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葬式における食事の内容とは?コロナ禍でのマナーも解説

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最終更新日: 2024年06月28日

お葬式ではさまざまな場でご遺族や参列者に食事を用意します。

食事を振る舞うタイミングは、お通夜の後の「通夜振る舞い」、火葬場での待ち時間、初七日法要の後の「精進落とし」の3回が一般的です。

食事により挨拶が必要であったり、振る舞い料理を考慮したりする必要があります。お葬式で出す食事の内容と、コロナ禍における食事の注意点についても確認しましょう。

この記事を監修した専門家

葬送儀礼マナー普及協会 代表理事
岩田昌幸

葬式における食事の種類と意味

喪服姿で弁当を振る舞われる人たち

葬式ではさまざまなタイミングで、参列者に食事を振る舞う場面があります。葬式における食事の種類や、意味を紹介します。

通夜振る舞い

通夜振る舞いとは、お通夜の参列者に対して食事を振る舞う席です。喪主が参列者に弔問に対する感謝の意を伝え、故人との思い出を語り合ってもらいます。故人をしのぶ目的で、しめやかに行われるのが一般的です。

参列者は喪主に案内されたら、なるべく参加して一口でも箸をつけた方が良いとされていますが、厳密ではありません。通夜振る舞いの席では食べ飲みし過ぎず、長居しないのがマナーです。遺族に配慮し、頃合いを見て帰るようにしましょう。

通夜の世話役やお手伝いをする人は、地域によって同席する場合と別室に移動する場合があります。お通夜が終わった後に、ねぎらいの意を込めてお酒を振る舞う場合もあるでしょう。

火葬場での待ち時間

火葬には1時間ほどかかるため、参列者に待ち時間をつぶしてもらう意味も込めて、軽い食事を出すこともあります。

そのため喪主によるかしこまった挨拶などは不要です。「軽食を用意したので、よかったら食べてください」程度の声かけで済ませましょう。

火葬の待ち時間は、故人と近しいご遺族や友人が、故人の思い出話などをする場です。もしお経を上げるために僧侶に来てもらっている場合は、喪主が気を配って話を振るようにしましょう。

精進落とし

精進落としは初七日法要が終わった後にする食事会です。初七日法要は遠方の親族が集まりにくいことから、火葬が終わった後に行うケースが増えています。

本来「精進落とし」という言葉は、遺族が四十九日の忌が明けるまで魚や肉を使わない精進料理を摂っていた風習から、通常の食事に戻るという意味がありました。そのため精進落としは「忌引き明けの食事」として捉えられることもあります。

しかし現代は遺族も肉や魚を使った料理を食べることから、「通常の食事に戻る」という意味はほぼありません。

一般的に、参列者や僧侶、親戚などに感謝の意を込めておもてなしをする食事が「精進落とし」と呼ばれています。

葬式における食事のメニュー

喪服姿で食事をする人たち

葬式では食事を振る舞うタイミングによって、メニューが変わります。葬式における食事のメニューを確認しましょう。

通夜振る舞いの料理

寿司

通夜振る舞いは、参列者に対して個別に用意するのではなく、オードブルなど気軽に食べられるものを用意するのが一般的です。お通夜は参列者数の把握が難しいので、多くの人が来ても対応できるようにするためと言われています。

通夜振る舞いは昔から精進料理のみが出されていましたが、現代では魚も肉も提供する場合が多いです。また故人が生前に好きだった料理を出す場合もあります。

ソフトドリンクだけでなく、ビールなどの酒類を振る舞っても良いでしょう。「通夜菓子」として、お茶菓子のみを用意して持ち帰ってもらう地域もあります。

火葬場での待ち時間における料理

個包装のチョコレート

火葬場での待ち時間はあくまでも待ち時間なので、軽食を用意する場合がほとんどです。一般的にコンビニのおにぎりやサンドイッチ、お茶菓子やソフトドリンクなどを用意します

