家具や自転車の動きの改善や、金属表面のつや出しに便利なシリコンスプレー。車やバイク、家具や家の扉など、様々なものに使えることから重宝するアイテムです。
しかしドアの鍵の動きが悪くなったときは、鍵穴にシリコンスプレーを使用してはいけないということをご存じでしょうか。
鍵穴とシリコンスプレーは相性が悪く、間違って使ってしまうと故障の原因になります。
今回は、鍵穴にシリコンスプレーを使ってはいけない理由と、鍵の動きをよくするための方法について解説していきます。
シリコンスプレーとは?鍵穴に使える?
シリコンスプレーを鍵穴に使うと起こる具体的なトラブルを説明する前に、シリコンスプレーについて簡単に説明します。
シリコンスプレー=コーティングスプレー
シリコンスプレーとは、シリコンオイルを対象物に吹きかけてコーティングを行うスプレーのことを指します。
ドアの開閉をスムーズにしたり、金属の表面の汚れや錆びを防いだりするときに使われることが多いです。
潤滑性、撥水性、耐熱性に優れているため、幅広い用途に活用できます。
シリコンスプレーを鍵穴・車の鍵に使うのはNG!
クレ556や100均のシリコンスプレーを鍵穴に使おうと考えている方は今すぐやめてください。
シリコンスプレーには潤滑性がありますが、鍵穴にさすことでむしろ逆効果になる場合があります。
鍵穴だけでなく、車のキーに使用することもトラブルの原因となるため避けましょう。
シリコンスプレーを鍵穴に注入すると起きるトラブル
シリコンスプレーを鍵穴に吹きつけてしまうと、具体的にはどんな不具合が生じるのでしょうか?
鍵穴にシリコンスプレーを使うことで考えられるトラブルについて紹介していきます。
油分に汚れがたまり不具合が発生する
鍵穴にシリコンスプレーを使ってはいけない理由は、油の膜にほこりや汚れが付着して固まり、故障してしまうからです。
シリコンスプレーの成分は「シリコンオイル」です。
主に家具や工具、自転車に使われるもので、すべりが悪くなったタンスの引き出しや引き戸のレールに使うと、スムーズに動くようになります。
鍵穴にシリコンスプレーを吹きかけた場合も、シリコンオイルが潤滑油の役割となり、一時的には鍵の動きがなめらかになるでしょう。
しかし、鍵穴内部の非常に細かいパーツに油の膜ができたことで、時間が経つにつれてほこりや汚れが付着して固まります。
その結果むしろ鍵の動きが悪くなってしまったり、最悪の場合は修理や鍵穴の交換が必要になったりといったトラブルにつながるのです。
特にマンションやアパートの角部屋は砂ほこりや雨風の影響を受けやすいため注意しましょう。
キーケースやポケットが油で汚れる
シリコンスプレーは油でできているため、鍵穴に噴射すると鍵にも油が付着してしまいます。
このシリコンスプレーの油膜が付着した状態で、キーケースや衣服のポケットにしまってしまうと、その油がついて汚れてしまうかもしれません。
革製品にはシリコンスプレーが防水・つや出し目的で使われることもありますが、油の膜で通気性が失われ、長期的には革が劣化したりカビの原因になったりしてしまうこともあります。
すでにスプレーを使ってしまったときの対処法は?
