車のバッテリー交換は自分でもできますが、正しい手順で行わないと危険が伴います。
この記事ではそんなバッテリー交換の方法を解説。必要なものや危険な作業を行う際の注意点を詳しく説明していきます。
この記事を読んでみて「やっぱり自分で交換するのは難しそうだ」と感じたら、業者に依頼してみるのも良いでしょう。
車のバッテリーを交換を自分でするのに必要なもの
バッテリー交換を自分でするなら、最低限以下の道具を揃えておきましょう。
必要なもの | 用途 |
バッテリー | 新しく使用する |
工具 | ボルトとナットを脱着する(特にメガネレンチがおすすめ) |
バックアップツール | バッテリー交換中の車両電源を保持する |
それぞれ少し補足が必要なので、詳しく解説していきますね。
用意するもの①:バッテリー
新しいバッテリーを選ぶときは「車の種類」と「バッテリーのサイズ」で判断します。
まずは車の種類から。以下の3タイプで使うべきバッテリーが分かれます。
- ハイブリッド車:専用のバッテリー
- エコアイドル車:専用のバッテリー
- それ以外の車:通常車用のバッテリー
車に合わないバッテリーを付けてしまった場合は、車の本来の性能を発揮できなかったり、バッテリーの寿命が短くなってしまったりするので注意してください。
次にバッテリーのサイズに関しては、自分の車に実際に付いているバッテリーと同じサイズ・記号のものを用意しましょう。
車の種類 | サイズの記載例 |
ハイブリッド車 | S34B20R |
エコアイドル車 | M-42 |
通常車 | 40B19L |
用意するもの②:工具(メガネレンチやナット)
工具にはさまざまな種類がありますが、その中でもおすすめなのがメガネレンチ。メガネレンチはナットに引っかける部分が輪っかになっている工具のことです。これさえあればほとんどの車種で作業が可能。有名工具メーカー(KTCなど)でも1本1,000円程度で購入可能です。
ちなみにメガネレンチは、車両に付いているナットのサイズに合わせて大きさを選ばなくてはいけません。例えば国産車のバッテリーは8mm・10mm・12mmのナットで固定されているので、それに対応したものを用意する必要があるということです。車に合ったサイズの工具を選びましょう。
注意点として、車によってはメガネレンチでは交換が難しいケースがあります。バッテリーの取り付け位置が奥まっておりメガネレンチを回転させるスペースがない場合です。「ラチェットハンドル」や「ソケット」という工具のセットがあれば緩めることができますが、有名工具メーカーのセットを購入すると10,000円以上かかることも。
そのためメガネレンチで対応できない車は、最初から業者に依頼した方が安くなるケースがほとんどです。
用意するもの③:バックアップツール
車はエンジンがかかっていなくても車のコンピューターやオーディオなどの電装品がリセットしないよう、バッテリーからわずかに電気を供給しています。これをバックアップというのですが、バッテリーを車から外しているときは一時的にバックアップがとれなくなるので、電装品がリセットしてしまうのです。
そこでバッテリーの交換時に「バックアップツール」という別の電源を一時的に接続することで、車の電装品がリセットされるのを防ぎます。1,500円程度で購入できるので用意しておきましょう。
車のバッテリー交換を自分でやる方法・手順
バッテリーの交換手順と注意点を解説します。バッテリーの交換は危険が伴うので、正しい手順と注意点をよく理解してから作業するようにしてください。
以下の手順で進めていきます。
手順1:ボンネットを開ける
運転席右下の足元にボンネットを開けるためのレバーが付いているので、まずはそれを引きます。すると車両の前側からガタンとロックが外れる音がして、ボンネット前側に約2㎝ほどの隙間が開きます。隙間に指を入れるとレバーが隠れているので、レバーを引きながらボンネットを持ち上げましょう。これでボンネットを開けることができます。
エンジンルーム内に「ボンネットを支えるためのバー」と「引っかけるための穴」があるので、作業中にボンネットが落ちてこないようにバーをしっかりと引っかけておいてください。
手順2:バッテリーの取り付けステーを外す
まずはステーと呼ばれる、バッテリーを固定している金具を外します。
※外す前に、元の状態に戻せるよう写真を取っておくと安心です。
ステーはバッテリーの中央を上から押さえるような状態で付いています。ステーにナットが付いているので、工具を使って反時計回りに回転させていきましょう。
ステーはバッテリーの下まで伸びており、フック状の先端がバッテリーの土台に引っかかっています。ナットを緩めていくとフックが外れてステーを外すことができます。
手順3:バックアップツールを取り付ける
バッテリーから車両配線を外す前に、バックアップツールを取り付けましょう。これを行うことで前述の通り、車の電装品がリセットされるのを防ぐことができますよ。
車両配線にバックアップツールの線をプラスから挟んで接続します。端子の向き(プラスとマイナス)を間違えないように注意してください。
手順4:バッテリーの配線を外す
バッテリーの配線を外していきます。
バッテリーの端子は外す順番が決まっています。必ずマイナスから外して、次にプラスを外すようにしてください。プラスから外すと作業工程で配線がショートする危険性も。必ず順番を守ってくださいね。
