犬や猫などのペットを飼っているご家庭だと、外壁塗装の際に何か悪影響が出てしまわないか心配ですよね。
この記事では、外壁塗装時に注意したいペットへの影響をまとめました。また具体的な対策も紹介しているので確認してみてください。
外壁塗装でペットに悪影響や健康被害が及ぶ原因3つ
外壁塗装を行う際にペットへの影響が懸念される点としては3つあります。
- 塗料の臭いや成分
- 作業中の音
- エアコンが使えなくなり室温管理ができない可能性
具体例を挙げながら解説していきたいと思います。
①塗料の臭いや成分による悪影響・健康被害
やはり外壁塗装に使用する塗料は、ペットに悪影響を与えてしまうことがあります。以下の3点に注意しましょう。
- シンナーによる刺激臭
- VOCによる健康被害
- 塗りたての塗料をなめることによる健康被害
①-1:シンナーによる刺激臭
まず塗料に含まれる「シンナー」の発する刺激臭が、ペットに悪影響を及ぼすことがあります。
シンナーとは塗料を希釈させる(薄める)ための物質のこと。塗料はもともと粘度が高く、そのまま壁に塗ることは難しいでしょう。そこで適切な粘度になるまで薄める必要があり、この時にシンナーが使われることもあるのです。
①-2:VOCによる健康被害
またシンナーに含まれるVOC(揮発性有機化合物)という物質がペットの健康被害につながることも。これは「シックハウス症候群」や「光化学スモッグ」などの原因とされている物質です。塗料が乾くにつれてシンナーを構成しているVOCが揮発し、人体やペットに以下のような悪影響を与えてしまうことがあるのです。
- フラフラする
- 目がチカチカする
- 鼻水
- のどの乾燥
- 吐き気
- 頭痛
- 湿疹
- など
大気中に揮発した有害な成分を吸い込んでも、体の大きな人間であればすぐに異常が起きることはないでしょう。しかし体の小さなペットの場合は大きな影響が出る可能性もあります。子犬やインコのような小さな動物は特に気にかけてあげる必要があるでしょう。
ただし全ての塗料にシンナーが含まれる(刺激臭やVOCを発する)わけではありません。そもそも外壁塗装に使用される塗料は、大きく分けて水性と溶剤系の2種類があります。その中でも水性塗料は臭いやVOCが少ないのです。
希釈に使うもの | 臭いやVOC | |
水性塗料 | 水 | 少ない |
溶剤系塗料 | シンナーなどの有機溶剤 | 多い |
水性塗料であれば臭いが少なく、成分上は比較的安心です。そもそも水性塗料は溶剤系塗料に含まれるシンナーなどの成分が環境的に問題となってきたため、代わりに使われるようになりました。つまり健康や環境に優しい塗料といえるのです。
外壁塗装の際にペットへの影響が気になる方は、なるべく水性塗料を使うようにするのがおすすめですよ。
ちなみに溶剤系塗料の中にも強溶剤と弱溶剤という2種類が存在します。このうち外壁塗装で使用されるのは弱溶剤です。名前に「弱」と書いてありますが、含まれている成分は体に良いものではないので注意してくださいね。
①-3:塗りたての塗料をなめることによる健康被害
仮に水性塗料を使っていたとしても、塗りたての塗料をペットがなめたり触ったりしないように気をつける必要があります。
もし以上のようなことが原因でペットの具合が悪くなってしまった場合は、すぐに獣医師に見てもらうようにしましょう。
②作業中の音によるストレス
外壁塗装工事の最中は大きな音が出る場面がいくつかあります。人間でも騒音に敏感な人であればストレスがたまりますよね。聴覚の鋭いペットにとっては大きなストレスの要因となるでしょう。
具体的に音が発生するのは下記のような作業です。
足場の設置・解体時 | 足場を固定する金属パーツをハンマーで打ち込んだり外したりする音が、キンキンと響くことがある |
外壁の高圧洗浄時 | 塗装前の高圧洗浄作業には、主にエンジン式の高圧洗浄機が使用されることが多く、稼働中にかなり大きな音が出る |
下地処理作業時 | 鉄部の下地調整やモルタル外壁の補修を行う際、下地を削るためにディスクグラインダーというかなり音の大きい電動工具を使うことがある |
職人の発する音 | 鉄製の足場を歩く時のカンカンといった音や、職人に指示を出す際の大きな声が、敏感な動物にはストレスになる可能性もある |
③エアコンが使えなくなり室温管理ができない可能性
基本的に外壁塗装中は、窓やエアコンの室外機に至るまで塗料が飛ばないようマスカーと呼ばれるビニールで養生を行います。そのため現場の状況にもよりますが、室外機を完全に覆った場合エアコンを使用できなくなってしまうことも。
エアコンが使えないと特に真夏や真冬は室温の調節が難しくなるので、ペットに悪影響が出ることもあります。
外壁塗装の契約前に出来るペットへの影響を抑える対策
大前提として施工業者には「ペットを飼っているからそれに配慮した施工をしてほしい」と伝えましょう。
それを踏まえて外壁塗装の影響をなるべく少なくするためには、以下のような対策を取る必要があります。
①塗料の臭いやVOC対策 | ・水性塗料を使う
・VOCを考慮した塗料を使う |
②騒音対策 | 騒音が出るタイミングで外に連れ出す |
③エアコンが使えない問題の対策 | ・エアコンを使えるタイプの養生をしてもらう
