「勝手に交換していいの?」
「費用は誰が負担するの?」


マンションの鍵交換には戸建てとは異なるルールがあり、知らずに交換すると思わぬトラブルに発展することもあります。正しい手順と費用相場を知って、スムーズに鍵交換を進めましょう。平均料金は9,900~35,200円(※)です。
※ミツモアにおける「鍵交換・修理」サービスの成約価格より算出(2024年1月1日~12月31日)
マンションの鍵交換は最初に規約を確認する
マンションの古い鍵に不安を感じて交換したいと思ったら、まず「各マンションの管理規約や法令を遵守すること」から始めましょう。
管理会社へ相談と許可を得る
マンションの共用部分は、居住者が自由に工事を行うことができません。多くのマンションでは玄関扉を共用部分として扱っているため、鍵の交換には管理会社の許可が必要です。法的には、鍵は管理会社の所有物であり、居住者はそれを借りている状態にあります。
管理会社に鍵の交換を相談する際は、交換理由を明確に説明しましょう。
| 交換理由 | 費用負担 |
|---|---|
| 経年劣化による不具合 | 管理会社が負担する場合が多い |
| セキュリティ強化 | 自己負担 |
| 紛失・盗難 | 原則自己負担 |
入居時に交わした管理規約には、必ず鍵に関する項目が記載されています。
- 鍵交換の可否
- 許可される交換理由
- 申請手続きの方法
- 費用負担の取り決め
鍵交換に利用できるサービスを検討する
鍵交換が必要になった場合、以下のサービスを確認することで費用を抑えられる可能性があります。
1. 入居時のサポートサービス
入居時に加入したサポートサービスがあれば、自己負担額の軽減や無料対応が受けられることがあります。特殊な鍵の場合は交換に数日かかることもあるため、事前にサービス内容を確認しておきましょう。
2. 火災保険の付帯サービス
空き巣被害や鍵の紛失・盗難で鍵交換が必要になった場合、火災保険の付帯サービスで対応できることがあります。
| 保険会社 | サービス例 |
|---|---|
| 東京海上日動 | 年1回を限度に、鍵の盗難時は鍵とシリンダー錠の交換を無料で実施(紛失は自己負担) |
| あいおいニッセイ同和損保「マイホームぴたっと」 | 鍵紛失時の緊急開錠サービスあり(破錠後の交換は自己負担) |
※ ミツモア調べ(2024年6月時点)
なお、火災保険に含まれる家財保険は建物そのものではなく、家具などを補償するものですので、混同しないよう注意が必要です。
オートロックと玄関キーの連動を注意する
オートロック付きマンションでは、エントランスと各部屋の鍵が同一のものを使用している場合があります。このタイプでは以下の注意が必要です。
- 部屋の鍵だけを交換すると、オートロックが開けられなくなる
- 専門業者による対応が必須
- メーカーを変更する場合は、互換性の確認が必要
マンションの鍵交換は、戸建て住宅とは異なり、共同住宅特有の配慮が求められます。必ず管理会社と相談の上、適切な手続きを踏んで実施することが大切です。
マンションの鍵交換の費用相場
主要な鍵の種類と交換費用
マンションの鍵交換費用は、使用する鍵の種類によって大きく異なります。従来の機械式鍵から最新の電子錠まで、主要な鍵の種類と費用相場を確認していきましょう。
| 鍵の種類 | 費用相場 | 特徴 |
|---|---|---|
| ギザギザキー(ピンシリンダー) | 21,230~30,470円 | 最も一般的な鍵。鍵山がギザギザしている |
| ディンプルキー | 26500~35,740円 | 表面に丸い凹みがある高防犯性の鍵 |
| カードキー(タッチ式) | 45,500~54,740円 | カードをかざすだけで解錠。電池式が主流 |
