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艶消し塗装で外壁をマットな質感に!〜艶消し塗料の基本から詳しく解説〜

最終更新日: 2023年03月31日

外壁で見る機会の多い艶消し塗装は車やプラモデル、木材などにも用いられる人気の塗装方法です。

艶消し塗料で塗装されたおしゃれな家を見て興味をもつ人も多いと思いますが、艶消し塗装はどんな家にもおすすめできるものでしょうか。

この記事では艶消し塗料のメリット・デメリットや作り方、おすすめポイントを解説します。

落ち着いた印象に仕上がる艶消し塗料とは?

外壁が落ち着いた印象に仕上がる艶消し塗装
艶消し塗料は塗装面の凹凸が光を反射しない原理を利用している

かつては艶ありが主流だった建物の外壁にも最近では艶消し塗料が多く取り入れられています。

艶消し塗料は光沢の少ないマットな質感が特徴で、落ち着いた雰囲気やしっとりとした風合いを出したい人に好まれます。艶消し塗料は一体どんな塗料でどんな良さがあるのでしょうか。以下で性質やメリット・デメリットを紹介します。

そもそも艶の定義とは?~艶消し塗料の基本~

艶消し塗装はマット仕上げフラット仕上げとも呼ばれ、艶消し塗料は艶=光沢の無い(少ない)塗料のことを指します。

艶の度合いは塗面に60度の角度から光をあてた時の反射率「グロス値(光沢度)」で計られ、外壁塗装の艶度合いは以下の5段階で表されます。

艶度合い

艶あり

7分艶

5分艶

3分艶

艶消し

グロス値

70%以上

5565

3040

1020

5%以下

見た目

はっきりとした光沢がある

輪郭の柔らかい光沢がある

ぼんやりとした光沢がある

光沢はわずかに感じられる程度

光沢はぼぼ無い

艶消し塗料には塗膜面に微細な凹凸があり、凹凸形状には光が当たっても反射が分散する原理により光沢が生じないのです。

製造段階で艶の有無は決まっている!

外壁塗装に用いられる塗料は7分艶、5分艶と製品により艶度合いが異なり製造段階で艶の有無は決まっています。

艶消し塗料に好みの艶度合いを出したい場合、塗料に艶消し剤を混ぜて作られます。塗膜面に凹凸がある艶消しの原理を利用した艶消し剤はフラットベースとも呼ばれ、塗料に対する配合割合により艶度合いを調整します。

塗料により艶消し対応は異なるので、艶消し塗装を検討している人は使用塗料や艶度合いも含めてプロに相談を。もちろん艶消し塗料のメリット、デメリットも事前に知っておきましょう。

艶消し塗料と艶有り塗料のメリット・デメリット比較

落ち着いた雰囲気を出せるのが魅力の艶消し塗料ですが、表面に滑らかさが無いため汚れがつきやすい、艶消し剤の混入により耐久性が落ちるというデメリットがあります。

また耐久性を落とさないよう質の良い塗料を使用すると、その分価格は高くなります。

メリット

デメリット

艶消し塗料

  • 落ち着いた風合いになる
  • 高級感が生まれる
  • 主張しすぎず周囲と馴染む
  • 劣化が目立ちにくい
  • 耐久性が落ちる
  • 汚れがつきやすく落ちにくい
  • カビやコケが発生しやすい
  • 種類が少なく選択肢が限られる

艶有り塗料

 

  • 新築のような見栄えになる
  • 汚れがつきにくい
  • 塗料本来の特長が活かされる
  • 耐久性が高い
  • 艶は23年でうすれる
  • 光沢が悪目立ちことがある
  • 劣化した部分が目立ちやすい

屋根との相性も外壁の艶の見栄えを左右する大きな要素です。チョイスによっては魅力的な艶度合いが安っぽい印象になってしまうこともあるので注意しましょう。

艶消し塗料は艶有り塗料に比べ耐候性に劣る

外壁塗装や塗装メンテナンスの必要性は壁面をコーティングし耐水性や強度を保つことです。外壁塗装に使用される塗料は基本的に艶のあるものほど耐候性が高くなります

つまり耐久性のある艶有り塗料に艶消し剤を混ぜるのは、製品として完成された高性能な塗料に不純物を加えるということ。

艶有り塗料に艶消し剤を混ぜて作られる艶消し塗料は、塗料がもつ本来のカバー力や耐水性が損なわれ耐久性が落ちるのは避けられません。艶消し塗料が太陽光や雨、風による劣化が早いといわれるのはそのためです。

