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逝去から遺体安置までの流れを紹介。安置する場所・方法・注意点は?

最終更新日: 2022年09月15日

家族が亡くなったとき、葬儀まで遺体を安置するにはどのような手順を踏めばよいのでしょうか。逝去から遺体安置までの流れや安置場所、宗教別の遺体安置方法、遺体を安置する際の注意点について紹介します。また葬儀社の選び方についても解説します。

そもそも遺体安置とは?

棺の上に花が置かれている

遺体安置」とはそもそもどのような意味なのでしょうか。遺体安置の意味と、一般的な安置期間について紹介します。

葬儀まで遺体を保管すること

「遺体安置」は逝去から葬儀が行われるまでの期間、特定の場所で、遺体を保管しておくことです

遺体は死亡判定を受けた場所ではなく、安置にふさわしい「安置場所」に搬送され、保管されるケースも少なくありません。

例えば病院で亡くなった遺体が置かれる霊安室などは、一時的な保管場所です。利用時間は3時間から半日程度で、長時間にわたる遺体安置はできないため、すぐに他の安置場所に搬送する必要があります。

どこにどのように遺体を安置するかは、宗教や遺族の事情などによってさまざまです。具体的な安置場所や、宗教ごとの遺体安置方法については、後述します。

遺体を安置する期間

逝去から火葬までの期間は2~3日ほどの場合が多いため、遺体安置もその期間にわたって行われるのが一般的です

ただし年末年始や大型連休など、葬儀場や火葬場が混雑している時期には、1週間ほど安置が必要なケースもあるでしょう。友引や三が日など、葬儀場や火葬場の休日と重なった場合にも、安置期間が長くなります。

また日本には、逝去後24時間以内の火葬を禁じる法律があるため、遺体は最低でも1日以上安置しなければなりません。医療の発展により現在は滅多にないものの、24時間以内は仮死の見落としにより、蘇生の可能性があるため、この法律が存在します。

安置の期間が長くなると、安置施設の利用やドライアイス代などで費用がかさむため、注意が必要です。具体的な安置期間は、葬儀社との打ち合わせをする際に決めましょう。

逝去から安置までの流れ

逝去から遺体安置までには、どのような手順を踏む必要があるのでしょうか。逝去から安置までの、詳しい流れを解説します。

逝去・末期の水

逝去の判断は病院の担当医師、またはかかりつけ医師の死亡確認によって行われます。逝去後は遺族の希望があれば、故人の枕元で「末期の水(まつごのみず)」の儀式を行います

末期の水はもともと仏教に由来する儀式ですが、現在は宗教・宗派を問わず、広く行われるようになりました。「亡くなった後の世界で喉が渇かないように」「故人が生き返るように」という、二つの願いが込められています。

筆や割り箸の先に水で湿らせた脱脂綿などを巻き、立ち会った看護師や家族・近親者が故人の唇を湿らせます。まずは喪主が行い、次に血縁の近い順番で行うのが、基本的な流れです。

清拭・湯灌

逝去後または末期の水を行った後は、「清拭(せいしき)」と「湯灌(ゆかん)」を行います

清拭は遺体の露出している部分を、アルコールに浸したガーゼや脱脂綿などを使って、きれいに拭き清める儀式です。このとき体液の流出を防止するために、遺体の穴に詰め物をする場合もあります。

一方湯灌は、故人の体や髪を洗って清める儀式です。清拭と湯灌は、自宅で亡くなった場合は遺族が行うケースもあるものの、病院で亡くなった場合は、看護師が行う場合がほとんどでしょう。

遺体の状態によっては納棺までの間に、急速に腐敗が進んでしまう恐れがあります。そのため体をきれいにして納棺に備えるのが、清拭と湯灌の目的です。また故人が無事に成仏できるように、体のケアを行うという意味合いもあります。

着替え・死化粧

遺体を清めたら故人用の新しい衣装へと、着替えを行います。この衣装は「死装束」と呼ばれる、白い浴衣を用いるのが、古くからの習わしでした。しかし近年は死装束に限定せず、故人が生前に気に入っていた服を用いるケースも、増えています。

着替えが終わったら次は死化粧です。死化粧は葬儀に参列する人たちに、できるだけ安らかな姿を見てもらうため、生前の顔に近づける目的で行われます。

もともとは女性だけの儀式でしたが、現在は男性にも薄化粧を施したり、髪や髭・眉を整えたりする場合が、少なくありません。

死化粧を行うのは葬儀社の人や、専門の担当者です。希望に応じて、故人が愛用していた化粧道具を使ったり、遺族が一緒に行ったりする場合もあります。

遺体の搬送車を手配する

遺体をそのまま安置できない場合には、安置場所を決めて搬送車を手配します。自力での搬送は、体液の流出や、遺体の損傷といったリスクがあるため、避けるのが無難です。

葬儀社をはじめとする専門業者に依頼するのが、最も確実な方法でしょう。搬送方法には搬送車のほかに、飛行機や船舶を利用するケースがあります。

自宅に搬送する場合には、あらかじめスペースの確保や、搬入搬出経路の確認などの準備が必要です。斎場・葬儀社や民間の安置施設なら、事前に連絡さえしておけば対応してもらえます。

