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入居前の掃除手順は?きれいに保つポイントと便利グッズも紹介

最終更新日: 2024年02月21日

「引越し前に掃除をするべきか迷っている」「新生活を始める前にやっておいた方がよいことを知りたい」そんな人向けに、入居前の掃除手順や掃除場所を具体的に解説します。あると便利な掃除グッズも併せて見ていきましょう。

入居前に掃除をするべき理由

入居前に掃除するか迷っている人は、引越し前のハウスクリーニングで部屋は清潔なはずだと思っているかもしれません。ところがハウスクリーニング後でも、部屋は汚れてしまいます。入居前に掃除をするべき理由を解説します。

クリーニング後も汚れがたまるから

前の住人が出た後、通常は業者によるハウスクリーニングが入ります。しかし事前にプロが掃除していても、入居までに数カ月もたてば、ほこりがたまってしまいます。掃除後の内覧で不特定多数の人が出入りしていれば、清潔とはいえません。

引越し当日は荷物の搬入で忙しく、しっかりと掃除しにくいものです。引越し後は、家具が邪魔で清掃作業が大変になる場所もあるでしょう。

新居に電気・水道が通った後、引越しの1週間前から前日までの間に掃除するのがおすすめです。きれいになった引越し先で気持ちのよい新生活を迎えましょう。

備え付けの家電・ライフラインの不備を確認するため

引越し前の掃除には、備え付けの家電製品が正常に作動するか、ライフラインに異常がないかを確かめる意味もあります。本来は、大家やハウスクリーニング業者が点検しているはずですが、見落としがある可能性も考えられます。

万が一、新生活が始まってから不備が見つかると、修理まで不便な生活を強いられかねません。

直接修理業者に頼むと、入居前からあった不備でも、代金が自分持ちになる恐れがあります。備え付けの家電製品やライフラインに不備が見つかったら、大家か管理会社に連絡して修理業者を呼んでもらいましょう。

家具配置の最終チェックもかねる

入居前に掃除をすれば、家具配置の最終チェックも併せて済ませることができます。すでに家具配置用の採寸は済んでいるかもしれません。しかし荷物を運び込む前に、大型家具や家電の設置スペースが足りているか、現場で再確認しておくとより安心できます。

照明の有無や、ない場合は照明の種類とサイズを調べておくことも大切です。前の住居で使用しているものを使い回せるなら、引越し費用の節約にもなります。引越し当日に家具をスムーズに配置できれば、短時間で作業が終わるでしょう。

入居前の掃除でそろえておきたいグッズ

入居前は家全体の掃除をするので、さまざまな汚れに対応した洗剤や、便利な掃除道具を準備した方が楽に済みます。準備した方がよい道具は以下の通りです。

  • くん煙剤
  • ゴム手袋
  • ゴーグル・メガネ・マスク
  • フロアワイパー
  • ウェットシート・ドライシート
  • 掃除機
  • ほうき・ちりとり
  • 雑巾・古いタオル(数枚)
  • 洗剤・重曹・クエン酸などの汚れ落とし
  • キッチン用スポンジ
  • お風呂用スポンジ
  • トイレ用ブラシ
  • 防カビ剤

掃除中に必要な道具がないと、作業自体ができなかったり、途中で買いに行ったりする必要があります。事前に用意するものを調べ、当日はスムーズに作業できるようにしておきましょう。

入居前の掃除の手順と役立つアイテム

入居前の掃除ポイントは、引越し当日に滞りなく生活できるよう、家の環境を整えることです。ひととおりクリーニングされているはずなので、天井や床全体の掃除、使えないと困る換気扇や水回りの点検などを優先しましょう。

最初に窓・ドアを開けて換気する

長く締め切られていた部屋は、ほこりがたまり湿度が高くなっている傾向にあります。そのため、掃除前に窓やドアを開けて換気することが重要です。お風呂場やキッチンの換気扇も回しておきましょう。

新築の場合は、建築用に使われた薬剤が空気中にたまっているかもしれません。薬剤を吸い込むことでシックハウス症候群を引き起こしてしまう危険性もあります。

家中の空気を入れ替えるには時間がかかるので、掃除が終わるまで窓は開けておいた方がよいでしょう。

天井・照明・壁・床のほこりを取る

掃除は高いところから低いところへと順に行うのが基本です。先に、はたきなどで照明器具・天井や壁のほこりを落とします。もしも下から上に掃除していくと、後で落ちてきた汚れを片づける手間が増えてしまいます。