| カードキー(差し込み式) | 40,150~49,390円 | カードを差し込んで解錠。ホテルでよく使用 |
| リモコンキー | 49,500~58,740円 | 離れた場所から解錠可能。オートロックと連動 |
| 暗証番号錠 | 49,500~58,740円 | 番号入力で解錠。鍵の紛失リスクがない |
費用に幅があるのは、同じ種類でもメーカーやグレード、機能によって価格が異なるためです。電子錠タイプは初期費用が高額ですが、鍵の複製が不要で、紛失時の対応が簡単というメリットがあります。
自分で鍵交換したら費用を抑えられる?
技術的な難しさ
マンションの鍵、特にオートロックと連動している鍵や電子錠の交換には、専門的な知識と技術が必要です。電子錠の場合は電気工事士の資格が必要な作業も含まれることがあります。
失敗時の追加費用
作業中に扉や鍵穴周辺を傷つけてしまった場合、修理費用が別途発生します。また、取り付けに失敗して結局業者を呼ぶことになれば、鍵本体の費用に加えて作業費も二重にかかってしまいます。
保証の問題
専門業者に依頼すれば、施工後の不具合に対する保証が付きます。自分で交換した場合、不具合が生じても自己責任となります。
安くて信頼できる鍵屋の選び方
鍵交換をスムーズに行うためには、信頼できる鍵屋を見つけることが重要です。ですが、どのようなポイントを基準に選べばよいのでしょうか。
相見積もりをとる
複数の鍵屋から見積もりをとって比較すると、相場感を掴み、適正価格を判断することができます。価格だけでなく、サービスの内容や対応の良さも比較して、信頼できる業者を選びましょう。
高すぎる業者は避けるべきですが、安すぎる業者も信頼できません。おざなりな施工しかしてくれないかもしれないので、安さだけで決めないように気を付けてください。
見積もりの内訳が明確か確認する
見積もりが明確に内訳されているかどうかについては、必ず確認してください。事前に提示された見積もりが曖昧だと、後から追加料金が発生する可能性もあります。鍵交換の費用以外に、出張費や作業時間の見積もりも明確にしておきましょう。
特に気を付けたいのが、駐車場代です。駐車場に停められなかったから近くのコインパーキングを利用した、と言って料金を請求する業者もいます。マンションに駐車できないのであれば、事前にその旨を伝えておきましょう。駐車料金を負担してくれるかどうか確認しておくと、のちのちのトラブルを防ぐことができます。
アフターフォローや保証の有無を確認する
出張交換後のアフターフォローや保証の有無も重要です。問題が発生したときに、すぐに対応してくれる業者に依頼するべきでしょう。施工後、一定期間内であればトラブルに無料で対応してくれる業者もあります。
また、すぐに駆けつけてくれるかどうかも重要なポイントです。どれくらいの時間をかけてフォローしてくれるのか、見積もりをとる時点で確認してください。施工をした後は全く対応しない、という業者は選ぶべきではないでしょう。
口コミの評判を確認する
口コミや評判の確認も忘れてはいけません。業者のホームページや口コミサイトなどには、リアルな体験談が寄せられています。
ですが、全ての口コミが真実である保証はないため、できるだけ多くの情報を集めて比較し、納得できる業者を選ぶようにしましょう。明らかに作られた口コミが見られるときや、不自然に高評価が多すぎるときは、他の業者との比較が必要です。
新しく取り付ける鍵の選び方
交換は業者に依頼するべきですが、鍵の種類の選び方は押さえておきましょう。もちろん業者にすすめられた鍵を付けてもらうのもいいですが、せっかくならそれぞれの種類の特徴を知って、最適なものを選ぶことをおすすめします。
鍵の種類ごとの防犯性の違い
最初に考えるべきなのは、鍵の種類による防犯性の違いです。
|
ピンシリンダーキー

