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相続人調査にかかる費用の目安。専門家に代行を依頼するメリットは?

最終更新日: 2024年06月28日

相続人調査を専門家に依頼するなら、費用相場を知っておくのがおすすめです。ほかの業務と併せて依頼する場合、遂行してもらえる業務や費用が、専門家ごとに異なります。相続人調査を専門家に依頼するメリットや、必要書類・作業手順についても理解しましょう。

相続人調査にかかる実費

相続人調査にかかる費用は、「書類を取得する際の実費」と「専門家に支払う報酬」に大きく分けられます。まずは相続人調査にかかる実費を確認しましょう。

書類を取得する際の手数料

相続人調査には戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本・住民票などが必要です。それぞれの書類と取得手数料は次の通りです

  • 相続人全員の戸籍謄本:1通450円
  • 被相続人の除籍謄本:1通750円
  • 被相続人の改製原戸籍:1通750円
  • 被相続人の戸籍の附表:1通200~400円
  • 相続人全員の印鑑登録証明書:1通300~400円
  • 相続人の住民票:1通200~400円
  • 被相続人の住民票除票:1通300円または350円

相続人の数によっては必要な戸籍謄本類の数も増えるため、書類を取得する際の手数料の合計が、1万円を超えるケースもあります。

郵送で請求する場合の費用

戸籍謄本類を遠方から取り寄せる場合は、郵送の費用が発生します。定形郵便物の最低料金が84円かかるため、書類の取り寄せに必要な郵送費(往復)は、1通あたり84円×2=168円~です

また書類を郵送で請求する際は、手数料分の定額小為替を購入して同封しなければなりません。定額小為替とは郵便局やゆうちょ銀行が扱っている送金サービスです。受取人を指定できるため、盗難に遭っても換金されないメリットがあります。

定額小為替1枚につき手数料が200円かかるため、郵便局やゆうちょ銀行の窓口では、送金したい金額に加え、定額小為替の手数料も支払う必要があります。

相続人調査を専門家に依頼する費用

相続人調査は弁護士・司法書士・税理士・行政書士に依頼することが可能です。相続人調査自体の費用相場や、相続人調査を含む相続手続きを専門家に依頼する場合の、費用相場を紹介します。

相続人調査自体の費用は約3万円~

相続人調査をより確実かつスムーズに行いたい場合は、専門家に依頼するのがおすすめです。弁護士・司法書士・税理士・行政書士のいずれも、相続人調査の依頼に応じてもらえます。

例えば行政書士に相続人調査を依頼した場合、費用相場の目安は約3万円~です。相続人の数が多くなるほど、相続人調査の費用も高くなります。

書類を取得する際の手数料や郵送での取り寄せにかかる費用は、専門家への報酬とは別に、準備しておかなければなりません。ほかの業務を併せて依頼する場合は、相続人調査の費用が割安になるケースもあります。

専門家別の費用相場

相続人調査と併せてほかの業務も専門家に依頼したい場合、専門家ごとに依頼できる内容が異なる点に、注意しましょう。依頼できる業務と費用相場を、専門家別に確認します。

  • 弁護士(10万円~数十万円):相続人調査・相続手続き全般・相続放棄・遺産分割協議
  • 司法書士(数万円~数十万円):相続人調査・相続手続き全般・相続放棄・不動産登記
  • 税理士(遺産総額の0.5~1.0%):相続人調査・相続税申告
  • 行政書士(数万円~):相続人調査・相続手続き全般・名義変更・預貯金解約

事務所によっては相続手続き業務のみでは、受け付けてもらえないケースもあります。また銀行なら全ての相続関連業務を依頼できますが、各専門家にさらに業務を代行してもらうことになるため、仲介手数料を含めた費用相場は100万円~と高額です。

相続人調査を専門家に依頼するメリット

相続人調査を専門家に依頼すると、費用がかかる反面、さまざまなメリットを得られます。どのようなメリットがあるのか確認しましょう。

調査に要する時間や手間を省略できる

相続人調査を自分で行う場合、専門家への報酬が発生しないため、実費のみの負担で済むのがメリットです。ただし相続人を調査するための時間や、手間がかかってしまいます。

一方で相続人調査を専門家に依頼すれば、調査に要する時間や手間を大幅に削減することが可能です。基本的には業務を依頼するだけで、相続関係説明図の作成まで行ってもらえます。

相続人調査ではやるべき項目が多いため、そもそもどのような作業が必要なのかを、調べるところから始めなければなりません。故人の家族が仕事で忙しく、相続人の調査に十分な時間を確保できない場合は、専門家に依頼するのがおすすめです。

相続人を正確に確認できる

相続人調査を専門家に依頼するメリットとしては、相続人を正確に把握できる点も挙げられます。誰が相続人なのかを確実に知ることが可能です。

相続ではケースにより相続人の範囲が異なり、場合によっては思いがけない相続人が出現する可能性もあります。知識や経験に乏しい素人が、相続人を漏れなく把握するのは困難です。

