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身近だけど知らない「鍵」の内部構造と仕組みを解説!

最終更新日: 2021年05月20日

多くの人が毎日何気なく使っているアイテムである鍵ですが、その仕組みについては詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。

この記事では「鍵」と呼ばれる錠前の構造や、鍵を回してドアを開け閉めする仕組みについて、わかりやすく説明します。

鍵(錠前)の構造

鍵のささったドア

鍵は私たちの生活に必要不可欠なアイテムではあるものの、当たり前の存在であるため、ドアについている鍵穴と、いつも持ち歩く鍵しか気にしたことがないかもしれません。

最も馴染みが深いと思われるシリンダー錠を例に挙げて、鍵、正確には錠前の構造を説明します。

いわゆる「鍵」は「錠前」のこと

錠前の構造

日常生活でわたしたちが「鍵」と呼ぶとき、持ち歩いている小さな道具も、ドア側についている金具も区別しないことが多いでしょう。

鍵と錠セットで「錠前」と呼び、特定の人にしか解錠できないセキュリティシステムです。デザイン性や防犯性は年々高くなっているものの、錠前の役割は昔も今も大きく変わっていません。

シリンダー錠 錠前

「錠」と「鍵」のセット。

シリンダー錠のドア

扉に設置された金具。鍵または内側のサムターンを使って操作し、施錠・解錠する。

錠を操作して開閉するための道具。普段持ち歩いて管理するアイテム。

錠ケースの構造

錠ケースは錠前の部品がすべてが内蔵されている錠の中心となる部分です。錠の種類によっても違いますが、レバーハンドルやドアノブ、シリンダーやサムターンなどを錠ケースに金具で取り付けて完成させます。

施錠するとサムターン(鍵の開け閉めを行うつまみ)とシリンダー(鍵穴の中にある筒)に連動しているデッドボルトがドアから飛び出し、ストライクボックスに入る構造となります。錠は扉の中に納める「彫りこみ型」と扉面に取り付ける「面付け型」が一般的です。

【種類別】シリンダー錠の内部構造と仕組み

錠前の中でも一般的で皆さんがよく目にするのは「シリンダー錠」と呼ばれるタイプです。

シリンダーとは英語で「円筒」という意味で、その名の通り内部が外筒と内筒に分かれており、内筒を回転させることによって錠のデッドボルトを出し入れし、施錠・解錠する仕組みになっています。

普段は外筒と内筒を貫通する障害物によって回転しないようになっており、適合する鍵を挿入して回したときのみ内筒が回ります。

シリンダー錠にもいくつかの種類がありますが、ここでは代表的な3種類について見ていきましょう。

ピンシリンダー

ピンシリンダーの鍵と鍵穴

ピンと呼ばれる障害物が4~7本ほど一列に配置されたタイプのシリンダーです。ピンは上ピンと下ピンに分かれており、適合する鍵を挿すと、ピンの境目が外筒と内筒の境界に一致し、内筒を回転させることができます。

鍵の片方だけにギザギザの鍵山が付いているのが特徴です。

内部の詳しい動きは、以下の動画を観てみてください。

ディスクシリンダー

ディスクシリンダーの鍵と鍵穴

障害物である板状のディスクが鍵穴の上下に配置されたタイプのシリンダーです。適合する鍵を鍵穴に差し込むと、ディスクがシリンダーの内側に収納され、鍵が回る仕組みです。

縦に「く」の字型をした鍵穴をもち、鍵の上下に鍵山がついているのが特徴です。

ディスクシリンダー錠は非常にピッキング耐性が低く、一時期ピッキング被害が多発したことから、多くのメーカーで廃盤になりました。古い住宅ではまだ使われている可能性がありますが、早めに鍵交換することをおすすめします。

現在はディスクシリンダーを改良して防犯性を高めた「ロータリーディスクシリンダー」が流通しています。鍵穴が横型であること、ロッキンバーと呼ばれるシリンダーの回転を制御する部品が付いていることが両者の大きな違いです。

