模様替えをすれば部屋の印象を大きく変えられます。理想の部屋を実現するために模様替えの基礎知識や注意点を知りましょう。部屋の模様替えをするときに有益なカラーコーディネートのポイントや、部屋を広く見せるコツを紹介します。
部屋の模様替えを始める前に
部屋の模様替えは最初のイメージが肝要です。「どのような部屋にしたいか」「そこでどのように過ごしたいのか」など具体的に考えてみましょう。
自分にとっての「理想の部屋」を考えるとき、心にとめておきたいポイントを紹介します。
部屋のテイストは好みの家具に合わせる
まずどのようなテイストの部屋にしたいのかを考えます。このときイメージの中心となるのが家具です。
すでにお気に入りの家具がある場合は、それを置いて違和感のないテイストの部屋を目指します。
例えばカントリー調の家具をメインに据えたいなら、そのほかのアイテムもナチュラル感が強く、メインの家具とよくなじむものがベターです。
部屋を見回して「テイストに合わない」と思うものがあれば、思い切って処分を検討しましょう。足りないものがある場合は、買い足しも考えねばなりません。
イメージの中心になるものを具体的に決めることで、おしゃれで統一感のある部屋に仕上げやすくなります。
間取りを描いてシミュレーション
家具の配置をイメージのみで済ませると、いざというとき「入らなかった」「使い勝手が悪かった」ということが起こり得ます。家具のレイアウトが決まったら、頭の中にある間取りを紙に描き起こしてみましょう。
重要なのは曖昧な点を残さないことです。
部屋の寸法や家具・小物のサイズはきちんとメジャーで測り記入します。照明やコンセント、窓などの位置もきちんと図に書き込みましょう。その上でレイアウトを決めていけば、イメージ通りの部屋を実現しやすくなります。
家具は「置けばよい」というものではありません。実際に使うことを想定して、現実的な配置を心掛けましょう。
生活動線や家事動線がポイント
生活動線とは家の中で生活するときに通る経路のことです。一方で家事動線とは、家事をするときに通る移動経路を指します。どんなに見栄えがよくおしゃれでも、この2つが確保されていない部屋は、居心地・使い勝手の悪い部屋となります。
家具やアイテムの位置を決めるときは「通路スペースが確保されているか」「扉の開閉スペースはあるか」などを考えましょう。電気が必要なアイテムなら、コンセントがそばにあるとスムーズです。
レイアウトが完成したら実際に動く姿を想像してみましょう。そうすれば「使いにくい」「通れない」などのミスに気付けます。
人がスムーズに通るには、家具と家具の間に約60cmのスペースが必要です。
カラースキームで理想の空間に近づけよう
部屋全体の印象に大きく関わるのが配色です。使う色数を絞って色彩計画(カラースキーム)を立てることで、部屋のおしゃれ度はぐっとアップします。
「どのように配色を考えたらよいか分からない」という人は、多くのインテリアコーディネーターが推奨するスキームを活用してみましょう。
部屋の配色を考えるとき「ベースカラー」「テーマカラー」「アクセントカラー」を意識するのです。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
ベースカラーにはニュートラルな色を
配色の基本となるのが「ベースカラー」です。これは全体の70%ほどを占めるのが望ましいとされており、面積の大きい壁や天井の色を選ぶのが一般的です。
模様替えしたい部屋の壁や天井が白やアイボリーなら、それがそのままベースカラーとなります。
もし壁や天井の色まで変えたいと思っている場合は、あまりにも主張の強い色は避けましょう。部屋にいても落ち着かない気分になりやすい上に合わせる色が限られてしまいます。
ベースカラーはクセがなく「物足り無いかな」と感じるくらいの色がちょうどよいでしょう。
アクセントカラーには目を引く色を
部屋の5%ほどにアクセントカラーを配置します。これはコーディネートにおける「差し色」のようなもので、部屋にメリハリを出すために必要です。
アクセントカラーはベースカラーのように無難な色味を選ぶ必要はなく、冒険しても構いません。ビビッドな色を選べばポップで明るい部屋に、ベースカラーと同系色の色を選べばシックで落ち着いた印象の部屋になります。
一般にアクセントカラーを使うのは、小さな家具やファブリック、小物類などです。例えばリビングのクッションカバーとラグを同じ色にそろえると、よいアクセントとなります。
季節感を出したいときは、アクセントカラーを変えることで思い通りの演出がかないます。
テーマカラーは基本好きな色を選ぶ
テーマカラーは部屋のメインとなる色です。一般的なインテリアコーディネートではメインの家具や床の色をメインカラーとすることが多いでしょう。
メインカラーは、全体の25%ほどに取り入れるのが望ましいとされます。好きな色を選んで構いませんが、色相(色味の系統)を合わせることは大切です。
テーマカラーとして使う色数が多いと、部屋のイメージが散漫になります。なるべく色数を抑えて、統一感を持たせましょう。
模様替えで部屋を広く見せるコツ
模様替えの目的として「部屋をもっとすっきり見せたい」という人も多いのではないでしょうか。部屋の印象を大きく変えるには、ポイントを押さえた家具やアイテムの配置が必要です。
限られたスペースをすっきり広く見せるためのコツを紹介します。
視線をふさがないよう抜けを作る
狭く感じる部屋の多くは、抜け感が足りないことがほとんどです。入り口に立ったとき部屋の奥まで見渡せるでしょうか。もしも家具などで遮られてしまうなら、家具を壁際に移動させるなどの工夫が必要です。