バッテリーのプラス端子はゴムや樹脂のカバーで覆われているので、手でめくっておきましょう。ターミナルというバッテリーのプラスとマイナスに出ている円柱状の突起から、車両配線を外していきます。
配線にはそれぞれナットが付いているので、工具でナットを反時計回りに回転させて緩めます。このときナットを完全に外す必要はありません。緩めただけの状態でも配線をバッテリーから抜くことができます。
垂直に引いても抜けない場合は、回転方向に揺すりながら引いてみてください。
手順5:バッテリーを入れ替える
ステーと配線が外れたら、バッテリーを垂直に引き抜きます。内部にはバッテリー液という希硫酸が入っているので、極端に傾けたり横に倒して置いたりしないよう注意してください。
バッテリーが外れると、バッテリーが置いてあった土台部分が見えます。土台は四角い枠になっているので、新しいバッテリーが枠の中に収まるように置いてください。
手順6:新しいバッテリーの配線を付ける
新しいバッテリーが乗ったら、外したときの逆の手順で取り付けていきます。
端子を付ける順番も逆になるので注意してください。必ずプラスから付けて、次にマイナスを付けます。理由は外すときと同様にショートを防ぐためです。
配線が入りづらいときは、さらにナットを緩め回転方向に揺すりながら入れてみてください。
ターミナルの奥までしっかり配線が付いたら、工具を使ってナットを時計周りに回転させて固定しましょう。強く締めすぎるとボルトが折れてしまうので、工具の回転に軽抵抗が出てきたら良い頃合い。手で配線を揺すって動かなければ大丈夫です。
手順7:バックアップツールを外す
配線が付いたら手順1・2・3の逆の作業を行っていきます。
まずはバックアップツールを外します。今回もマイナスから外して次にプラスを外しましょう。
手順8:バッテリーの取り付けステーを付ける
バッテリーの下側に、フック状のステーの先端が引っかかっていた穴があります。暗くて見えない場合はライトで照らして穴の位置を確認してください。
穴にステーの先端を引っかけたら、工具を使いステーのナットを時計回りに回転させながら締めていきます。このときもナットを強く締めすぎるとステーやバッテリーのケースが破損してしまうので、バッテリーを手で揺すって動かなくなる程度で締め付けをやめるようにしましょう。
手順9:ボンネットを閉める
ボンネットを支えているバーを外して、元の固定具に引っかけます。ボンネットを閉めたら確実にロックされているか上から押して確認してください。
以上でバッテリー交換の作業は終了です。
難しい!と感じたらプロに交換を頼もう。費用は自分でやる場合と違う?
ここまでの内容を読んで、難しいと思ったら素直にプロにお願いするのが得策です。分からないままやってショートさせてしまったり、不具合が出てしまったりしたら大変ですよね。
「業者に依頼すると高そうだからなぁ」と思っている方もいるかもしれませんが、交換工賃は1,000円~3,000円程度で済むケースが多いです(+バッテリー本体代)。自分で工具やバックアップツールを用意することを考えると、費用はほぼ変わらないんです。
「バッテリーをネットで購入してそれを付けたい」という方は、バッテリー持ち込みOKのお店に頼みましょう。
車のバッテリー交換を依頼したい場合は、ぜひミツモアを利用してみてください。ミツモアはあなたの地域や求めるサービス内容を入力するだけで、複数の車整備店からおおまかな見積もりがもらえるサービスです(無料)。
【ミツモアのメリット】
- 信頼できる業者のみ登録されているため、技術や知識に信頼が置ける
- 複数社から見積もりがもらえるため、比較してより安いところに依頼できる
- 車整備店が多数登録されているため、バッテリーの持ち込みOKなところが多い
ディーラーやカー用品店などは持ち込み不可であったり、費用が割高になってしまったりすることが多いです。ぜひミツモアで安く信頼できる、持ち込みOKのお店を探してみてください。
車のバッテリーを自分で交換する際の注意点
ここまでバッテリーを交換する手順を解説しましたが、その中で特に危険が伴う部分をさらに詳しく解説していきます。安全第一で作業をしてくださいね。
注意点①:プラス端子とマイナス端子を工具で接触させない
端子のナットを工具を使って回転させるときに、工具がプラス端子とマイナス端子に接触すると危険です。金属の工具は電気を通すので端子同士を直接接触させると、ショートして火傷をしたり車両が故障したりする危険性があります。
プラス端子にタオルをかけるなどして保護しておくと安全ですよ。
注意点②:バッテリーの端子の向きを間違えない
新しいバッテリーを設置する際、反対向きで置かないように気をつけてください。そのまま配線を逆に付けてしまうと車両が故障する原因になります。
注意点③:バッテリーとステーを正しい位置に設置する
バッテリーとステーは元々付いていた位置を確認し、覚えてから外すようにしてください。不安なら外す前に写真を取っておくと安心。
バッテリーが土台からずれていたり、ステーの先端のフックがバッテリーのケースに引っかかっていたりする状態でナットを締めると危険です。最悪の場合、バッテリーのケースが破損してバッテリー液が漏れてしまう恐れがあるので注意してください。
車のバッテリー交換のプロに見積もりを依頼しよう!
ミツモアでは豊富な経験と知識を持ったプロに車のバッテリー交換の見積もりの依頼ができます。まずはプロに相談をしてみてはいかがでしょうか?