この記事では、自転車の鍵をなくした時にどこで交換できるのか、どんな交換方法があるのかなど紹介。電動アシスト付き自転車の鍵交換についても解説しています。
自転車の鍵をなくしたらどうしたらいい?
自転車を鍵の紛失に気づいたときは、まず衣類のポケットやバッグ、財布のなか、その日行動した経路などを確認してみましょう。それでも見つからない場合は「交番」「自転車屋」「鍵屋」のいずれかに対応を依頼するとよいでしょう。詳しくは記事内で解説しています。
自転車の鍵開けにかかる費用は?
交番に頼めば無料、自転車屋に頼めば2,000~3,000円、鍵屋に頼めば5,000~10,000円で鍵を壊して開けてもらうことができます。
自転車の鍵を紛失してしまったときの対応
自転車の鍵が見つからず完全に紛失してしまったときには、以下の場所で対応してもらうことができます。
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これらの場所に自転車を持っていけば、鍵を壊して開けてもらうことができます。
電動アシスト自転車の場合には、後輪の鍵とバッテリーの鍵が併用になっているので、自転車屋か鍵屋に限られるということに注意。詳しくは後述します。
ただし1994年に自転車の防犯登録が義務化されて以降、自転車の所有者本人であると確認できる身分証明書(免許証・保険証・学生証など)が無いと、対応してもらえないので注意しましょう。
また自分で鍵を開ける方法も後述しますが、この場合も自転車泥棒と疑いをかけられないように、防犯登録に登録されている個人情報を提示できるようにしておきましょう。
交番・警察署で対応してもらえること(無料)
交番や警察署に鍵が開かなくなった自転車を持ち込めば、無料で鍵を壊してくれます。
警察官は自転車の番号を調べて所有者を特定できるので、身分を証明できる免許証や保険証を携帯しておきましょう。
ただし自転車が他人の名義だと、少し時間がかかってしまいます。もし盗難車であった場合は犯罪に加担したことになってしまうので、警察側も慎重です。
正式に譲り受けたものだとしても、「誰から譲り受けたか」「その人と連絡を取れるか」など調査されることになるので注意してください。
また交番に行けば、ペンチ・ワイヤーカッターなどを使って鍵を切断してくれますが、交換まではしてもらえません。新しい鍵の取り付けは、後で自転車屋などに持ち込んで対応してもらいましょう。
ちなみに一般的な馬蹄錠(リング状の鍵)やワイヤーロックであれば切断可能ですが、防犯性能の高いU字ロックの場合には開錠・切断が困難です。この場合、鍵屋に持ち込むか、スペアキーで対応するしかありません。
自転車屋で対応してもらえること(2,000~3,000円)
自転車屋に持ち込む場合でも、開かなくなった鍵を壊してくれます。通常は2,000~3,000円ほどの料金がかかりますが、新しい鍵の取り付けも一緒にお願いすると取り壊し作業のほうは無料になることも。
自転車屋に持ち込むメリットは、新しい鍵の取り付けまでセットで行えること。もっと便利なダイヤルキー(暗証番号式)などへの移行も相談してみましょう。
また防犯登録の更新時期(10年)なども確認できるので、長く自転車を使う予定なら、自転車屋への持ち込みが効率的です。
開錠が困難なU字ロックを使っている場合でも、自転車屋ならスペアキーを取り寄せすることもできます。時間に余裕がある際、なるべく鍵を壊さない方向で考えたいときにオススメです。
出張サービスがある自転車屋も
店舗によっては出張サービスを行っている自転車屋もあります。
一般的な出張費用の相場は、5km以内で500円前後、10km以内では1,000円程度です。自転車を購入した店舗に依頼する場合は、出張費が無になることも。
また大手自転車ショップである「サイクルベースあさひ」では、「サイクルメイト」に加入の方の場合、自転車のお引取り・お届けサービスが0円で利用できます。
鍵屋で対応してもらえること(5,000~10,000円)
鍵屋はあらゆる鍵のプロなので、もちろん自転車の鍵にも対応してくれます。料金は通常5,000~10,000円ほどかかる場合が多いですが、自分でお店に持ち込むことができるのであれば、出張料の分は安く抑えられることも。
鍵屋に依頼するメリットは、なるべく鍵を壊さない方向で、作業内容を検討してもらえることです。防犯性能にこだわって、開錠が難しい鍵を使っていると、その分だけ鍵自体の値段も高いですよね。
鍵屋に開錠してもらうことができれば、開錠自体の料金はかかっても、新しい鍵を購入する費用が抑えられるかもしれません。
また技術力を備えた職人なら、元鍵が無くてもスペアキーを作成することもできます。今使っている鍵を、なるべくそのまま使いたい方にオススメです。
自分で鍵交換する方法!取り壊し・開錠から取り付けまで
自転車の鍵交換に必要な道具
【開錠に必要なもの】
鍵穴に鍵を挿すタイプは、以下のような道具で開錠できます。
- ヘアピン
- ビニール傘の傘鍵
