「キッチンの蛇口が古くなってきたので、そろそろ交換したい」
「けど誰に頼めばいいんだろう?」
「どんなことに気をつければいいんだろう?」
キッチンは普段からよく使う場所なので、「蛇口が古くなって衛生面が気になる」といった悩みが出てきますよね。
また、「そろそろ蛇口交換のタイミングだけど、新しい蛇口には便利な機能がほしいな」と考えると、選択肢の多さに困ることもあるでしょう。
この記事では、まずキッチンの蛇口の種類を把握する方法、そして蛇口交換のときの注意点、またキッチンに便利な機能などを解説していきます。
キッチンの蛇口を交換するときに確認すべきこと
蛇口の交換理由は?
「キッチンの蛇口を交換したい」と思った理由はなんでしょうか?
もしも水のトラブルを解消するためだとしたら、「本当に蛇口を交換したら直るのか」を確かめておきましょう。
蛇口交換では直らない可能性が高いのは、以下のような症状です。
- 蛇口本体がグラグラする
- 水の勢いが弱くなった
- 水が出てこなくなった
蛇口本体がグラグラと不安定になっているとき、取り付けている壁や台に原因がある可能性が高いです。
固定ナットが緩んでいたり、壁の中の給水管にサビや腐食が起こっていたり、シールテープがボロボロになっていたり、といった原因が考えられます。
また水の勢いが弱くなったり、水が出てこなくなったりしたときにも「給水管自体の経年劣化ではないか」「水漏れの可能性はないか」といったことを先に確認したほうがよいでしょう。
部品交換で直るトラブルではない?
蛇口は使用頻度が高いので消耗も激しく、寿命はおよそ10年程度です。しかし逆に言えば、取り付けから5~6年以内であれば部品交換だけで済むケースもあります。
一例にすぎませんが、部品交換で直るかもしれない代表的な症状を、以下にまとめます。
水漏れしている |
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レバー・ハンドルが固い |
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水を出すとキーキー音がする |
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冷水/温水の切り替えがうまくいかない |
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水の出が悪い |
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このように、蛇口の不調は多くの場合には「パッキン」や「カートリッジ」、「水栓コマ(ケレップ)」の劣化が原因です。
もし蛇口の寿命とは考えにくいようであれば、これらの部品交換による修理を検討してみるのがいいでしょう。
また蛇口のスパウト(パイプ)や吐水口が詰まっているなら、分解して歯ブラシなどで掃除すると解決できるかもしれません。
まずはキッチンの蛇口の種類を把握しよう
キッチンに限られたことではないですが、蛇口を交換するときは、現状どの種類が設置されているのかを把握する必要があります。
水を蛇口まで届けている給水管は、壁のなかや床下を通っているため、カンタンには取り付け方を変えられません。
また同じく、現状では給水用の穴が1つの蛇口が付いているとき、交換する蛇口が2つ穴タイプだとしたら穴を増やさなくてはいけません。
そうなると配管工事などが必要になるので、「蛇口だけを交換したい」なら、現状のタイプに合わせて製品を購入しましょう。
「取り付け位置」と「穴の数」を確認しよう
キッチンの「蛇口だけ」交換するとき、最低限確認しなくてはいけないのは「取り付け位置」と「穴の数」です。
「レバー式かハンドル式か」などの違いもありますが、取り付けできるかどうかに関してはこの2点をクリアすれば問題ありません。
【蛇口の取り付け位置】
取り付け位置は、以下の2種類があります。名前のとおり、「壁」についているか「台」についているか、という違いです。
- 壁付タイプ
- 台付タイプ
壁付タイプは、給水管が壁内から出ているタイプです。穴の数や位置を変えるとなると、工事の規模が大きくなってしまいます。古い住宅ではこの壁付タイプのキッチンが多いです。
台付タイプは、床下にある給水穴からホースを伸ばしているタイプです。キッチンシンクや洗面台に多く、台下の扉を開けると給水ホースが見えます。
【蛇口の取り付け穴の数】
キッチンをはじめとする水道蛇口には、1つ穴(ワンホール)のタイプと2つ穴(ツーホール)のタイプとの2種類があります。
ワンホールの蛇口は「単水栓」といい、冷水かお湯かどちらか片方しか出ません。
ツーホールの蛇口は「混合水栓」といい、それぞれの穴から冷水とお湯を配水しています。ご存じのとおり、蛇口のレバーまたはハンドルを使って、冷水/温水を切り替えることが可能です。
混合水栓の場合には、2つのハンドルが付いているものと、1つのレバーで操作するものとの2種類に分かれます。キッチンでは手がふさがることが多いので、カンタンに開閉できるレバー式がオススメです。
一般地仕様と寒冷地仕様との違い
蛇口には、「一般地仕様」と「寒冷地仕様」との2種類があります。