一般的なピンシリンダーキーは、一列に並んだピン状のタンブラーが特徴で、片側のみにギザギザした刻みがあります。構造そのものは単純なので、防犯性は低いです。
交換にかかる費用は業者に依頼した場合、約15,000~20,000円程度。マンションの場合はDIYでの鍵交換は控えるべきなので、本体代と業者の作業費、出張費などを全て含めて考えましょう。防犯性の低さを理由にピンシリンダーキーをおすすめしない業者もいます。
ロータリーディスクシリンダーキー

ロータリーディスクシリンダーキーは、ピンと溝が正しく合うとタンブラーが回転し、解錠する仕組みになっています。両側にギザギザした刻みがあり、ディスクシリンダーよりは防犯性が高いのが特徴です。
交換にかかる費用は業者に依頼した場合、約15,000~20,000円程度。ピンシリンダーキーと大きな差はありません。ロータリーディスクシリンダーキーはディスクシリンダーキーの上位互換です。それでも、防犯性において完璧であるとは言い切れません。
ディンプルシリンダーキー

ディンプルシリンダーキーは、中央部分に溝があり、その左右にデコボコとしたくぼみが付いています。このくぼみと鍵穴の中にあるタンブラーの組み合わせは、何億通りとあるため、ピッキングや複製が難しく、防犯性を重視する人におすすめです。
交換にかかる費用は業者に依頼した場合、約25,000~35,000円程度。防犯性が高いため、その分費用もかさみます。「せっかく交換するならセキュリティー面を強化したい」「以前使っていた鍵の防犯性の低さが気になっていた」といった人にはうってつけの鍵ですが、予算との相談が必要です。
このように、鍵を選ぶときは、それぞれが持つ特徴と防犯性のレベルが決定的なポイントとなります。自分のライフスタイルに合った鍵を選んで、安心できる生活を送りましょう。
鍵交換を行うときの注意点
鍵を交換するとき、上述のほかに注意すべき点があります。順に見ていきましょう。
|
古い鍵は使えないようにしてから捨てる
交換後の古い鍵の処分方法には十分注意してください。もうどこにも使用されていない鍵であれば、不燃ゴミとして捨てられます。
ですが、古い鍵を使って今まで通り玄関を開けられたり、オートロックエントランスを開けられたりする場合は、不正に使用される可能性があるため、ただ捨てるだけでは防犯上問題があります。
そういうときは専門の業者に処分を依頼するか、鍵穴に合わなくするために鍵山を削ってから捨てましょう。加えて、鍵山を半分に折ると合鍵作成の防止につながります。また、純正の鍵には鍵番号と呼ばれるIDが刻まれているので、必ず削って判別ができないようにしてください。
合鍵は純正の鍵を使って作る
合鍵を作るときは、コピーを繰り返さず、必ず純正の鍵を使いましょう。コピーを重ねると、精度が低下し、鍵穴に正しく挿さらなくなってしまう可能性があります。
鍵穴へのダメージが積み重なると、鍵を回せなくなってしまいます。純正の鍵を使うだけで、新しい鍵を安心して長い間使用できるようになるのです。また、合鍵を作るときは必ず管理者に報告しましょう。管理者が知らないところで複製してしまうと、トラブルにつながります。
交換した鍵を長持ちさせるメンテナンス方法
新たに交換した鍵を長持ちさせるために、簡単なメンテナンスをしましょう。鍵の溝やくぼみ、ギザギザとした部分には埃がたまりがちです。特にディンプルキーはくぼみに汚れがたまりやすいので注意しましょう。古い歯ブラシなどで優しく擦り、かき出してください。
鍵穴には決して油やシリコンスプレーなどの合成潤滑油をさしてはいけません。内部で埃が固まって、鍵を挿せなくなってしまいます。鍵穴には掃除機を付けて中のゴミを吸い出してください。
その後、鍵メーカーが指定している潤滑油をスプレーして、鍵を抜き差しすれば完了です。スプレーが手元にない場合は、鉛筆の黒鉛で代用できます。鍵の溝を強くなぞり、同じように鍵を抜き差ししてください。終わってから鍵に付いた黒鉛を拭き取るのを忘れないようにしましょう。
マンションの鍵交換業者選びは相見積もりで比較を
マンションの鍵は自分の判断だけで交換できるものではありません。加えて、オートロックなどのシステムを正常に作動させるためには、専門的な知識と技術が必要です。無理に自力で交換しようとせず、管理者と話し合ったうえで業者に依頼してください。

質問に答えるだけで最大5社から見積もりが届く
スマホやパソコンからかんたんな質問に答えると、自動で条件にぴったりのおすすめ事業者から最大5件の見積もりが届きます。
手作業で条件や日程が合う事業者を1件ずつ探す必要はありません。
料金・口コミ評判を比較して選べる
見積もりの料金を比べられるのはもちろん、過去にミツモアでお仕事を依頼した利用者からの口コミ評価も確認できます。
口コミからはサービスの質や人柄などがうかがえることが多く、金額以外の判断材料も得られるので安心です。
チャットで事前に仕事内容の相談ができるので安心
契約前にサイト内のチャットで事業者と直接メッセージのやり取りをすることも可能。事前に見積もり内容に関する質問や相談ができるので、不安を解消した上でお仕事を依頼できます。
