車のバッテリーが上がってしまったときの対処法の一つに「ジャンプスタート」というものが存在します。ジャンプスタートを行う場合、どのような準備が必要なのでしょうか。準備するものや手順を詳しく紹介します。
ジャンプスタートでエンジンがかからない原因は?
ジャンプスタートでエンジンがかからない場合、救援車のバッテリーが十分でない可能性が高いです。
自分でジャンプスタートできない時はどうする?
ブースターケーブルや救援車が用意できない場合や、ジャンプスターターがない場合など、自分で対処できないときは、ロードサービスや専門業者などプロに任せると安心です。
任意保険にロードサービスが付帯している場合は、バッテリー上がりに無料で対応してもらえる可能性があります。まずは保険会社に連絡し、確認しましょう。
ジャンプスタートとは?
ジャンプスタートとは、車のバッテリーが上がってしまったときに電気を給電する方法のことです。救援用の車両から電気を給電してもらうことで、エンジンの始動に必要な電気を補います。
バッテリーが上がってしまった際の対処法
ジャンプスタートでは救援用の車両やモバイル型バッテリーから電気を分けてもらい、エンジンを始動します。例えばライトの消し忘れによってバッテリーが上がってしまったとき、ジャンプスタートを行えばエンジンを始動できるということです。
ただし救援用の車両から電気を分けてもらうという方法は、手軽にできるものではありません。そのためモバイル型バッテリーをトランクに常備しておくと、万が一の事態にも柔軟に対応できるでしょう。
ジャンプスタートに必要なもの
ジャンプスタートを行うためには、いくつか準備しなければならないものがあります。どのような準備が必要になるのか、詳しく見ていきましょう。
救援用の車両
救援用の車両から電気を供給してもらうことで、ジャンプスタートが可能です。ケーブルで車同士を繋ぐ必要があるため、接続しやすい位置まで救援車を移動させましょう。
このとき注意しなければならないのは、「異なる電圧の車両でジャンプスタートを行わない」という点です。車には12ボルト・24ボルトという2種類の電圧の規格が存在します。同じ電圧同士でなければトラブルを招く危険性があるため、注意しましょう。
ブースターケーブル
「ブースターケーブル」と呼ばれるバッテリー同士を繋ぐケーブルが、ジャンプスタートには欠かせません。ただしブースターケーブルの選び方にもポイントがあるため注意しましょう。
バッテリーの容量に応じたブースターケーブルでなければ、火災を招く危険性があります。トラブルを避けるためにも、バッテリー容量に見合うケーブルを使うことが大切です。
基本的には太いケーブルほど高い電圧にも耐えられるため、余裕を持って太いケーブルを用意するとよいでしょう。
ジャンプスターターを使う場合
救援用の車両はいつでも簡単に用意できるわけではありません。もし救援用車両を用意できないときは、「ジャンプスターター」と呼ばれるモバイル型バッテリーを使用するのも一つの手段です。
近年は軽量化・コンパクト化が進み、トランクルームにも積載できるサイズになっているため、常備させておくと万が一の事態にも対応できます。災害時に役立つLEDライトが組み込まれた製品もあるため、いざというときに活躍してくれるでしょう。
ジャンプスタートの手順
実際にジャンプスタートを行う場合、どのような手順で進めていけばよいのでしょうか。安全かつスピーディーにジャンプスタートを行うためにも、正しい手順を把握しておきましょう。
ブースターケーブルを接続する
ジャンプスタートを行うためには、まずブースターケーブルを接続する必要があります。以下の手順で接続しましょう。
- 「バッテリーが上がった車のプラス端子→救援車のプラス端子」という順番で赤いケーブルを繋ぐ
- 「救援車のマイナス端子→バッテリーが上がった車のエンジンにある金属部分」という順番で黒いケーブルを繋ぐ
繋ぐ順番を間違えると火花が散る危険性もあるので注意しましょう。
なおジャンプスターターを使用するときは、「クリップのプラス→車のプラス端子」「クリップのマイナス→車のマイナス端子」という順番で接続します。
救援車のエンジンをかける
ブースターケーブルの接続が終わったら救援車両のエンジンをかけ、5分ほど放置します。5分経過したら救援車両のアクセルを踏んで、エンジンの回転数を1500~3000で維持します。
ジャンプスターターを使用するときは、まず本体の電源を入れましょう。製品によってはジャンプスターターのクリップをバッテリーに繋ぐだけで、自動的に稼働するものもあります。
救援したい車のエンジンをかけてみる
これまでの手順によりバッテリーが上がった車への充電が行われているはずです。そのためこのタイミングで、バッテリーが上がった車のエンジンを始動してみましょう。
問題なくエンジンが始動すれば、ジャンプスタートは成功です。もしエンジンが始動しない場合には、別のトラブルが発生している可能性も考えられるため、ロードサービスやJAFへの連絡も検討しましょう。
ブースターケーブルを取り外す
エンジンの始動に成功したら、最後にブースターケーブルを取り外します。間違った手順で取り外すと火花が散る恐れがあるため注意しましょう。ブースターケーブルを取り外すときの手順は、以下の通りです。
