風邪でもないのに出るくしゃみや鼻水。咳が数カ月単位で治らない。花粉症を疑ってみたけれど、どうやら家にいる時の方が症状が悪化するみたい。
ひょっとしたらその体調不良の原因は「ハウスダスト」かもしれません!本記事では様々な疾患を引き起こす「ハウスダスト」について、特徴から対策まで徹底解説いたします。
お掃除以外の除去方法もマスターして、在宅時間を快適に過ごしましょう!
ハウスダストの特徴について解説
ハウスダストとは1mm以下の細かなゴミのこと
ハウスダストとは、家の中のホコリやチリなどの細かいゴミのうち、大きさが1mm以下のもののことです。
肉眼で確認できないくらい小さく非常に軽いため、人が動くと空中に舞い吸い込んでも気付きません。知らないうちに体内に入り込む、やっかいものです。
ハウスダストにはダニの死骸やフンが含まれている
ハウスダストというとホコリが思い浮かびますが、その他にも様々なものを含んでいます。
- 衣類やタオルなどの繊維クズ
- ダニの死がい・フン
- ペットの毛
- 花粉
- タバコの煙
- カビ
- 細菌
知ってしまうと、どれも吸い込みたくないものばかりですよね。これらが体内に入ると、喘息やアレルギー症状を招いてしまう原因になる可能性があります。
ハウスダストの1/3は家の外、2/3は家の中から
様々なアレルゲンを含むハウスダストですが、実はこの中の1/3は、外から入ってきたものなんです。
家の外 | 家の中 |
---|---|
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|
これらは本来は部屋の中にないハウスダストですが、窓から風に乗って入ってきたり、衣類やバッグにくっついて人と一緒に持って帰ってきてしまったり、靴底についたままだったりと様々な経路で家へと入り込みます。
なお残りの2/3は、家の中で発生します。定期的に家の中を掃除し、ハウスダストを除去しましょう。
ハウスダストが好む場所
ハウスダストの正体を理解したところで、次はハウスダストが増えてしまう原因を知りましょう。
どんな場所にあるのか、どんなふうに増えてしまうのかが分かれば、対策を講じることができますよ。
ハウスダストが溜まりやすい場所
フローリングやテレビ台の上などのように、分かりやすい場所にだけホコリがたまるわけではありません。意外と目につきにくいところにもハウスダストは溜まっています。例を挙げて見ていきましょう。
寝室
寝具は繊維クズが出やすく、人間の髪やフケ、皮膚片が落ちやすい所です。またそれらをエサにしてダニが繁殖しやすいため、死がいやフンも増えます。
洗面所・浴室
湿度が高く、カビが繁殖しやすい場所です。タオルや脱ぎ着する衣服の繊維クズ、ドライヤーを使う際に落ちる髪の毛など、様々なハウスダストが溜まります。
クローゼット
布製品が多いため、綿ボコリやダニの死骸やフンが溜まりやすい場所です。換気がしにくい環境も、ハウスダストを増やす原因のひとつです。
本棚
紙のある所もハウスダストが溜まりやすくなります。本棚のほか、新聞紙を保管している場所も同じです。
カーテン
布製品であるため繊維クズが出たり、窓ガラスが結露した際にカビが生えたりすることもあります。こまめに洗濯することが望ましいです。
照明
照明器具は静電気が発生しやすく、ほこりなどが吸い寄せられてしまいます。ツルッとした素材のカバーだと拭き掃除がしやすいですが、布や紙製のものはお掃除が難しいので避けた方がよいでしょう。
高温多湿を好むダニ
ハウスダストの1つであるダニは3つの条件下で繁殖しやすいため、把握しておきましょう。
- 栄養分・エサ
- 20℃~30℃の温度
- 70%以上の湿度
ダニは、人間の食べこぼし、フケ・皮膚片・汗などを好んで食べています。エサが豊富な状態で、なおかつ高温多湿になると、ダニが繁殖するスピードも上がるのです。
よく部屋を掃除して、カビの栄養源となるものを排除しましょう。また換気などを徹底して、熱気や湿度を逃がすことでダニの繁殖をある程度防ぐことができますよ。
ハウスダストはアレルギーなど様々な症状の原因に
