アルミサイディングは多くの住宅に取り入れられている、外壁材の一つです。他の外壁材に比べて耐用年数が長いのがメリットですが、実際に塗装が必要なのか迷っている人もいるでしょう。アルミサイディングの特徴や塗装の必要性、業者の選び方を解説します。
アルミサイディングは定期的に塗装が必要
アルミサイディングはその原料であるアルミの特性や扱いやすさから、多くの住宅で使われている外壁材です。他の外壁材と比較して、耐用年数が長いとされているアルミサイディングですが、長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスが必要です。
アルミサイディングの塗装膜の耐用年数は、10年程度とされているので、築年数や外壁の状態をこまめに確認し、定期的なメンテナンス塗装を行いましょう。劣化の状態に応じて早めに修復することで、被害を最小限に留められます。
業者選びを慎重に行い、信頼できる業者に塗装を依頼しましょう。
アルミサイディングの特徴
アルミサイディングには耐用年数が長いといったメリットが多く、新築住宅の多くで大きなシェアを占めている人気の外壁材です。まずは、アルミサイディングの特徴を知っておきましょう。
アルミサイディングとは
アルミサイディングは外壁材の種類の一つで、金属系サイディングに分類されます。金属系サイディングはアルミサイディングのほかに、ガルバリウム鋼板やトタン、ステンレス鋼板などがあります。
文字通り素材にアルミが使われているアルミサイディングは、内側に断熱材、表面にアルミメッキという構造を持つアルミニウム製の外壁材です。アルミは金属の中でも軽量で扱いやすいため、その特性を利用して外壁材の中でも高いシェアを占めています。外壁リフォームや新築住宅の外壁材に使用されるなど、利用範囲が広いのも特徴です。
サイディングの耐用年数が長い
アルミは腐食に強い金属です。アルミが使われているアルミサイディングは、他の外壁材と比較して耐用年数が30年と長く、長持ちする外壁材として知られています。
ただし、アルミサイディングそのものの耐用年数と、表面の被膜の耐用年数は異なる点は覚えておきましょう。アルミサイディングの表面は、特殊なアルマイト加工によって被膜が作られますが、この被膜の耐用年数は10年程度とされています。
そのため「アルミサイディングは30年持つと思っていたのに、10年で塗装が必要なのはおかしい」と、勘違いする人もいるので注意が必要です。アルミサイディングは定期的なメンテナンスをすることで、長持ちさせられます。
アルミサイディングのメリット
アルミサイディングはその特性から、さまざまなメリットがある外壁材です。どういった利点があるのか、ここで確認しておきましょう。
軽量である
アルミの特徴として挙げられるのは、金属の中でも特に軽いという点です。アルミといえば1円玉硬貨や飲料缶などを、思い浮かべる人も多いでしょう。アルミは私たちの生活において、いたるところで使われている汎用性の高い金属です。
さまざまな金属がある中で、とりわけ軽量なアルミサイディングを使用することで、建物にかかる負荷を小さくできるのは、大きなメリットといえるでしょう。特に重ね張りをする外壁リフォームには、軽量のアルミサイディングは最適なので、外壁材として選ばれることが多いです。
耐震性に優れている
地震が発生した際、建物が重ければ重いほど揺れは大きくなります。そのため軽量のアルミサイディングを使っている建物は、他の外壁材を使った建物に比べて、揺れを小さく抑えられるのもメリットです。
また、アルミサイディングは変形しながら揺れに対応するため、地震によるひび割れが起こりにくい点も、魅力の一つです。地震に強い住宅にする上でも、アルミサイディングは有効な外壁材といえるでしょう。
サビつきにくい
金属でできた硬貨の中でも、10円玉は水に濡れるとサビてしまいますが、1円玉がサビている状態は見たことがない人がほとんどでしょう。1円玉の素材であるアルミニウムは、そもそもサビつきにくい性質を持っています。
したがって、アルミを含むアルミサイディングも、他の金属製サイディングと比べて、腐食しにくいというメリットがあるのです。この特性を利用して、海に近い住宅地や雨や雪が多い寒冷地などでは、アルミサイディングが多くの場所で使われています。
断熱性が高い
一般的に出回っているアルミサイディングは、表面のアルミメッキの下に、断熱材が一体となった構造になっています。そのためアルミサイディングが外壁に使われている建物の室内は、高い断熱効果が得られるというメリットがあります。
