「SFAってそもそも何?」「どんな機能があるの?」といった疑問を抱いている方は、少なくありません。
SFAは「Sales Force Automation」の頭文字を取った略称で、日本語に訳すと「営業支援システム」の意味となります。営業活動の効率化に活用できるツールとして、近年では導入する企業が増えてきました。
この記事ではSFAの基本情報から主な機能、活用するためのポイントなどをわかりやすく解説します。
SFAとは
SFA(Sales Force Automation)とは、営業活動のステータスや顧客情報を一元管理する「営業支援システム」のことです。営業活動の「可視化」「標準化」「効率化」を通じて、属人的な営業から脱却した営業の仕組み化を実現できます。
また顧客や案件の情報をツール上で一元管理することで、組織としての営業力強化につながる効果も。訪問数や商談回数、成約率などの行動データも蓄積可能なので、営業活動の「見える化」を通じて営業フローのボトルネックを発見したり、属人化を防いだりすることができます。
営業の仕事では顧客リストや提案書・見積書の作成、見込み顧客への情報提供や既存顧客のフォローなど、多岐にわたる業務があります。しかし、これらは担当者の裁量によるものが多く、中には定型的な業務になっているものもあるでしょう。
SFAを使えばこれらの営業活動も自動化することができ、これまでの「経験」や「勘」に頼らない営業の実現を目指せます。
SFAは営業活動の効率化や改善を通じて、組織の営業力を底上げするツールであるといえるでしょう。
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SFAと生成AIが連携することで、より便利に
SFAツールは近年、生成AIと連携し、業務を効率化できる機能を搭載するなどの進化を見せています。
2023年3月7日、米国セールスフォースはCRM/SFA向け生成AIであるEinstein GPTを発表しました。これにより、プロンプトと呼ばれる命令文を書き込むことでターゲットを絞ったキャンペーンコンテンツを生成したり、顧客に合った対応方法を出力したりできるようになりました。また、日本でもGPT-4の機能と連携し、AIが秘書アシスタント兼マネジャーのようにサポートしてくれる国産SFA/CRMが登場しています。具体的な機能としては、議事録のテキストデータの自動要約、AIによるサジェスチョン、データの自動分析が利用できるとのことです。
SFAツールだけでも営業の効率化が期待できますが、生成AIの性能があわさることでさらなるソリューションの加速が期待できそうです。今後もますますDXが進む営業支援システム市場から目が離せません。
SFAの主な機能
SFAの代表的な機能を紹介します。基本となる顧客情報や案件情報の管理をはじめ、それぞれの営業スタッフの行動を可視化するためのレポート機能や、タスク管理機能などが充実しています。
顧客情報の管理
顧客の名前や電話番号、所在地、担当者といった基本情報を管理する機能です。
SFAの中心的な機能であり、名刺やメールボックスから情報を転記しやすいように工夫されているシステムが多いです。近年は、名刺をスキャンするだけで自動的に情報を登録可能なツールや、名刺管理システムと連携できるものも登場しています。
会社名などで検索すれば、必要な情報をすぐに閲覧できるので、営業担当者以外でも、顧客からの急な連絡に対応できるようになります。
営業案件の管理
顧客ごとの営業案件を管理する機能もあります。営業先の担当者や提案中の商品・サービスの内容、具体的に営業スタッフがどういった提案をしているかなどの情報が確認可能です。
それぞれのスタッフが担当する案件の進捗状況をチェックするのに使えるのはもちろん、管理者は各スタッフの営業の進捗状況を把握できるので、状況に応じて適切な指示を出せるようになります。
営業プロセスの管理
日々の営業スタッフの活動を管理・確認する機能です。それぞれのスタッフの行動を時系列に表示させることができ、営業活動の状況を確認できます。
他のスタッフがどういった行動を取っているのかが一目で分かるため、優秀な成績を残しているスタッフの行動をモデリングすることで、チーム全体のパフォーマンスが向上します。日・週・月ごとの行動目標の設定にも役立ちます。
タスク・スケジュール管理
チームでタスクやスケジュール情報を共有できる機能で、管理者が営業スタッフの具体的な動きを把握するのに役立ちます。
