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ビルの外壁塗装の相場は?使われる塗料や業者選択のポイントも解説

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最終更新日: 2023年03月31日

ビルを良好な状態で維持するためには、さまざまな手入れが必要です。中でも外壁塗装は重要な意味を持っています。大がかりな作業になるため、不安を抱くオーナーもいるでしょう。相場や施工法をはじめ、業者選びのポイントなどについて解説します。

ビルの外壁塗装が必要な理由

高層ビルを見上げる

ビルのメンテナンスに悩むオーナーは少なくありません。外壁塗装についても知識が備わっていない場合には戸惑うケースがあります。

しかし一般の住宅と同様に、ビルを安全な状態にしておくためにも、外壁のコンディションを維持しておかなければなりません。

外壁塗装に気を配るのはなぜでしょうか?

外観維持と寿命を延ばすため

外壁は建物を外から眺めたときに必ず目に入る部分です。外壁の雰囲気がその建物の印象を決めるといっても過言ではありません。

雨や風、強い日射しを受けることから、気候の影響を直接的かつ最も大きく受ける部分でもあります。それゆえ塗装の劣化も起こりやすいでしょう。

塗膜がダメージを受けると、ひび割れや剥がれといった症状につながります。損傷した部分が広がると外観にも大きく影響し、美観を損ねてしまうでしょう。

塗膜のひび割れや剥がれた部分からは、雨水が侵入しやすくなるものです。内部に浸み込んだ雨水は壁の内面に浸み込み、場合によっては建材にまで及んでしまいます。そして水分で腐食が進むケースもあるのです。

建材の腐食は雨漏りの原因になることもあれば、建物の強度を低下させることにもつながります。外壁塗装をよい状態にとどめておくことは、建物の寿命を延ばすためにも有効なのです。

劣化や被害が見えなくても外壁塗装が必要

ビルを安全な状態に保つためには常に配慮が必要ですが「目に見えて劣化が進んでおらず、被害が生じていない」と判断し、注意を怠るのは危険です。

外壁塗装の大きな枠割に「防水」があります。汚れがあまり目立たず、表面的には問題と感じられなくても、小さなひび割れや剥がれ部分から雨水が内部に侵入している可能性は十分にあるのです。

建物の内部に入り込んだ雨水は建材に浸み込み、ひいては鉄筋コンクリートにまで到達します。鉄筋は水分によって腐食が進みやすく、これにより強度が極端に低下してしまうのです。

鉄筋コンクリートの強度が下がると、建物の安全性も失われます。大きな地震によって壁が崩れるといった事故につながる可能性もあるでしょう。

このように劣化が見えないからといって安心は禁物です。外壁塗装は多くの人が思う以上に、建物の安全面に貢献しています。

外壁塗装の費用相場

外壁塗装

塗装を施すうえで気になるのはコスト面でしょう。ビルの規模が大きく塗装面積が広いほど、予算のイメージが湧きにくいものです。

検討を一歩前進させるために、費用の相場について見ておきましょう。

1㎡あたり3,000~5,000円程度

「ビルの外壁塗装の相場」といっても具体的な金額を分かりやすく提示するには難しい面があります。ビルには多様な規模のものがあり、従って塗装面積もそれぞれ異なるためです。

工事の規模が大きくなれば、あらゆる作業が増えるとともに、資材も多く必要です。職人の人数も増えるため、人件費もかさみます。

一般的な費用相場としては、1㎡あたり3,000~5,000円と考えてよいでしょう。これを平米単価ととらえ総費用を算出します。

平米単価とは職人の手間賃や材料費、その他の経費をまとめて1㎡あたりにかかる費用です。そして窓やサッシなど、さまざまな要素を考慮するため、「1.2」という係数を乗じて計算します。具体的な計算式は以下のとおりです。

総予算=平米単価×総面積(㎡)×1.2

総額は250万円から1,500万円と幅広い

塗料にもさまざまな種類があり、それぞれに金額が異なります。高性能なタイプであれば、それだけ価格は高くなるのです。つまり小さいビルに安価な塗料を使う場合と、大きなビルに高価な塗料を使う場合とでは、総費用は大きく異なります。

足場を組み養生シートを張るにも、建物の大きさによって料金が変わります。規模が大きくなるほどにかかる日数も増え、それだけコストも必要になるのです。

このように一言でビルの外壁塗装といっても、総額には相当の違いが生じてしまいます。具体的に示すならば250~1,500万円と、実に幅広い差が生まれる可能性があるのです。