さらに断熱材の芯部分にはウレタンフォームが使われているため、夏は涼しく冬は暖かいという快適な環境が期待できるでしょう。断熱性が高い家は省エネ効果も高くなるため、長く住み続けられる条件がそろった外壁材といえます。
アルミサイディングのデメリット
外壁材として多くのメリットがあるアルミサイディングですが、いくつかのデメリットもあります。アルミサイディングの特性の中でも、知っておくべき注意点を確認しましょう。
衝撃に弱い
アルミは金属の中でも、とりわけ柔軟な特性を持つ素材です。アルミサイディングはアルミ合金を含む素材のため、突発的な衝撃に弱いというデメリットがあります。
例えば、車道から小石が飛んできて凹みができたり、自転車を壁にぶつけてしまったりなど、ささいなことで傷が付いてしまいます。アルミサイディングの特性を知っておき、日常生活の中で注意するように、家族で共有しておくとよいでしょう。
また、外壁に穴をあけて防犯カメラなどを取り付ける場合は、力の加減に気を付ける必要があります。電動ドリルは貫通力が強いので、注意しないと深く穴をあけすぎてしまう可能性があるからです。
室内に湿気がこもりやすい
アルミサイディングは金属製のため、湿気を通さない性質があります。気密性の高さはメリットでもありますが、湿気を通さないという点では、デメリットともいえるでしょう。
アルミサイディングを隙間なく施工すると、湿気が室内にこもりやすくなるため、湿気対策には注意を払う必要があります。室内にカビや結露を発生させないように注意しましょう。
一度できたカビは適切に対処しなければ、周囲に広がってしまう場合もあります。特に湿度が高い地域に住んでいる人は、気を付けなければけません。
価格が高め
アルミサイディングは材料に金属が使われており、汎用性が高く質の高い素材のため、単価も高めです。したがって、アルミサイディングを使った場合の施工コストも、トータルで高くなる傾向にあります。外壁リフォームでアルミサイディングを候補にする場合、価格の高さがネックになる人もいるでしょう。
しかし耐用年数の長さや、メンテナンス性の高さを考えると、価格の高さは一概にデメリットとはいえません。外壁にアルミサイディングを採用する場合は、予算やメリット・デメリットを踏まえつつ、利用するかどうか慎重に検討することが大事です。
アルミサイディングの塗装費用
アルミサイディングの塗装には、どれぐらいの費用がかかるのでしょうか。大体の相場を知っておくことで、メンテナンスの計画や業者選びの参考になります。
塗装費用の相場
アルミサイディングの塗装にかかる費用の相場は、2階建て住宅(25坪)で約59万~80万円です。被膜の耐用年数が10年程度なので、約10年周期で塗り替えが必要な計算ではありますが、状態によってはさらに長持ちする可能性が高いです。ほかの外壁材に比べると、かなりコストパフォーマンスがよいといえるでしょう。
ただし、築年数によらず建物の劣化を確認したら、塗装を検討しなければいけません。耐用年数は長めですが、ほかの外壁材に比べて高価格なので、定期的に外壁を掃除して塗装を長持ちさせましょう。
塗装時期の見極め方
塗装時期の簡単な見極め方は、建物の築年数に注目することです。すでに説明したように、アルミサイディングの被膜は耐用年数が約10年とされているので、新築なら家ができてから10年、リフォームであれば前回の塗装時期から10年が、塗装時期の目安となります。
ただし、あくまでも目安なので、住宅の置かれた環境で長く持つ場合もあれば、10年を待たずに塗装が必要になる場合もあります。長くよい状態を維持できれば、修繕にかかるコストを抑えられるので、定期的なメンテナンスが欠かせません。
メンテナンスを怠ると劣化が進む可能性も
たとえアルミサイディングでコーティングしていても、外壁は常に外気にさらされているため、どうしても多少の劣化は防げません。何もせずに長期間放置した場合、劣化がどんどん進行してしまうため注意が必要です。
高額な費用や修理の手間を考えると、どうしてもメンテナンスを先延ばしにしてしまう人は、少なくありません。しかし劣化があまりに進行すると、雨漏りが発生したり建物が腐食したりするので、大きな修理が必要になってしまうでしょう。その結果、当初よりメンテナンス費用がかさんでしまう可能性があります。
したがって、定期的に劣化の症状をチェックして、状況に応じた適切なメンテナンスをすることが大事です。
メンテナンスの目安となる劣化状態
外壁の劣化状態によって、メンテナンスが必要な時期は異なります。自分で確認できる劣化状態として、どのようなものがあるのか知っておきましょう。
