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イモビライザーキーとは?仕組みや特徴、合鍵複製について解説!

最終更新日: 2023年03月31日

車に乗る人であれば「イモビライザー」という言葉を聞いたことがある人は多いと思いますが、具体的に何を指しているかわかりますか?

「何のことなのか、どういう仕組みなのかいまいち理解していない・・・」「車の鍵の種類と混同している・・・」という方もいるかもしれません。

この記事では、イモビライザーの仕組みやトラブルの事例、イモビライザーキーを複製するときに知っておきたいことについて分かりやすくまとめました。

イモビライザーキーとは?仕組みや特徴を解説

エンジンキー

イモビライザーは車両盗難防止システムの名称であり、イモビライザーキーとはこのシステムが搭載された車の鍵のことを指します。

具体的にはどんなシステムなのか、スマートキーとは何が違うのかを解説します。

イモビライザーの仕組み

「イモビライザー」とは、車本体と鍵にそれぞれ登録されているIDが一致したときのみエンジンが起動して車が動くという、車両盗難防止を目的としたシステムで、由来は“immobilize(動かなくする)”という英単語です。

具体的には、車の鍵に組み込まれた「トランスポンダ」というICチップと、車両側の装置が、ワイヤレスで通信してIDを電子的に照合し、双方のIDが一致すればエンジンがかかる仕組みになっています。

数百万通りにもなるという高度に暗号化されたIDのコピーは不可能に近く、車両の盗難防止には非常に高い効果があります。

自動車の盗難が多かったEU諸国では1990年代後半にイモビライザーの搭載が義務化され、その後車両の盗難件数が半減するという大きな防犯効果を挙げています。

日本国内では2000年頃から多くの車種でイモビライザーが標準装備されるようになりました。

イモビライザーキー=スマートキーではない!

イモビライザーキーはスマートキーと混同されがちですが、「イモビライザー」は鍵の種類ではなく、鍵に搭載されている機能を指します。つまりイモビライザーキーとは、イモビライザーというシステムが搭載された鍵のことです。

ここで一度、自動車に使われている鍵の種類を整理してみましょう。

車のメカニカルキー

メカニカルキー

家の鍵と同じ、金属を削って鍵山の形に加工した鍵。

鍵穴に差し込んでドアの施錠解錠やエンジン始動を行う。

メカニカルキーのキーヘッドにトランスポンダというICチップを組み込んだものが、いわゆるイモビライザーキー(トランスポンダキー)。

鍵としての機能はメカニカルキーの部分が担っている。

車のリモコンキー

リモコンキー(キーレスキー)

キーレスエントリーを装備した車の鍵で、ワイヤレスキーともいう。

メカニカルキーのヘッド部分に電子装置が組み込んであり、車両の集中ドアロックを赤外線や電波で操作してドアの施錠解錠をする。

施錠解錠はキーヘッド部分のボタン操作でするようになっているため、鍵を差し込む必要がない。エンジンの始動は従来どおり鍵を差し込んで始動させる。

車種によってはリモコンキーにイモビライザーがついているものもある。

車のスマートキー

スマートキー

ドアの施錠解錠やエンジン始動を電子制御のみで行うタイプの鍵。

スマートキーを携帯しているだけでドアロックの解除ができ、エンジンの始動はボタンを押すだけなど、物理的な鍵を必要としない。

ほとんどのスマートキーにはイモビライザーが標準装備されている。

イモビライザーキーのメリット・デメリット

現在ではほとんど標準的な装備となっているイモビライザーは、防犯性という観点では従来の鍵に比べて優れている一方で、その高性能さゆえに大変な側面もあります。

イモビライザーキーの特徴をメリット・デメリットに分けて整理してみました。

メリット
  • ドアをこじ開けたり、窓を割ったりして侵入されてもエンジンが起動できないため、車両の盗難に対する防犯性が非常に高い
  • 専用の道具を使わないと複製できないため、合鍵を作られにくい
デメリット
  • 簡単に複製できないため、紛失した際の対処が大変
  • メカニカルキーと比較すると水や衝撃に弱く、故障のリスクが高い

イモビライザーは後付けできる?