外壁塗装に使用される主な塗料

外壁塗装 プレミアムシリコン

外壁塗装は壁に塗料を塗ったり噴き付けたりして施工するものです。その塗料にも多様な種類があります。

それぞれに性能や特徴に違いがあり、高性能な塗料であるほどに金額も上がるのです。

コストにも仕上がりにも影響する塗料について、代表的なタイプを紹介しましょう。

ウレタン樹脂

耐久性が安定している塗料で、1970~80年代の住宅需要が高かった時期に多用されました。コスト面でも強みがあり、作業も比較的しやすい点により広く普及しています。

機能面は最高レベルとはいえませんが、十分なクオリティーは備えています。美観のリフレッシュ工事などに適したタイプといえるでしょう。

耐用年数は6~8年ほどで標準的といえます。重ね塗りによって壁面を厚膜で覆うこともできる、とてもポピュラーな塗材です。

シリコン樹脂

塗ったときの艶や色持ちのよさに定評があります。ウレタンよりも総合的に品質が優れているといえる塗料です。そのため建設現場に急速に浸透してきました。

高性能な塗料でありながら、価格も手頃な範囲に収まっていることから、さまざまな建物に活用されるようになりました。現在では大量に住宅を建設するハウスメーカー各社や、一般の塗装業者でも幅広く使用しています。

耐用年数は8~10年くらいと、こちらもウレタンよりもやや長めです。「水性」と「弱溶剤」に分かれ、さらにそれぞれ「1液タイプ」「2液タイプ」があり、その違いによっても耐久性が異なります。

フッ素樹脂

「フッ素樹脂」と耳にすると、歯磨き粉の成分やフライパンの表面に施される素材という印象を抱く人もいるでしょう。塗料でもその丈夫さは大いに活用されています。

天然石である「ホタル石」に含まれる「フッ化カルシウム」が原料です。それをもとにアメリカのデュポン社が開発したものがフッ素樹脂ですが、強固な塗面を作るために、塗料においても使用されるようになりました。

塗料においては「3F(3フッ化)」と「4F(4フッ化)」に区別されます。耐久性はシリコンの1.5~2倍あるといわれており、耐熱性や耐薬品性、非粘着性、低摩擦性といった面でも高い性能を持つ塗料です。

ラジカル系の塗料

最大の特徴は極めて高い耐候性にあります。その分野では水性のシリコン塗料が長らくトップとされていましたが、それを遥かに凌ぐとされる水準を実現しているのです。

当初は「ハルスハイブリッド」と呼ばれていましたが、近年はラジカル系というネーミングで統一されています。名前が分かりやすくなったことも寄与し、近年急速に普及している塗料です。

顔料に含まれる「酸化チタン」に光が当たると、触媒反応が起こります。そこから塗膜を傷める物質が生まれますが「ハルス」と呼ばれる光安定剤と「高耐候酸化チタン」、アクリル樹脂を混合し塗料にすることで、塗膜を傷つける物質を抑え込みます。

ラジカルとは塗膜を劣化させる物質を制御し、抑え込む作用を指す言葉です。耐用年数は8~10年で標準的な期間といえます。

外壁塗装の工事費用内訳

電卓

外壁塗装を行うためには、塗料と刷毛(はけ)があればよいというものではありません。いくつもの下準備を経て作業し、塗装作業以外にもさまざまな業務があるのです。

費用総額を的確に判断するためにも、工事で必要になる作業やコストについて見てみましょう。

足場設置代

外壁塗装は高所での作業も必要になる工事です。どのような場所でも安全かつ確実に施工するには、安定した足場がなければなりません。

そのための費用として足場設置代がかかります。これは資材を運ぶ運賃と、組み立てる作業費を含んだものです。

見積もりの際に全体的な金額があまりに安いと感じたら、足場代が含まれているか確認することをおすすめします。「塗装費用一式」となっている見積もりで、実は足場設置代が入っておらず、後に別途請求されるケースもあるためです。

ときに「足場代無料」と広告などに表示している業者もあります。嘘ではないかもしれませんが、国家資格が必要な組み立て作業もあり、それを無料で行うことは禁止されている点に注意しましょう。

