実はどんな家にも生息しているダニ。大繁殖するとアレルギーの原因になったり、人をさすダニが発生してダニ刺されに悩まされたりすることも。
この記事では、ダニの生態を踏まえて場所ごとのダニ駆除・予防の方法を解説します。
ダニはどうやったら死ぬ?
ダニは熱に弱いという特徴があり、50度の熱で20~30分、60度の熱ならば一瞬で死滅します。 布団やマットレスのダニ対策は布団乾燥機などで熱を加える方法が効果的です。
簡単で即効性のあるダニ退治の方法は?
即効性と手軽さの両方を求めるなら、スプレータイプのすぐに使える薬剤を使用するのがよいでしょう。 しかし直接肌にふれる時間が長い寝具や衣類のダニ退治、または赤ちゃんがいる家庭の場合は薬剤を使わない方法の方が安心です。
ダニの生態と効果的な駆除方法まとめ
ダニの生態と室内の生息場所
ダニはどの家にも多少は生息しています。一番よくいるチリダニは人を刺しませんが、大量発生するとアレルギーの原因になったり、人を刺すツメダニ(チリダニをエサとする)が発生したりといった影響があるのです。
ダニが好む環境は「高温多湿な場所」「エサとなるホコリや人のフケ、アカが多い場所」です。
具体的には以下のような場所に多く生息するといわれます。
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ダニは肉眼で見えないほど小さく、上記のような場所の奥深くまで入り込みます。繊維にしがみつく力も強いので、掃除機をかけるだけでは生きたダニは取り除けません。
徹底的に駆除するには、まず生きているダニを死滅させてから、ダニの死骸やフンを除去する作業が必要です。薬剤を使ったり高温乾燥機にかけたりしてダニを殺した後、掃除機をかけましょう。
【室内の場所別】ダニの適切な駆除方法
布団やソファ、部屋全体などダニ対策をしたい場所ごとによって、ダニを死滅させるための適切な方法が異なります。
場所 | ダニの駆除方法 |
寝具(布団、マットレス) |
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ソファ、クッション |
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部屋全体・カーペット |
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服 |
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畳 |
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即効性と手軽さの両方を求めるなら、スプレー状ですぐに使える薬剤がおすすめです。以下のようなダニ駆除スプレーはドラッグストアやECサイトでかんたんに手に入ります。
直接肌にふれる時間が長い寝具や衣類、部屋中のダニをまとめて駆除したいケースでは、薬剤を使わない方法や、効果の範囲が広いくん煙剤が向いています。
また「ダニアレルギーをもっている」「忙しくてダニ対策をしている暇がない」という方は業者にダニの駆除を依頼するのがおすすめです。プロに依頼することで手間もなく、確実にダニを駆除できます。
駆除した後は定期的にダニ対策をしよう
駆除後はまたダニが大量に繁殖しないように定期的な対策を心がけましょう。
具体的には以下のような対策を行うとよいでしょう。
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布団を天日干しする際には黒い不織布をかぶせて干すと温度があがりダニ対策に効果的です。またシーツや衣服を洗濯する際にはダニ予防ができる洗剤を使うのもおすすめです。
布団・ベッドや寝具のダニ対策
布団や枕、ベッドのマットレスなどは、普段から人が睡眠することでフケ・アカなどが豊富です。また人の体温で湿気が溜まりやすいため、ダニが繁殖しやすい条件が整っているのです。
ちなみにダニ対策として、「くん煙剤」は布団やベッドに使用できないので、注意しましょう。
布団は高温乾燥機にかける
ダニは熱に弱いため「50度の熱で20~30分、60度の熱ならば一瞬で死滅」します。
そのため布団を30分ほどコインランドリーの高温乾燥機にかければダニを退治することが可能です。
布団を高温乾燥機にかけた後は、ダニの死骸やフンを取り除くために掃除機をかけるのを忘れないようにしてください。
頻度としては2~3か月ごとに行うのがよいでしょう。
布団に通常の掃除機を使用するのが抵抗ある方は布団クリーナーを使うのがおすすめです。サイズもコンパクトで使いやすくなっています。
薬剤を使うのに抵抗がない方は殺虫スプレーを使うと手軽にダニ退治ができます。
また以下の対策をとることでダニの発生を予防しましょう。