色あせ(チョーキング)が起きている
外壁の色あせは、わかりやすい劣化の一つです。外壁は雨風や紫外線の影響を常に受けているため、長く使い続ける中で経年劣化は避けられません。特に紫外線を浴びた外壁は、色あせが起こりやすくなります。
外壁の色あせが進むと、表面に粉状のものが浮き出てくるため、劣化の状態を簡単に確認できます。これは「チョーキング」と呼ばれており、塗料が剥がれ落ちることにより起こる現象です。チョーキングが起こっている外壁の表面は、手でさわると粉が付くため、すぐに判別できます。
チョーキングが発生したら、アルミサイディングの塗装を考える一つの目安です。
サビが発生している
サビにくいアルミサイディングでも、素材が純度100%のアルミではないため、外部環境やさまざまな要因により、サビが発生する場合があります。窓枠にできたサビが外壁に付く「もらいサビ」や、外壁の傷が劣化してできるサビもあります。
サビの発生は雨水が金属にふれて、酸化することが原因です。サビの中でも赤サビや白サビは、放置すると浸食して周りに広がっていくため、早めの対処が必要になります。サビが進行すると表面に穴があき、建物内に雨が入り込むなど、被害が大きくなるので注意しましょう。
塗装の剥がれが生じている
外壁にひび割れや傷が生じると、そこから雨水が入り込み、塗装の膜が剥がれてしまう場合があります。塗装の剥がれは、被膜の劣化が進んだ状態です。
アルミサイディングは表面が電気処理した膜で覆われており、この膜がアルミサイディングの劣化を食い止めているのです。コーティング膜が剥がれると表面がむき出しになり、傷やひび割れから劣化が進んでしまいます。放置すると剥がれの面積が大きくなる可能性もあるので、早急に対処しましょう。
塗装の剥がれの原因はさまざまなので、まずは業者に状況を確認してもらうことをおすすめします。
コーキングにひび割れが起きている
外壁同士をつなぐ部分を「コーキング」と呼びます。このコーキングはゴム状の材料が使われているため、経年劣化によって素材が硬くなり、さらに振動が加わることでひび割れが起こってしまいます。
コーキングのひび割れを放置すると、急速に劣化が進むため、早めの対策が必要です。コーキングのひび割れから雨漏りが発生し、外壁材が腐食してしまうケースもあるので注意しましょう。
コーキングの劣化が認められた場合、同時に外壁の劣化も進行している可能性があります。外壁の状態を確認した上で、状況によってはコーキングと同時に修理を依頼しましょう。
アルミサイディングを扱う際の注意点
アルミサイディングはほかの外壁材に比べて、取り扱いが難しいとされています。さらに、外壁の塗装には数十万円単位の費用がかかるため、業者選びも慎重にしなければいけません。
DIYでアルミサイディングの塗装は可能か
外壁塗装の中でもアルミサイディングへの塗装は、単にペンキを塗る作業ではありません。下処理や被膜の処理には、高度な技術が要求されます。DIYでアルミサイディングの塗装は不可能ではありませんが、相応の研磨技術や塗装技術が求められるので、素人にはおすすめできません。
ある程度の知識や技術を有する人ならば問題ないかもしれませんが、塗装に失敗して業者に頼ることになれば、無駄に時間とお金を失ってしまうことになります。基本的には業者に依頼するようにしましょう。
施工実績が豊富な業者を選ぶ
状態によっても異なりますが、アルミサイディングの塗装には、サビ取りや剥がれた膜の修復、汚れの撤去など、丁寧な下地処理が求められます。高い専門性と技術、知識が必要なので、できるだけ実績が豊富な業者を選ぶことが大事です。
特に外壁の中でも、セメントを板状にした窯業サイディングは、工法や使用する道具が異なります。業者の施工実績をよく確認して、信頼できる業者を選ばなければいけません。評判のよい業者は塗装後のアフターケアも相談がしやすく、安心して仕事を任せられます。
複数の業者から見積もりを取る
アルミサイディングの塗装にかかる費用は業者によって異なるため、見積もりは1社だけでなく、複数の業者に依頼しましょう。施工内容や費用を自分の予算と照らし合わせ、条件に合う業者を選ぶことが大切です。
ミツモアを利用すれば、複数業者の相見積もりが簡単にできます。パソコンやスマートフォンから、簡単な質問に答えるだけで、見積もりの依頼は完了です。最大5社の見積もりを取得できるため、十分に比較検討して業者を選べます。
アルミサイディングの塗装をプロに依頼しよう!
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