バッテリー上がりを放置すると、バッテリーの寿命が短くなったり部品が故障したりといったトラブルにつながるため、速やかな対処が必要です。
バッテリー上がりの放置がトラブルにつながる理由や予防法について解説します。
バッテリー上がりの放置はNG
車を使おうとしたときにバッテリーが上がっていてエンジンがかからない場合、放置せずすぐに対処する必要があります。
まずはバッテリーが上がってしまう理由と、放置するとどうなるかをみていきましょう。
自然回復しないので放置しても効果なし
車のバッテリーはエンジンがかかっている状態で蓄電されます。
エンジンが駆動している間に「オルタネーター」という発電機が働いて発電し、バッテリーが充電される仕組みです。
エンジンが止まっている間は、バッテリーは充電されません。そのため上がったバッテリーを放置しても、自然には回復しないのです。それどころかバッテリーは使っていない間にも自己放電しているため、放置するほど蓄電量は減ってしまいます。
バッテリーが上がってすぐのうちは、まだ少量の電力が残っているため電飾品は作動します。しかし放置すると蓄電量がさらに減っていくため、そのうちすべての電飾品が動かなくなる可能性もあるのです。
バッテリー上がりの放置で起きるトラブル
バッテリーが上がったまま放置すると、バッテリー内の電力がゼロになるだけではありません。バッテリー上がりの放置により起きるトラブルを解説します。
電装品や部品が故障する
車には多くの電装品が搭載されており、コンピューターで制御されている装置も多いものです。
カーナビや時計などは車を使っていないときも微量の電力を消費し、機能を維持しています。
バッテリーの蓄電量がなくなると、これらの電装品に電力が供給されません。
電源が完全に切れた状態になるため、カーナビがロックされたりコンピューターが初期化されたりなど、トラブルにつながる可能性があります。
エンジン内部の損傷が起きる
バッテリー上がりを長期間放置すると、エンジン内部にも変化が起こります。
通常はエンジン内部に潤滑油であるエンジンオイルが充満している状態です。
しかし長期間エンジンをかけずにいると、エンジンオイルが重力で下部に落ちてしまいます。
オイルが行き渡っていない状態でエンジンをかけると、シリンダーとピストンが過剰な摩擦を起こし、損傷につながります。
バッテリーの寿命が短くなる
上がったバッテリーをそのままにしておくと、わずかに残っている電力も自己放電で減っていき残量がなくなります。
バッテリーの残量がゼロの状態で放置すると、バッテリー内部の素材が劣化し、寿命が短くなってしまうのです。
バッテリーの劣化は充電しても回復しません。劣化したバッテリーは蓄電できる量が減少しているため、バッテリー上がりの確率が上がってしまいます。
バッテリーの寿命を縮めないためにも、バッテリー上がりには速やかに対処する必要があるのです。
バッテリー上がりの対処法
バッテリーが上がるとエンジンがかからなくなり、車を動かせなくなってしまいます。
修理に持っていこうとしても、エンジンがかからないことにはどうにもなりません。
バッテリー上がりの対処法とエンジンのかけ方を解説します。
救援車に充電してもらう
バッテリー上がりの対処法として、ほかの車から電力を分けてもらいエンジンをかける方法があります。
これを「ジャンプスタート」といい、「ブースターケーブル」と電力を供給してくれる救援車が必要です。
救援車に充電してもらうときの注意点 |
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ジャンプスタートのやり方は、故障車と救援車のバッテリーをブースターケーブルでつなぎ、エンジンをかけるだけです。
ケーブルを端子につなぐ順番が決まっており、間違えると危険なため、手順をしっかり確認してから行いましょう。
エンジンがかかったらバッテリーに充電するために30分以上走行するか、エンジンをかけっぱなしにしておく必要があります。
ジャンプスターターを使う
バッテリー上がりには「ジャンプスターター」という、外付けバッテリーを使う対処法もあります。
ジャンプスターターがあれば、救援車がいなくても自力でエンジンをかけることが可能です。以下のような手順で行います。
ジャンプスターターを使ったバッテリー上がりの対処法 |
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エンジンがかかってもすぐに切ると、再びバッテリー上がりが起こります。
30分以上走行するかエンジンをかけっぱなしにして、バッテリーに充電をしましょう。
ロードサービスを呼ぶ
ブースターケーブルと救援車、ジャンプスターターがない場合は、ロードサービスを呼ぶ対処法もあります。
ロードサービスに救援を依頼すると、ジャンプスタートでエンジンをかけてもらうことになります。
JAFを呼ぶ場合は、会員の場合は昼間の一般道なら無料です。非会員の場合は13,130円かかります。