イモビライザーが付いていない車でも、後からイモビライザーを取り付けることは可能です。

後付けのイモビライザーを取り付けることで車両そのものを盗まれる確率は格段に下がるので、防犯性を高める効果は期待できますが、後付けされたことが分かってしまうと簡単に取り外されてしまうため意味がなくなります。

取付箇所を知られないように取り付けるには、相応の専門知識と技術をもつ業者に頼まなければならないので、料金も数十万円と高額になります。

車にイモビライザーが搭載されているか見分ける方法

疑問を抱く男性

イモビライザーキーとスマートキーは同一ではないと解説しましたが、ほとんどのスマートキーにはイモビライザーが搭載されていると考えてよいでしょう。

自分の車にイモビライザーが搭載されているかどうか知りたい場合は、以下のポイントを確認してみてください。

インジケータランプの表示

車のインジケータ

イモビライザー搭載車の多くは、メーターパネルにインジケーターランプが付いています。

車のエンジンを起動していない状態のとき、車と鍵を組み合わせたマーク[SECURITY]の文字などのランプが表示されていれば、イモビライザー搭載車と考えてよいでしょう。

このランプが点灯・点滅することで、周囲にイモビライザー搭載車であることを示し、盗難を抑制する働きをしています。

セキュリティステッカーの有無

イモビライザーステッカー

イモビライザーを搭載していることを示すステッカーが車の窓に貼られているかどうかも、一つの判断基準になります。メーカーによってデザインは違いますが、車と鍵を組み合わせた図柄であることが多いです。

ただし、中古車などではメーカー純正のステッカーを防犯目的で貼ったダミーシールの可能性もありますので、他の確認方法と合わせて判断するのが確実でしょう。

車種、グレード、年式を確認

国産車においてイモビライザーが標準装備され始めたのは2000年頃以降です。

車種とグレード、年式が分かれば、ディーラーに問い合わせたり、車のカタログを確認したりすることでイモビライザー搭載かどうか調べることができます。

【非推奨】キーヘッドを開けて確認

キーヘッドの中にトランスポンダ・コイルがあれば、イモビライザー機能が搭載されていることが確認できます。

この方法なら確実に判別できますが、キーヘッドを分解することでコイルが壊れてしまう可能性があります。

どうしてもという場合以外は避けたほうがよいでしょう。

イモビライザーキーにまつわる5つのトラブルと対処法

スマートキー

イモビライザーキーは防犯の面ではとても頼もしいシステムですが、それだけにトラブルが起きたときにはどう対処したらいいのか分からなくなりそうです。

イモビライザーキーにまつわるトラブル事例を紹介し、その対処法について解説します。

①点滅を解除したい

イモビライザーの点滅は2つのパターンがあります。

鍵や電池のマークが点灯・点滅している

この場合はイモビライザーキーの電池切れを知らせる警告灯が点滅しています。

イモビライザーキーの電池の寿命はだいたい1~2年です。警告灯が表示されたらなるべく早く電池を交換しましょう。

車と鍵、車と錠などのマークが点灯・点滅している

エンジンを止めてドアをロックしているときにこのマークが点灯・点滅している場合は、イモビライザーが作動中ということを表しています。イモビライザーが正常なら、エンジンをかけるとランプは消えます。

エンジンをかけてもランプが消えない場合は何かしらの異常や不具合が考えられますので、ディーラーや修理業者などに相談するのがよいでしょう。

②エンジンがかからなくなる

エンジンがかからない場合、以下の原因が考えられます。

バッテリー上がり

真っ先に考えられる原因です。バッテリー上がりの症状はいきなり起こるので、調子よく走っていたのにコンビニで停めたらエンジンがかからなくなった、ということはよくあります。

対処法は他の車のバッテリーとケーブルでつないでエンジンをかけます。

加入している自動車保険会社のサポートデスクやJAFのロードサービスに連絡すれば対応してくれるでしょう。

シフトレバーをPとN以外に入れている

AT車のエンジンはシフトレバーが[P]か[N]の位置にないとエンジンがかかりませんが、[D]や[R]に入れたまま駐車したのを忘れているケースがよくあります。

シフトレバーを正しく入れ直せば解決します。

ハンドルロックがかかっている

ハンドルロックとはエンジンを切ってキーを抜いた状態でハンドルを動かすとハンドルがロックされて動かせなくなる防犯機能です。

ハンドルを左右に動かしながらキーを回すか、スタートボタンを押すとロックが解除されます。

イモビライザーの誤作動

滅多に起こらないですが、バッテリーの電圧が低くなっている場合やボンネットを開閉するスイッチに接触不良がある場合に、イモビライザーなどのセキュリティ装置が誤作動を起こすことがあります。