顧客からの問い合わせがあった場合などに、管理画面を確認すれば、担当者の帰社時間や訪問時間などをスムーズに伝えられるでしょう。スケジュール管理画面から、日報や活動報告の作成ができるツールもあります。
見積書作成
SFAツールには見積書作成の機能も搭載されています。テンプレートの作成・保存機能もあるため、正確な見積書をスピーディーに出力できるようになるでしょう。
作成した見積書は取引先にそのままメール送信したり、もちろん印刷して出力したりすることも可能です。
ワークフロー機能を持つSFAツールを選べば、内部承認のフローもスムーズに進行できます。
予実管理
予算と営業実績を比較して、全体の目標と現状とのギャップを確認するための予実管理機能を備えたツールもあります。
具体的には、それぞれの営業担当者が抱える案件や期間、売上実績や将来の売上予測などをまとめて確認でき、レポートとして出力することもできます。管理者への営業報告や、会議資料として活用できるでしょう。
レポート作成
SFAに登録されたデータを分析・集計した結果をレポートとして出力する機能です。顧客の情報や商談管理などさまざまなデータを条件にあわせて、表やサマリー、グラフなどの形式で表示し、レポートを作成します。
会議資料の作成や営業施策の立案など、データ活用の際に活躍する機能です。
SFAの導入メリット
SFAの導入は次の3つのメリットをもたらします。
- 営業活動の見える化によるボトルネックの発見と改善
- 営業活動の標準化による再現性向上
- 業務効率化による業績向上
営業活動の見える化によるボトルネックの発見と改善
SFAを使えば営業担当者それぞれの行動を一元管理して「見える化」できます。失注に至った原因や担当者の悩みの原因をデータから分析して特定すれば、営業活動の改善にも役立つでしょう。
またそれぞれの営業担当者が行った具体的な提案内容も確認できるため、非効率なアプローチの修正など、管理者が適切な指示を出せるようになります。
営業活動の標準化による再現性向上
SFAは顧客情報や案件情報、商談情報を取りまとめられるので、営業活動の標準化が実現可能です。成約に結びつきやすいリード (見込み顧客)の情報や、成約に至った具体的なアプローチを抽出すれば、営業の再現性向上にも期待できます。
たとえば、実際に成果を上げている営業担当者の具体的な行動を共有すれば、他メンバーの成約率も高められるでしょう。
また新人の担当者にナレッジを共有すれば、教育コストの削減にもつながります。
業務効率化による業績向上
SFAには見積書作成や案件・スケジュール管理など、業務効率化の機能が多く搭載されています。定型的な業務の効率化は営業担当者に時間の余裕を生み出し、営業活動そのものに集中できる環境をもたらすのです。
顧客が必要としている情報や対応を素早く提供できるようになり、信頼関係の構築もスムーズに。営業そのものに使えるリソースの創出は、成約率や売上の向上につながる効果も期待できます。
CRMとの違い
SFAとCRMの違いは「カバーできる営業プロセスの範囲」です。
SFAは「商談から受注までの営業業務」をサポートする役割を担うのに対し、CRMは「受注以降の顧客とのコミュニケーション」をサポートする役割を担います。
営業のアプローチを仕掛けていくうえで、その進捗の管理や行動の最適化・効率化をサポートするのがSFA。顧客の動きを管理・分析し、顧客との関係を深めるのがCRMです。
SFAを効果的に活用するための3つのポイント
SFAは営業の効率化を実現できるツールですが、ただ導入するだけではその効果もじゅうぶんに活かせません。SFAを効率的に活用して成果に結びつけるためには、次の3つのポイントを押さえた運用が大切です。
- 担当者への導入サポートの実施
- KPIの設定
- PDCAサイクルの運用
営業担当者への導入サポートの実施
SFAを導入する際は実際に活用する営業担当者に向けたフォローを実施しましょう。
たとえば、次のような取り組みを行うと効果的です。
- 導入目的の事前共有
- 使い方を説明する導入研修や勉強会の実施
- 使用状況に関する上司からの声かけ
- 実際の使用例や活用例の共有
SFAを使った営業管理の手法は便利なものですが、慣れるまでには時間がかかるものです。特に、会社で以前から使用していた管理ツールなどがある場合は、使用方法や導入の背景について現場から反感の声が出ることもあるでしょう。