艶消し塗料の作り方

艶消し塗料の作り方
艶消し塗料の作り方にはメーカーによる艶調整と現場での職人による艶調整がある

艶消し塗料には元々艶の無い製品として作られた純粋な艶消し塗料もありますが、外壁塗装には艶有り塗料に艶消し剤を混ぜて作る艶消し塗料も多く用いられます。

艶消し剤を混ぜる艶消し塗料の作り方は、メーカーが艶度合いを調整する場合と職人が現場で調整する場合があります。以下に艶消し塗料の作り方や注意点を解説します。

メーカーで艶調整する場合

大手塗料メーカーでは自社製品の艶有り塗料に艶消し剤を混ぜて、艶度合いを調整して作る塗料も取り扱っています。正規メーカーが手がけている塗料なら、確かな技術と製法、品質管理が用いられているので製品の均一性も信頼できます。

施工業者経由で艶消し塗料を依頼する場合は、できるだけ艶度合いがわかるビジュアルの見本を共有しながら塗料を決めましょう。

7分艶、3分艶といった言葉だけでのやりとりでは、お互いの認識にずれがあった場合、全く違った艶度合いの塗料が納品されるといったトラブルも起こり得ます。

現場で職人が艶調整する場合

メーカーが調整した艶消し塗料に好みの艶度合いが見つからないという場合などには、塗装職人が現場で塗料の艶調整をすることがあります。

艶消し塗装時に艶調整を提案する業者もいますが、実際にはあまりおすすめではないという声も多く聞かれます。塗装現場で行われる塗料の調整には異物混入や温度条件の変動などにより品質の厳密さが劣る可能性があるからです。

また施工後に小さな補修が必要になった時の対応も難しい場合があります。これらをふまえたうえで信頼できる業者が見つかれば、現場での艶調整を依頼するのもいいでしょう。

外壁塗装以外で使える艶消し塗料

艶消し塗料は車、プラモデル、木材にも使う
外壁の他にも車、プラモデル、木材の塗装に艶消し塗料は用いられている

ここまで外壁塗装に使用される艶消し塗料に関する知識を紹介しましたが、艶消し塗料は外壁塗装以外でも様々な用途に使用されています。

なかでも需要が大きいのは車やプラモデル、家具などの木材で、自分好みに個性を出したりしっとりとしたテイストを出したいという人に特に人気があります。以下で少し掘り下げて紹介します。

車・プラモデル・木材

車の艶消し塗装には主に車専用の金属対応の塗料が用いられます。マットな質感と個性が出せておしゃれですが、外壁同様汚れやすくまた洗車機不可といったお手入れに関するデメリットはあります。

プラモデルの艶消しにはアクリル原料の塗料のほか、塗装後にスプレーで艶消し仕上げにするトップコートなどもあります。

木材の艶消しは家具のDIYでカントリー調やヴィンテージテイストに仕上げられると人気です。木材の艶消しにはカラーステインで塗装したり水性ウレタンニスや艶消し用コート剤で仕上げるなどの方法があります。

艶消し塗料にするなら添加物の入っていない艶消しの塗料を選ぼう!

添加物の入っていない艶消しの塗料を選ぼう
艶消し塗料の耐久性が気になる人は添加物の入っていない艶消しの塗料を選ぶとよい

塗料にとって艶消し剤はいわば添加物です。とはいえ性能や耐久性が落ちるのはわずかなことで、艶有り塗料に艶消し剤を混ぜて艶消し塗料を作る手法は外壁塗装の一般的な手法でもあります。

どうしても耐久性を落とさず艶消し塗料を使いたい人は、添加物の入っていない純粋な艶消し塗料を選びましょう。

耐久性や防汚性を重視するなら添加物の入ってない純粋な艶消しの塗料がおすすめ!

艶消し塗料の耐久性が落ちる理由は艶消し剤の混入にあるので、純粋な艶消し塗料製品を選べばそのリスクは抑えられます。

少しでも耐久性を落としたくない人は添加物を加えていない艶消し塗料を選びましょう。以下に艶消し塗料や艶消しテイストが出せる塗装剤を紹介するので選ぶ時の参考にしてください。

メーカー名

商品名

特徴

菊水化学工業

グラナダフレッシュ

耐候性の高いシリコン樹脂塗料

水谷ペイント

ナノコンポジットF

ナノテクノロジーによる優れた耐候性を実現したフッ素樹脂塗料

山本窯業

グッセラ・Gハイシー
イシーカラーF

凹凸や立体感のある石材調などに仕上げられる多彩模様塗料

対応できる下地は業者に相談を

関西ペイント

水性ゾラコートEX

関西ペイント

ジキトーンセラローラー

ミツモアで外壁塗装業者に見積りを依頼しよう!

ミツモア

外壁塗装に艶消し塗装を検討している人は、見た目だけではなく艶消し塗料の様々なメリット・デメリットを知ったうえでの選択が大事です。プロのアドバイスが視野の幅を広げてくれることもあります。

ミツモアには豊富な知識と経験をもつ外壁塗装業者が多数揃っています。艶消し塗料の相談や外壁塗装の見積もりも気軽に依頼しましょう。

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