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外壁の色あせしやすい色・しにくい色!色あせの原因や補修方法も解説

最終更新日: 2024年06月28日

外壁の色あせが目立つようになってくると、見た目や機能面が気になりますよね。色あせは放っておくと建物が劣化する原因になってしまいます。

この記事では色あせの原因や対処法を解説。また塗装し直す際に選びたい「色あせしにくいカラーや塗料」についても紹介していきます。

ぜひ参考にして、綺麗な見た目を長く保てる外壁を目指してみてください。

そもそもなぜ外壁の色あせが起こってしまうのか

褪せた黒塗りの壁

外壁の色あせは、塗料に含まれる「顔料」が劣化することで起こります。顔料とは塗料の色の素となっている成分です。

「顔料」が劣化してしまう主な原因は紫外線です。屋外で日光に含まれる紫外線を浴び続けることによって顔料の科学的な結合が壊されてしまい、色あせにつながります。

色あせを100%防ぐ方法は存在しないため、外壁の発色を維持するには必ず適切なタイミングでの再塗装が必要です。

そのほかにもいくつか色あせ・変色の原因があるので見ていきましょう。

土砂やホコリ等による表面的な汚れ

コケが生えた外壁

顔料の劣化ではなく、単純に外壁の表面に汚れが付着し色があせて見えるだけということもあります。長い間洗車していない車をイメージしてもらえると分かりやすいかもしれません。放置していると色があせているように見えますが、洗車をするとピカピカになって発色も良くなりますよね。

外壁も同じで、時間がたてばどうしても表面に汚れが付いてきます。そういった汚れを高圧洗浄で落としてあげると、色合いが戻る場合もあります。

塗装時の施工不良

外壁塗装を行ってから2~3年以内に急激な色あせが起こった場合は、塗装時の施工不良である可能性が高いでしょう。悪質な業者だとコストカットのために手順を省略するなど、適切な処理をしてくれないこともあります。また使用した塗料に問題がある可能性も。

通常であれば塗料メーカーと施工店は5年程の保証を出してくれます。塗装後の短期間で色あせが見られた場合は必ず施工店に相談するようにしましょう。

ただし保証には免責事項が定められていることが多いので、塗装前にその辺りを調べておくことも大切です。例えば「周囲の交通量が非常に多く、日々大量の排気ガスにさらされている」といった場合は、免責事項にかかり保証されないこともあります。

外壁の色あせを放っておくとどうなるのか

老朽化してひび割れたタイル

外壁の色あせは上述した通り、顔料の劣化によって引き起こされます。それでは色あせたまま放置しているとどうなるのでしょうか。

結論からいうと、建物の防水性が低下してしまいます。

ただし色あせ(顔料の劣化)そのものが悪いというわけではありません。顔料の劣化と同時に起こる「樹脂の劣化」に問題があるのです。顔料と同じく、塗料の成分の一種である樹脂も紫外線によって劣化していくんですね。すると外壁を雨などから守っている「塗膜」が弱り、建物の防水性が下がってしまうのです。

ちなみにこの時、劣化した顔料が白い粉状になって外壁の表面に出てくることが多いでしょう。それをチョーキング現象といいます。もし建物にチョーキング現象が見られる場合は、塗膜が劣化し外壁が守られていない状態。つまり外壁の再塗装のサインということになります。

チョーキング現象は外壁の表面を指でなぞることによって確認できます。なぞった指が白くなった場合はチョーキング現象が起きていると考えましょう。

色あせの対策や補修方法はある?

色あせを防ぐために個人が出来ることはあまりありません。

強いてあげるとすれば「色あせしづらい塗料で塗装しておく」程度になります。しかし塗装後にできることではないので、すでに色あせが起きている場合は参考にならないでしょう。

色あせが出てきてしまった場合は補修ではどうしようもありません。塗料の寿命と考え再塗装を検討することをおすすめします。

外壁の再塗装で次に選ぶべき「色あせしにくい色」

塗料

もし色あせが気になるようであれば、塗装の際は色あせしにくい色を採用するのがおすすめです。

塗料は色によって顔料の成分や結合の強さが異なります。そのため色が違うと劣化のスピードにも差が出てくるのです。それも踏まえて劣化しづらい色選びについて解説していきます。

ただしここで紹介するのは、あくまで色あせの度合が少ない色です。外壁の色は色あせしやすいかどうかだけで選ぶものではありません。良さそうな色があった場合には「この色のデメリットはありますか?」と業者に聞いて総合的に決めるのが安心ですよ。

色あせしにくい色1位:白

白い壁

白の顔料の素になっているのは「酸化チタン」という物質。これは有機物ではなく無機物です。紫外線の影響を受けづらく、化学変化も起きにくいため色あせに強いといえるでしょう。

しかしこれは色あせに対しての話です。酸化チタンは紫外線によってラジカルという物質を発生させます。このラジカルが樹脂を劣化させる原因にもなってしまう点に注意が必要です。樹脂が劣化すると塗膜が弱まり、チョーキング現象の発生につながります。

つまり白は「色あせしづらいけれど、ラジカルによって劣化しやすい色」ということです。

これを防ぐためには「ラジカル制御型塗料」を使用する必要があります(詳しくは後述)。色あせ対策に白を使いたいなら「ラジカル対策ができる塗料の白」を採用した方が良いという点を覚えておいてください。