ハウスダストが引き起こすアレルギー症状
人間の体に害を及ぼす異物が入ると、体の外に追い出そうとして、くしゃみ・鼻水などのアレルギー症状を引き起こします。
空中に浮遊しているハウスダストを吸い込むことにより、以下のようなアレルギー症状を引き起こすおそれがあります。
ハウスダストが原因のアレルギー症状は、以下のようなものが代表的です。
- くしゃみ
- 鼻水
- 鼻づまり
- 目のかゆみや痛み
- 皮膚の炎症
- かゆみ
- 肌の乾燥
- 喘息、せき
花粉症と同じ、あるいはそれ以上の症状を引き起こすこともあります。アレルギー体質の方は特に気を付けたいですね。
ハウスダストが引き起こす疾患と対策
ハウスダストが引き起こす疾患は4つあります。それらの疾患と症状は以下です。
アレルギー性鼻炎 |
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アレルギー性結膜炎 |
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アトピー性皮膚炎 |
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喘息 |
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ハウスダストが引き起こす疾患の対策として、掃除を徹底して行うことが重要です。また疾患によっては市販の薬や保湿よりも、病院で受診した方がいい場合があります。どの疾患か理解し、適切な対処を行いましょう。
①アレルギー性鼻炎
鼻の粘膜に炎症を起こして、連続したくしゃみが出たり、粘性の低い透明な鼻水が出たり、鼻づまりを起こしたりします。
この場合、アレルギー性鼻炎専用の市販の薬で症状を改善できることもあります。
②アレルギー性結膜炎
目の結膜が花粉などのアレルゲンに反応し、炎症を起こす病気です。
目の充血や強いかゆみを引き起こし、白目の部分がブヨブヨになることもあります。
この場合、アレルギー性結膜炎専用の市販の薬で症状を改善できることもあります。
③アトピー性皮膚炎
小さなお子さんの場合は皮膚がジクジクと赤く腫れ、大きくなるにつれて乾いてかさつき、硬い皮膚になります。かゆみを伴うため、搔いて血が出たりと悪化することもあります。
思春期を迎えるころになると治ることが多いですが、まれに成人後も慢性化することがあります。
この場合、皮膚を乾燥させないようにしっかり保湿を行いましょう。
④喘息
刺激により気道が狭まり、発作的に咳込みます。ヒューヒュー・ゼイゼイという呼吸音が特徴です。
喘息の症状は個人差があり、放置すると悪化する恐れがあるため、医師の診断を受けるようにしましょう。
重症になると息苦しさも
ハウスダストを放っておくと、アレルギー物質をより多く吸い込むことになります。
喘息を発症している場合は、重症化するケースも。常に気道に刺激を与えることになり、咳込むだけでなく粘り気のある痰が出たり息苦しくなります。
速やかに医師の診断を受け、ハウスダストを除去するよう心がけましょう。
風邪との違い、症状の見分け方
ハウスダストはアレルギー性鼻炎などの疾患を引き起こし、くしゃみやせきなどと風邪に似た症状が出ます。
一般的なアレルギー性鼻炎と風邪を比較すると、それぞれの特徴は以下です。
アレルギー性鼻炎 | 風邪 | |
---|---|---|
原因 | アレルギー症状を引き起こす物質を吸い込むことで発症 | ウイルスの感染によって発症 |
鼻水 | 透明でさらさらしている | 黄色っぽくて粘りがある |
熱 | ほとんどでない、出ても微熱 | 微熱(~38℃) |
その他症状 |
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|
症状が出るタイミング |
|
1日中 |
症状の継続期間 | 2週間以上(1年中起きる) | 数日間 |
風邪かアレルギー性鼻炎は、鼻水の色や特徴で見分けることができます。また熱の有無や症状が出るタイミングなどでも異なります。
