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スモモの剪定は11~2月をメインに!美味しい果実を作るコツや病気対策も解説

最終更新日: 2025年02月14日

甘酸っぱくておいしい果実として人気があるスモモは、剪定の仕方に気を付ければ初心者でも育てられるため、庭木として大変人気です。また美味しく育てるには、剪定のほかにも摘果や病気対策も欠かせません。

本記事では剪定の時期や方法、美味しいスモモを育てるコツなどを紹介します。

スモモの剪定時期は11~2月と5~6月

スモモの剪定時期カレンダー

落葉樹であるスモモの剪定は、休眠期にあたる11月下旬~2月上旬をメインに、必要に応じて5~6月にも行いましょう。

11~2月:伸びすぎた枝を切り、樹形を整える

スモモの休眠期にあたる11~2月に剪定することで、樹木へのダメージを比較的抑えることができます。伸びすぎた枝を切り、混みあっている枝や枯れた枝を切り取りましょう。

不要な枝を減らしておくことで、翌年咲く花と果実の数を絞ることができます。そうすれば栄養がよく行き届き、1つ1つが大ぶりな果実になるでしょう。

5~6月:不要な枝を間引く

春~初夏にかけて生長しすぎている枝や木の内部で重なっている枝があれば、花後にあたる5~6月の間に軽く間引いておきましょう

木の内部の日当たりと風通しを確保することで、果実が健康に育ちやすくなります。

スモモの剪定方法

スモモの剪定方法は、透かし剪定と切り詰め剪定の主に2種類です。スモモは剪定の仕方次第で、実のつけ方や味のクオリティが大きく左右されます。剪定をしすぎてしまうと、剪定の負荷によって実がつかなくなることもあるので注意しましょう。

剪定する前に道具を必ず除菌してから使い、できるかぎりスモモが病気に感染しないよう準備することをオススメします。

落葉期に行うスモモの剪定手順

スモモの樹形を整え、実付きをよくするための剪定は、落葉期に以下の手順で行います。

  1. 長く飛び出した枝を切り戻す
  2. 主幹を切り戻す
  3. 不要な枝や混み合った枝を間引く
  4. 枝の切り口に癒合剤を塗る

①長く飛び出した枝を切り戻す

長く伸びすぎた枝は1/4~1/6ほど先端を切り詰めましょう。生長の勢いを保つため元気が良ければ1/6ほど、弱っていれば1/4切るなど枝の状態に合わせて剪定します。

切り詰める位置によって枝が生長していく方向が変わっていくため、外側にバランスよく伸びていくよう芽の方向を気にしながら切り詰めましょう。

②主幹を切り戻す

スモモの木が高くなりすぎないように主幹を芯止めします。1~2mくらいの高さを目安に、枝分かれしている部分で切り詰めましょう。

③不要な枝や混み合った枝を間引く

枯れた枝や不要な枝を間引き、スモモ全体の日当たりや風通しをよくします。

不要な枝の見分け方は以下を参考にしてください。

不要な枝を剪定するときの見分け方

不要枝の種類 不要枝の特徴
ふところ枝 樹冠の内部で生えた細かく小さな枝。
かんぬき枝 左右の枝が主幹を貫いて一直線になるように生えたもの。
逆さ枝 幹に向かって伸びた枝。
立ち枝 真上に向かって伸びた枝。
下り枝 下に向かって伸びた枝。
絡み枝 まっすぐ伸びず、他の枝に絡むように伸びた枝。
徒長枝 極端に勢いよく伸びた枝。上に向かって伸びることが多く、ほとんど花芽をつけない。
車枝 幹の同じ高さから4本以上の枝が水平に伸びたもの。
平行枝 同じ方向に伸びる上下2本の枝。
胴吹き枝 幹から新たに直接伸び出した枝。
ひこばえ 地際から主幹の隣に新しく伸びてくる枝。

不要枝の中での剪定の優先順位は以下の通りです。

  • 逆さ枝・立ち枝・下り枝・絡み枝・徒長枝・車枝
    • 樹形を乱す可能性が高いので、優先して切り落とす
  • 平行枝・胴吹き枝
    • 樹形を乱す可能性が比較的低いので、他の枝とのバランスを見て切るか決める
  • ひこばえ
    • 株立ちの幹を更新する場合は残し、それ以外の場合は切り取る

