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外壁塗料に使うシンナーとは?なぜ必要?役割や使い方・混ぜ方を解説!

最終更新日: 2025年05月28日

外壁塗装の塗料は、シンナーを組み合わせて使うときがあります。しかしシンナーを使っているところをあまりイメージできないので「どんなときに」「なぜ使うのか」が分かりにくいですよね。

そこでこの記事では外壁塗装に使うシンナーについて、知っておきたいことを解説していきます。

その役割や必要性・効果などが分かるようになっています。塗料との混ぜ方も解説するので、DIYを考えている方もぜひ参考にしてみてください。
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外壁塗装のシンナーとは?必要性や役割を解説

ペンキ

一言で説明すると、シンナーは主に塗料を薄めるために使うものです。

そもそも外壁用の塗料は元々、塗料本体とセットになっている硬化剤を混ぜ合わせて作成するものです。2つを混ぜ合わせることで塗料が本来の役割を発揮します(樹脂というものができ、それが塗膜になります)。

ところがそうしてできた塗料は粘度が高いため、そのまま塗ろうとするとムラになってしまいます。そこで、塗料を塗りつけるのに適した状態まで薄める必要があります。その際に使用するのがシンナーというわけです。

シンナーで塗料を薄めることを「希釈する」と言い、塗料を希釈するための液体のことを「希釈剤」と言います。

  • 希釈剤にシンナーを使わなければいけない塗料(シンナーで薄める塗料)
  • 希釈剤に水を使わなければいけない塗料(水で薄める塗料)

などがあり、シンナーは前者の塗料を使う際に使用されるということですね。

塗料に使うシンナーには他にも様々な効果(用途)がある

外壁塗装を終えて玄関の前で微笑む若い男性ペンキ職人

上述した通り、シンナーは塗料を希釈して塗りやすくするために使用します。しかし、ただそれだけがシンナーの役割でありません。具体例を挙げながらさらに詳しく解説します。

シンナーで希釈することによって施工時間の短縮につながる

ドロドロで粘度が高い塗料は外壁に塗る際に広がらず、同じ面積を塗るにかなりの時間がかかってしまいます。そこで塗料を希釈して適切な粘度にすることで、作業がスムーズに進むのです。

粘度が高いままだと硬化剤の影響でどんどん塗料が硬くなってしまい、作成した塗料が無駄になってしまう可能性があるので注意が必要です。

塗料を適切に希釈することで、施工不良を防ぐ

塗料は厚く塗りすぎても、薄く塗りすぎても施工不良のもとになります。特にシンナーを使わずにドロドロの状態の塗料で塗装を始めた場合、ピンホールという症状を招いてしまう可能性があります。

ピンホールとは塗装をした表面にポツポツと小さな穴が複数できてしまう現象のこと。適切に希釈した塗料を使うことで防げます。

塗装道具の洗浄にも使える

塗装を行う際に使用する刷毛やローラー・エアブラシといった道具に塗料を付けたまま放置してしまうと、そのまま硬化して次の現場で使用することができなくなってしまいます。シンナーはそういった道具にこびりついた塗料を落とすためにも使用されます。
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外壁塗装でのシンナーの使い方・塗料との混ぜ方

塗料を混ぜる

自身の感覚だけでシンナーを加えて塗装をしてはいけません。各塗料メーカーで必ず指定があるので、適切なものを適切な割合で混ぜ合わせて使用する必要があります。

例えば「希釈率10%」と指定されている塗料があったとします。この塗料1kgを希釈する場合に必要なシンナーの割合は1,000g×10%=100g。合計100gのシンナーを加えれば良いということになります。

ただ、各メーカーの希釈率は10%といった固定値ではなく0~20%といったような具合で、幅を持たせた指定になっていることが多いです。これは何故かというと、塗料の硬化速度は気温などにも左右されるので、状況に応じて適切な希釈を行う必要があるからです。

最適な割合で希釈するには、深い知識と経験が必要です。

シンナーと塗料の組み合わせにも注意!

また「割合が正しければどんなシンナーでも良い」というわけではありません。塗料によっては組み合わせるシンナーが決められていることがあるんです。

例えばエスケー化研の「クリーンマイルドシリコン」という塗料は『塗料用シンナーA』というシンナーを使用して希釈するように指定があります。同じ商品名のシンナーは他社にも存在しますが、できれば使用する塗料と同じメーカーが販売しているシンナーを組み合わせるのが無難でしょう。

適切な容量を量り取った後は、同じ容器の中でしっかり混ぜ合わせていきます。少量であれば板などで混ぜ合わせることもありますが、外壁を塗装する際はたくさんの量の塗料を作成するので、攪拌機(かくはんき)という電動工具を使用して混ぜ合わせる必要があります。

塗料の耐久性は塗料の成分に左右されるため、どうしてもそこに目がいってしまいがちです。しかし塗料を希釈するシンナーの使い方が適切でなければ、塗料の性能を完全に引き出すことはできないのです。

このようにシンナーの扱いには、深い知識や状況に応じて正しく計算できる技術・豊富な経験などが必要になります。基本的には自分で塗装をするのはやめておきましょう。長い間塗装効果を保ち続けるには、優良な塗装業者を選び、しっかりと塗装してもらうのがおすすめです。