アレルギー性鼻炎の場合は、発症を引き起こすハウスダストの対策をし、抗アレルギー薬などで治療しましょう。また風邪であった場合は、熱やセキの症状を和らげる解熱剤や鎮咳薬で対処しましょう。
ハウスダストを放置すると、部屋のシミ汚れになる可能性も
ハウスダストは時間が経つにつれ、水分や油分を吸収することがあります。
水分や油分がハウスダストにつくと、「こびりついた汚れ」にはなり、簡単にふき取れません。またさらにこの汚れを放置すると、材質の表面に汚れが染み込み、シミの原因になることもあります。
ハウスダストを放置して汚れが悪化してしまった場合は、水拭きや洗剤拭きで掃除しましょう。
こまめに掃除をして、シミになる前に、ハウスダストを取り除くことを心がけましょう。
ハウスダストの予防方法
ハウスダストを減らすことで、引き起こされる症状を予防することができます。ハウスダストを減らすポイントは以下の8点です。
- こまめに掃除
- 掃除は朝イチに行う
- フローリングのハウスダスト対策
- 洗濯でダニの死骸やフンを除去
- 室温は20~25度、湿度は50%に保つ
- 掃除機や専用カバーでダニ対策
- ペットの飼育環境を整える
- 室内に花粉を持ち込まない・入れない
これらを行うことで引き起こされるアレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎などの症状を予防することができます。
こまめに掃除
こまめに掃除を行うと、ハウスダストが慢性的に溜まってしまう状態を防ぐことができます。
最初から床に掃除機をかけてしまうと、ハウスダストが飛び散る原因に。家具や本棚などの上の方にあるものからホコリを取り除き、最後に床を掃除するのがポイントです。
棚の上やランプなど、上の方の掃除は、ハンディモップなどのホコリを吸着するものを使って掃除するようにしましょう。ホコリをハンディモップで吸着させたあとは、水拭きまで行うとより良いです。
掃除は朝イチので行う
ハウスダストは小さく軽いため、日中は人の動きで空中に巻き上げられ浮遊してしまいます。これではお掃除しようにも、手が出ませんよね。
逆に、人が寝ている夜中には、ホコリが下に落ちて床に溜まります。つまり、朝起きてすぐはハウスダストが空中ではなく床にたくさんある状態なのです。
朝イチの掃除で、床に溜まったハウスダストをまとめて処理しましょう。お仕事などで1日家を空けている場合、帰宅したタイミングで掃除するのもおすすめです。
フローリングのハウスダスト対策
フローリングはホコリが立ちやすく、モップがけをした後に掃除機をかけるといいでしょう。
床掃除を行う場合は、最初にフロアモップを使ってハウスダストを取り除きましょう。そしてその後は大きなホコリを掃除機を使って取り除くようにしましょう。モップはパイルでホコリを絡め取るアイテムです。モップで掃除することでホコリを舞いあげずに掃除できます。
以下の記事ではより詳しく掃除方法を説明しているので参考にしてみてください。
洗濯でダニの死骸やフンを除去
ダニの死骸やフンは水溶性です。洗濯することで溶けてなくなります。
ダニが溜まりやすいシーツやタオルケットなどの寝具は洗えるものを使用するといいですね。1週間に1回、布団は1年に1回を目安に水洗いを行いましょう。
また洗濯をすると、洗濯槽にダニの死骸やフンなどの汚れが溜まります。汚れが溜まるとカビを発生させてしまうこともあります。
月に1回の頻度で、塩素系の洗濯槽クリーナーを500g~600gほど入れ、通常のコースで洗濯機を回しましょう。
定期的に洗濯槽を掃除も心がけるといいですね。
室温は20~25度、湿度は50%に保つ
ダニやカビは、高温多湿の環境を好みます。ダニは25度以上の環境で、カビは湿度が60%の環境だと、一気に増殖します。そのため日ごろから窓を開け、換気をよくして熱気や湿気を追い出しましょう。
梅雨の時期は外の湿度が高いため、窓を開けると逆に部屋の湿度を上げてしまいます。除湿機やエアコンの除湿機能を利用しましょう。
浴室など湿気がこもりやすい場所は、常に換気をしておくといいですね。
