ペットの永代供養とは、火葬から納骨、その後の供養までを霊園や納骨堂などの施設に一任する葬送方法です。「寂しくならないように、火葬後はそのまま他のお友達と一緒に供養してほしい」「万が一自分に何かあってもお墓を管理してもらえる」といった理由から、近年選ばれているペット供養の1つです。
本記事では、ペットの永代供養にかかる費用の目安や依頼先、永代供養が選ばれる理由などを解説します。
ペットの永代供養とは
ペットの「永代供養(えいたいくよう)」とは、火葬から納骨、その後の供養までを施設側に一任する葬送方法です。一般的には、主にペット霊園への依頼となります。
施設の管理者が遺族に代わって永代に渡り供養してくれるので、飼い主の方によるお墓の管理が難しい場合や、後継者の目処が立っていない場合などに選ばれています。
ペットの永代供養にかかる費用の目安
ペットの永代供養にかかる費用は施設によってさまざまですが、大きく「永代供養料」「管理料」「火葬料」の3つに分けられます。合同のお墓で供養してもらう場合、合計料金はおおよそ1万円〜3万円程度が相場であるといわれています。
費用の種類 | 相場の目安 |
---|---|
永代供養料 | 〜3万円程度 |
管理料 | なし〜数千円程度 |
火葬料 | 5千円~5万円程度 |
合計金額 | 1万円〜3万円程度 |
ただし、個別のお墓を購入して永代供養を依頼する場合は、上記を大きく上回る金額が必要となります。個別で永代供養を依頼する場合、15万円~30万円以上かかる場合もあります。
永代供養料・管理料
永代供養料とは、ペットの遺骨を永代に渡って供養してもらうことに対して支払う料金です。永代供養料を支払うことで、飼い主によるお墓の管理が難しくても、施設や霊園の管理者が代わりに供養をしてもらえます。
管理料は永代供養料の中に含まれていることが多いですが、ペット霊園によっては毎年管理費が発生する場合もあるため事前に確認しておきましょう。
火葬料
火葬料は、合同で行うかどうかや、立ち会いを希望するかどうかによって料金が異なります。一般的な火葬方法としては、「合同火葬」「一任個別火葬」「立会火葬」などが挙げられます。
葬儀(火葬)の種類 | 相場の目安 |
---|---|
合同火葬 | 8千円~1.5万円程度 |
一任個別火葬 | 1.5万円〜5、6万円程度 |
立会火葬 | 2.5万円〜6、7万円程度 |
1. 合同火葬の場合
合同火葬とは、火葬業者に遺体を引き渡して、他のペットと一緒に火葬してもらう方法のことをいいます。複数のペットを一度に火葬するため、個別火葬と異なり費用が抑えられる点がメリットです。また、寂しがりやの性格だった場合など、「天国でもに賑やかに過ごして欲しい」との想いから合同火葬を選ぶ方もいます。
注意点としては、合同で火葬されるため返骨ができなくなる点です。火葬後は、提携先の施設や霊園などへそのまま合同供養されるため、引き渡しのタイミングが最後のお別れとなります。
2. 一任個別火葬の場合
一任個別火葬とは、火葬業者に個別火葬を一任するプランです。拾骨や立ち会いはできませんが、個別での火葬となるため骨壷に入った形で返骨してもらえます。立会火葬と比較すると費用が抑えやすく、返骨を希望する方が選ぶ場合が多いです。
3. 立会火葬の場合
立会火葬は、個別火葬の中でも立ち会いが可能な火葬プランのことをいいます。火葬場によっては、実際の火葬中は別の場所で待機となる場合もありますが、火葬後の拾骨を自分たちで行えます。供養方法によって火葬のみを単体で行っている場合もありますが、永代供養では、火葬後の納骨や供養も一貫して対応してくれる施設に依頼するとスムーズでしょう。
また、火葬場に出向くことが難しい場合は、訪問火葬車などで自宅周辺で火葬してもらうことも可能です。その場合は火葬のみを単体で行っている場合もあるため、埋葬や納骨を行う場合は別途手配が必要となる可能性があります。
ペットの永代供養の依頼先は?