- 「バッテリーが上がった車のマイナス端子→救援車両のマイナス端子」という順で黒いブースターケーブルを取り外す
- 「救援車のプラス端子→バッテリーが上がった車のプラス端子」という順で赤いブースターケーブルを取り外す
ジャンプスタートを行う際の注意点
ジャンプスタートを行うにはいくつか注意事項があります。バッテリーを扱う作業なので、注意事項を守って慎重に行いましょう。
救援車として使えない車がある
ジャンプスタートを行う際は、故障車と同じ規格のバッテリーを搭載した車に救援を依頼する必要があります。乗用車のバッテリーの多くは12Vですが、トラックのような大型車のバッテリーは24Vのため、救援車としては使えません。
ハイブリッド車は一般の乗用車と同じ12Vのバッテリーを使用しているものの、救援車としては使えない点に注意しましょう。
ハイブリッド車は12Vのバッテリー以外に、高電圧な駆動用バッテリーを搭載しています。ジャンプスタートを行うと大量の電流が電源系統やエンジンに流れ、故障する可能性があります。
安全に注意して作業する
ジャンプスタートはブースターケーブルをつなぐ順番を間違えなければ、難しい作業ではありません。しかしバッテリーを扱うため、ショートや感電の危険性が伴います。車の故障や発火につながるため、以下の点に注意して安全に作業しましょう。
- ブースターケーブルの点検を必ずする
- ブースターケーブルをつなぐ順番を必ず守る
- ブースターケーブルの扱いに細心の注意を払う
ブースターケーブルのコーティングが破れたり剥がれたりしていないか、グリップ部分が汚れていないかを作業前に確認しましょう。また感電を防ぐために、ケーブルの接続部分をほかのものに触れさせない、濡れた手で触らないなど細心の注意が必要です。
救援車やジャンプスターターがない場合は?
バッテリーが上がってしまったタイミングで、必ずしも救援車両やジャンプスターターを用意できるとは限りません。場合によってはどちらも用意できないケースもあるでしょう。そのようなときの対処法について紹介します。
ロードサービスやJAFに連絡する
バッテリー上がり対応業者やロードサービス、JAFなど車のトラブルに対応してもらえるサービスに加入している人は、そちらに連絡することで問題を解決できるでしょう。多くの保険会社の自動車保険には、ロードサービスが付帯しています。
大半のロードサービスには「ジャンプスタート」も含まれているので、万が一のバッテリー上がりにも問題なく対処できるでしょう。
自動車保険の場合には無料で対処してくれるケースも多いですが、「保険期間中1回まで」といった条件が設けられているケースも多いものです。そのため年に何度もバッテリーが上がってしまわないよう、小まめに車の状態をチェックしましょう。
ガソリンスタンドを利用する
近くにガソリンスタンドがあるときは、ガソリンスタンドでバッテリーを充電するのも一つの手段です。ガソリンスタンドの中には出張サービスを行っている場所もあるため、確認してみましょう。
ただし出張サービスは別途費用が発生するケースが多い点に注意が必要です。また多くのガソリンスタンドで対応しているのは急速充電で、バッテリーへの負担も大きくなります。
何度も急速充電を行うとバッテリーの劣化が早まるので、バッテリーが上がらないように対策することが大切です。
解決後はバッテリーの点検・交換を
ジャンプスタートでエンジンがかかり、バッテリー上がりが解決した後は、バッテリーの交換を視野に入れ、プロにバッテリーを点検してもらいましょう。バッテリー交換を検討するべき理由を解説します。
バッテリーは上がると劣化する
バッテリーを使用していると内部に白い結晶ができる「サルフェーション現象」が起こり、機能が低下していきます。バッテリーが上がると一気にサルフェーション現象が進行し、劣化してしまうのです。
バッテリーは劣化とともに蓄電量が減っていきます。一度劣化したバッテリーは、充電しても時間が経っても元の性能に戻ることはありません。
バッテリーをチェックしトラブルを予防
ジャンプスタートでエンジンがかかっても、バッテリーが元の状態に回復したわけではありません。
バッテリーの劣化や寿命により蓄電量が減っていることが原因で、バッテリーが上がった可能性が高いでしょう。そのままにしておくとまたバッテリーが上がります。
バッテリー上がりが再度起こる前に、ディーラーや自動車整備工場など、プロにバッテリーをチェックしてもらう必要があります。必要に応じてバッテリーを交換し、バッテリーが上がるトラブルを予防しましょう。
ジャンプスタートの方法を知っておこう
車のバッテリーが上がってしまったときは、救援車両やジャンプスターターを利用した「ジャンプスタート」によってエンジンを始動できます。ただし救援車両やモバイル型バッテリーを用意できないケースもあるでしょう。
そのようなときはロードサービスやJAFに連絡すると、プロが現地まで駆けつけてくれます。自動車保険の場合は「保険期間中1回まで無料」といった条件が設けられているケースも多いため、1年に何度もバッテリーが上がらないよう注意が必要です。
ジャンプスタートの方法を把握した上で、バッテリーが上がらないように日頃から対策しておくことも忘れないようにしましょう。
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