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ハクチョウゲの育て方!剪定方法など手入れのコツまで徹底解説

最終更新日: 2024年06月28日

星型の白く可愛い花を咲かすハクチョウゲ。生垣や盆栽でよく使われる、人気の植物ですね。「ハクチョウゲの育て方や普段の手入れ方法が知りたい」という方も多いのではないでしょうか?

ハクチョウゲは正しく育てると、大変綺麗な花や葉をつけます。この記事ではハクチョウゲの特徴や開花時期、剪定や手入れの方法など育て方について徹底解説。丈夫で強い植物なので育てやすく、ガーデニング初心者にもおすすめです。

ハクチョウゲの特徴

白い花を咲かせるハクチョウゲ

ハクチョウゲはアカネ科ハクチョウゲ属の常緑低木で、写真のような華憐な花を咲かせます。漢字で書くと「白丁花」で、白い花が丁字咲きに咲くようすを表しています。花言葉は「純愛」です。

ハクチョウゲの基本情報

植物名 ハクチョウゲ
学名 Serissa japonica
科名 / 属名 アカネ科 / ハクチョウゲ属
原産地 東アジア
開花期 5月~6月
花の色 白、薄ピンク
樹高 50cm~1m
特性 常緑性、生垣や盆栽にもおすすめ

ハクチョウゲの栽培カレンダー

ハクチョウゲの栽培カレンダー

ハクチョウゲは成長が早く、芽吹く力も強い植物です。樹高は50cm~1m程度で、細かい枝葉を密集させる性質があります。また刈込にも強いので、江戸時代から生垣や植え込みなどに使われてきました。

ハクチョウゲは5月~6月頃に花を咲かせます。一重で直径は1cm程度と小さく、香りはあまりありません。外側が淡い紫色で内側は真っ白、満開時には雪が降り積もったように見えるため、英語名は「6月の雪=ジューン・スノー」と呼ばれています。

葉は白い斑が入った丸くて小さな楕円形で、長さは6㎜~2cm程度。枝から対になって生えます。残念ながら、日本ではあまり実はなりません。

花付きは悪くなりますが日陰でも育ち、乾燥や湿気にも強くて土質を選びません。病害虫にも強いので、ガーデニング初心者でも安心して育てられます

ハクチョウゲの育て方

薄紫色の花を咲かせるハクチョウゲ

ハクチョウゲは比較的育てやすいものの、健康に育てるためにはいくつかのポイントがあります。上手に育てるための条件を見ていきましょう。

育てる環境

ハクチョウゲは日当たりが良く、風通しの良い環境を好みます。多少であれば日陰でも大丈夫ですが、ほぼ日が当たらない場所だと成長スピードは落ちるうえに、花付きも良くありません。また風通しが悪い場所だと、株が蒸れて弱りやすくなります。

生垣の場合は花付きをあまり考慮しないケースが多いので、葉に白い斑が入った種類のものを選ぶと美しい見た目を実現できるでしょう。

またハクチョウゲは耐寒性がやや低い植物です。北海道など冷え込みが激しい地域だと栽培が難しく、関東より北の地域では冬になると葉がパラパラと落ちてしまう可能性があります。寒い地域では盆栽や鉢植えにして、幼木や冬の時期は室内で育てるのがおすすめです。

土作り

頑丈な植物のハクチョウゲは、土の質にはこだわらなくても力強く育ちます。しかし、あまりに水はけが悪いと株が腐ってしまうため注意しましょう。

庭に植える場合には市販の植物用の土で十分です。元からある庭の土を使うなら、腐葉土や堆肥を混ぜると良いでしょう。盆栽や鉢植えで育てる場合は、小粒の赤玉土に川砂などを少量混ぜ込み、水はけを良くしてから植え付けます。

肥料

ハクチョウゲに与える肥料は年に1度で十分です。2月頃の寒い時期に、緩効性肥料を株本に与えましょう。力強く育つため、追肥は不要です。

水やり

庭植えや生垣にしている場合には自然の降雨で十分ですが、夏場に乾燥が気になるときは少々水やりをしてください。水が温まって根を傷めるのを防ぐためにも、朝や夕方の気温が低いときに行うのがポイントです。

