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コンクリート外壁を塗装するときのポイント!塗料の選び方を解説

最終更新日: 2024年06月28日

コンクリート外壁と、コンクリートに壁材を貼った通常の外壁とでは、塗装する際に気を付けるべきポイントが異なります。適切な方法で作業しないと、劣化を促進する恐れもあります。そこで適した塗料や実施するタイミングなどについて解説しましょう。

コンクリートの壁は塗装が必要?

コンクリート外壁はサイディング材などを使用した外壁と異なる魅力があります。ナチュラルな味わいや、意匠性の高いデザイン性が備わる点などが人気の秘密です。

一見丈夫そうにも見えるため、塗装やメンテナンスは必要なさそうだと思う人もいるようです。しかし劣化を防ぐためには、適切な手入れが大切になります。

まずはコンクリート外壁の特徴と、塗装の必要性について考察します。

コンクリートの特徴

高い遮音性や防音性は、とても大きな魅力と言えます。木造の住宅と比較したときに、外部からの騒音を遮り、反対に室内の音を外に漏らさない効果は極めて大きなものです。

音は場合によっては近隣との関係に悪影響をもたらす恐れがあります。音が原因で発生するご近所トラブルは少なくありません。それほど音には配慮が必要なのです。

優れた耐火性も暮らしに安心感をもたらしてくれます。高い耐火性によって、もし出火しても燃え広がりを防いでくれるでしょう。その恩恵の一つとして、コンクリート造りの住宅に掛かる火災保険料は、木造に比べて安価になります。

スタイリッシュでオシャレな外観はコンクリート壁ならではです。打ちっぱなしの外壁がもたらす高級感は、独特の存在感をたたえています。他方、モルタル外壁ならば、一般住宅のような落ち着いた雰囲気をもたらしてくれるのです。

塗装をすることで劣化を防げる

意外に思う人もいるでしょうが、コンクリート壁には、水分を吸収しやすいという特性があります。コンクリートの道路が黒ずんでいる状態を見たことがあるでしょう。それは、水分を吸収したことによるものです。

湿気を帯びることによって、カビの発生を招きやすくなります。水分を含んだ壁は湿度と温かさを好むカビにとって絶好の環境です。

またシミになる可能性もあります。大気の汚れを含んだ水分を吸収してしまうことで、シミの原因となってしまうのです。

塗装することで表面に塗膜を作っておけば、外部からの水分の吸収を抑える効果があります。ひいては、塗装が外壁の劣化防止に大きく貢献するのです。

コンクリートに使われる塗料

サイディングボードを用いた外壁とは、使用する塗料が異なります。塗装は建材に合ったものを使わなければ、必要な効果が得られないのです。

ではコンクリート外壁に適した塗料とはどのようなものでしょうか?適したタイプを紹介します。

水をはじく撥水剤

水を弾く性質があることから、高い防水性を備えています。雨水の吸収を、撥水性(はっすいせい)によって抑えられる塗料です。

水気を吸収しやすいコンクリートにとって、防水対策は欠かせません。変色やシミ、ひび割れを防ぐためにも大切な取り組みと言えます。

コンクリート打ちっぱなしの外壁を採用している住宅は、デザイン性を重視しているケースがほとんどです。本来コンクリートが持つ色とは異なる塗装を施すことには、抵抗感があるでしょう。

その点透明の撥水剤を用いて塗装すれば、ビジュアルに影響を与えることはありません。外観のイメージを保持しつつ、劣化から守る効果を備えています。

耐久性の高いカラークリヤー塗料

着色剤を含んでおり、色付きながら透明性も合わせ持った塗料です。撥水剤と比べて、クリヤー層が外壁をしっかりと保護することによって、耐久性が向上します。

耐用年数が延びるだけでなく、サビの防止や防水性、塗装ムラの抑制といった点にも威力を発揮する塗料です。いくつもの効果を備えている点で、とても心強い存在と言えます。

作業工程が増えるため、撥水剤だけの塗布と比較すると施工には費用が掛かります。しかしメンテナンス周期は長いスパンで考えられるため、両者の差額ほどの負担感はないと言えるでしょう。

ひび割れに強い弾性塗料

地震による大小の揺れなどに対処するため、外壁も動くことによって負担軽減を図ります。壁材によって動き方は異なりますが、動きが大きいほどに塗装にも負荷が掛かり、劣化へとつながります。