任意保険に無料ロードサービスが付帯している場合もあるため、自分の加入している保険がどうなのか保険会社に確認しましょう。
ロードサービスを呼んでエンジンをかけてもらった場合でも、バッテリーに充電するために30分以上は車を走らせる必要があります。
バッテリーが上がる原因
バッテリー上がりが起こる原因はいくつかありますが、注意していれば防げます。
「車に乗ろうとしたらエンジンがかからない」というトラブルを避けるためにも、バッテリーが上がる原因を把握しておきましょう。
ライトのつけっぱなしなど電装品の使いすぎ
エンジンを切った状態でライトや室内灯をつけっぱなしにしておくと、バッテリー上がりが起こります。
バッテリーはエンジンがかかった状態で充電されるので、エンジンを切っている間に電力を消費すると蓄電量が減ってしまうためです。
ライトのつけっぱなしだけでなく、エンジンをかけず「アクセサリ」の状態でオーディオやエアコンを使用していても、同じ理由でバッテリーが上がります。
運転頻度が低く自己放電が起きた
車を使っていない間もバッテリー内の電力は減り続けます。
オーディオやコンピューターなどの電装品が消費する電力に加え、バッテリーの自己放電が起こっているためです。
頻繁に車を運転していればバッテリーが充電されるため、自己放電でバッテリー上がりが発生することはありません。
しかし運転の頻度が低いと、電装品と自己放電で消費された電力が充電されず、バッテリーの蓄電量だけが減ってしまいます。
バッテリーのサイズや使用環境にもよりますが、新しいバッテリーなら1カ月程度、寿命に近づいたバッテリーだと数日から数週間程度でバッテリーが上がってしまいます。
バッテリーの劣化
バッテリーには寿命があります。車に乗っていても乗っていなくても、バッテリーは経年劣化していくものです。
一般的にバッテリーの寿命は2~3年程度とされています。
劣化したバッテリーは機能が弱くなり蓄電量が減るため、バッテリー上がりを起こしやすくなるのです。
バッテリーが劣化してくると、エンジンをかけるときにスターターモーターの回転が弱い、アイドリングが不安定といった兆候が現れます。
また、劣化したバッテリーは本体がふくらむため、目視で確認することもできます。
バッテリー上がりの予防法
バッテリー上がりを避けるためには、いくつか予防法があります。
できる方法を実行し、突然エンジンがかからなくなるというトラブルを回避しましょう。
日常的に車を運転する
バッテリーはエンジンが駆動している間に充電されます。
そのためエンジンを30分以上かけておくだけでも充電できますが、走行した方が多くの電力が蓄積されるため、日常的に車を運転することがおすすめです。
日常的に車を運転していても、近所に出かける程度の短い走行距離では、バッテリーが十分には充電されません。
できれば30分以上は走行するようにしましょう。
定期的にバッテリーをメンテナンスする
バッテリーが劣化すると、バッテリーが上がりやすくなります。
そのため定期的にバッテリーをメンテナンスしましょう。バッテリーの点検方法を紹介します。
バッテリーの点検方法 |
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バッテリー液が減っている場合には補充が必要です。
部品が腐食していたり、バッテリー本体がふくらんでいたりする場合も対処が必要なため、ディーラーや整備工場で点検してもらいましょう。
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しばらく運転しないならマイナス端子を外す
日常的に車を運転することが難しい場合は、バッテリーのマイナス端子を外しておくことで、バッテリー上がりを防げます。
マイナス端子を外すと車の電飾品に電力が供給されなくなり、電力の消費を抑えられるからです。
端子を外すときは、プラス端子ではなく必ずマイナス端子を外しましょう。
外した端子がターミナルに触れると通電してしまうため、ウェスや乾いた布でくるんでおくと安心です。
しかしバッテリーからマイナス端子を外すと、電力供給を受けている電装品の電源が強制的に切られます。
カーナビのデータが更新されずHDDが故障したり、記憶していたデータや設定が初期化されたりという可能性がある点を頭に入れておきましょう。
バッテリー上がりが起きたらすぐに対処を
バッテリー上がりを放置してもバッテリーは自然回復せず、それどころか深刻なトラブルに発展します。
具体的にはバッテリーの寿命が短くなったり、電装品やエンジンが壊れたりするなどです。
トラブルを防ぐためにもバッテリーが上がったら、すぐに対処する必要があります。
救援車に充電してもらうかジャンプスターターを使うことで解決します。どちらも不可能な場合は、ロードサービスに依頼しましょう。
バッテリー上がりを防ぐためには、日常的に車を運転しバッテリーに充電する、バッテリーを定期的にチェックするなどで対処しましょう。
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