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布団のダニ対策について、詳しくは以下の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ベッドマットレスは布団乾燥機にかける
マットレスは大きくて運ぶのが大変なため、布団乾燥機を使ってダニの駆除を行うのがおすすめです。
布団乾燥機は「60度の温度で30分程度」かけるようにしましょう。機種によってはダニ退治モードが備わっているものもあります。
しかしマットレスの素材によっては「熱」で駆除できないので注意しましょう。
たとえば低反発・高反発素材として使用される「ウレタン」は、熱に弱いのが特徴です。そのため、布団乾燥機などを使うのは避けましょう。このような場合は殺虫剤やダニとりシートを使って駆除する方法があります。
またダニ予防として以下の対策を行うとよいでしょう。
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以下の記事で、それぞれのダニ退治の手順と、マットレス素材ごとの注意点などもまとめています。詳しく知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
カーペット、部屋全体のダニ対策
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カーペット全体や部屋全体にダニが繁殖しているなら、バルサンなどのくん煙剤(くんえんざい)を使うのがオススメです。
煙や薬剤を部屋に充満させるので、一気にダニ駆除ができます。またゴキブリやノミなど、部屋に潜んでいる別の虫にも効果が期待できるのもメリットでしょう。
ただしくん煙剤を使うときには、ベッドや寝具にカバーをつける必要があるので、布団まわりのダニ駆除は別でおこなう必要があります。
また、家具・家電や火災報知器にカバーをする必要がある点は、少し面倒です。魚や小鳥などにも毒性を発揮するので、水槽などを動かす必要がある点も、デメリットと言えるかもしれません。
殺虫スプレー、くん煙剤を使う際の手順
殺虫スプレーを使うにしろ、くん煙剤を使うにしろ、大まかに以下のような手順でダニ対策をしていきましょう。
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まずはカーペットの表面についているホコリなどを除去し、殺虫成分がダニまで行き届く状態を作りましょう。部屋を暗くしておくと、ダニが活発になって表面に出てくるので、より効果的です。
殺虫スプレーやくん煙剤を使用したら、ダニの死骸を除去するために、掃除機やコロコロをかけましょう。
カーペットには粉末タイプの薬剤もおすすめ
カーペットがそんなに大きくない場合は粉末タイプの薬剤を使ってダニを退治するのがおすすめです。
手順としてはカーペットの表面に薬剤をまいてから、掃除機で吸い取ります。またカーペットの下にも薬剤をまきましょう。この時は掃除機をかけなくても大丈夫です。
1~2か月に1回の頻度で掃除をする際に行うとよいでしょう。
ソファのダニ対策
ソファのダニ対策方法は、素材が「布製」か「革製・合皮」かによって変わります。まとめると、以下のような対策方法があります。
布製ソファの対策方法 | 革製ソファの対策方法 |
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布製のソファであれば、殺虫スプレーを使用して手軽にダニを駆除できます。
しかし革製のソファには殺虫スプレーを使うのは避けた方がよいでしょう。スプレーには「エタノール(アルコール)」が含まれることがあり、これが革にダメージを与えてしまうのです。
布製と革製、どちらのソファでも高い効果を発揮できるのが「ダニとりシート」です。座る部分のクッション下や、ソファと床との隙間に設置しておくだけでダニを駆除できますよ。
ソファのダニ対策については、以下の記事でより詳しく解説しているので参考にしてみてください。
服のダニ対策
直接肌に触れる服はしっかりとダニ対策することが大切です。
ここではダニを退治するための服の洗濯方法やクローゼットの中にいるダニの駆除方法も紹介していきます。
洗濯でほとんど駆除できる
通常、服にいるダニは洗濯でほとんど駆除することができます。しかし全てのダニを死滅させることはできないため、洗濯後はダニが苦手とする日光をあてて服をしっかりと干しましょう。
しかしダニが大量発生してしまっている際には、ただ洗濯するだけでは効果が不十分です。このような場合は服を洗濯する前に、60度ほどの熱湯に20~30分ほどつけこんでおきましょう。
またヒーター付きの洗濯機であれば、まず乾燥モードで60度以上の熱風を衣服にあててダニを駆除しましょう。その後に洗濯すればダニの死骸を洗い流せます。
クローゼットの中のダニは薬剤で駆除