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外壁塗装でシンナーを使用する際の注意点

シンナーが入った容器を持つ男性

外壁塗装でシンナーを使う際の注意点を2つ解説します。

シンナーの捨て方に注意

シンナーは液体だからといって排水溝に流してはいけません。揮発性(きはつせい)が高く下水道の中で爆発を起こす危険性があるからです。

量にもよりますが、新聞紙や不要な布などに全て吸わせてから風通しの良い所で乾かし、吸収したシンナーを揮発させましょう。揮発させ終わったら燃えるごみとして処分することができます。

またシンナーの量が多い場合には、シンナーを固形化できる「シンナー処理剤」を使用しましょう。固形化したらそのまま自治体の決まりに従って処分するようにしましょう。

なお塗装業者レベルの廃棄量になるのであれば、産業廃棄物処理業者に依頼して処分を行わなければなりません。自分で判断できない場合は、自治体に問い合わせてみましょう。

悪徳塗装業者のシンナー使用に注意!

塗装を行う際は塗料にシンナーを混ぜれば混ぜるほど、塗料の伸びが良くなり塗りやすくなります。つまり少ない量の塗料で塗装を行うことができるのです。

残念なことですが、少しでも原価を抑えて利益を上げようとする悪徳業者は存在します。そういった業者は少量の塗料を、大量のシンナーや水で希釈して塗装を行う可能性があります。素人目では塗装直後の状態を見ても、適切な希釈量で塗装されているかどうかの判断はつきません。

また故意でなくとも技術が低い施工業者には要注意です。塗料をシンナーで希釈する場合はしっかりと規定量を秤(はかり)で量って混合しなければなりません。

秤を使わずになんとなくで希釈してしまったり、施工時の気温によって希釈率を調整しなければならない所を毎回全く同じ希釈率で施工していたりする場合は、高確率で不具合の原因となります。また希釈しすぎたことで塗膜が薄くなった場合は、耐用年数より早く塗装が剥がれ上述したピンホール現象が起こることも。希釈しきれておらず塗膜を厚くしすぎてしまった場合も同様に、ピンホール現象や色ムラが起こる原因になります。

このような質の悪い施工業者を避けるためにも、塗装業者選びは慎重に行いましょう。ミツモアであれば信頼できる業者しか登録されていないうえ、口コミなどを確認してより安く優良な業者を選ぶことができます。ぜひ利用してみてくださいね。

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また施工終了時には報告書を確認しておくと良いです。優良な業者であれば、塗料を希釈している秤の写真や使用した塗料の空き缶まで写真撮影をして報告してくれます。もし塗料の空き缶が想定より少なかった場合は、塗料を薄めて使っている可能性が高いです。
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シンナーの種類!溶解力や成分を確認しよう

塗料と刷毛

上述した通り使用するシンナーは各塗料によって選ぶ必要があります。ここで、各シンナーの種類と、どういった塗料に組み合わされるのかを簡易的に紹介しますね。

前提として、シンナーは大別すると下記のような違いがあります。

弱溶剤 ・溶解力が比較的小さい

・主に住宅用塗料やDIYに使う塗料に使用される

強溶剤 ・溶解力が大きい

・主に大型建築物などを塗装する塗料に使用される

昔は外壁塗装なども強溶剤を使用するのが一般的でした。

しかし溶剤が揮発する際の強い臭いや人体に有害であることが徐々に問題視され、現在ではそれらが少ない弱溶剤や、そもそも溶剤を使わない(水で希釈するタイプの塗料を使う)のが主流となっています。

それでは4種類のシンナーを紹介します。

塗料用シンナー

塗料用シンナーは上述の通り、外壁などに使用する塗料を希釈するシンナーです。

塗料用シンナーの主な成分はターペンです。塗料の希釈だけではなく塗装道具の洗浄にも使われます。溶解力は低く、弱溶剤に分類されます。

ラッカーシンナー

ラッカー系の塗料を希釈する際に使用されます。プラモデルの塗装などに使われるスプレー塗料と言えばイメージしやすいでしょう。

ラッカーシンナーの主な成分はトルエン・キシレンなど。溶解力が高く、強溶剤に分類されます。

溶解力が高いため塗料本体や下地を傷める可能性があり、外壁用の塗料とは混合できません。外壁塗装で使用するなら道具についた塗料を洗浄する程度でしょう。

また強い刺激臭があり、吸い込み続けると人体に有害なので取り扱いには注意が必要です。

ちなみに塗装業者でも無い限り、身近で見かけるのはこのラッカー系シンナーくらいでしょう。

ウレタンシンナー

ウレタン樹脂が使用されている塗料を希釈するために使用するシンナーです。ただし外壁用の塗料ではなく「バルコニーなどの防水に使用する塗料」の希釈に使用されることが一般的です

こちらも溶解力が高く、強溶剤に分類されます。

エポキシシンナー

エポキシ樹脂系の塗料を希釈するために使用するシンナーです。エポキシ樹脂系の塗料とは、シーラー(下塗り材)や、錆止め塗料(鉄部の下地として塗布するもの)として使用されていることが一般的です。

つまりエポキシシンナーは下塗り材に使われることが多いということですね。

こちらも溶解力が高く、強溶剤に分類されます。
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