また盆栽や鉢植えで育てている場合には、土の表面が乾いたタイミングで水やりをしましょう。土の表面を手で触れて、毎日確認するのをおすすめします。

ハクチョウゲの手入れ方法

白い花を連続して咲かせるハクチョウゲ

ハクチョウゲは育てる手間がさほどかからないうえに生命力が強く、枝分かれしやすい植物です。剪定などの手入をしっかりと行って、形を整えましょう。

植え付け

ハクチョウゲの植え付け時期は長く、3月ごろの春先から9月ごろの秋口までの間、いつでも実施可能です。また根付きやすいため、植え付けたい場所の土を掘って苗木を植えるだけで完了です

ただし、穴を掘ってみて水がしみだしてくるような土であれば、根腐れをおこす可能性があります。こういった場所に植えるのはやめておきましょう。

地植えのやり方

  1. 根鉢の3倍程度の大きさの穴を掘る
  2. 根鉢を中心に植える
  3. 足で周辺の土を軽く踏みつける
  4. たっぷりと水やりをする

鉢植えのやり方

  1. 苗の2倍程度の大きさの鉢を用意する
  2. 腐葉土や培養土に川砂を混ぜた砂を鉢に入れる
  3. 苗を中心にして植える
  4. たっぷりと水やりをする

盆栽にしたい場合

  1. 鉢の底に鉢底ネットを敷き、針金を使って固定する
  2. 赤玉土と桐生砂を8:2の割合で混ぜる
  3. 木が動かないように針金で固定して植え付ける
  4. たっぷりと水やりをする

剪定方法や時期

庭の手入れ道具

ハクチョウゲは成長力が旺盛で刈り込みにも強い花木です。春~秋の間にかけて、枝が伸びすぎたら刈り込み剪定で形を整えましょう。

またハクチョウゲには枝の成長期が、春~7月ごろと夏~10月ごろの年に2回あります。成長期の終わりごろの7月上旬10月上旬に長くなった枝を刈り込んでおくと、整った形をキープしやすいでしょう。

植え替え時期は3月~9月

ハクチョウゲの植え替え時期は植え付け時期と同じ3月~9月頃です。盆栽や鉢植えにしている場合は、根詰まりを防ぐために2年に1度の割合で植え替えを行いましょう。

庭木や生垣として植え付けている場合は、植え替えの必要はありません。

増やし方は挿し木がおすすめ

ハクチョウゲは挿し木と株分けで増やせます。発根しやすいため、挿し木が簡単にできておすすめです。

挿し木は5月~9月ごろの春から秋にかけて行いましょう。剪定するときに程度の良い枝を10㎝ほど切り分けておき、数時間水に漬けておきます。赤玉土を入れた鉢に挿し、風通しの良い場所でこまめに水やりをしてください。数週間から数か月で発根して、新しい芽が出てきます。

株分けをする場合も5月~9月ごろにかけて行います。育てているハクチョウゲが大きくなってきたら、株を土から掘り起こして軽く土を払いましょう。根っこが等分になるように株分けをし、それぞれを新しい場所に植えてください。土も新しいものに変えて、こまめに水を与えましょう。

ハクチョウゲの異変を感じたら

葉に斑模様の入ったハクチョウゲ

ハクチョウゲは育てやすい植物ですが、まれに花が付かなかったり、葉に斑模様が入らなかったりします。それぞれの原因と対処法について解説します。

花が付かないときの原因と対処法

ハクチョウゲは丈夫で成長も早い植物ですが、花がなかなかつかないこともあります。考えられる原因としては以下の2つです。

  • 剪定で花芽を切り落としてしまった
  • 日照不足

ハクチョウゲの成長時期は春~7月ごろと夏~10月ごろの年に2回ありますが、花芽をつける夏に強く刈り込んでしまうと、花芽をつけた枝をなくしてしまうケースがあります。花芽を落とす心配のある方は、夏以降の剪定を伸びて不格好になっている枝を切る程度にとどめておくとよいでしょう。