天井や壁の高い部分は、軽く小回りの利く『クイックルワイパー(花王)』などを使って水拭きするのも効率的です。カーテンレールも拭き掃除し、床は掃除機でほこりを吸い取ってから水拭きします。

仕上げにフローリング用のワックスをかけると、汚れ・傷予防にも役立ちます。ワックスや洗剤は、家具で隠れる床でテストし、変色しないか確認してから使いましょう。

オールワックスシート(リンレイ)』は、床用のワイパーに取り付けられる上、10分程度で乾燥するので簡単にワックスがけができます。最後にベランダ・玄関のほこりをほうきで掃除すれば、床掃除は完了です。

キッチン・換気扇の油汚れを落とす

キッチンでは、水やガスが使えるか、換気扇のファンが正常に稼働するかをしばらく観察します。油汚れの多い換気扇・レンジフードは、約40~60℃のお湯にアルカリ性洗剤を溶かして、漬け置き洗いしましょう。

強い洗剤が苦手な人は『重曹の激落ちくん(レック)』や、アルカリ電解水『水の激落ちくん(レック)』で代用できます。重曹を使った換気扇ファンの洗い方は以下の通りです。

  1. 1Lほどのお湯を沸かし、大さじ約5~6杯の重曹を少しずつ入れて溶かす
  2. 約20~30分沸騰させて火を止める
  3. 換気扇の周りに新聞紙を敷き、シンクに40L程度のごみ袋をセットする
  4. 換気扇の電源を切りプラグを抜いて、金属フィルターやファンを外す
  5. ごみ袋に外した部品を入れ、部品が被るくらいに沸かした重曹水を注ぐ
  6. 約1~2時間ほど漬け置きした後、水で重曹や汚れを洗い流す
  7. 落ちない汚れは歯ブラシでこすり落とす
  8. 部品を乾燥させたら元のようにはめ直す

キッチン向けの『マジックリン(花王)』や重曹は、コンロ周りや調理台の油汚れに対応できます。シンク周りの水垢にはクエン酸をスプレーし、しばらくしたらスポンジでこすると簡単に落とせます。

浴室の汚れやカビを掃除する

浴室は、お湯が出るか、排水溝が詰まっていないかを確認し、排水口や換気扇の周り、エプロン(バスタブカバー)やバスタブ下のカビ取りをします。天井はフローリングワイパーで掃除すると、洗剤や汚れが目に入るのを防げます。

バスタブには中性洗剤を、蛇口周り・排水口の水垢には、クエン酸水を利用するとよいでしょう。肌荒れが気になる人は、中性ながら汚れ落ち抜群な『ウタマロクリーナー(東邦)』や、自然由来の成分で作られた『暮らしのクエン酸(ミヨシ石鹸)』がおすすめです。

タイルやエプロンの頑固な黒カビには、カビの根元まで除菌してくれる『カビキラー(ジョンソン)』のような、塩素系漂白剤が有効です。必ず換気をして、マスクやゴーグルで目や鼻を守った上で、塩素系漂白剤を吹き付け、しばらくしてから水で洗い流します。

入居する前のひどいカビには、大家や不動産会社を通してプロのクリーニングを頼むことも可能です。特に妊婦やアレルギー体質の人は、無理せず業者に頼んだ方が賢明です。

トイレの便器や床を掃除する

入居前にクリーニングされているはずなので、トイレはそれほど汚れていないでしょう。トイレの水が流れるか、換気扇が回るか、排水口の悪臭がないかを確認します。多くの場合、入居前のトイレ掃除は、床や収納棚のほこり取り、便器をトイレ用の除菌シートでさっと拭く程度で十分です。

もしも便器内に黄ばみや黒ずみがある場合は、重層とクエン酸を使用してトイレ用ブラシでこするときれいになります。壁の汚れが気になるときは、薄めた中性洗剤を雑巾に吹き付けて汚れを軽くたたきながら落とします。

トイレの除菌シートは、破れにくくデコボコ構造で汚れが落ちやすい『キレキラ!トイレクリーナー(大王製紙)』が便利です。『スクラビングバブル 流せるトイレブラシ(ジョンソン)』は、使い捨てタイプなので衛生的です。