不要な枝を一通り切り落としたら、木全体のバランスを見ながら、混み合った部分を間引いて枝の数を減らしていきます。具体的なバランスのとり方は以下が目安です。

  • 主幹から四方にバランスよく枝が広がった状態にする
  • 枝と枝の間隔をどこから見てもなるべく均等にする

「遠くから眺めたときに、枝の密度が均等になっているか」を確認しながら進めましょう。

④枝の切り口に癒合剤を塗る

病原菌や害虫が侵入しないように、剪定が終わったら枝の切り口に癒合剤を塗りましょう。断面のゴミを取り除いて、切り口全体に薄く均一に塗り広げます。

特に果樹は比較的病気になりやすいので、以下のようなケースはなるべく癒合剤を使うことをおすすめします。

  • 枝の切り口が大きいとき(直径3cm以上)
  • 主幹から直接生えた枝や近い枝を切り落としたとき(3cm以内)

基本的には自然にはがれ落ちるので、塗った後はそのままにしておいて大丈夫です。

花後に行うスモモの摘果の手順

スモモにたくさん実をつけたまま育てると、養分が分散してしまって1つ1つの実が小さくなります。

実がつきはじめたら、小さな実や傷がついた実を中心に取り除きましょう。

スモモを剪定するときの注意点

スモモの剪定で特に気を付ける点は剪定のし過ぎです。スモモを育てる醍醐味は果実の収穫ですが、太い枝を多く切ったり、頻繁に剪定をしてしまうと樹木が疲労し実つきが悪くなってしまいます。

強剪定はスモモの収穫量が減る可能性がある

スモモは生長がとても早いわけではなく、樹高も最大で4m程度と強剪定が必要になる状況はそこまで多くありません。ただし、害虫による病気や隣人の土地まで枝が伸びてしまったといった場合は強い剪定をする必要があります。

強い剪定をした翌年は収穫量が減ってしまうことを認識しておきましょう。なるべく負担をかけないように剪定したい場合はプロに頼んでみるのもオススメです。

剪定後は断面に癒合剤を使い雑菌から守る

病原菌や害虫が侵入しないように、剪定が終わったら枝の切り口に癒合剤を塗りましょう。断面のゴミを取り除いて、切り口全体に薄く均一に塗り広げます。

癒合剤を使ったほうが良いのは以下のケースです。

  • 枝の切り口が大きいとき(直径3cm以上)
  • 主幹から直接生えた枝や近い枝を切り落としたとき(3cm以内)
  • 病気になりやすい木(サクラ、果樹など)

病気になると奇形の実ができたり、実が小さいままであったりとせっかくのスモモが楽しめなくなってしまいます。

スモモの剪定に必要な道具

自分で庭木を剪定するときは、最低限以下の道具を用意しておきましょう。

道具 用途
剪定バサミ

FORESIA 剪定ばさみ | Amazon
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枝を切るときにメインで使用する(直径1.5cm程度までの枝が目安)
植木バサミ

特に細かい枝の切断に使用する
剪定ノコギリ

高儀(Takagi) シャークソー | Amazon
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剪定バサミでは切りづらい太い枝の切断に使用する
園芸用の脚立

アルインコ(ALINCO) 三脚脚立 | Amazon
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高い位置の枝を切るときに使用する
屋外の凸凹がある地面でも安定する三脚のものを選ぶ
園芸用の手袋

POTATOガーデニング手袋 | Amazon
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作業中の手を守る
軍手だと枝やトゲが貫通するので、樹脂コーティングされたものがおすすめ
癒合剤

富士商事 カルスメイト 150g|Amazon
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剪定後の切り口の回復を促し、病原菌の侵入を防ぐために塗る

他にも、切った枝を集める熊手やホウキがあると便利です。

スモモのお手入れ方法

スモモのお手入れはそこまで大変ではないですが、大きくておいしいスモモを収穫するにはいくつかコツがあるため紹介します。

受粉に失敗した実は摘みとって取り除く

受粉できずそのまま萎れてしまった実はなるべく早く摘み取りましょう。受粉の成功の可否の見分け方は簡単で、成功していると大豆ほどの大きさに実が膨らんでいて、失敗していると黄色くて小さいままで残っています。

失敗していても枝についている限り、ある程度栄養を奪ってしまいます。判別ができる段階で取り除くことで、成功した実がより多く生長できるよう助けることが可能です、

摘蕾と摘果で果実をよりおいしくする

摘蕾と摘果とは果実がたくさんなったとき、病気や元気がない、あるいは密集しすぎている状態のつぼみや果実を取り除く行為です。摘蕾と摘果をすることによって良質な実に栄養が集まり、大きくて美味しい実ができやすくなります