また皮脂や食べかすは、カビの養分です。こまめに掃除を行い、栄養となるものを除去することも大事です。
掃除機や専用カバーでダニ対策
ダニはハウスダストのなかでもアレルギー性鼻炎を引き起こすことがあります。防ダニ工夫をすることでハウスダストを引き起こす疾患を予防しましょう。
畳やカーペット、布張りのソファーなどもダニが発生しやすい環境です。週に2回以上掃除機ををかけましょう。畳などは1畳あたり30秒以上かけて掃除機をかけると効果的です。
ダニは布団などの寝具に多く発生します。
週2回以上布団を干したり、布団乾燥機にかけたりなど、布団を乾かしましょう。週に1回以上布団に掃除機をかけたり、シーツや布団カバーを洗濯することでさらにダニ予防につながります。
ダニ対策が施された寝具を使い、ダニの発生を防ぎましょう。また布団をコインランドリーなどで丸洗いすることでダニを死滅させ、除去できます。
糸の密度は低く格子状の隙間がある普通の生地に比べ、高密度織物寝具は糸同士の密度が高く、繊維の隙間に入ろうとするダニやほこりを遮断し花粉の付着を減らします。
このようなハウスダストに強い素材の製品を選ぶことも対策の1つです。帝人の高密度織物寝具 ミクロガードなら、防ダニ剤不使用で安心です。
ペットの飼育環境を整える
ハウスダストにはホコリ意外にも、ペットの毛やフケも含まれます。
ペットを室内で飼っている場合は、ブラッシングやシャンプーなどでペットを清潔に保つことがポイントです。週に2回以上、寝室もしっかりと掃除し、ペットの毛を除去するようにしましょう。
またペットの毛が絡んで掃除しにくくなってしまうため、床に絨毯などを敷かないほうがいいですね。
花粉を室内に持ち込まない・入れない
花粉はハウスダストによる症状を引き起こす原因の1つです。花粉が多い時期は、帰宅時に花粉を家に持ち込み症状を悪化させることがあります。
花粉はウールなどの素材でできた服に付きやすく、外出時はツルツルした素材の服を着ましょう。また帰宅時には衣服や髪を払ってから家に入ると、持ち込む花粉を抑えることができます。
花粉の飛散量が一般的にピークと言われている2月~4月は、窓や戸を閉めて室内に入れないようにするのもいいですね。
ハウスダストは対策グッズで簡単除去!予防の効果も
こまめなお掃除はもちろん大事ですが、対策グッズでハウスダストを溜まりにくくできたら助かりますよね。ここではそんな便利グッズを2つ紹介します。
1.アリエール「ダニよけプラス」
アリエール液体 ダニよけプラス」は、いつもの洗濯で簡単にダニよけ出来る洗剤です。ダニ対策専門家である白井秀治先生も推奨するほど。
アリエールの洗浄力・消臭力はそのままに、ダニ除け成分が配合されており、ハウスダストを洗い流してダニ対策まで出来ます。皮膚科医監修のもと、肌テスト済みで安心です。
2.アレリア「シールドミスト」
布製品に手軽にスプレーするだけで、残留ハウスダストを無力化+舞い上がりを防止します。
どんなに掃除してもハウスダウトをゼロにはできません。しかしこのスプレーを使えば、植物由来成分ガロタンニンとフェノール系高分子が残留ハウスダストを包み込んで無力化します。
またハウスダスト凝集成分も配合しているため、ハウスダストをまとめて固めることで、空気中への舞い上がりを防止します。
空気中のハウスダストには空気清浄機が有効
家具を拭いたり床を掃除したりはできても、空中に舞ってしまったハウスダストはお手上げですよね。そんな場合は、空気清浄機が有効です。
花粉症対策同様、集塵フィルターが空中のハウスダストを集めてくれます。シャープのプラズマクラスター空気清浄機なら、「浮遊花粉」のアレル物質の作用を99%抑制できますよ。
ミツモアでハウスクリーニングを依頼する
部屋の汚れがひどくてハウスダストが気になる場合は、プロの清掃業者に掃除を依頼するのがおすすめです。部屋に溜まったホコリや汚れもすみずみまで綺麗にしてもらえますよ。
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部屋を綺麗にして、ハウスダストに悩まない健康的な生活を手に入れましょう。