日本の家にはさまざまな虫が出るものの、種類や特徴を知らなければ対処法も判断しにくいものです。この記事では被害の内容ごとに分けて、家に発生する虫の種類を解説します。知識を備えて駆除や予防対策に役立てましょう。


家に被害をもたらす虫
畳やフローリングといった家の一部に被害が出ると、張り替える必要が生まれるなど経済的な損失が大きくなります。どのような虫が家に被害をもたらすのか、確認していきましょう。
畳や建材を食べる「シバンムシ」
シバンムシはカブトムシのメスに似た形をしており、体長は2~3mmの小さい虫です。日本に生息するシンバンムシは畳を食べる「タバコシバンムシ」と、本や木材を食べる「ジンサンシバンムシ」の2種類です。
どちらも幼虫はパンや小麦粉などの植物由来で乾燥した食べ物も害して成長し、放置しておくと一気に繁殖します。成虫は食害をしないものの、「シバンムシアリガタバチ」というアリの形をしたハチが寄生するため注意が必要です。
シバンムシアリガタバチは体長1~2mmの小さなハチで毒針を持っており、刺されるとアナフィラキシーショックを起こす危険があります。シバンムシを発生させなければ、シバンムシアリガタバチに刺される心配はありません。
フローリングを害する「ヒラタキクイムシ」
ヒラタキクイムシは木製の家具や柱・フローリングなどの木材を食べる害虫です。細長い体は3~7mmと比較的大きく、放置しておくと家具をボロボロにしてしまいます。
木材の家具を購入した際に元々住み着いていたり、木材に卵が付いていたりして屋内で繁殖します。フローリングに発生するヒラタキクイムシは周囲の木材から移ってきたか、製造後に卵を産み付けられた場合が多いでしょう。
春から夏にかけてフローリングの表面に木材の粉が現れ、粉の中心部に1~2mmほどの小さな穴が開いていたら、さなぎから成虫になったヒラタキクイムシが外に出てきた証拠です。
食品への害に気を付けたい虫
食品に発生する虫は異物混入の原因になるため、保管方法に注意が必要です。食品に発生する虫にはどのような種類があるのか確認し、特徴を理解しておきましょう。
米に発生する「ノシメマダラメイガ」
ノシメマダラメイガは成虫の体長が7~8mmで、止まっているときに羽を屋根型にたたむ動作やおでこが円錐状に突出した形が特徴のガです。
成虫は米や小麦粉などの匂いを嗅ぎつけて、卵を産みにやってきます。幼虫にはビニール袋を食いちぎる力があり包装材を破って中に侵入するため、異物混入が多く報告されています。
米以外にもクッキーやチョコレート・インスタントラーメン・七味唐辛子なども好む性質があり、食品の保管方法に注意が必要です。
穀物を食べる「コクゾウムシ」
コクゾウムシの成虫は体長2.3~3.5mmと比較的小さく、ほぼ黒に見えるか赤みのある褐色の体が特徴の虫です。高温多湿を好む特性から、暑くて湿度の高い日本の夏によく適応します。
米や麦・とうもろこしなどの穀物を好む害虫で、中でも好んで食べるのは玄米です。成虫は口器(こうき/虫の口にあたる部分)で穀粒に穴を開け、卵を一つ産み落とします。
穀粒の中で成長して成虫になったら外へ出てくるため、気付いたときには大量発生しているケースも珍しくありません。
コクゾウムシが大量発生すると、被害を受けた穀物が28~29℃の発熱現象を起こします。発熱によって幼虫の発育期間が短くなり、繁殖能力が高まるため早めの駆除が必要です。
衣類に被害が出る虫
害虫の中には衣類に害を及ぼす虫もいます。代表的な種類の特徴を押さえて、衣類を被害から守りましょう。発見したら早めの対処が重要です。
幼虫が繊維を食べる「カツオブシムシ」
カツオブシムシは「ヒメマルカツオブシムシ」と「ヒメカツオブシ」の2種類です。ヒメマルカツオブシムシの体長は2.5~3mmで、白・黒・黄色の毛で覆われています。
ヒメカツオブシの体長は3.5~5.5mmで、黒色で楕円形の甲虫です。ともに幼虫はウールやカシミヤ・絹・麻などの繊維を好んで食べます。
かつお節をはじめとする乾物も好物で、食品の包装紙を食いちぎって中に侵入するため異物混入の被害も報告されています。
成虫は花粉や花の蜜を食べて暮らしており直接的な被害はありませんが、放置すると産卵して繁殖するため速やかに駆除しましょう。
鳥の巣の近くに多い「イガ」
イガは羽をたたんだ状態では体長6~7mmのガで、鳥の巣付近で発生しやすいのが特徴です。イガの幼虫はウールや絹・麻・羽毛・皮革などを好み、ナイロンをはじめとする化学繊維でも汗や食べかすが付いて汚れた部分は食べます。
同じく繊維を食害するカツオブシムシとの違いは、幼虫期間が短く年に何回も産卵する繁殖力です。
羽化した成虫はすぐに交尾・産卵をして、衣類がしまわれている引き出しの中で世代交代が行われるため、気付いたときには大きな被害が発生していることも少なくありません。
銀色の体が特徴「シミ」
魚の形に似ており紙を加害する性質から、「紙魚(シミ)」と呼ばれる虫です。屋内に生息するシミは灰褐色か黒銀色のうろこで覆われています。湿度の高い場所に発生するのが特徴です。