エアコンのフィルターを掃除する

エアコンの冷房・暖房が機能するか、しばらく動かしても異臭がないかを確認します。一般的なエアコンの掃除方法は以下の通りです。

  1. 電源を切る
  2. エアコンの外側と、内部のフィルター周りのほこりを掃除機で吸い取る
  3. フィルターを外して、取りこぼしたほこりを掃除機で吸い取る
  4. 吹き出し口の汚れを、固く絞ったマイクロファイバー布などで拭き取る
  5. フィルターを水洗いし、半日ほど乾かした後にはめ直す

自動掃除機能付きの場合は、フィルターと同様にダストボックスも掃除します。製品によって仕様が異なるため、取扱説明書をよく読みましょう。『エアコンブラシクリーナー(アイワ)』は掃除機に付けて、ほこりをブラシで落としながら吸引でき、後片付けも簡単です。

エアコン奥の掃除は難しいので、もしも内部汚れがひどいなら、大家や管理会社を通して、プロにエアコンクリーニングを頼みます。入居後もエアコン掃除に手間をかけたくない人は、吸入口に『エアコンフィルター(東和産業)』を貼るとカビ予防できます。

入居前の掃除で注意すべきポイント

入居前の掃除では、きれいな状態が続くための対策をしておきます。また退去時に向けた証拠として、入居前からある傷や不具合の写真を撮っておきましょう。入居前の傷や汚れならクリーニング費用は大家負担になるのが一般的です。

具体的なチェック場所や、清潔に保つ工夫を紹介します。

入居前の傷や不具合は写真を撮る

もしも新居に目立つ傷・汚れがあった場合は、写真を撮って証拠を残します。証拠写真がないと、退去時に余計な原状回復費を払うことになりかねません。確認場所は以下の通りです。

  • 電源(スイッチ・コンセント・照明)が使えるか
  • 備え付けの機器(エアコン・インターホン・換気扇)を10分程度動かしてみる
  • 壁・床・天井・お風呂・洗面所・押入れやクローゼットに、目立つ汚れや傷があるか
  • 排水口に異臭や詰まりがないか
  • 水やお湯の色や量
  • 玄関ドア・窓・扉の開け閉めに問題ないか

傷や不備がないかしっかりチェックしましょう。

きれいに保つための工夫をしておく

入居前の掃除のときに、生活の中で出るカビ・汚れの予防対策をしておくと、後々の掃除が楽になります。例えば、荷物がない入居前の状態なら、家具を気にせず害虫対策のくん煙剤を家全体に使えます。

他にも、床にワックスをかけると汚れや傷の防止に役立つでしょう。窓や水回りにカビが生えにくい対策をすれば、頻繁にカビ掃除する必要がありません。

ほこりがたまりやすく掃除しにくい隙間をふさいだり、排水溝や換気扇にフィルターを付けて掃除しやすくしたりする方法も有効です。掃除の時間を減らし、きれいな空間を長く保てるよう工夫しましょう。

入居前の掃除の際にやっておきたい、きれいを保つコツ

入居前の掃除にやっておけば、日常の掃除が楽になる工夫を紹介します。気になる害虫対策はもちろん、水回りの黒カビやキッチンの頑固な油汚れもしっかり対策すれば、手間のかかる掃除を頻繁にやる必要がなくなるでしょう。

掃除前にしっかり害虫対策をする

バルサンなどのくん煙剤は、家全体の害虫対策を手軽に実施できます。煙タイプのバルサンをたいた後は拭き掃除が必要なので、二度手間にならないよう掃除前に行うのが基本です。また、火災報知器の作動を防ぐため、事前に火災報知器にカバーをかけておきます。

ただし『虫コロリアース ノンスモーク霧タイプ(アース製薬)』のように、煙が出ない霧タイプはカバーする必要がありません。マンションやアパートの場合は、周囲の迷惑になりにくいので使いやすいでしょう。

掃除後に侵入してくる害虫対策には、設置するだけで巣ごと駆除する『コンバット(キンチョー)』がおすすめです。子どもやペットがいる家庭では『天然ハーブのゴキブリよけ おくだけ簡単(アース製薬)』もよいでしょう。

エアコンのドレンホースは格好の侵入口になり得るため、ホースの先端に水切りネットをかぶせて結束バンドで固定しておくのもおすすめです。

浴室や水回りには水垢・カビ対策

浴室は湿度が高くなりやすいので、掃除後もしばらくすると黒カビや水垢が発生してしまいます

防カビ用のくん煙剤『ルックプラス お風呂の防カビくん煙剤(ライオン)』を使用すると、銀イオンによる除菌効果が約2カ月続くとされています。水を入れて90分間置いておくだけなので使い方も簡単です。

