外壁は、家の外側を守るもの。外壁を塗装するということは、作業を天候に左右されるのです。
塗料を扱うため天気や気候には十分な注意が必要で、もし悪条件のもとで塗装すると、仕上がりが悪くなってしまいます。
そのため塗装するときには、適した天気や気候のタイミングを選ぶのです。
この記事では、外壁塗装ができる天気とできない天気、また雨の中でも行える作業などについて詳しく解説していきます。
外壁塗装に適した天気・気候とは?雨以外にも気を付けるべき条件
外壁塗装ができる天気・できない天気
外壁塗装に適した天気は「晴れ」または「曇り」のタイミングです。それも、「気温5℃以上、湿度85%以下」という条件付き。
つまり塗装作業は、寒冷地などの低気温や、多湿気候に弱いということが言えます。
逆に外壁塗装ができない天気は、「雨」や「雪」、「強風」などが挙げられます。
まとめると以下の表のようになります。
外壁塗装ができる条件 | 外壁塗装ができない条件 |
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ではなぜ雨や湿気、強風があると塗装ができないのでしょうか?
悪天候で外壁塗装すると起こる不具合とは?
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雨のときに塗装できない理由は、簡単に言えば、雨や湿気が塗料と混ざり合うことで、塗料の品質が落ちてしまうことが考えられます。
本来であれば耐用年数が15年~20年と長いフッ素塗料であっても、雨水が混じるとたった数年でチョーキングや剥がれといった劣化が見られることもあります。
耐久性が落ちて剥げやすくなったり、水疱がついて見栄えが悪くなったりといったふうに、仕上がりが悪くなってしまうのです。
また塗装の工程では、数時間~1日かけてしっかり乾燥させ、2~3回に分けて塗ることが重要です。多湿気候や低気温のときには塗料が乾きづらく、工期がズレてしまいます。
乾燥が不十分なまま塗り重ねを行うと剥がれやめくれ、ひび割れ、表面の凹凸などの原因となってしまいます。その場合下地から補修し直す必要があるため注意が必要です。
くわえて強風がよくない理由は、塗料が飛んでしまったり、風で流れてムラになってしまうからです。
雨の日でも出来る作業は?
塗料を使った塗装作業はできないものの、雨の日でも以下のような工事の準備を進めることができます。
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2階以上の住宅では足場を組む必要があったり、塗装箇所ではない部分に飛沫しないように養生したり、完成までの工程は意外とたくさんあるのです。
近隣への挨拶回り・お知らせの投函
工事にともなう近隣への挨拶回りや、お知らせの投函は天気・雨量に左右されず可能な作業です。
本来自分で行う必要のある挨拶回りですが、近年では業者が工事の一環として代わりに行ってくれることも多々あります。
ご近所トラブルを避けるためにも行っておくとよいでしょう。
足場の組み立て・解体作業
小雨程度の雨であれば、足場の組み立てや解体工事は進めることが可能です。
ただし重たい部品を抱えたうえでの高所作業なので、雨の激しさが増すと危険が伴います。
そのため台風が多い時期などは、足場の組み立てや解体工事も中止となる場合も。
養生シートの設置
外壁塗装をするときには、塗装面以外に塗料が付着することを防ぐために養生します。ごく弱い雨である場合や、設置しやすい場所なら作業可能です。
養生シートはテープを使って貼り付けていくため、設置箇所が湿気や雨で濡れている場合は粘着性が落ちてしまいます。
比較的進めやすい作業とはいえ、あわてずに天気の様子を確認しつつ行うことが大切です。
高圧洗浄作業
そもそも高圧洗浄は水を使う作業なので、基本的に雨天時でも進めることが可能です。
また業者によっては、隣家の洗濯物への配慮や、汚れた水のハケのよさなどから、むしろ雨の日の方が都合が良いとする場合もあります。
(工事後の場合)塗装した外壁の検査
外壁塗装完了後の検査は天気に関係なく行うことができる作業です。
塗料の塗り残しや色ムラ、汚れなどの確認はもちろん、塗料の色がイメージ通りかどうかを施主立ち会いのもとチェックしていきます。
もしも不具合が見つかった場合は、天気の回復を待って手直しすることになるため工期は延びますが、気になる点はしっかりと伝えるようにしましょう。
外壁塗装の中止はいつ決定する?