それぞれの営業担当者が最大限にSFAを活用するためには、勉強会の実施や使用状況の確認などのサポートを行い、マネージャーとメンバーが一丸となって業務プロセス自体を変えていく姿勢が求められます。
KPIの設定
SFAを通じて営業活動の成果や行動を「見える化」するためには、KPIの設定が欠かせません。
KPIとは目標達成度合いを示す基準となる「重要業績評価指標」のことです。長期的な目標を達成するための中間目標を示すものとイメージすれば、わかりやすいかもしれません。
営業の場合、次のものがKPIの例として挙げられるでしょう。
- 訪問件数
- 成約率
- 案件数
- 顧客単価
- 受注期間
KPIは月や期の売上など、長期的な目標から逆算して考えることが大切です。
たとえば、月間の売上目標が5,000万円で商品単価が100万円、営業が10名で訪問営業後の成約率が25%だとしましょう。
このとき売上目標に達するためには、月間で50個の商品を売る必要があります。また成約率が25%であることから、見込み顧客は200人程度必要です。この場合、営業担当者1人あたり1か月20件が訪問件数の目標となり、この数値をKPIとして設定します。
KPIの設定は目標達成までのプロセスを「見える化」し、必要なアクションを明確にします。SFAを使ってどの情報をいつのタイミングで確認するべきかどうかがはっきりとするため、進捗に支障があった場合でも早期の原因解決や軌道修正に動けるでしょう。
PDCAサイクルの運用
SFAを通じた営業活動を円滑に進めるためにはPDCAサイクルの運用も欠かせません。
設定したKPIを元に、どのような計画を実行するのかをはじめに考えましょう。SFAツールでは顧客や案件の情報・ステータスをリアルタイムで確認できます。
実際に立てた計画が目標達成の実態に沿っているのかどうかを、データの側面からも定期的に振り返って次の施策に活かしましょう。
またSFAの使い方や活用方法について、ツールの提供会社がトレーニングコースやコンサルティングを実施しています。ツールの使い方そのものがボトルネックになっている場合は、これらのサービスの利用も検討してみてください。
SFAの導入事例
SFAの導入事例を2件紹介します。
「中村屋」出張中の商談情報をリアルタイムで共有
クリームパンや中華まん水ようかんなどを発売し、新宿中村屋として有名な中村屋の食品事業では、出張中の商談情報がリアルタイムで共有できず、報告までにラグが生じてしまうという課題がありました。そこでSFAを導入。
出張中でも商談情報のリアルタイム共有によって、上司がすぐにアドバイスすることで、機会損失の回避に成功しています。
また現場から拾ってきた生の声を開発や製造側にフィードバックしやすくなったのも導入してよかった点だったそうです。
「Mipox」成約数が3年で3倍に
電子部品向けの研磨フィルム市場において世界トップのMipox 株式会社は、1 世紀近い歴史を持つ老舗企業です。同社では顧客から呼ばれてから訪問する受け身の営業が問題で業績が低迷していました。また社内に情報共有という文化もなく、営業活動の再現性がないことも課題でした。これら問題を解決するためにSFAを導入。
導入後は長期間コンタクトを取っていない顧客の見える化により、60日以上コンタクトを取っていない顧客は最初の2カ月間で280件から3件に減少。他にも行動・意識改革によって情報共有を徹底し、営業ノウハウを共有することで成約数が3年で3倍になったそうです。
SFAの活用で営業レベルの底上げを
SFAを活用すれば、営業プロセスの見える化やデータを効率的に管理することができるので、営業の効率化が実現します。
またSFAを導入するうえで大切なのは、活用に応じたサポートの実施とPDCAサイクルなどに基づく営業フローの再構築です。営業担当者の成果や能力を改善するためには、業務の負担を軽減する仕組みづくりと運用方法の構築が欠かせません。
効率化によって生まれたリソースを営業活動そのものに注ぐことで、さらなる売上アップや能力開発が期待できるSFA。運用を進めて、営業活動の見直しと改善を図ってみてはいかがでしょうか。
以下の記事では、おすすめのSFAの機能や特徴を紹介しています。比較・検討する際にお役立てください。
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