浴室だけではなく、キッチン・洗面所のシンクやトイレも、水垢や汚れが付きやすい水回りにはコーティング剤で予防します。『3年美キープ お風呂用コーティング(和気産業)』は特に耐久性が高く、掃除が苦手な人の味方といえます。新築であれば基本的にコーティング済みなので、必要ないかもしれません。

浴室・キッチンの溝などに使われる防水用シリコンやサッシには『カビ汚れ防止マスキングテープ(ダイソー)』などを貼ると、カビが生えてもテープを張替えればよいので掃除が簡単です。

換気扇にフィルターを取り付ける

換気扇のフィルターは、ほこりやごみが換気扇本体に付くのを防いでくれます。キッチンのレンジフード・トイレ・お風呂向けの製品があります。特にキッチンの換気扇は、油汚れを落とすのが大変なので、フィルターをかけた方が負担になりません。

フィルターは換気扇の種類に合わせて選びます。プロペラ用の『簡換ボーイ かぶせて簡単換気扇用フィルター(新北九州工業)』は羽全体を覆う形なのでファンが汚れにくく、取り付けやすい製品です。

レンジフードにはブーツタイプの深型、フラットタイプの浅型があります。『レンジフードフィルター(空気の王様)』のような不織布製は比較的安価です。『スターフィルター スターターセット(スターフィルター)』のようなガラス繊維製は、目が細かく油汚れをしっかり防いでくれるでしょう。

どちらの製品もサイズのバリエーションが豊富なので、ほとんどのレンジフードに対応できます。

排水溝に水切りネットを設置する

キッチンの排水溝向けの水切りネットは、排水溝内に直接セットするものです。面倒な排水溝の汚れや、ぬめり・詰まりを予防し、掃除も容易になるでしょう。

水切りネットはサイズと材質、取り替える頻度と値段で選びます。大まかに分けると、ネットタイプ・ストッキングタイプ・不織布タイプの3種類があります。

キッチン用の『水切りゴミ袋 ごみシャット 排水口用(ボンスター)』はストッキングタイプで口にゴムが付いており、セットしやすいのが特徴です。細かい生ごみも通さないので、マメに取り替えれば悪臭や害虫予防にも役立ちます。

キッチン以外にも、浴室・洗面所や洗濯機下の排水溝に、水切りネットを使うと掃除が楽になります。浴室向け『小林製薬の髪の毛集めてポイ(小林製薬)』は、排水溝に貼るタイプです。シールをはがすだけで除去できる優れものです。

靴箱やクローゼットに消臭剤・除湿剤を置く

閉め切っている靴箱やクローゼットは、湿度が高くカビが発生しやすいので、消臭剤・除湿剤を設置するのがおすすめです

消臭剤・除湿剤のどちらにも使える『ノンスメルドライ大判くりかえシート(白元アース)』は大判で、クローゼットに置いても目立たないシート型です。はさみで切ると、置く場所に合ったサイズに調整できます。活性炭配合なので、天日に干せば何度でも繰り返し使えます。

備長炭ドライペット 下駄箱用(エステー)』は、自立できるデザインになっているため、スペースを取らず靴の出し入れの邪魔にもなりません。備長炭のミクロの穴がニオイの元を吸着し、高い脱臭力に期待できます。除湿機能もあり、約1~3カ月間使用できます。

その他、押入れ・クローゼットに新聞紙や除湿シートを敷いて除湿する方法も効果的です。靴箱は特に通気が悪くカビが発生しやすいので、重曹を入れた瓶にティッシュでフタをしたものを置いたり、炭を置いたりしても消臭・除湿効果に期待できます。ただし数カ月で効果が薄れていくため、様子を見ながら交換しましょう。

入居前の掃除で新生活を気持ちよく始めよう

入居前に掃除を済ませておけば、引越し当日の作業がスムーズに運びます。家具を運び込む前準備としての掃除や配置確認以外にも、備え付けの家電・ライフラインの動作確認は重要です。

退去時にトラブルにならないように、傷や汚れの証拠写真を撮影しておくのがおすすめです。生活している中で汚れやすい水回りや換気扇など、事前にきれいに保つための工夫をすれば、いつもの掃除も簡単になります。新居に問題がないか前もってチェックし、新生活を気持ちよく始めましょう。

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