例えば故人に離婚歴がある場合、前婚の子どもも相続人になります。このような特殊なケースにおける相続人も、専門家なら正確に判断できるため、相続手続きをスムーズに進められるでしょう。

相続問題の相談にも乗ってもらえる

相続人調査を専門家に依頼すれば、相続人調査以外の問題についても相談できます。トラブルに発展しやすい相続問題の悩みを、専門家と一緒に解決できる点がメリットです。

例えば遺産や相続人が多い場合は、どのように遺産を分割すればよいのか分からないケースもあるでしょう。トラブルに発展すれば親族との仲がこじれてしまう恐れもあります。

専門家にサポートしてもらえば、このような状況でも相続人同士のトラブルを回避しやすくなります。相続全般について支援を受けたい場合は、専門家を頼るのがおすすめです。

相続人調査に必要な書類

相続人調査にはさまざまな書類の準備が必要です。代表的な必要書類について詳しく解説します。

戸籍謄本

戸籍謄本とは戸籍原本の記載内容の全てを写したものです。故人だけでなく戸籍に入っている全ての人の、身分関係情報が記載されています。

戸籍上の全ての人が相続人になる可能性があるため、相続人調査では相続人全員の戸籍謄本を取得するのが一般的です。被相続人の年齢が高いほど、請求する戸籍謄本の数は増える傾向があります。

戸籍謄本と混同しやすいのが戸籍抄本です。戸籍抄本は戸籍原本から、特定の人の情報だけを抜き取って記載した書類です。

除籍謄本

戸籍に記載されていた全ての人がいなくなった後の戸籍の写しを、除籍謄本といいます。戸籍に入っている人が1人でも残っていれば、除籍謄本にはなりません。

逆に全ての人がいなくなった戸籍も、戸籍自体はなくなるわけではなく、除籍謄本として残ることになります。

相続手続きで除籍謄本の取得が求められる場合は、被相続人が亡くなったことを証明するために取得するのが一般的です。

改製原戸籍

戸籍法が改正された場合、戸籍の様式が全国的に変更されるケースがあります。新しい様式の戸籍に作り直されると、除籍内容が新戸籍に反映されません。

しかし相続人調査では、生まれてから死亡するまでの戸籍の全てが必要です。そのため法改正前の状態の戸籍である、改製原戸籍を取得する必要があります

改製原戸籍を取得しない場合、故人の離婚歴を把握できずに、前婚の子どもが相続人である事実を見逃してしまいかねません。改製原戸籍の内容をしっかりと確認することが重要です。

現在の戸籍を意味する現戸籍(げんこせき)と区別するために、原戸籍は「はらこせき」と呼ばれる場合もあります。

相続人調査の手順

相続人調査の一般的な流れを紹介します。専門家に調査を依頼する場合でも、業務の大まかな流れはある程度把握しておくのがおすすめです。

必要書類の取得

相続人調査では故人に関する戸籍を、最初に全て集める必要があります戸籍謄本は本籍地の役所で取得が可能です。郵送でも請求できるほか、自治体によってはコンビニで取得できるケースもあります。

戸籍謄本を取得できる人は、原則としてその戸籍に記載されている人や、その人の配偶者・直系親族です。正当な理由があればそれ以外の人に委任もできます。

死亡届を提出してから戸籍に死亡の旨が反映されるまで、一般的には1~2週間かかります。すぐに取得できない点に注意が必要です。

相続人の調査

必要書類が全てそろったら、取得した書類を用いて相続人が誰なのかを確定します。まずは最新の戸籍を確認し、出生までさかのぼって調べていくことになります。

戸籍にはさまざまな情報が記載されており、古い戸籍の場合は手書きで記載されているケースもあるため、うまく読み取れない可能性もあるでしょう。全ての情報を正確に確認するためには、時間と根気も必要です。

記載内容がどうしても分からない場合、役所に問い合わせれば正確な情報を教えてもらえる可能性もあります。

相続関係説明図の作成

相続関係説明図とは相続関係を分かりやすく図式化したものです。相続人を把握した後に相続関係説明図を作成しておけば、相続人の関係をきちんと整理できます。

相続人が多い場合や複雑な相続の場合は、相続関係説明図があると役立つでしょう。相続人調査を専門家に依頼した場合、最後に相続関係説明図を作成してもらうことが可能です。

相続手続きの種類によっては、相続関係を明確にする目的で、戸籍謄本の提出を求められるケースがあります。このとき相続関係説明図を一緒に提出すれば、戸籍謄本の原本を返還してもらうことが可能です。

相続人調査は専門家に依頼しよう

相続人調査を専門家にお願いする場合、実費と報酬が発生します。相続人調査自体の費用の相場は約3万円~です。

相続人調査を専門家に依頼すれば、時間や手間を省略できます。相続人を正しく把握できる点や、相続問題の相談に乗ってもらえる点もメリットです。

相続人調査を依頼する専門家を探すなら、国内最大級の一括見積もりサービス「ミツモア」を活用しましょう。最大5社から最適な提案や見積もりを集められます。口コミで評判をチェックできる点もメリットです。

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