服にダニが発生している場合は、保管しているクローゼット内にもダニがいる可能性が高いでしょう。
クローゼットの中にダニが大量発生している場合は、薬剤を使ってダニを駆除します。
薬剤を使う前にはクローゼットの中にある服をすべて出してください。服にもダニがついてしまっている可能性が高いので、乾燥機でダニを死滅させてから洗濯します。
ダニ予防としては普段から換気を行って湿気をぬいたり、こまめに掃除をしたりすることが大切です。
またクローゼット専用のダニ予防グッズを使うのもおすすめです。
和室・畳のダニ対策
日本ならではの和室になじみ深い「畳」は、湿度が高い時には水分を吸収し、室内が乾燥しはじめると水分を放出します。
そのため、高温多湿な日本の気候にはマッチしているのです。しかし一方で、湿気が溜まったときの畳は、ダニをはじめとする虫たちが住み着きやすいというデメリットがあります。
畳にダニが発生してしまっているならば、ダニを駆除した後に掃除をするという対策をとりましょう。
畳のダニを駆除する方法
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畳が劣化していたり、においが気になったりする場合は畳を交換してもよいでしょう。
ダニを駆除した後は掃除機をかけてダニの死骸を取り除きます。
以下の記事では畳のダニ対策についてより詳しく紹介しているので参考にしてみて下さい。
関連記事:畳のダニ発生原因と対策方法 | ミツモア |
ダニ予防につながる、畳のお手入れ方法
畳がある部屋は、日ごろからダニなどの虫を寄せ付けないよう、適切なお手入れをしておくのが最も効果的です。畳ならではのお手入れ方法としては、以下のようなものが挙げられます。
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拭き掃除や、掃除機がけをするときには、必ず畳の目に沿って動かすようにしましょう。畳の目は隙間になっているので、ダニのエサになるゴミなどが入り込みやすいからです。
また、畳を敷きっぱなしの状態だと、床との接地面に湿気が溜まりやすくなります。窓を開けて換気した状態で、畳と床との間にペットボトルを挟むなどして、風を通すようにしましょう。
定期的な天日干しも有効です。直射日光によって畳が傷むこともあるので、黒いビニールや不織布などに包んでから干すのがコツです。
おすすめのダニ退治グッズを紹介
ダニ退治グッズには殺虫スプレー、ダニとりシート、くん煙剤などがあります。それぞれ特徴があるので状況にあったものを選びましょう。
広範囲に散布可能で手軽に使用できます。しかし赤ちゃんやペットには悪影響があるものもあるため使用前に確認しましょう。
安全性が高いため「アレルギー反応が強い人、寝具に殺虫剤を吹きかけるのに抵抗がある人、赤ちゃんがいる人」におすすめ。しかし効果が届く範囲が限られる点がデメリットです。
部屋全体のダニ除去におすすめですが、ベッドや寝具には使用できません。 |
ここでは幅広い場所に使えるオススメ製品を紹介していきます。
より使用場所に最適な駆除グッズについては、以下の記事で紹介しているので、参考にしてみてください。
【殺虫スプレー】ダニフマキラー
殺虫剤メーカーとしておなじみの「フマキラー」から販売されている「ダニフマキラー」。
従来製品よりもノズルが改良されていて、1プッシュで広い範囲に散布できます。2カ月間の防ダニ効果があるのも、魅力的なポイントです。
場所を選ばず、布団や枕、畳、カーペット、ソファ、ぬいぐるみなど、幅広い対象に対して使用できます。
【ダニとりシート】ダニ捕りロボ
「ダニ捕りロボ」を開発している日革研究所は、30年以上をダニ対策の研究に費やしている会社です。アレルギー反応を抑えることに徹底的にこだわっています。
ダニ捕りロボは、ダニが好きなニオイを放って誘引。ダニがこの装置に侵入すると、「吸湿性セラミック」がダニの体に付着して、脱水症状に追い込んで死滅させることができます。
天然成分のみが使われているので、毒性が食塩より低く、肌の炎症も避けられる優れもの。アレルギー反応が大きめの方でも安心ですね。
【くん煙剤】アースレッド 寝室・子供部屋用
くん煙剤の中でも「アースレッド 寝室・子供部屋用」なら、どんな部屋でも使いやすい製品です。
ゴキブリなどの害虫を駆除するには、強い殺虫成分が必要です。
しかしこちらの製品は「ダニ駆除」に特化しているので、「フェノトリン」という、人間への影響が少なめの薬剤を使用しています。
ただし通常のゴキブリ用くん煙剤などと同じく、魚や小鳥などのペットには悪影響があります。使用する際には、きちんと取扱説明書に従うようにしましょう。
【ダニ予防スプレー】ダニクリン Wケア
ダニクリンは、スプレーするだけで防ダニ効果が1カ月持続します。寝具や畳、カーペットなど様々な場所に使用可能です。