ペットの永代供養を行っている施設は地域によってさまざまですが、「ペット霊園」や「お寺」などが一般的です。
ペット霊園
ペット霊園の永代供養では、納骨堂や供養塔、合祀墓などでの合同供養を選ぶ方が多いです。また、ペット霊園の一画にお墓を購入して、個別で永代供養を依頼することも可能です。施設ごとにさまざまな永代供養の形があるため、事前にどのような形で納骨するのかしっかり確認しましょう。
注意点としては、個別火葬を行った場合でも、一度合同のお墓に納骨すると返納ができなくなる点です。「思っていた葬送方式と違った」といったことにならないよう、不明点があれば直接問い合わせてみましょう。見学を受け付けている霊園であれば、実際に足を運んでみるのもおすすめです。
お寺
お寺が管理している寺院墓地によっては、飼い主とペットと一緒に永代供養をしてくれる場合もあります。しかし、基本的にはペットの供養に対応していないところが多いため、ごく一部のお寺に限られます。
寺院墓地では、主に合祀墓や納骨堂、供養塔などでの永代供養が可能です。
ペットの永代供養が選ばれる理由
ここからは、ペットの永代供養が選ばれる理由を紹介します。
- 適切な環境でしっかり供養してもらえる
- 飼い主に何かあったときも管理を継続してもらえる
- 子どもや親族に管理の負担をかけずにすむ
それぞれについて解説していきます。
適切な環境でしっかり供養してもらえる
「大切なペットをしっかり供養してもらいたい」との想いから永代供養を選ぶ方は多くいます。
ペットの永代供養は霊園やお寺などの専門施設に依頼するので、日頃の供養やお手入れなどを適切に行ってくれる点がメリットです。
飼い主に何かあったときも管理を継続してもらえる
万が一飼い主が病気やケガで通えなくなっても、お墓の管理を継続してもらえるところも大きなメリットです。
例えば個別墓で管理料を滞納してしまうと、無縁仏としてお墓ごと撤去されてしまう可能性もあります。こういった事態を避けるために、初めから永代供養をお願いするという方も多いです。
子どもや親族に管理の負担をかけずにすむ
自分での管理が難しくなった場合、子どもや親族に負担をかけたくないとの思いから永代供養を選ぶ方もいます。
また、子どもを持たない夫婦など、後継者がいない場合に選ばれることもあります。
ペットの永代供養の注意点・デメリット
ここからは、ペットの永代供養の注意点・デメリットを解説します。
- 永代供養の期間は永久ではない
- 他の供養方法への変更は難しい
- お参りの機会が減ってしまうことがある
永代供養の期間は永久ではない
「永代」という言葉から永久的な供養を連想する方もいるかもしれませんが、永代供養は永久に供養を委託できるわけではありません。供養・管理してもらえるのは、あくまで契約で定められた期間のみです。
実際の期間は契約内容によって変わりますが、一般的には33回忌までを区切りにしている場合が多いです。
他の供養方法への変更は難しい
永代供養の内容は様々ですが、合同火葬や合同墓の供養では返骨は難しくなります。そういった場合は、他の供養方法への変更は難しいことも押さえておきましょう。
一口に永代供養といっても霊園ごとに形式が異なるため、不安や懸念があれば事前に確認しておくことをおすすめします。
お参りの機会が減ってしまうことがある
永代供養では施設側がお墓を管理してくれる安心感があるゆえに、自分でお参りに行く機会が減ってしまうかもしれません。
また、合同墓の場合は墓石やプレートも設置されないため、あまり実感がわかないということもあるでしょう。
ペットの永代供養に関するよくある質問
最後に、ペット供養に関するよくある質問を簡単に紹介します。
- 契約期間が過ぎた遺骨はどうなりますか?
- 飼い主と一緒に永代供養をしてもらえますか?
- 契約期間の延長は可能ですか?
それぞれについて解説していきます。
Q. 契約期間が過ぎた遺骨はどうなりますか?
契約期間が過ぎたあとは、個別供養の安置スペースや骨壷から遺骨が移され、合祀されるケースが多いです。合同供養の場合は遺骨が分けられていないため、そのまま合同墓に入ったままとなることが一般的でしょう。
Q. 飼い主と一緒に永代供養をしてもらえますか?
ペットと人間がお墓に入ることについては、特に法律では禁止されていません。また、最近では飼い主と一緒に永代供養をしてもらいたいという需要が増えているため、飼い主と一緒に永代供養をしてくれる施設もあります。
とはいえ、宗教などの考え方の違いなどから、対応できない場合も実際には多いでしょう。
Q. 契約期間の延長は可能ですか?
施設によっては契約期間の延長を受け付けている場合もあります。延長を希望する場合は、契約期間が過ぎてしまう前に問い合わせてみましょう。
まとめ
ペットの永代供養について紹介しました。一口に永代供養といってもその内容や葬送方法は多岐にわたるため、不明な点があれば事前に施設に確認しましょう。
永代供養にするかどうか悩んでいる場合は、まずは手元供養の期間を経てから納骨することも可能です。その場合も、ペット霊園や葬儀社に火葬してもらう必要があります。
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