性が高いので、分厚いシートや新聞を敷くのもおすすめです。
塗料を塗る
準備ができたら塗料をよく混ぜてバケットに移し、ローラーや刷毛で塗装していきます。先にローラーが入りにくい狭い場所やコーナーを刷毛で塗り、それから広い場所をローラーで塗っていくのが基本です。
下から上に動かしながら塗装し、全て完了したら数時間塗料を乾燥させて2度塗りします。内壁塗装は均等に2度塗り重ねることできれいに仕上がるので、1度にすべての塗料を使って厚塗りしないよう注意してください。
養生を片付けて完了
最後に養生を片付けて終了ですが、この際に完全に乾燥するのを待つ必要はありません。
乾いて固まってしまうと養生に塗膜が付いて、せっかく丁寧に塗った塗料がはがれる可能性があります。塗料がはがれてしまうのが心配な時は、カッターで切れ込みを入れることで安心してはがせます。
もしも「下地の色が透けている」「塗りムラがある」「塗装がはがれた」という場合は、再度重ね塗りをしましょう。
内壁塗装は業者に頼もう
内壁塗装のDIYに自信がない場合、業者に依頼してしまうのがおすすめです。そこで、業者の費用や失敗しない選び方を解説します。
業者に頼んだ場合の費用相場
内壁塗装にかかる費用は約40,000~150,000円が相場とされています。トイレやお風呂場といった50㎡未満の狭い範囲であれば100,000円以下、100㎡程度のリビングや寝室などの広い範囲は80,000~120,000円ほど必要になります。
また、下地パテの処理には約50,000~80,000円が必要とされ、防汚性や耐久性の高い素材や繊維壁などを塗装すると150,000円程度まで費用が増えていきます。
初期費用が高いほどメンテナンスや修理の心配が減るので、予算を考えながらバランスの取れる範囲で依頼しましょう。
塗装業者を選ぶ際のポイント
塗装業者を選ぶ場合は、必ず相見積もりをしましょう。失敗しないためにはすぐに依頼する業者を決めるのではなく、複数業者の料金を比較することが大切です。
料金提示が1社だけの場合は、相場よりも高額で見積もりされる可能性があります。しっかりと見積もりを比較して、料金に大幅な違いがないか確かめましょう。
さらに、優良業者は担当者に専門的な知識や経験があるので、質問に正確に回答してくれます。施工実績や施工例も豊富なので、塗装の仕上がりがどうなるか質問するのもおすすめの確認方法です。
また、ミツモアなら無料で塗装業者に見積もり依頼ができ、求める条件に合った業者を見つけることも簡単です。
内壁の塗装をして自分好みの部屋に
内壁塗装は質感やカラーリングを自分好みに変えて、いつもの空間をおしゃれに演出できます。
道具をそろえて作業するには初期費用がかかるので、予算を決めて塗料の種類や色を検討してください。
また、内壁は長い間生活に関わってくるのでメンテナンスや修理も必要です。もしも業者に依頼する場合は、塗装後もサポートしてくれる優良業者を見つけて、理想の内壁を実現しましょう。
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