すでに鍵穴にシリコンスプレーを噴射してしまったという方に向けた対処法をご紹介します。
方法としては、業者に依頼して洗浄してもらう方法と自分で対処する方法があげられ、両方の特徴を解説していきます。
また、シリコンスプレーの油分によって、お使いのキーケースや衣類などが汚れてしまったという場合の対処法についても紹介していきます。
【業者に依頼】シリンダー分解清掃をしてもらう
確実なのは、専門の業者に清掃をしてもらう対処法です。
鍵穴を含むシリンダーという鍵のパーツを取り外し、分解してからその中を清掃するというものです。
主に鍵の修理を取り扱っている鍵業者、もしくはハウスクリーニング業者でも対応してもらえる場合があります。
作業料金は業者によって異なりますが、20,000円程度を想定しておくと良いでしょう。お金はかかってしまいますが、確実に鍵穴をきれいな状態に戻してもらえる方法です。
鍵の分解清掃は専門知識、技術を必要とするため、安易に個人では行わないようにしてください。
元に戻せなくなったり、間違った対処で故障してしまったりして、結局シリンダーごと交換が必要となる可能性があります。
【自分で対処】パーツクリーナーを使う
シリコンスプレーを噴射した鍵穴にすでに汚れが溜まり、鍵の動きが悪くなってしまっている場合、パーツクリーナーを使うことで応急処置が可能です。
パーツクリーナーとは、金属やプラスチックに付着した汚れを落とす効果があり、鍵穴に直接噴射することで鍵穴に付着した汚れやほこりをある程度除去することが出来ます。
パーツクリーナーはホームセンターで手に入れることができ、鍵穴以外にも家の中の清掃に利用することができるため、1本常備しておくと何かと便利でおすすめです。
しかし、パーツクリーナーでの清掃は、汚れを一時的に落とす効果はありますが、完全にはシリコンスプレーの油分は取り除けません。
シリコンスプレーを噴射してしまった鍵穴の根本的な解決には、専門の業者による清掃がもっとも確実と言えるでしょう。
持ち物が油で汚れてしまったら
シリコンスプレーの油が付着した鍵をそのまま、キーケースやズボンのポケットにしまってしまうことで、油染みが付着してしまう場合があります。
特に革製品などに付着した油染みは時間が経過するほど跡が残りやすく、早急な対応が必要です。
もっとも効果的なのは革製品専用のクリーナーを使用する方法です。
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ズボンのポケットや布製の鞄などに油汚れが付着した場合は、液体洗剤を使用するのが効果的です。
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以上の方法で、油染みのついた布製品を洗浄することができます。
また、洗濯機での洗浄が可能な製品は、2の工程を行った後に洗濯機にかけると効果的です。
鍵の動きをなめらかにするための方法4選
ここまで、鍵穴にシリコンスプレーを使用してはいけないことや、シリコンスプレーを使ってしまったときの対処法を解説してきました。
それでは鍵の動きをなめらかにしたいときには他にどのような方法があるのでしょうか?自力でも簡単にできる方法を紹介します。
掃除機やエアダスターで砂やほこりを取り除く
掃除機やエアダスターを使用し、鍵穴に溜まっているほこりや砂塵を取り除く方法です。
掃除機のノズル部分を取り外して短い状態にしてから、鍵穴に掃除機の吸引部分を密着させ、スイッチをオンにしましょう。
ほこりや砂が詰まっていただけの場合は、これだけで鍵の動きが改善される可能性が高いです。
この時、掃除機の故障に繋がる恐れがあるため、鍵穴が濡れている状態で行わないようにしてください。
市販されているエアダスターを使用して鍵穴のほこりなどを吹き飛ばすという方法も効果的です。
エアダスターはホームセンターやネットでも安価で購入できます。
鍵の溝の汚れを掃除する
鍵の動きが悪いのは鍵穴だけでなく、鍵自体にも汚れが付着しているからかもしれません。
特にディンプルキーというタイプの鍵は、溝が多くほこりや汚れが溜まりやすい作りとなっています。