売店がある火葬場の場合、その場で軽食を調達できるでしょう。魚や肉が入っていなくて気軽に食べられる、「助六寿司」が販売されていることもあります。

またチョコレートなどのお菓子や、お茶のみを提供する場合もあります。火葬場の待ち時間は1時間程度で限られているため、あまり凝ったものは出さないのが一般的です。

精進落としの料理

懐石料理

精進落としは法要の後に行うので、通夜振る舞いと異なり参列者の人数が分かっています。そのため仕出し弁当や懐石料理など、1人ずつ提供できる料理を用意するのが一般的です

精進落としだからといって質素な内容ではなく、誰もが好むようなメニューにしましょう。たとえばうなぎ弁当や刺身などを用意します。中華料理や寿司などもよく見られます。ビールや日本酒などの酒類や、ソフトドリンクなども用意しましょう。

精進落としに移るタイミングで、葬儀を手伝ってくれた人にお弁当などを渡すのもおすすめです。食事の場に参加できなくても、感謝の意を込めて、弁当や飲み物を持ち帰ってもらいましょう。

食事の挨拶やマナー

僧侶と喪服姿の人たちがお辞儀をしている

食事の種類によって、喪主が挨拶する場面やマナーが異なります。通夜振る舞い、火葬中、精進落としのマナーを確認しましょう。

通夜振る舞い時の挨拶とマナー

通夜振る舞いでは開式と閉式のタイミングで、喪主が挨拶するのが一般的です。足を運んでもらったことに対する参列者への感謝の意を表し、気兼ねなく食事をしてもらうよう促しましょう。

一般的に通夜振る舞いには、僧侶を招きます。参加を辞退された際には、「御膳料」を白い封筒に入れて渡しましょう。御膳料は5,000~1万円が目安です。

通夜振る舞いの時間は1~2時間程度で終わらせます。あまり参列者を長く引き留めないようにし、終わりの挨拶で会食を閉めましょう。

お酒も出しますが節度のある飲み方が大切です。大声を出したり参列者と名刺交換したりするのは、マナー違反と考えましょう。

火葬場での待ち時間の過ごし方

火葬場での待ち時間は、かしこまった挨拶は必要ありません。軽食を用意した旨と、自由に食べてほしい旨を案内しましょう。

喪主は僧侶や参列者にお茶を入れて回り、コミュニケーションを取ります。参列者が多いと喪主1人では対応しきれないため、事前にお茶入れ係といった役割を決めておくと安心です。

飲み物は火葬場で調達できる場合もありますが、施設によっては用意されていません。あらかじめコンビニやスーパーで、軽食等と合わせて購入しておくと安心です。

精進落とし時の挨拶とマナー

精進落としは僧侶を招待し上座に案内します。喪主は入口に近い席に座りましょう。参加する参列者はあらかじめ分かっているため、席順も喪主が決めておくとスムーズです。

僧侶が精進落としに参加しない場合は、通夜振る舞い時と同様に5,000~1万円の「御膳料」を渡しましょう。

精進落としでは最初に喪主が挨拶して献杯します。献杯は静かに発声するもので、乾杯のようにグラスを高く上げたり、グラス同士を当てたりはしません。グラスは静かに差し出し、献杯を終えてから食事を始めるのがマナーです。

関連記事:喪主の挨拶は何を話せばいい?言葉遣いやマナー、場面別の例文を確認

コロナ禍における葬式での食事

喪服姿でマスクをする女性

コロナウイルスの感染拡大を考慮すると、葬式での食事は控えた方がよいのでしょうか。コロナ禍における葬式の食事での注意点を紹介します。

感染拡大予防対策をして会食する

コロナ禍を考慮して、葬式の食事会を中止しなければならない訳ではありません。感染拡大予防対策をし、会食を実施しているケースも多く見られます

たとえば通夜振る舞いでは、通常のオードブル形式をやめ、料理を小分けにして提供する方法を取ると良いでしょう。席をパーティションで区切り、しっかり感染予防対策を実施することが重要です。