多くの実ができていたら、どうしてもすべて育てたくなってしまいますが、ここは心を鬼にして摘果の作業を進めましょう。品種にもよりますが基本的には5~10cm間隔に実が1つという状態がベストです。

5月頃には袋かけをして害虫や裂果を防ぐ

袋掛け

スモモの収穫は6~9月頃に行います。せっかく育てた選りすぐりのスモモが害虫や裂果によって台無しにならないよう5月頃には袋かけをして実を守りましょう

袋かけをすることで害虫が実を食べてしまう可能性を大幅に下げることができます。また裂果は過湿や過密着によって起こります。袋かけをすることで雨などを防ぎ、裂果の可能性を減らすことが可能です。

開花前の時期に肥料を与える

肥料は11~12月の開花前の時期に肥料を与えましょう。5~6月など実がすでに成熟期に入っているときに肥料を与えたくなりますが、逆に果実が熟さなくなったり、生理落果を引き起こしたりするため、実がついているときに肥料を与えることは控えましょう。

また収穫後に肥料を与えることは問題ないですが、なんらかの理由で実ができなかった年にあたえると生育の勢いが強すぎて、結実しないことがあるため注意してください。

スモモの病気・害虫対策

スモモは害虫や病気に比較的遭いやすい樹木です。しっかりと対応していけば初心者でも問題なく育てられるのであらかじめ対策を知っておくことが非常に重要でしょう。

シンクイムシは摘果することで防げる

摘果をあまりせず、実同士がくっついたままの状態でで成熟させると、実と実の隙間にシンクイムシなどの幼虫が入り込み食害を起こします。

摘果する際はもったいなく感じますが、5~10cm間隔に実が並ぶよう心がけて摘果を行いましょう

梅雨の時期は灰星病に気を付ける

梅雨などの湿度が高い時期は果実にカビが生える灰星病に注意しましょう。発症したら早い段階で実を取り除くことが大切です。

対策としては農協や園芸店でEBI系の殺菌剤を購入したいと申し出れば、灰星病に効く殺菌剤が購入できます。名称が分からなければスモモに灰褐色のカビができたと伝えれば理解してもらえるはずです。

ふくろみ病は石灰硫黄合剤で対策できる

ふくろみ病は糸状菌や子のう菌類が幼果が奇形になってしまう病気です。トウガラシやアケビのように長細く奇妙な形になるので判別はすぐにしやすいでしょう。見つけ次第、被害を受けた果実を摘み取り破棄しましょう。地面にそのまま捨てて放置していると伝線源になりうるので焼却するののが好ましいです。

対策としては冬季に「石灰硫黄合剤」か「パルノックスフロアブル」という殺菌剤を撒いておくとふくろみ病にかかるリスクを大幅に減らすことができます。

黒斑病や胴枯病は見かけ次第取り除く

黒斑病

スモモは実だけでなく樹木が病気になってしまうことも多々あります。例えば黒斑病や胴枯病などは害虫や切り戻し剪定時の切り口などから病原菌が侵入することで感染します。

黒斑病は葉に黒い斑点ができ、病が進むと最悪木が枯れ落ちてしまいます。黒い斑点が発症している葉があればすぐに取り除き、防除薬剤を散布することで治療することが可能です。

傷口部分が赤や黒褐色に変色し、隆起物が多数出てきている場合、胴枯病と判断できます。傷口を癒合剤や墨汁等で防ぎ、これ以上病原菌が侵入しないようにしましょう。

スモモの剪定はプロに依頼するのもおすすめ

「自分でうまく剪定する自信がない」「忙しくて定期的に剪定する時間がとれない」という方は、植木屋や庭師と呼ばれる剪定のプロに依頼するのもおすすめです。

庭木の剪定料金相場

単価制で依頼した場合、一般的な庭木の剪定料金の相場は以下の通りです。

庭木の高さ 1本あたりの料金相場 剪定ゴミの回収料金
1m以下 950~1,200円 950~1,200円
1~2m以下 1,900~2,400円 950~1,200円
2~3m以下 2,900~3,600円 950~1,200円
3~4m以下 4,200~5,400円 1,400~1,800円
4~5m以下 5,700~7,200円 1,900~2,400円
5~6m以下 8,600~10,800円 2,900~3,600円
6~7m以下 12,400~15,600円 3,800~4,800円
7~8m以下 16,200~20,400円 5,000~6,000円

※ミツモアの過去3年間(2022年1月1日~2024年12月31日)の見積もり依頼データから算出

スモモの剪定料金を確認する

庭木の剪定をプロに依頼する流れ

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