本や段ボールなど紙類が好物で、特に書籍が多く保管されている場所は注意が必要です。他にもホコリや髪の毛・フケ・衣類・他の虫の死骸など、さまざまなものを餌として食べる習性があり家の至るところに潜んでいます。
暗い場所を好み、昼間の明るい時間はさまざまなすき間に隠れるのもシミの特性です。1年間絶食した状態でも生き延びられる強い生命力を持っています。
実害の少ない虫もいる
見た目の悪さや大量発生などを理由に、駆除の対象になる「不快害虫」もいます。被害が少なくても不快に感じる虫は退治していきましょう。
尾が独特な形の「ハサミムシ」
ハサミムシは9~35mmの細長い体を持ち、尾角(びかく)と呼ばれる尾端についた突起がはさみ状になっているのが特徴です。尾角に毒はありませんが、挟まれると出血することもあるため、素手で触らないようにしましょう。
一般的にダンゴムシやガの幼虫のような小さい虫を餌としており、人に危害を加えることはほとんどありません。
ゴミ捨て場や石の下など日が当たらず湿った場所に生息していますが、まれに玄関や床下などから家の中に侵入する場合があります。
細長く足が多い「ヤスデ」
ヤスデはムカデのような見た目のため不快に感じる人が多い虫です。落ち葉や倒木の下などの日陰に生息しています。
体の側面と腹部から「臭液」と呼ばれる刺激臭のある黄褐色の体液を出すため、家の中に発生すると衣類やカーペットが汚れたり、皮ふが荒れたりする恐れがあります。
体液には青酸やベンズアルデヒドなどの有毒物質が含まれており、皮ふや目に付くと痛みや炎症を起こす可能性もあります。ヤスデを見かけてもむやみに触らないようにしましょう。
危害を加えなければ比較的影響の少ない虫ですが、長雨の後に大量発生して室内に侵入する場合があります。
しま模様が特徴「ゲジ」
「ゲジゲジ」と呼ばれることも多い虫で、足の多さと動きの素早さから不快に感じる人は多いでしょう。体長は20~30mmです。
日本の広範囲に生息しているものの人をかむ恐れはほとんどなく、病原菌を媒介しないので比較的安全な虫といえます。ゲジはゴキブリやアリ・クモを好物とするため、人の生活に役立つ益虫でもあります。
室内に侵入するのは餌を探して迷い込む場合がほとんどです。土がないと繁殖できないので、屋内で見つけたときはホウキで掃き出しましょう。
家に出る虫への対策は?
家の中に虫を発生させないためには、どのような対策が有効なのでしょうか?基本的な予防と対策を行い、虫の被害を受けない環境を作りましょう。
窓や網戸からの侵入を防ぐ
窓を開けるときは必ず網戸を使用します。網戸が破れていると虫が侵入するため、補強するか網目の細かいものに変えておくのがおすすめです。
窓の構造から網戸は右側に設置した方がサッシとのすき間を減らせて、虫の侵入を防ぎやすくなります。
外が暗くなったら家の明かりに反応して虫が寄ってきやすくなるので、虫を寄せ付けないように吊り下げタイプの駆除剤を窓にかけておきましょう。
水回りの対策は念入りに
キッチンをはじめとする水回りに発生する虫は、衛生面にも悪影響を及ぼします。虫を見かけたら早めの対策が必要です。キッチンは食品を扱うため殺虫剤は使用せず、殺虫器を使用します。
殺虫器とは虫が好む波長の光を出して誘引し、高電圧で駆除する機械です。人体に影響を与えることなく、駆除や大量発生の予防ができます。虫が寄り付かないように、キッチンの生ごみは早めに処分して清潔を保つ習慣も大切です。
お風呂場は特に湿気が多い場所で虫が集まりやすいため、換気扇を利用して湿気を逃がしましょう。
ただし窓やドアを開けて換気すると脱衣所に湿気が流れてしまい、脱衣所にカビが発生する原因になります。お風呂場を換気する場合は、密閉空間を作って行うのがポイントです。
家に出た害虫を駆除するには
水回りや玄関周りなど害虫が発生しやすい場所に駆除剤を使用すれば、自力でも害虫を駆除できます。しかし再発防止策や侵入経路の遮断といった対策も必要になるため、完全な防除は難しいのが現状です。
専門の駆除業者に依頼すれば人を攻撃するような害虫の被害に遭うことなく、専門の知識とノウハウでスピーディーに駆除してもらえます。
特に虫が大量発生した場合は自力での駆除が困難です。さらに繁殖が進む前に業者に相談しましょう。
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家に出る虫には早めの対処を
畳やフローリング・食品・衣類など、さまざまなものに被害を与える害虫は早めの駆除が大切です。気付かないうちに大量発生する場合もあるため、1匹でも見つけたら放置せずに対処しましょう。
虫が寄り付かないような対策も必要です。網戸の使用や水回りの掃除など、虫が侵入しにくい環境を作りましょう。
自力で駆除が困難な場合は専門の駆除業者に依頼するのがおすすめです。専門知識とノウハウで適切な駆除をしてもらえ、レベルの高い再発予防策も期待できます。
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