殺虫成分は不使用で肌への刺激が少ない成分を使っているため、小さな子どもがいる家庭でも安心して利用できます。
また日本アトピー協会推薦の製品で、ハウスダストを包み込んで抑制する効果も備わっている優れものです。
ダニ予防のポイント
ダニを駆除した後には、再度発生させないために予防を行うことが大切です。
ここではダニ予防のポイントやダニが発生しやすい時期について解説していきます。
ダニの発生理由と発生しやすい時期
ダニは高温多湿な環境を好み「室温20~30度、湿度60%以上」の場所で発生しやすくなります。
そのため6~9月、その中でも特に梅雨はダニが発生しやすい時期です。
しかし冬でも暖房を使う場合は部屋の温度があがり、結露による湿気でダニが発生しやすい環境になってしまうこともあるため注意しましょう。
【ポイント①】高温多湿に気を付ける
先ほども説明した通り、ダニは高温・多湿の環境になると、室内で大量発生するリスクが高まるのです。
そのためダニの繁殖を防ぐには除湿が大切ということが言えます。室内の換気や、除湿器、エアコンの除湿機能を使って、湿度を下げることが大切です。
またダニは熱に弱く60度以上の熱だと一瞬で死滅してしまいます。ダニ対策においては熱と乾燥がポイントになるため、乾燥機はダニ対策に役立つでしょう。
【ポイント②】こまめな掃除をこころがける
ダニのエサを減らすために、こまめに掃除をすることも重要になります。ダニの栄養分となるのは、人のフケ・アカ・毛髪や、食べかす、その他のゴミなどです。
ただし掃除・除湿は、ダニの繁殖を防ぐのには有効ですが、即効性のある対策方法ではありません。ダニを手早く駆除するなら、殺虫スプレーを使用したり、熱を使って死滅させたりといった対策がよいでしょう。
業者にダニの駆除を依頼した方が良い場合も
ダニ対策は自分でも十分可能ですが、以下のような場合には業者にダニ対策を依頼する方がよいでしょう。
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業者に依頼すると自分で行うよりも確実にダニを駆除してくれるでしょう。また保証期間内にダニが再発生してしまった場合は無料で駆除してくれるところもあります。業者選びの際にはアフターフォローが充実しているかも確認するとよいでしょう。
ダニの駆除を「業者に依頼する際の料金相場」と「自分で行う場合の費用」は以下の通りです。
業者に依頼する | 約50,000円 (6畳) |
自分で駆除する |
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業者に依頼する費用は駆除の方法や駆除作業の難易度で異なります。
自分でダニ対策を行う方が費用は安く抑えられます。しかし手間がかかるため、忙しくて時間がない方は業者に依頼すると確実かつスピーディーに駆除作業を行ってくれるでしょう。
【ちなみに】家にダニがいるか確かめる方法
家の中には必ずダニがいるものですが、基本小さすぎて視覚的に確認することはできません。
本当にダニがいるのか、どれくらい繁殖しているのかを確かめる方法をいくつか紹介します。
ダニ刺されやアレルギー反応が見られる
ダニが大量発生していると以下のような症状がみられることがあります。
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ダニの死骸やフンを吸い込んでしまうと、せきやくしゃみといった症状があらわれます。アレルギーを引き起こす原因にもなるので注意が必要です。
またダニにかまれると皮膚がはれてかゆみを感じることがあります。ダニは下腹部や太ももなど皮膚が柔らかい場所をさすことが多いです。また衣服で隠れた部位に症状がみられる場合はダニにさされた可能性が高いでしょう。
以下の記事ではさされた跡がダニによるものなのか見分ける方法をより詳しく解説しているので参考にしてみて下さい。
検査キットを使用する
検査キットを使えば、家にダニがいるかどうか確実に確かめることが可能です。
上記の検査キットは誰でも簡単にダニアレルゲンの検出・判定を行うことができます。
使用方法はシンプルで、まず検査したい場所を掃除機で吸引します。その後、掃除機のゴミ袋を取り出し専用の抽出液に浸すとダニがどのくらいいるか判定が出ます。
付属の取扱説明書を読み、手順にそって検査しましょう。
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すでにダニが大量発生してしまっている場合、害虫駆除の専門業者に依頼するのもひとつの手です。
自分自身で時間・手間をかけることなく、屋根裏や床下など、駆除・予防が難しい場所までしっかりとダニ対策してもらえます。
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気になった業者とは時間や場所を気にせずチャットで相談ができるので、忙しい人にもぴったりです。