鍵の溝部分を歯ブラシなどで掃除してあげることで、鍵の動きが滑らかに改善される場合があるため、定期的に鍵の掃除をすることをおすすめします。
鍵穴専用スプレーがおすすめ
最もおすすめなのが、鍵穴専用の潤滑スプレーを使用する方法です。
鍵穴のために作られたスプレーは粉末タイプや速乾性になっており、シリコンスプレーのようにほこりや汚れが付着する心配がありません。
鍵穴専用スプレーはホームセンターはもちろん、Amazonや楽天でも購入可能です。
【鍵穴専用スプレーの代用】鍵に鉛筆の黒鉛を塗る
鍵穴スプレーの代用として、鍵に鉛筆の黒鉛を塗り、鍵の動きを滑らかにするという方法があります。
鉛筆の芯を砕いたり、削ったりして鍵に振りかけても効果的ですが、鍵の溝部分を鉛筆でなぞるように塗っていくだけでも十分に効果があります。
使用する鉛筆は黒鉛含有量が多くやわらかいBや2Bの鉛筆がおすすめです。
ただし、黒鉛のついた鍵をそのままキーケースやポケットに入れると汚れが付着してしまうので、塗った後は軽く拭き取りましょう。
それでもダメなら鍵交換を検討しよう
以上で紹介してきたことを試しても症状が改善されない場合、鍵もしくは鍵穴の交換も検討してください。
鍵の溝部分が損傷している場合や変形している場合は、鍵そのものに原因があるため鍵のみを作製することで解決できます。
しかし、鍵に問題がなく鍵穴が故障している場合はシリンダーごと交換となります。
鍵の寿命は設置からおよそ10年です。それ以上経過した鍵は、経年劣化や防犯面を考慮しても最新の鍵に交換することが安心でしょう。
日常のメンテナンス法!専用スプレーが1本あると安心
鍵の動きが悪くならないようにするには日常のメンテナンスを欠かさないことが1番です。
鍵穴のメンテナンスは、鍵穴専用の潤滑剤スプレーを使用するだけで簡単に行うことができます。
鍵穴の潤滑剤は鍵の動きを滑らかにするだけでなく、故障などトラブルの予防にもなります。
あまり鍵穴のメンテナンスは行ったことが無いという方も簡単に行えるため、ぜひやってみてください。
水分が残っているときはスプレーを使わない
鍵穴の潤滑剤スプレーは、鍵穴に水分が残っている状態では使用しないでください。
スプレーが乾きにくいというだけでなく、鍵穴で潤滑剤のパウダーが固まってしまい逆効果となってしまいます。
そのため、雨の日はもちろん、雨の降った後や、湿気の多い日などは避けてスプレーをするようにしてください。
ほこりや砂を取り除く
鍵穴の調子が悪くなる原因の多くは、鍵穴に溜まったほこりや砂塵、汚れです。
これらが溜まらないようにするには、前述のように掃除機やエアーダスターを使用して除去する方法が効果的です。
鍵穴の調子が悪くなっていなくても、少量のほこりや砂塵は付着しているため、日常のメンテナンスで取り除いておけば、鍵穴の不調を未然に防げます。
潤滑剤注入後、鍵を抜き差ししてなじませる
鍵穴の潤滑剤スプレーを吹きかけた後は、鍵を抜き差ししたり、何度か回したりして潤滑剤を鍵穴になじませましょう。
ただスプレーを吹きかけただけでは複雑な構造をしている鍵穴にしっかりと潤滑剤が行き届いていないことも多いため、この作業は忘れずに行うようにしてください。
鍵についた潤滑剤をふき取る
潤滑剤を吹きかけた鍵穴に鍵を差し込むことで、鍵自体にも潤滑剤のパウダーが付着してしまいます。
これをこのままキーケースや衣服のポケットなどにしまうと、潤滑剤が周辺にも付着してしまうため、しっかりと拭き取るようにしましょう。
この際、糸くずが出にくい布で拭くことで、鍵に糸くずなどの異物が付着し、鍵穴に詰まってしまうことを防ぐことができます。
鍵穴トラブルのときは、ミツモアで鍵業者を探そう
上記で紹介したように、鍵穴が不調を起こさないようにするためのメンテナンスは大切です。
しかし、経年劣化や誤ってシリコンスプレーを吹きかけてしまった場合、どうしても修理が必要な場面もあるかと思います。
そんなとき、自分で解決ができる範囲のトラブルであれば良いですが、重度の場合や作業に不慣れな場合は専門の修理業者に依頼しましょう。
ミツモアでは、様々な業者から見積もりを出してもらい、ベストな修理業者を見つけることが可能です。
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