弾性塗料はその名の通り弾力性に富んだ性質を備えたものです。外壁の動きに合わせて塗面が伸びるため、ひび割れやはがれを防ぐ効果を持っています。

雨漏りの発生原因で最も大きいものは、何といっても塗面のひび割れやはがれです。そこから雨水が侵入し、建材を伝い雨漏りへと進行します。

壁面の動きに追従する性質を持つ弾性塗料であれば、柔軟に対応し、外壁の表面をしっかりと保護してくれるでしょう。

塗装をするタイミング

「塗装の必要性は理解しているものの、実施するタイミングが分からない」という声をよく聞きます。そこで適切な時期の判断方法について解説しましょう。

ひび割れの症状が出た

ひび割れ(クラック)の症状が現れたら、塗装が必要なサインです。放置するほどにひび割れは長くなり、その他の場所でも発生するようになるでしょう。

ひびの幅が3mm以上ある大きなものを「構造クラック」と言いますが、このレベルになると内部にまで破損が及んでいる危険性があります。そのため早期の対応が求められるのです。

0.3mm以下の細いものは、髪の毛になぞらえて「ヘアクラック」と呼びます。定期的にチェックして、できるだけこのレベルから進行する前に手を打つことが肝心です。

カビやコケが発生した

日当たりのよくない北側などには、カビやコケが生えやすいものです。次第に広がってくると、美観的を低下させてしまう原因にもなります。

カビやコケの発生そのものは、建材の劣化現象とは言えません。ですので見つけたからといって過剰な心配は不要です。

しかし人に見えにくい部分だからといって放置してしまうと、コンクリートの腐食につながる恐れがあります。ですので、塗装してからの年数や、カビ・コケの広がる範囲を見極めて再塗装を検討しましょう。

塗装がはがれてしまった

塗装は時を経るごとに劣化が進行するもので、それは避けられません。そしてはがれは、経年劣化とともにどうしても起こり得るものです。

塗装がはがれた部分には雨水が侵入します。その水気をコンクリートが吸収し、次第に劣化を進行させてしまうのです。

はがれと同時に気を付けて見ておきたい現象が「膨れ」です。塗膜のわずかな隙間から侵入した水分が、日光によって温まると膨張します。その結果、塗膜を内側から押し出すように膨らませるのです。

膨れた塗膜表面は強度が下がるため、はがれにつながりやすくなってしまいます。

塗装する際のポイント

塗装の重要性を理解し、実施するタイミングが知ったことで、施工を検討する人もいるでしょう。そこで気になるのは費用ではないでしょうか。

頻繁に行うものではないため、相場は分かりにくいものです。業者に依頼したときの標準的な費用や、DIYを検討する際の注意点について解説します。

相場費用はどれくらい?

一口にコンクリート壁といっても、その種類は一つではありません。そして、タイプによっても塗装費用は違います。

また使用する塗料ごとに料金が異なるので、自ずと施工費は変わってくるものです。

一般的な相場は1㎡あたり3,000~1万円になります。この金額は人件費や材料費など、全てのコストが含まれています。

広さ30坪の2階建て住宅を例にすると、総工事費は50万~80万円が相場です。

DIYでの塗装はおすすめできない

日曜大工が趣味という人の中には「自分で塗装できないだろうか?」と考える人もいます。しかしDIYで作業することはおすすめできません。

塗装は天候や湿度に大きく左右されるものです。同じ塗料を使っても、前日と翌日では結果が異なることもしばしば起こります。また均一に塗布するにも、高い技術が必要になるのです。

高所での作業も必要なことから、プロはたいてい足場を組んで行います。それを脚立だけで、かつ補助なしで対応しようとすると、事故が起こる可能性はとても高くなってしまうでしょう。

さらに作業期間の問題もあります。業者でも1日で終えることは難しく、素人が休日を利用して作業するとなるととても長期間の作業になってしまいます。やはり外壁塗装は専門業者に相談することが得策です。

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定期的にメンテナンスを

コンクリート外壁は、独特の風合いと洗練されたデザイン性で人気を集める意匠と言えます。メンテナンスをするにも、そのビジュアルを崩さずに施行したいものです。

水分の吸収による劣化を防止するには、塗装が重要な役割を果たします。適した施工法を選んで、住宅をしっかりと守りましょう。