雨の降りそうな天気や、寒くなりはじめた時期など、塗装作業ができるのかどうか心配ですよね。
もし天気によって作業が中止・延期になるときには、前日~当日の早朝までに決定されます。
天気予報などで確実に雨が降ることが分かっていれば、早ければ前日のうちに連絡がきます。
また午後からの晴れ予報など、微妙な天気の時にも塗装は中止になることが多いです。しかし施工後であれば、養生の後片付けや足場の解体などを進めることができる場合があります。
ただし業者によって判断するタイミングは異なるため、依頼するときに打ち合わせをしておくと安心です。
雨などの天気で工期が遅れたとき、追加料金は発生する?
連日雨ばかりが続いていて外壁塗装が行えず工期が遅れた場合でも、基本的に追加料金はかかりません。
一般的に塗装作業は「請負契約」となっており、定められた作業内容を完了するまでは、天気の関係で工期が伸びたとしても契約した料金が途中で変更となることはありません。
事前の見積もりで、天気の影響で工期が遅れたときの対処法・追加料金の有無などを確認しておくと、より安心です。
突然雨が降ってきた場合はどう対処するの?
天気が良かったのに外壁塗装の途中で突然雨が降ってきた場合、一般的にはすぐに作業を中止します。
希に「水性のペンキだから雨が降っても大丈夫」と作業を続ける業者がいますが、その場合はすぐに作業を中止して、天気が回復するまで延期してもらうようにしましょう。
塗料が乾ききる前に雨が降ると、せっかく塗布した塗料が雨で薄まったり、塗料が滲んでまだらな跡ができてしまう可能性があります。
塗料の持つ効果や耐用年数は、適切な濃度で使用することによって得ることができます。
外壁塗装に向いている天候の季節はいつ?
春(3月~5月頃)
春は降水確率が比較的低いため外壁塗装におすすめです。3月~5月頃は天気だけでなく気温・湿度ともに安定しており、空気も乾燥していることが多いため塗料が乾きやすい時期となります。
しかし外壁塗装に適している時期である一方、その分業者の繁忙期となりますので希望通りに施工の予約がなかなか取れない可能性があります。
秋(9月~11月頃)
秋も比較的天気や気温・湿度が安定しているため外壁塗装に適している時期となります。
春と同様空気が乾燥気味であることも多いため、塗料が乾きやすく比較的スムーズに作業を進めることができます。
やはり塗装に人気の季節なので、秋の施工を希望する際は早めに問い合わせが大事です。
ただし9月頃は台風が発生しやすい時期でもあります。秋に外壁塗装を行う場合は念のため考慮しておきましょう。
外壁塗装に向いている期間は地域差が出る
外壁塗装を行うのに向いている期間は、地域によって差が出ることがあります。
例えば北海道では積雪が多く気温も下がる冬は塗装作業に向きません。しかし春や秋に加えて、7月中旬~9月も施工に適している期間だとされています。
反対に沖縄では夏はゲリラ豪雨や台風が多いため塗装に向きませんが、初冬は比較的天気が安定しており気温も北海道と比べて高いため塗装を行うことが多い時期となります。
気候条件さえ整っていれば外壁塗装は1年中できる
外壁塗装は天気や気温・湿度などの気候条件さえ整っていれば、季節に関係なく1年中施工を行うことが可能です。
外壁塗装はどの季節の施工でも必ずメリット・デメリットがあります。希望の施工時期や地域の気候的な特色を考慮して最適な日程で塗装作業を行うようにしましょう。
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この記事では外壁塗装の際に必須となる天気・気候の条件を紹介してきました。
雨や多湿によわい塗料の性質を理解して作業することで、結果的に見栄えがよく長持ちする外壁にすることができます。
どの季節に塗装するかという条件なども込み込みで、まずは業者と相談してみましょう。雨が降った時の対応なども事前に打ち合わせできていると安心です。
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