遺体の搬送手配が終わったら、死亡確認を行った医師から発行される、死亡診断書を受け取りましょう。死亡診断書は死亡届の提出や、遺体搬送などに使用する書類です。

遺体の安置場所

遺体を安置するのに適切なのは、どのような場所なのでしょうか。代表的な遺体の安置場所を三つ紹介します。

自宅に安置する

まず挙げられる遺体の安置場所は「自宅」です。仏間などに布団を敷いて安置します。

自宅に安置するメリットとしては、家族だけでゆっくりと最後の時間を過ごせる点、費用がかからない点が挙げられるでしょう。故人を自宅に帰してあげたいという思いから、自宅が選ばれる場合もあります。

ひと昔前までは、自宅で亡くなる事例が多かったという理由もあり、自宅での安置が主流でした。ただ現在はマンションの高層階で搬入が困難だったり、場所が確保できなかったりと、住環境の変化により安置できないケースも少なくありません。

また後述するように、遺体の保存状態を保つための対策が必要な点にも、注意が必要です。葬儀社に相談すれば、自宅に安置する場合の手順や管理方法について、教えてもらえるでしょう。

斎場・葬儀社に安置する

斎場や葬儀社にも安置室が設けられており、葬儀までの間、遺体を安置できます。斎場や葬儀社であれば、遺体の管理や面会の対応も含め、必要な作業を担当者に委任できるため、遺族の負担はほとんどありません。

また遺体の保管に適した空間に安置できる点、搬入がしやすい点、通夜や葬儀の際に搬送する手間がない点も、メリットです

ただし安置をすると、その日数分の費用が発生するため、計画的な利用が重要といえます。特に葬儀場や火葬場が混雑している時期は、費用がかさんでしまうため、注意しましょう。

また故人との面会や付き添いに、制限が設けられている場合もあるため、あらかじめ確認しておく必要があります。

民間業者の安置施設に安置する

民間業者の安置施設で、遺体を保管する方法もあります。斎場や葬儀社と同じく、搬入がしやすい点、遺体の管理をスタッフに任せられる点がメリットです

また24時間営業の安置施設であれば、いつでも面会ができます。ただし他の安置場所とは違い、故人への付き添いはできないケースに、注意が必要です。

さらに安置施設はさほど数が多くないため、搬入や搬送の際の移動が大変になる場合も、少なくありません。

冷蔵設備が整っていないなど、施設ごとの環境の違いも大きく、搬送前にしっかりと確認する必要があるでしょう。日数に応じた費用がかかるのは、斎場・葬儀社と同様です。

宗教別の遺体安置方法

百合の花

遺体安置の具体的な方法は宗教によっても異なります。仏式や神式・キリスト教式の遺体安置の方法について、それぞれ確認しましょう。

仏式の安置方法

仏式の場合には、遺体の頭を北側に向けて安置する「北枕」が基本です。北枕はお釈迦様が亡くなったときの状態とされる、「頭北面西右脇臥(ずほくめんさいうきょうが)」が由来です。北側に頭を向ければ、お釈迦様のもとに行けるとされています。

顔に白い布を乗せ胸元で手を組み数珠をかけ、布団には魔除けの意味を込めて「守り刀」を、枕元には「枕飾り」と「野膳」を供えます。

枕飾りとは白木の小台の上にろうそく、お線香、香炉、花立てなどのお参り道具を備えた、簡易的な祭壇です。野膳としては水、一膳飯、枕団子を供えます。

もともと仏式では、薄い敷布団の上に寝かせるのが一般的でしたが、最近は場所の都合から、ベッドを利用するケースも増えてきました。いずれの場合も、枕は使用しません。

ただし宗派・地域によって、多少の違いがあるため注意が必要です。

神式の安置方法

神式の場合も北枕や遺体の体勢といった、基本的な安置方法は、仏式とほとんど同じです。ただ胸元で組んだ手に、数珠をかける必要はありません。

また枕飾りにも少し違いがあり、小台の上にはろうそく二本・榊(さかき)・御神酒・水・塩・洗米などを供えます。

同じ神式でも地域ごとに、安置方法が異なるケースがあるため、注意しましょう。

キリスト教式の安置方法

キリスト教式の遺体安置の場合、仏式や神式の北枕のように、枕の向きの厳格な決まりはありません。状況に応じて変えても問題はないものの、日本では北枕に安置するのが一般的なため、それにならうケースが多いでしょう。