色あせしにくい色2位:黒

黒レンガの壁

黒の素になっている顔料はカーボンブラックです。名前の通り炭素でできており、日光によって分解されづらいという特徴を持ちます。

ただしこちらも白色の時と同じく、色あせに対する耐性があっても塗料自体の耐久性とイコールではありません。黒色は光を集める特性があるので、その分樹脂の劣化が他の色より早く進んでしまう可能性があります。また光を集めることにより外壁材自体が熱を多く持ってしまうことも。

特に窯業系サイディングボード等は熱をため込みやすく、また熱で膨れてしまうこともあります。そのため黒色の塗料を使用すると外壁が変形してしまうこともあるのです。それが結果的に塗料の劣化を早め、色あせ等につながる可能性もあります。

また黒系の映えるガルバリウム鋼板の外壁なども金属なので、黒を使うと表面に熱を持ちやすいでしょう。そのため断熱が甘いと室内の温度に影響したり、高すぎる熱で塗料を劣化させ色あせを引き起こしてしまったりする可能性があるのです。

黒自体は色あせの少ない色ですが、さまざまな外的要因と絡まると一概には良いといえない部分があります。

色あせしにくい色3位:青

青の壁

青はウルトラマリン等が顔料として用いられており、紫外線の影響によって劣化しづらい色です。

番外編:色あせしたとしても目立ちにくい色

ここまで解説してきたように、色あせしにくい色にはデメリットもあります。もしそれが許容できないのであれば「色あせはするが目立ちにくい色」を使うのも良いでしょう。

例えばグレーやクリーム色といった、そこまで濃くはない暗めの色など。塗装業者に「色あせが目立たない色にしたい」と伝えてみるのがおすすめです。

外壁塗装では避けた方が良い「色あせしやすい色」

住宅と塗装用具

続いて色あせしやすい色についても解説していきたいと思います。

一般的には鮮やかで暖色系に近い色ほど色あせしやすいといわれています。なぜなら鮮やかな暖色系の色味を出す顔料の成分には、有機物が使われていることが多いからです。有機物は紫外線の影響を受けやすいため、単純に考えると無機物が主の顔料に比べると劣化が早いということになります。

色あせしやすい色1位:赤

渋紅色の壁

赤色は鮮やかで、暖色系という特徴に一番当てはまる色味です。

赤色の塗料を使用した建造物でもっとも有名なのは東京タワーかもしれませんね。5年程度で塗り替えを行っている点からも、赤という色の発色維持の難しさが推測できます。

色あせしやすい色2位:黄色

金色の壁

黄色も赤色と同じく色あせしやすい色味だといわれています。

色あせしやすい色3位:緑・紫

グリーンのモルタル壁

紫という色味を外壁で使用することはまれですが、緑や紫といった色味は色あせが早いようです。

色あせしにくい塗料や塗装方法もある!

業務用塗料と塗装ローラー

色あせしにくい塗料を選ぶには、色だけでなく「塗料の種類」についても考えてみる必要があります。

ラジカル制御型塗料

白色の部分で解説した通り、白の顔料の素になる酸化チタンは光と反応しラジカルという物質を発生させます。このラジカルが顔料や塗膜等の劣化を促進させてしまい、白い粉が付くチョーキング現象を引き起こします。

それを防ぐには「ラジカル制御型塗料」を使うのがおすすめです。ラジカル制御型塗料は顔料である酸化チタンをコーティングし、ラジカルの生成を抑制する添加剤を含んだ塗料。

つまりラジカル制御型塗料を使えば、色あせしにくい塗膜を作ることが可能です。

ただしラジカル制御型塗料には注意点が2つあります。

  • 塗膜そのものの強さは塗料のグレードによって決まる
  • 酸化チタンが使われていない塗料に使用しても意味がない

ラジカル制御型塗料を使う際にも「アクリル塗料」「シリコン塗料」などのように塗料のグレードを選ぶ必要があります。そこでグレードの低い種類を選んでしまうと、いくらラジカルを抑制できても長持ちしない可能性があるので注意が必要です。

またラジカル制御型塗料はあくまで「酸化チタンが発生させるラジカル」を抑えることに特化した塗料。そのため酸化チタンを含まない色に対してはあまり意味がありません。酸化チタンは白い塗料に多く含まれており、黒い塗料などにはあまり含まれていません。

つまり「白の要素がある塗料を塗る際は、グレードの高いラジカル制御型塗料を選ぶと色あせやチョーキング現象を遅らせることができる」と考えてください。

クリアー塗料

これはまだ最初の外壁の色を考えている段階の方に向いている方法です。

ここまで解説してきた通り、色あせは顔料の劣化によって起こります。つまり顔料が入っていなければ色あせやチョーキング現象は起きないのです。色の素である顔料がないということは無色なのだから、当たり前といえば当たり前ですよね。

クリアー塗料を使うと無色透明の外壁を作ることができます。クリアー塗装はもともとサイディングボード等の下地に柄があるような外壁に使われることが多いのです。透明なため元のデザインをつぶさずに済むからですね。

  • 外壁の元のデザインが気に入っている
  • 色あせしづらい塗料を使いたい

この両方を満たしている場合は、クリアー塗装も選択肢の1つに入れてみても良いでしょう。

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