ディンプルシリンダー

ディンプルシリンダーの鍵と鍵穴

ピンシリンダーと同じ分類の錠ですが、障害物であるピンが上下、左右、斜めの複数方向に配置され、より複雑な構造になったタイプです。

鍵の表面には鍵穴内部のピンに適合する様々な大きさのくぼみがあり、特徴的な外見をしています。裏表どちらで挿し込んでも解錠できるタイプも多く、使いやすさも魅力です。

シリンダー錠の中ではかなり防犯性が高い種類です。その分高価で、依頼先によっては合鍵の複製などのサービスに対応していないことがあります。

1本の鍵で複数の鍵を開けられる仕組みとは?

1つの鍵が1つのシリンダーに適合するのが基本の組み合わせですが、1本の鍵で複数の錠を開けられる、または複数の鍵で1つの錠を開けられる錠前もあります。

これらの錠前が一体どのような仕組みになっているのか、見ていきましょう。

マスターキーシステム

マスターキーシステムとは、1本の鍵で複数の異なる錠を解錠できるシステムのことで、「親鍵」というすべての部屋のシリンダーに対応した鍵と、「子鍵」という1つ1つの部屋のシリンダーにしか対応しない鍵が作られます。

ホテルやマンションのような多くの部屋をもつ建物において、管理者は火災や安否確認といった緊急時に部屋を開錠しなければならないことがあります。このとき部屋数分の鍵を使い分けていては時間がかかり煩雑なため、1本の鍵で管理できるようになっているのです。

各部屋のシリンダーは、親鍵か対応する子鍵のどちらかが挿し込まれたときに内筒が回転する構造になっています。詳しい仕組みは以下の動画(1:41~)を見てみましょう。

逆マスターキーシステム

マスターキーシステムは1本の鍵で異なる錠を開けることができるシステムですが、異なる鍵で共通の錠を開けられるシステムのことを逆マスターキーシステムといいます

このシステムが使われている場所は、マンションなどの集合住宅のオートロックエントランス、オフィスの共通エントランスなどです。

たとえば、301号室の鍵を使って302号室のシリンダーを開けることはできませんが、301号室、302号室どちらの鍵を使ってもエントランスを開けることができます。

逆マスターキーシステムが採用されている場所の鍵を新たに作成したい場合、建物の貸主や管理会社を通じてメーカーへ注文する必要があるので注意しましょう。

【空き巣の手口】鍵を使わずに開錠する方法

手の中の鍵束

鍵が開閉する仕組みについて説明してきましたが、この仕組みと構造を利用して、錠と適合する鍵を使わずに鍵を開ける方法もあります。

鍵業者が緊急時の鍵開けに用いる方法であると同時に、空き巣被害の手口に用いられることが少なくありません。

鍵がなくても開錠できる4つの方法を解説します。

ピッキング

ピッキングとは、鍵を使わずに針金やピッキングツールを使って鍵穴を操作し、錠を開ける方法のことです。鍵穴内部の障害物を外筒と内筒の境界に一致させることで内筒が回転する仕組みであり、障害物を一致させることさえできれば、鍵がなくても解錠できてしまうのです。

ピッキングと聞くと空き巣の侵入手口をイメージする方が多いかもしれませんが、鍵業者が鍵開けをするときも同じ技術を用います。

正当性のないピッキングツールの所持は法令違反!

一般人がピッキングツールを所持することは「特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律(通称:ピッキング防止法)」で禁止されています。

専用のピッキング器具やサムターン回し用具はもちろん持っている時点で法令違反ですが、規定のサイズを超えるマイナスドライバー、バール、ドリルなどの一般工具を隠して携帯していた場合も罰せられる可能性があります。

バンピング

バンプキーと呼ばれる道具を鍵穴に挿し込み、ハンマーなどで衝撃を与えて内部の障害物の位置を揃え、解錠する方法です。

バンピングによって開けられる錠の種類は限られており、ピンシリンダーが特に弱いとされています。ピンシリンダーと同類であるディンプルシリンダーも、型によってはこの方法で開けられてしまう場合があります。