抜け感を作る上で必要なのは、視線を遮るものを置かないことです。家具などを配置するときは、視線の高さよりも上にくるような家具は置かないようにしないようにしましょう。
人の目線の高さは「身長×0.9」で算出できるといわれます。例えば身長160cmの人なら、目線の高さは約144cmです。広い部屋に見せるには、家具などを144cm以下の高さにそろえるとよいでしょう。
床を見せる
床部分が多く見えるようにしておくことも、非常に重要です。露出する床面積が大きいほど、部屋は広くすっきりと見えます。
一般的に家具が部屋に占める割合は1/3程度が望ましいといわれます。しかしこれはあくまでも理想に過ぎません。生活していればそれなりの家具やアイテムが必要となります。
床上に多くの物を置く必要があるときは「まとまった面積を見せる」ことを意識しましょう。
例えばソファやゴミ箱を部屋の中央に置くよりは、部屋の隅に寄せた方が広く見えます。床の上に占める面積が同じでも、置き方次第で印象が変わるのです。
鏡や色の特性を生かす
鏡や色を上手に使った目の錯覚による効果で、部屋を広く見せることが可能です。鏡面に映った景色が目に入ることで、視線が遠くに行くようになります。より広く見せたいなら、天井や照明が映る位置に鏡を置いてみるとよいでしょう。
色には前に出てくるように見える「進出色」と、実際よりも遠くに見える「後退色」があります。部屋を広く見せたいなら、後退色を使うのがおすすめです。カーテンや壁など大きな面積を占める部分に使ってみましょう。
後退色は青・青緑などの寒色系の色、焦げ茶・深緑といった明度の低い色です。一方赤やオレンジといった、暖色系や明度の高い色が進出色に分類されます。
部屋の印象をガラリと変える方法
部屋を模様替えすれば今までとは全く異なる印象にすることも可能です。部屋の印象を大きく変えたいとき、試してみたい方法を紹介します。
大きな家具のレイアウトを変える
部屋の中でも存在感のある、大きな家具の配置を変えてみましょう。これなら全体のレイアウトを大幅に変える手間がありません。
例えばソファやダイニングテーブルの向きを変えるだけでも、部屋の印象は大きく変わります。テレビとソファを対面で置いている場合は、それぞれの位置を入れ替えるだけでも部屋の景色が一変します。
ただし家具のレイアウトを変えるときは事前シミュレーションが必須です。入れ替えによって部屋の圧迫感が増したり、狭さを感じさせたりしないよう注意しましょう。
大型家具を自力で動かすのが難しい場合は、移動だけ業者に依頼することもできます。
家具の一部を変える
家具の一部だけを変えるのも、部屋の雰囲気を変えたいときに有益です。
ダイニングチェア&テーブルをセットでそろえていたり、ソファセットを置いていたりする家庭は多いでしょう。こうしたセットアイテムは統一感があり、見た目の印象も悪くありません。
しかし長く使っている物はどうしても飽きを感じるようになります。思い切って一部を交換すると、ガラッと雰囲気を変えられます。
例えばダイニングセットなら、いすのひとつを別のアイテムに置き換えてみてはいかがでしょうか。ソファセットなら全く別のオットマンや一人掛けソファを置いてみるのもおすすめです。
手軽に模様替えする方法
家具をそろえ直したり配置換えしたりするのは、入念な準備と手間が必要です。「時間がない」「もっと手っ取り早い方法がよい」という場合は、どうすればよいのでしょうか。手軽に模様替えしたいときにおすすめの方法を紹介します。
ファブリックをチェンジ
カーテンやクッションカバーなどのファブリック類は、気軽に取り替えられるアイテムです。失敗してもやり直しが容易なため、「イメージが違った」と思えばすぐに元に戻せます。
失敗を恐れず挑戦しやすいため気軽に模様替えしたいときにおすすめです。
またファブリック類は季節感を演出できるのもうれしいポイントといえます。
秋冬は温かみがある素材や色を選べば、寒い季節にふさわしい部屋となります。一方、涼しげだったり華やかだったりする素材や色を選べば、春夏にぴったりな部屋となるでしょう。
照明を上手に使う
照明のデザインや機能にこだわると、部屋のおしゃれ度がぐっと上がります。ファブリック類と同様に比較的気軽に入れ替えやすいのが魅力です。
照明を変えるときのポイントとしては、「照明そのものをおしゃれなデザインにする」「光の当たり具合にこだわってみる」などです。
照明をおしゃれに変えてみると昼間はインテリアとして重宝します。オブジェ風の照明なら見栄えもよく、おすすめです。
部屋全体を間接照明にすると、おしゃれな雰囲気となります。光の反射で影ができ、立体感や奥行きを演出できるでしょう。
インテリア雑貨などを変えてみる
部屋の雰囲気を変えるなら、インテリア雑貨にこだわるのもおすすめです。手っ取り早くおしゃれな部屋にしたいなら、壁面スペースを有効活用しましょう。目に付きやすい場所をコーディネートするだけで、雰囲気がガラッと変わります。
雑貨を適当に配置するとかえって部屋の雰囲気が損なわれるかもしれません。「インテリアのテーマを絞る」「テイストをそろえる」「左右対称を意識する」などのポイントを守るのがおすすめです。
模様替えでもっと居心地のよい部屋に
部屋の模様替えで今の部屋をより広く見せたり、動きやすい部屋にしたりすることが可能です。まずはどのような部屋にしたいかイメージを固め、細部まで決めた上で模様替えを始めましょう。
また模様替えではカラースキームや「見え方」を意識することが大切です。これを忘れると落ち着かない部屋になり、狭く感じやすくなります。
模様替えで部屋の印象が変われば、部屋での時間がより快適になります。理想にかなう部屋を目指して、家具や配置の仕方を考えてみましょう。
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