また喪主の挨拶では、コロナ禍の中で参列してくれたことに対して、感謝の言葉を述べると丁寧です。ただし遠方や感染が拡大している地域からの参列者に対しては、事情を説明して参列を控えてもらうケースはあります。

弁当などの持ち帰りメニューを提供する

会食が心配であれば、仕出し弁当など持ち帰りできるものを用意するのも1つの手段です。参列者に感謝の意を表しながら、感染拡大に考慮した方法といえます。

弁当といってもうなぎや肉類が入った、豪華な弁当を販売している業者もあります。家族葬など少人数の場合には、デリバリーサービスを提供している業者もあるので、ネットで検索してみるとよいでしょう。

弁当であれば手伝ってくれた人にも、同じ料理を振る舞えます。数が余った場合には持ち帰ってもらうことも可能です。

食事を提供する業者選びのポイント

葬式の食事を依頼する際は、葬儀社が提携している業者に依頼する方法もありますが、自分で業者を選定することも可能です。お葬式の食事を提供する、業者選びのポイントを紹介します。

外部業者に依頼可能か斉場に確認する

業者に依頼する際は、仕出し屋などに連絡することになります。まずは斎場に持ち込みが可能であるか確認しましょう。

場合によっては提携している業者にしか依頼できないケースがあるため、事前に確認が必要です。

相場に合った業者を選択する

通夜振る舞い、精進落としの弔問客1人あたりの費用相場は以下です。

通夜振る舞い 2,000~3,000円/名

*親族分+参列者数の5割ほどの人数で試算

精進落とし 3,000~5.000円/名

通夜振る舞いでは参列者は箸をつける程度のため、親族分は人数分確保したうえで、参列者数の5割くらいの人数を想定し試算します。

なお精進落としでは、食事の内容によって8,000~1万円かかる場合もあるでしょう。

これらより高い業者の場合は、なぜ高くなるのか確認します。納得がいかなければ別の業者を選定した方が無難です。

相見積もりをする

適切な業者を選定する際は相見積もりを取るとよいでしょう。各業者から見積書を取得し、見積もり内容を比較します。

通常見積書を集める際は、各社に連絡して、希望をしっかりと説明するようにしましょう。

気持ちを込めた食事で参列者をおもてなししよう

喪服姿で飲み物を飲む男性

葬式で必要になる食事は大きく3つに分けられます。通夜振る舞いと火葬場での待ち時間、精進落としです。

それぞれの食事で料理の内容やマナーが異なるため注意しましょう。昔のように魚や肉を一切使わない精進料理が振る舞われるケースは減っています。

コロナ禍でも感染拡大防止対策を講じていれば、会食を中止する必要はありません。心配な場合は弁当を持ち帰ってもらうなどの対処で、参列者に感謝の意を表しましょう。

会食は斎場が指定した業者に依頼しなければならない場合もありますが、自由に選択できるのであれば、仕出し屋などに依頼できます。心のこもった食事を用意して、参列者に感謝の気持ちを伝えましょう。

ミツモアで葬儀・お葬式を依頼する

監修者:岩田昌幸

葬送儀礼マナー普及協会 代表理事

葬送儀礼(臨終から葬儀、お墓、先祖供養等)が多様化している中で、「なぜそのようにふるまうのか」といった本来の意味を理解し、そうした考え方や習慣を身につけられるよう「葬送儀礼マナー検定」を実施しています。メディア監修多数、終活・葬儀・お墓関連セミナーも実施しています。

コメント
お葬式で振る舞う食事は、参列者や僧侶に感謝の気持ちを伝えるための会です。コロナ禍で開催を迷った際には、持ち帰りメニューも検討してみてください。無事に会を開けたときは、料理を楽しみながら故人との思い出話に花を咲かせましょう。

参考:一般社団法人葬送儀礼マナー普及協会