バッテリーを正常な電圧に戻す、スイッチを点検するなどの対処をします。

エンジンがかからない場合の対処法については、以下の記事も参考にしてみてください。

関連記事:エンジンキーが回らない原因と対策!慌てずに確認するべきポイント|ミツモア

③イモビライザーキーの電池切れ

イモビライザーキーの電池が切れると、普段のように車のドアの施錠解錠ができずエンジンもかけられなくなってしまいます。

スマートキーには緊急時のためメカニカルキーが内蔵されており、それでドアを解錠できます。

電池が消耗していると、普通にプッシュボタンを押しても反応してくれません。キーをボタンに近づけるとエンジンを起動することができます。

関連記事:スマートキーの電池切れが発生!エンジンのつけ方と電池交換方法|ミツモア

④イモビカッターやリレーアタックによる盗難

車両の盗難対策に多大な効果のあるイモビライザーは、普及するにつれてイモビカッターやリレーアタックという、新たな犯罪手口による盗難も発生しています。

イモビカッター 本来はイモビライザー搭載車の合鍵を作製するための業務用機械。
イモビライザーのIDを無効化して別のIDに書き換えることができるため、盗難に悪用されるようになった。
リレーアタック スマートキーが出している微弱な電波を不正に受信して増幅し、それを2~3人がリレー方式で狙った車まで中継していくという手口。
車がその電波を受信すると、IDが一致するキーが近くにあると誤認するので、ドアが解錠されエンジンもかけられてしまう。

リレーアタック対策には、スマートキーの電波を遮断するのが有効です。

蓋つきの金属製の缶などに入れても効果がありますが、電波遮断機能のあるキーケースやポーチが、カー用品店などやネット通販で販売されています。

一部のメーカーではスマートキーの受信待機を停止する「節電モード」にすることでリレーアタック対策ができるようになっています。

もし車を盗まれたときは…

1,まず警察に盗難届を出し、受理番号を発行してもらいます。

盗難届には自動車登録番号や車体番号、走行距離などが必要になりますので、車が盗まれていても車検証や自動車保険証券などは確認できるようにしておくとよいでしょう。

2,受理番号が発行されたら車両の一時抹消登録も必ずするようにしましょう。

一時抹消登録をしておくと自動車税の請求はされません。

⑤イモビライザーキーの紛失

うっかりイモビライザーの搭載された車の鍵を紛失してしまうこともあるかもしれません。

どんななくしものにも共通の行動ですが、まずは思い当たる限りの場所を捜索し、なければ警察に届出をしましょう。

  • 衣服のポケット、バッグの底など、身の回りをよく探す
  • 最後に鍵を持っていた時点から行動を振り返り、立ち寄った場所に連絡する
  • 見つからない場合は警察に遺失届を出す

鍵の探し方や遺失届の出し方については、以下の記事も参考にしてみてください。

関連記事:鍵をなくしたときの適切な対処法!鍵交換の必要性と費用を抑える方法|ミツモア

どうしても見当たらない場合は、新たに鍵を作らなければなりません。イモビライザーキーの複製については、次の項で詳しく説明します。

イモビライザーキーを複製したい!

車と女性

イモビライザーキーを紛失してしまったときや、もしもの場合にそなえるスペアキーを用意するには、鍵の複製を作ってもらう必要があります。

イモビライザーキーのスペアを作るには、ディーラーに依頼する方法と鍵業者に依頼する方法の2つです。

それぞれに依頼する場合のメリット・デメリットや所要日数、費用相場について解説します。

1本もない場合とスペアキーを作りたい場合で金額が異なる!

イモビライザーキーを紛失してしまって1本も手元にない場合は、車両側のコンピューターごと交換となる場合もあります。50,000円~100,000円ほどかかることを覚悟しておきましょう。

スペアキーを作製しておきたいという場合は安くて20,000円程度から作製できます。

まずメーカーや車種などの情報を確認!

鍵業者に依頼する場合は、車種によっては対応できないこともあります。依頼する前に以下の情報をしっかり確認しましょう。

  • メーカー
  • 車種
  • グレード
  • 年式

ディーラーに依頼する場合

メリット 確実に純正キーを作製できる
デメリット できあがるまでに数日から1週間ほどかかる
鍵を紛失した場合は車両側のコンピュータごと交換となる可能性が高い
所要日数 数日~2週間
費用相場 紛失した場合の作製:30,000~100,000円
スペアキーの作製:10,000~30,000円
※レッカー代等が別途かかる可能性あり
こんなときにおすすめ あらかじめスペアキーを作製しておきたいときなど、緊急度が低い場合
時間に余裕がある場合

鍵業者に依頼する場合

メリット 業者が車のある場所まで駆けつけてくれるため、作業が速い
デメリット 業者によって技術や装備に差がある
車種や型式によって対応できる業者が限られ、地域によっては対応が難しいこともある
ディーラーで作製するよりも高額になる傾向がある
所要日数 最短で即日
費用相場 紛失した場合の作製:50,000~120,000円
スペアキーの作製;10,000~25,000円
こんなときにおすすめ 外出先での急なトラブルなど、緊急度が高い場合

イモビライザーキーの複製を鍵業者に依頼するならミツモアで

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外出先でイモビライザーキーを紛失してしまった、急ぎで複製・交換したい・・・という場合には、イモビライザーキーの複製に対応している鍵業者に依頼しましょう。

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チャットで事前にやり取りできるので、自分の乗っている車種に対応しているかどうか確認できる点も安心です。

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