特定の鍵穴タイプにしか使えず、対応するバンプキーを用意する必要がありますが、手順自体はピッキングよりも簡単です。

破壊開錠

工具を使って錠前を破壊する方法です。具体的には以下の箇所を壊せば扉が開きます。

  • シリンダーの内筒部分をくり抜くようにして壊す→鍵がなくても内部が回転して錠が開く
  • デッドボルトを切断する→ドアが閉まらなくなる

近年はシリンダー構造の複雑化や電子錠の普及が進み、ピッキングに時間がかかったり、そもそも不可能であったりすることも少なくありません。そのため、施錠した状態の住宅に侵入する手口としては、破壊開錠のほうが主流になりつつあります。

サムターン回し

錠を扉の内側から開閉するためについている「サムターン」というつまみ部分を外側から回して解錠する方法です。

具体的には、ドアスコープや扉のすき間から特殊な工具を差し入れたり、ドリルで扉に穴をあけたりといった方法がとられます。

サムターン回しの詳しい手口や対策は以下の記事を参考にしてみてください。

関連記事:サムターン回しの手口と対策を徹底解説!賃貸でもしっかり対策しよう|ミツモア

防犯性を高めて空き巣対策をしよう

鍵を使わずに開錠する方法を知ると、きちんと施錠していても自宅が空き巣被害に遭うのではないかと不安になるかもしれません。

ここでは、以下の観点で空き巣に狙われにくい鍵の種類や設置方法を解説します。

  • ピッキング耐性を上げる
  • 破壊開錠を難しくする

施錠体制を強化すること以外にもさまざまな空き巣対策が可能ですので、以下の記事を参考にすぐできるものから実行してみましょう。

関連記事:空き巣対策を解説!侵入を防ぐ・良好な見通し・在宅を装うことが重要|ミツモア

ピッキングされにくいのはディンプルシリンダー

住宅に一般的に使われるシリンダー錠のうち、ピッキング耐性が高いのはディンプルシリンダー錠です。防犯性が高いと言われるのは、以下の理由によります。

  • 鍵の組み合わせパターン数(理論鍵違い数)が多い→ピンの数が多く、ピッキングに時間がかかる
  • ピンが複数方向に配置されている→工具が入らない

ピッキングの他にもバンピングや破壊開錠への対策が施された製品もありますが、製品によって防犯性能には差があるので、ディンプルシリンダーに交換する際には、自分の求める性能が満たされているか、仕様を確認しましょう。

賃貸物件の場合は自分で鍵を選ぶことができませんが、ディンプルシリンダーを採用している物件であれば、防犯性をアピールするために物件広告に明記されていることが多いです。

メリット
  • ピッキング耐性があり、防犯性が高い
  • 破壊開錠対策がされている種類もあり、鍵穴が壊されにくい
  • (リバーシブルタイプの場合)裏表どちらの方向で挿しても解錠でき、使いやすい
デメリット
  • 価格が高い
  • 一般的な合鍵作成サービスを行っている場所では複製できない可能性がある
  • くぼみに汚れがたまりやすい

破壊開錠の被害を防ぐには「1ドア2ロック」

空き巣犯は侵入に時間がかかる場合は犯行を諦める傾向にあります。1つのドアに2つの錠前を設置しておけば、開錠にかかる時間は単純に考えて倍になるため、空き巣に狙われにくくなるのです。

所有物件の場合は工事をして新しく錠前を取り付けることも可能ですが、賃貸物件に住んでいて自由に取り付けられない場合や、扉に穴を開けたくない場合は、補助錠を使えば簡単に錠前を増やせます。

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ひらめいた女性

鍵の仕組みを知り、防犯を考えて空き巣被害に遭いづらい鍵に交換したいという方もいらっしゃるかもしれません。

鍵交換は自力で行うことも可能ですが、新しい鍵選びから取り外し・取り付けまでプロの業者に頼めば、失敗することなく確実に防犯性の高い鍵に替えることができます。

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