冬などの季節、気温が氷点下まで下がってしまうような寒冷地は、水道をはじめとする給水設備が凍ってしまいます。
凍結による蛇口の破損を防ぐために、「水抜き操作」などができるようになっているのが「寒冷地仕様」です。寒冷地以外の家に設置しても、問題ありません。
きちんとした業者に取り付けてもらった蛇口であれば、北海道や東北に限らず、凍結が予想される地域の家には寒冷地仕様の蛇口をつかっている可能性があります。
もし現在の蛇口が寒冷地仕様であれば、業者が「凍結の恐れあり」と判断した可能性があるため、交換するときにも寒冷地仕様の製品を選ぶのがオススメです。
また近年、一般地・寒冷地兼用のモデルもあるので、不安であればそちらの製品を購入するとよいでしょう。
キッチン用蛇口の選び方
蛇口の口径・穴心間
給水用の穴は、サイズに違いがあります。自宅のキッチンの蛇口を一度取り外し、穴の口径を調べておきましょう。
「口径」を調べるときは一度蛇口を取り外し、「蛇口本体の給水用の穴」を見て、直径と内径を調べておきましょう。国内メーカーであれば、「直径20mm、内径13mm」が一般的ですが、輸入品などは規格が異なるので注意しましょう。
またツーホール混合水栓の場合には、「穴心間」に注意が必要。2つの穴それぞれの中心まで距離を測って、サイズが合致する蛇口を選ぶ必要があります。
キッチンに便利な機能
誰しも「キッチンだからこそ欲しい機能」があるのではないでしょうか。たとえば以下のような機能付きの蛇口は、かなり便利です。
ハンドシャワーつき | 先端がシャワーになっていて、ホースを伸ばすことができる。 |
浄水器内蔵 | 浄水機能が内蔵されている。 |
水が泡立つ吐水口 | 水が跳ねにくくなる。 |
センサー式(タッチレス) | 手を触れずに水が出るので衛生的。 |
節水機能つき | 水勢・水量などをコントロールして、エコ&経済的に。 |
分岐口つき | 食洗器などに同時接続できる。 |
まず押さえておきたいのが、ハンドシャワーつきかどうか。ホースを伸ばすとキッチンのシンクの端まで、簡単に洗うことができます。
水道水を飲用する方なら、浄水機能があると嬉しいですよね。蛇口内部に浄水器が搭載されているモデルがあり、これなら浄水器を置くためのスペースも必要ありません。
水が泡立って出てくるタイプなら水が跳ねにくく、手触りがなめらかです。またセンサー式なら手をかざすだけで水が出るので、ラクなうえに衛生的。
これらの機能を踏まえて、自宅のキッチンに理想の蛇口を導入しましょう。
蛇口の形状・デザイン
普段よく使うキッチンなら、自分の好きなデザインのほうが気分が上がりますよね。デザインを選ぶのも、大事なポイントです。おもにスパウト(パイプ)によって種類が分かれます。
ストレート |
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グースネック |
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フレキシブル |
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L字タイプ |
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基本的には見た目の好みで選ぶとよいでしょう。
ただ「フレキシブル」タイプのように、ハンドシャワーのような役割を果たすものもあるので、「どんなふうに使うか」をイメージしながらデザインをきめましょう。
蛇口のメーカー・値段
蛇口を買うときに、大手メーカーのものなら安心です。保証の手厚さや、部品を交換したいときの購入しやすさなどメリットがあります。
人気の大手メーカーは以下。
- TOTO(トートー)
- LIXIL(リクシル)
- KVK
- SANEI(三栄/サンエイ)
- KAKUDAI(カクダイ)
また蛇口の価格は、ハンドル式なら5,000~10,000円、シングルレバー水栓なら10,000~25,000円前後が相場です。
ただしセンサー付きなどの高機能な蛇口は、50,000~60,000円と高額になることもあるので、お財布と相談してみましょう。
おすすめキッチン用蛇口3選
TOTO キッチン水栓 GGシリーズ
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TOTOのGGシリーズは、2019年に7年ぶりのフルモデルチェンジを経て発売されました。キッチン水栓は機能によって15品番に分けられます。
全体的に継ぎ目や凹凸を減らし、すっきりとしたデザインです。
また「ミクロソフト」という吐水システムを採用しており、水ハネしにくいながら、強い洗浄力を兼ね備えています。
スリムでコンパクトな見た目の美しさもさることながら、汚れの拭き取りやすさなど、機能美を追求した製品と言っても過言ではありません。
LIXIL(リクシル) INAX「RJF-771Y」
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LIXIL(リクシル) INAXシリーズ。「RJF-771Y」は、浄水器を内蔵していながら、かなりコンパクト。少しスペースの狭さが気になるキッチンにオススメです。