- マイナスドライバー
シリンダータイプ(鍵がギザギザしているタイプ)の場合、ヘアピンでカチャカチャ動かして開錠できます。
旧式の馬蹄錠(リングロック)で、プレスキー(上画像)というペタッとした鍵を使っている場合は、傘鍵やマイナスドライバーを挿しこんで動かしましょう。詳しくは後述します。
【馬蹄錠・ワイヤーの切断に必要なもの】
- ニッパー
- ワイヤーカッター
- ボルトクリッパー
- ペンチ
馬蹄錠(リングロック)の場合は、鉄製のリングを切断しなくてはいけないので、ボルトクリッパーを使うのがオススメです。
ワイヤーロックの場合はニッパーでも切断できますが、できればワイヤーカッターを用意してラクに切断しましょう。
いずれも1,000~2,000円程度で購入できます。100円ショップ「ダイソー」なら、なんと300円前後で「ミゼットニッパー」を手に入れることも可能です。
【鍵の取り付け・取り外しに必要なもの】
取り付け・取り外しには、プラスドライバーさえあれば対応できます。一般的な馬蹄錠(リングロック)は、ネジだけで固定されているものが多いです。
手が汚れる可能性もあるので、軍手や作業着もあると準備万端です。
自転車の鍵の交換手順
鍵の種類にかかわらず、自転車の鍵を取り外し・取り付けする手順は以下の流れです。
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鍵を壊す場合には、ボルトクリッパーやワイヤーカッターを使うだけなので、あとは腕っぷし次第です。力に自信のない方は、力持ちの人に手伝ってもらいましょう。
ただし勢い余って道具や錠がぶつかり、ケガをしてしまうリスクもあります。くれぐれも慎重に扱うよう、注意してください。
ワイヤーロックの場合は自転車に固定されていないので、取り外しできれば作業完了です。馬蹄錠(リングロック)の場合も、固定ネジを緩めるだけで簡単に取り外しできます。
自転車に新しい錠を取り付けるときにも、プラスドライバーを使って固定するだけです。
鍵の開錠方法
ヘアピンや傘鍵、マイナスドライバーを使って自転車の鍵を開錠する方法を紹介します。
ただしこれらの方法は、決して悪用しないでください。あくまで自分の自転車に対し、自宅の敷地内で行うようにしましょう。
「ピッキング防止法」に違反すると、1年以下の懲役または50万円以下の罰金という措置が下されます。
バールやマイナスドライバーを、正当な理由なく車内に隠し持っていた事例で、実際に逮捕された例もあります。
ヘアピンを使う方法(シリンダータイプの錠)
ヘアピンを使った開錠方法は、シリンダータイプ(鍵がギザギザしている)の鍵穴に有効です。馬蹄錠(リングロック)でもワイヤーロックでも、シリンダータイプならどちらでも同じ仕組みになっています。
ただしピッキングの一種なので、コツをつかめないと難しいかもしれません。せっかく鍵が開いても、鍵穴の内部が傷ついてしまうと、使えなくなってしまいます。
開錠する方法は以下。
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すこしアバウトに見えるかもしれませんが、実際「カチャカチャと動かす」という感覚的な作業になります。うまくいくかどうかは、鍵が開く位置を探り当てられるかどうかにかかっているのです。
あまり長い時間にわたって鍵穴をいじると、せっかく開いても、シリンダー内部に傷がついてしまいます。そうなると再び鍵が開かないなどのトラブルが起こるので、「ムリだ」と感じたら諦めて業者に依頼しましょう。
傘鍵、またはマイナスドライバーを使う(プレスキーの錠)
古いタイプの馬蹄錠(リングロック)では、ペタッとした形のプレスキーを挿し込み、横にスライドさせることで開錠できます。
このタイプの場合は、プレスキーと同じくペタッとした形の「マイナスドライバー」を使ってカチャカチャすると、開錠できます。
また傘鍵を使うと、もっと効率的です。傘鍵とは、「押すと傘が開く部分」にあるボタン状の部品のこと。傘を分解してこのボタンを取り出すと、平べったい金属が出てきて、これがプレスキーの形に似ているのです。
傘から傘鍵を取り出す方法は以下。
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あとは傘鍵を鍵穴に挿しこんで、カチャカチャとちょうどいい位置を探し出すだけです。
電動アシスト自転車の鍵交換・開錠方法
電動アシスト自転車の場合には、バッテリー部分の錠と、後輪の馬蹄錠(リングロック)とで1つの同じ鍵を使用するモデルが多いですよね。
つまり1つの鍵を失くしてしまうことで、後輪のロックが外れなくなるだけでなく、バッテリーも動かなくなってしまいます。
そのため前述したような「後輪の鍵を壊す」という対処方法では、バッテリー部分の鍵が使えなくなるので、「電動アシスト自転車」が「ただの重い自転車」になってしまうのです。
電動アシスト自転車の鍵を交換する際には、バッテリー部分の鍵と一緒に交換する必要があります。