・ペット用の室温調節グッズを使う |
④ペットが塗料をなめてしまう問題の対策 | 室外で飼っているペットも、なるべく室内に入れるようにする |
①塗料の臭いやVOC対策
見積もり段階で水性塗料を使って塗装するよう施工業者に依頼しましょう。水性塗料は溶剤系塗料のようにシンナーを使った希釈を行いません。そのため刺激臭や有害な成分の飛散は少ないでしょう。
ただし水性塗料はあくまで「溶剤系塗料と比べて有害な物質(シンナーやVOC)を含んでいない」というだけなので、過信をしすぎてはいけません。塗装業者や普段利用している動物病院などにも相談し、もし何か対策を提案されたらそれを参考にするのも良いでしょう。
ちなみに外壁塗装には基本的に下塗り・中塗り・上塗りと3回の塗装工程があります。臭いが一番出るタイミングがこの塗装工程。3回分全てを塗り終えるまでに2~3日程度かかるのが一般的です。さらにその後も塗料の臭いが残るので、水性塗料を使っても数日間は臭いを感じやすくなることを覚えておきましょう。
その間にペットの体調が悪くなったりいつもと違う様子になったりするようであれば、ペットホテルを利用するのも良いかもしれません。
VOCに考慮された塗料を選ぶのも良い
また水性系塗料以外にも塗料選びのポイントはあります。それは「F☆☆☆☆(エフ・フォースター)」の表示がある塗料を選択することです。
これはシックハウス症候群等の原因となるVOCの一種(ホルムアルデヒド)の放散率を示すものです。星は最大4つで、星の数が多いほどホルムアルデヒドの放散率が低いことを示しています。
つまり水性塗料かつ「F☆☆☆☆」の表示がある塗料を選べば、VOCによる影響をより抑えられるということですね。
本来「F☆☆☆☆(エフ・フォースター)」は室内で使う建材の安全性の評価に使われる指標です。外壁塗装は室外なのでそこまで大きな影響はないかもしれません。しかしペットのことを考えれば、より安全であることは間違いないでしょう。
大手塗料メーカーの主力商品は、多くがこのF☆☆☆☆の認定を受けています。マイナーなメーカーの塗料はなるべく避け、業者が使用する予定の塗料をしっかり確認しておきましょう。
ちなみにネット上には「VOCフリー・低濃度VOCの塗料を使用するのがペットに良い」と解説している記事もいくつか見受けられます。確かに有害成分であるVOCが入っていない塗料であれば、ペットにとって安心です。
しかしVOCの放出を抑えることをうたい文句にした塗料は、ほとんどが内装用であり外壁への使用は推奨されていません。外壁用とされているものもありますが、使用されている樹脂のグレードが低く、メーカー側も「耐久性を求めるのであれば外壁専用塗料の使用を推奨します」と説明していることも。
あまりにペットを優先しすぎた塗料選びをしてしまうと、本末転倒になる可能性もあることを覚えておきましょう。
②騒音対策
施工業者は作業前に必ず工程表を作成して提出してくれます。事前に音の出る作業がある日をピックアップしてもらい、その日だけ日中散歩に出かけたり、知人の家に預けたりといった対策を取るのも良いですね。そうすればペットへのストレスを軽減できるでしょう。
雨などの影響で作業日程がずれることもあるので注意してくださいね。
③エアコンが使えなくなる問題の対策
真夏や真冬は特に懸念材料となるエアコン問題。塗装を行うと最低でも数日間は、エアコンを使用できなくなる可能性があります。
一番良いのは「養生の一部に穴を開ける」「室外機専用のメッシュつき専用カバーで覆う」といった方法で、エアコンを使用できる状態にすること。ただし専用カバーは使用されるタイミングが限定的なので、対応している業者が多いとはいえません。事前の問い合わせや相談時に「ペットの体温調節について考慮してもらえないか」と聞いてみて、対応してくれる業者を選ぶのが良いでしょう。
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- ハウスメーカーなどではなく施工店に直接依頼できるため、通常よりも安く依頼できることが多い
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どうしても以上のような方法で外壁塗装ができない場合は、ペットの体温調節用グッズを使うことも検討してみてください。例えば冷暖マットや保冷剤を入れて中を冷やせるペットハウス等が販売されています。
普段利用している動物病院などがあれば、そこに相談してみるのも良いでしょう。
「知らないうちにエアコンが使用できなくなっていた」となることは絶対に避けなくてはいけません。エアコンが使用不可になるタイミングを事前の打ち合わせの時点でしっかりと把握し、準備しておくことも大切です。
④ペットが塗料をなめてしまう問題の対策
室外で飼っているペットは作業完了まで極力、室内に入れるか別の場所で預かってもらうようにしましょう。
外に出さないというのは室内で飼っているペットも例外ではありません。例えばネコなどが作業中に誤って外に出てしまった場合、足場をひょいひょいと登り高所から降りられなくなる可能性もあります。
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