粗悪な工事を防ぐためにも発注には慎重さが必要です。

材料費

外壁塗装に不可欠なものとして塗料が挙げられます。また目地の修復などのために、コーキング剤を使用する場合もあるでしょう。

塗料の飛散や飛沫による汚れから家財や車、植木などを守るために、養生もしなければなりません。下地処理のためにシートを張る必要もあります。

このように外壁塗装では塗料以外にも多岐にわたる材料をそろえなければならず、その各々に費用が発生するのです。

その他の費用

業者に相談すると現状確認のために現場を見に行く必要があります。また打ち合わせを繰り返し行う場合もありますが、ここには営業経費がかかっています。

業者の倉庫から現場まで距離が離れていると、移動費もかかるでしょう。現場では業者の車の駐車料金や、各種保険料や印紙代、事務手数料といったものも発生します。

塗装自体には関係がないように見えるものでも、業者が確実な作業を行うためには必要な経費です。それらは一般的に総額の3割ほどを占めていると考えておきましょう。

外壁塗装で注意すべきポイント

外壁塗装

塗装の必要性を認識し費用の相場が分かると、具体的に発注を検討しようと考える人もいるでしょう。

依頼する外壁塗装のイメージを固めていくうえで、注意すべきポイントを解説します。

慎重に色味を選ぶ

ビルの外観の印象は色によって大きく影響を受けます。色によって個性を発揮することもできるため、非常に重要な要素です。

オーナーの好きな色に塗ったとしても、それがテナントのイメージと合わなければ、入居者が集まらないかもしれません。またあまりに個性的すぎる色のビルには、入居者が抵抗を示す可能性もあります。

契約するテナントや入居者をしっかりと想定し、周囲の環境も把握しながら、目的に合った色味を慎重に選択することが重要です。

塗装を行う前には業者が色見本を提示してくれるでしょう。ただし小さな色見本と広い面積に塗った場合とでは、印象が大きく変わるケースもあります。専門家のアドバイスも取り入れながら、的確な色を選ぶことが肝心です。

見積書をしっかり確認する

発注前には見積書を細かく吟味する必要があります。甘い認識のまま発注するのは控えましょう。

各項目が細かく記載され、それぞれに金額がきちんと明記されているかを確認します。「塗装一式」「下地処理一式」など大まかな記載では、積算根拠が曖昧すぎです。

場合によっては絶対に必要なものが盛り込まれておらず、作業終了後に加算して請求するような誠意のない業者もいるでしょう。

複数の業者から「相見積もり」を取ることは、とても有効な手段です。同じ作業を何社にも見積もってもらうことで、適正な作業内容と費用を把握できるでしょう。

ビルの関係者に事情を伝えておく

テナントが入っていれば早めに工事の予定を知らせておきましょう。下地のシートや養生でビルを覆うこともあるため、営業に支障をきたしかねません。戸惑いを与えないよう事前の説明が大切です。

マンションなど入居者がいる場合も、丁寧なアナウンスは欠かせません。赤ちゃんや小さい子どもがいる場合など、塗料の臭いや成分を気にする家庭もあるでしょう。ケアを怠らないことが重要です。

近隣への挨拶も不可欠でしょう。足場を組む際に大きな音が発生し、近所を驚かせてしまうかもしれません。また塗料の臭いや飛沫の飛散を警戒する人もいるでしょう。近隣とのトラブルに発展しないよう、慎重な対応が求められます。

業者を選ぶ際の基準

外壁塗装はそう頻繁に行うものではありません。そのため安心して依頼できる業者を知らないというオーナーも珍しくありません。

大切な工事は優良な業者に依頼したいものです。業者を選ぶ際の基準について解説します。

ビルの外壁塗装の経験は豊富か?

外壁塗装には高い技術力が必要です。塗装という作業には気温や湿度といった天候を踏まえた判断が必要になるなど、塗る作業自体以外にも経験が求められます。

また周囲に気を配りながら、迅速・適切に工事を進める手腕があるかも重要です。

的確な作業をスムーズに行うには、何といっても経験がものをいいます。施工実績などをしっかり確認し、経験豊富な業者を選びましょう。

保証がしっかりしているか?

知識と経験が豊富な職人が施した塗装でも、その後に不具合が生じるケースはあります。万全を期していても、完全にミスを防ぐのは難しいものです。

万が一の事態に備え、業者との契約に保証がしっかりと組み込まれているかを確かめておく必要があります。見積もりに「保証料」「保険代」といった項目がなければ確認をし、記載されていればその内容を細かく尋ねましょう。

保証がなかったり保険不適用だったりすると、作業後に発生した不具合への対処を全て自費でまかなう必要があるかもしれません。そのような事態に見舞われないように注意が必要です。

外壁塗装の費用の相場を知り業者選びは慎重に

外壁塗装

外壁塗装を行いたいと思ったら、現地調査から見積もりの確認を経て発注へと至ります。実際の施工作業では下地処理にはじまり、下塗り・中塗り・上塗りへと進み、撤去や廃棄物処分も必要です。

塗装作業にも多くの工程があり、それぞれに費用がかかることを理解する必要があります。そのうえで適正な予算を割り出しながら、丁寧な作業をしてくれる業者探しを慎重に行いましょう。

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