おすすめは鍵屋に相談すること
電動アシスト自転車の鍵は、防犯性の高い「ディンプルキー」が使われているケースが多いです。ディンプルキーとは、鍵に小さな穴がついている形状のものを指します。
この場合、合鍵を作るのに特殊な機械が必要なので、「鍵の専門業者に依頼」もしくは「自転車屋で相談し、メーカーから純正キーを取り寄せ」という方法で解決することになります。
メーカーから純正品を取り寄せるには、早くても1~2週間ほど。一方で鍵の業者に依頼すれば、30~60分程度もあれば、開錠からスペアキー作成までおこなってもらえます。
鍵屋の作業内容は、まず「ピッキングで開錠」、つぎに「鍵の型を取る」、そして「型をもとにスペアキーを作成」という流れです。
もしバッテリーを丸ごと買い替えて交換するとなると、安くても30,000~40,000円以上かかるのが相場です。
一方で鍵屋で開錠してもらう場合は、店に持ち込めば、たいてい10,000円前後で対処してもらうことができます。出張費がかかったとしても15,000~20,000円ほどで済むでしょう。
結論として電動アシスト自転車の場合は、費用を安く済ませ、手短に自転車に乗れるようにするために、鍵屋へ持ち込むのがオススメなのです。
【新しい鍵におすすめ】持ち歩きが不要なタイプの鍵3選
自転車の鍵を新品に交換するなら、鍵の紛失を防ぐことができ、鍵が劣化して折れる心配もないタイプがオススメです。
具体的には、ダイアル式の鍵や、スマートロックなどがあります。
ダイヤル式
ダイアル番号を合わすだけで解錠ができるので、ダイヤル式を使えば鍵を紛失する心配はなく、施錠するときも時間もかかりません。
しかし番号の桁数が少ない場合や、毎回番号を1桁だけ変える人は、プレート部分に付いた汚れ・傷から番号を特定されるリスクがあるので注意しましょう。
指紋認証式
指紋認証式の鍵を使えば、鍵の紛失やパスワード漏洩の心配がありません。
高速なCPUを搭載し、スムーズに指紋認証処理が行われます。USBケーブルで充電できるタイプが多いです。
スマートロック式
スマートフォンを操作して、鍵の解除やロックができるタイプです。こちらも鍵をなくす心配がなく、鍵を持ち歩く必要ありません。
スマートフォンをなくさない限り、自転車を共有している方もスマートロック式であれば便利です。
「Ellipse(エリプス)」や「LINKA(リンカ)」など、海外製のものが中心です。日本のメーカーのものなら、CANDY HOUSEの「SESAME(セサミ)」という商品などもあります。
鍵が開かなくなる事態を防ぐためのポイント
自転車の鍵を交換したいタイミングというのは、鍵を紛失した場合に限られるわけではありません。
- 鍵が折れて内部に詰まった
- 鍵が抜けなくなった
- 鍵を回せなくなった
これらの要因で自転車の鍵が使えなくなることもあります。この場合は、たいてい鍵穴の劣化などが原因です。
普段からの使い方を少し工夫して、なるべく自転車の鍵を交換する必要がないように、長持ちさせましょう。
自転車の鍵穴をメンテナンス
あまり一般的に認知されていませんが、自転車の鍵や錠をメンテナンスする方法があります。
鍵や錠に使われている素材は、鉄やメッキです。そのため雨風にさらされると徐々にサビが出来てしまい、最終的には劣化して折れたり、鍵が回らなくなってしまいます。
定期的に鍵専用の潤滑油などを使い、サビ対策のメンテナンスをしましょう。画像の商品は、鍵メーカーとして国内シェアトップの「美和ロック(MIWA)」から出ている潤滑油です。
また、できれば自転車は屋内に収納しましょう。そもそも雨風にさらされなければ、劣化スピードをぐっと抑えられます。どうしても屋外置きしかできない場合でも、雨の後は鍵穴周辺をタオルで拭くなど、メンテナンスは欠かさないようにしましょう。
鍵穴が詰まっていそうな時の対処法
自転車の鍵がうまくささらない、回らない、といった症状のときには内部でゴミやホコリが詰まっている可能性があります。
- 鍵先を細かく動かしながら挿入
- 鍵穴に掃除機を当てて、ゴミを吸引
上記のような対処法によって、鍵を挿入できるかもしれないので、試してみてください。
逆に、ピンや針金を使って鍵穴を掃除しようとすると、余計にゴミが押し込まれてしまう可能性があります。また鍵穴の内部が傷つく可能性もあるので、不調が長引いているなら鍵屋・自転車屋に相談しましょう。
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自転車の鍵を交換する方法や、開かなくなった鍵への対処方法を紹介しました。コツさえつかめば、自分で開錠したり、鍵を取り壊しできるかもしれません。
ただし同じ鍵をこれからも使う予定なら、鍵屋に依頼して開錠してもらうのがオススメです。鍵穴をなるべく傷つけずに対処し、スペアキーの作成までおこなってくれます。
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