また守り刀や枕飾り・野膳といった習慣もなく、代わりにテーブルの上に白い布をかけて、十字架や燭台、聖書、花などを置きます。花は必ず生花を供えると決まっているため、注意が必要です。

準備が整ったら、神父または牧師に祈りを捧げてもらった上で安置します。燭台のろうそくには火を点け、消えないように見守ります。

遺体を安置するときの注意点

黒いスーツを着て白い手袋をしている男性

遺体を安置するときは、どのような点に注意すればよいのでしょうか。遺体安置の際の代表的な注意点を、三つ紹介します。

腐敗しないようにする

遺体は長い時間にわたり安置していると、腐敗していくため注意が必要です。特に自宅や、冷蔵設備が整っていない民間業者の安置施設の場合、常温のままでは腐敗が進んでしまうため、対策が欠かせません

夏であればクーラーで部屋を冷やす、冬であれば暖房の使用は控えるなど、部屋の温度をできるだけ低い状態に保ちます。ただし親族など付き添いの人がいる場合には、体調に合わせて、調整するようにしましょう。

同時にドライアイスを使って、ダメージを与えないように遺体を冷やし、溶けてきたら取り替えます。遺体用の大きなサイズのドライアイスは、葬儀社に相談すれば準備してもらえます。

部屋の温度調節や遺体の管理が難しい場合は、斎場・葬儀社への安置を検討しましょう。

付き添い・面会ができるかを確認

宿泊施設が備わっている斎場・葬儀社の安置室であれば、付き添いが可能です。しかし設備が十分に整っていない安置室の場合、通夜や葬儀の当日まで、対面できない可能性もあります。

また付き添いや面会ができる人数が限られていたり、日数や人数に応じて、追加料金が発生したりするケースも少なくありません。

民間業者の安置施設にも宿泊施設がなく、面会はできるものの、付き添いはできないという場合があります。

そのため安置場所を決める際には、付き添い・面会ができるか、制限や費用も含めてしっかりチェックしましょう。打ち合わせの段階で、故人と一緒に最後の時間をゆっくり過ごしたい旨を伝えておくと、間違いがなく安心です。

搬送・遺体安置にかかる費用

搬送や遺体安置にかかる費用は、条件次第で高額になるケースも少なくありません

安置場所までの搬送にかかる費用は、基本的に距離によって決まります。相場としては10km以内であれば10,000~30,000円ほど、それ以降は10kmごとに2,000~5,000円が加算される目安です。

また地域、時間帯、利用する交通手段などによっても、費用が変わるため注意しましょう。葬儀社によっては近距離の場合に限り、パッケージ料金に搬送費が含まれている場合もあります。

自宅以外で遺体を安置する際には、安置室や施設の利用料金も必要です。費用相場は一日あたり約5000~30,000円で、ここにドライアイスの費用が1日10,000〜20,000円ほど加算されます。

自宅に安置する場合も、ドライアイスや枕飾りなどを用意する費用が必要です。枕飾りは10,000~30,000円ほどを目安に考えましょう。

遺体安置の期間が長くなる場合は、遺体の状態を保つためにエンバーミングを行うケースもあり、プラスで費用が必要です。エンバーミングの料金は、150,000~250,000円程度が相場といえます。

葬儀社の選び方

黒いスーツを着て白い手袋をしている女性

搬送の依頼や安置場所の利用、葬儀などのために葬儀社を選ぶ際は、どのように決めればよいのでしょうか。数ある葬儀社から最適な一社を選ぶ方法を紹介します。

相見積もりで葬儀社を選ぶ

数ある葬儀社の中から一社を選ぶなら、「相見積もり」をおすすめします。相見積もりは複数の葬儀社から見積もりを取って、比較する方法です。

必要になる料金やサポート内容、付き添い・面会条件などを総合的に比べて、最適な葬儀社を選べます。口コミをチェックすればトラブル回避にもつながり、安心して葬儀まで任せられるでしょう。

効率的に相見積もりを取るなら、一括見積もりサービスの「ミツモア」を利用するのがおすすめです。いくつかの質問に答えるだけで、最大5社から見積もりが取れるため、煩わしさがありません。

口コミも豊富に掲載されているため、信頼できる葬儀社を適切に選べます。

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正しい方法で遺体を搬送・安置しよう

墓石越しに見える僧侶

故人が亡くなった際には末期の水、清拭・湯灌、着替え・死化粧などの手順を踏んだのち、葬儀まで特定の場所で遺体を保管します。この遺体安置は宗教によって方法が異なるため注意が必要です。

遺体安置が行われる場所としては、自宅や斎場・葬儀社の安置室、民間業者の安置施設などが一般的でしょう。どの場所に安置するかによって、状態保存のしやすさや付き添い・面会の可否、必要な費用などは大きく異なります。

遺体の搬送や安置は、葬儀社に依頼が可能です。最適な葬儀社を探すなら、一括見積もりサービスの、ミツモアを利用してみてはいかがでしょうか。

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