特徴的なのは、「お掃除楽々台座」を採用していることです。
通常であれば蛇口と台座との付け根部分に溝(みぞ)ができ、その中に汚れが残りやすいというデメリットがありました。しかしこのお掃除楽々台座なら、蛇口と台座の接続部分がなだらかなデザインなので、拭き残しがなくなる設計です。
またハンドシャワー付きや、浄水・シャワー・整流の切り替えも可能。
SANEI キッチン用「K87110JV-13」
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SANEIの「K87110JV-13」は、余分な機能を排したシンプルさが人気の、シングルレバー混合栓です。価格相場が6,000~7,000円前後と、お手頃なのも魅力的。
上面施工式の蛇口であり、一人で設置可能な省施工タイプなので、専門業者を頼らずに自分で取り付け可能です。
カウンター上面から取り付け金具を取り付け、本体も上から取り付けるだけで設置できます。自分で簡単に取り付けられたという評判も多くあります。
キッチンの蛇口を自分で交換する方法
蛇口の交換手順【台付タイプ】
蛇口の交換をするときには、上画像のような道具が必要です。加えて、ゴム手袋やバケツなどもあると、濡れ作業に対策できます。
DIYでキッチンの蛇口を交換する際は、作業前に必ず、取扱説明書をしっかり読んでおきましょう。メーカーや製品の仕様によって、作業手順や方法が異なる可能があります。
ここでは台付タイプの蛇口を例に、交換方法を説明します。ワンホール型とツーホール型では給水ホースの数は違いますが、手順は一緒です。
壁付けタイプなど、別の種類の蛇口交換方法については、以下の記事を参考にしてみてください。
関連記事:蛇口を交換する方法 | ミツモア |
①止水栓を閉める
まずはじめに止水栓を閉めて水を止めましょう。これを忘れると、給水ホースを外した瞬間に水が噴出します。
台付タイプのキッチンであれば、キッチンシンク下の扉を開けたところに止水栓があるでしょう。
排水口からつながったホースについているハンドルを時計回りに回せば、閉めることができます。
②給水ホースの固定ナットを外す
蛇口と水が出るホース部分をつないでいるナットと呼ばれる部品を、スパナやモンキーレンチで外します。このとき、どっちが冷水でどっちが温水か、把握しておきましょう。
③カウンター下の固定ナットを取り外す
カウンターの下を見て、蛇口を固定しているナットをスパナやモンキーレンチで外します。
④古い蛇口を引き抜いて外す
カウンターの上から、蛇口を持ち上げて外します。
⑤上面施工アダプタを取り付ける
上面施工アダプタは、新しい蛇口にセットされている筒状のパーツです。蛇口本体を固定するために用います。
穴に上面施工アダプタを入れたらしっかり固定しましょう。
⑥新しい蛇口を取り付ける
蛇口と上面施工アダプタを合わせ、しっかりと入れ込みます。ドライバーを使って蛇口のネジを締め、しっかり固定しましょう。
カウンターの下で台座のネジをしっかり締めます。
⑦給水ホースを接続する
給水管と給湯管に、付属のアダプタをしっかり取り付けます。そこへ、給水・給湯ホースを差し込みます。冷水と温水の取り付け場所を、間違えないようにしましょう。
⑨止水栓を開けて、水が出るか確認する
キッチンの止水栓のハンドルを反時計回りに回して、水が出ることを確認します。水漏れなくスムーズに水がでたら、作業完了です。
キッチンの蛇口交換を専門業者に依頼するときの費用
蛇口や水道のタイプによって作業工程が異なりますが、特に耐用年数を超えた古い蛇口を使用している場合は注意が必要です。部品の劣化が激しく、取り外しが難しい可能性も考えられます。
万が一失敗した場合、大きな水漏れを引き起こす危険性もあります。アパートやマンションが水浸しになったら、階下に被害が及ぶ恐れもあるでしょう。業者への依頼には当然費用がかかりますが、万一の大事故を回避するための保険と考えれば、決して高いものではありません。
業者に依頼する場合の費用の相場
水道の蛇口交換・修理の費用相場は、13,000円程度です。しかし見積もり金額の幅は広く、蛇口交換で見ても8,000円〜25,000円とかなり金額に開きがあります。
見積もり価格は、業者や工事内容によってさまざまです。交換の目的が水漏れの修理なのか、古い設備の交換なのか、現在の蛇口タイプと取り付けたい蛇口のタイプによっても変動します。
自分で購入した蛇口を取り付けてもらう場合と、新品の蛇口を業者が選ぶ場合とでも料金に差があります。まずは、業者に見積もりを依頼しましょう。
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この記事では、キッチンの蛇口を交換するときに確認すべき注意点、また蛇口の選び方や、自分で交換する方法を解説してきました。
キッチンには、キッチンならではの「欲しい機能」があります。今回紹介したようなことを確認しながら、自分にぴったりの蛇口を選んでみてください。
「自分で取り付けるのはちょっと面倒……」
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