またもうひとつの考えられる原因は日照不足です。ハクチョウゲは半日陰でも育ちますが、日当たりが良い場所を好みます。あまり日が当たらないと枝ばかりが伸びてしまい、花がつきにくくなります。

花がつかないなと思ったら、鉢植えの場合は日当たりのよい場所や、風通りの良い場所に置き場所を変えたりしてみましょう。

地植えの場合は土に赤玉を混ぜるか、込み合っている枝を剪定で刈って風通しを良くしてみてください。

葉に斑(まだら)模様がつかないときの原因と対処法

葉に斑模様の入ったハクチョウゲ

「斑入り種を購入して育てているけれど葉にあまり斑模様が出ない」という場合、肥料不足が原因かもしれません。土に栄養が少ないと枝を伸ばすことが優先され、花の数や葉の模様に影響が出ると考えられています。

特に地植えの場合は他の植物と栄養を奪い合っているので、「模様が出ないな」と思ったときには堆肥を株の周辺に混ぜ込んでみましょう。

鉢植えの場合は、日当たりの良い場所に移して肥料を与えてください。

ハクチョウゲの害虫や病気は?

水辺で成長するハクチョウゲ

ハクチョウゲは丈夫な性質のため、病気や害虫の心配はほとんどありません。ただし、風通りが悪いと春先にアブラムシが発生する場合があります。

アブラムシは新芽や枝などに集団で寄生し、樹液を吸って葉に悪影響を及ぼします。アブラムシを発見したらすぐに取り除き、薬剤をまいた後に枝を間引いて風通しを良くしましょう。

ハクチョウゲの品種

たくさんのハクチョウゲの花

ハクチョウゲには様々な種類の品種があり、それぞれで見た目も異なります。それぞれの種類を比較して、お気に入りの色や形のハクチョウゲを育ててみてはいかがでしょうか。

フイリハクチョウゲ

フイリハクチョウゲ

フイリハクチョウゲは葉に白い模様が入っているのが大きな特徴です。通常のハクチョウゲと同様に白い花を咲かせるうえに刈込にも強く、生垣やグランドカバーにおすすめです。

ヤエハクチョウゲ

ヤエハクチョウゲ

通常のハクチョウゲは5枚の花弁を付けますが、ヤエハクチョウゲは8重にも重なる多くの花弁を付けます。存在感のある花を楽しみたい方におすすめです。

ダンチョウゲ

ダンチョウゲ

ダンチョウゲは葉が密に重なっていて、節がつまっているのが特徴です。またダンチョウゲの方がハクチョウゲよりも背が低く、細い幹がまっすぐに伸びていく傾向にあります。生垣に使用したい方におすすめの品種です。

ピンクミスティック

ピンクミスティック

ピンクミスティックはその名の通り、ピンク色の花が咲くのが特徴です。また葉に斑入り模様が入っており、ハクチョウゲとはまた違った表情を見せてくれるでしょう。小花をたくさん付けるため、ピンク色の花に囲まれたい方におすすめです。

ハクチョウゲの選び方・費用の相場

ハクチョウゲ

ハクチョウゲはその育てやすさから人気が高く、通信販売でも購入できます。3号ポット程度の大きさで、相場は800円~1000円程度です。

ピンクの花弁をつけるピンクミスティックや、葉に斑模様が入っているフイリハクチョウゲなど種類も豊富なため、自分の好みの見た目の品種を選んで栽培するとよいでしょう。

また生垣にする場合は斑入りの葉のものがおすすめです。葉に白い斑模様が入っているハクチョウゲは、日陰であっても美しく見えるため存在感がありますよ。

育てやすくも存在感を放つハクチョウゲをガーデニングに取り入れて、庭の景観に彩りをプラスしてみてはいかがでしょうか。