蜂の巣は、家屋の軒下、屋根裏、床裏、壁の隙間などに作られてしまうことがあります。巣が一度作られてしまうと、働き蜂が飛び交ってしまうので、危険な状況に。
この記事では、蜂の巣を予防対策するのに適した時期・場所・方法などを解説していきます。
蜂の巣を予防するベストな時期は?
蜂の巣対策は、営巣が始まる前の4~5月の春先に行うのが良いでしょう。7~12月は越冬準備で蜂たちが攻撃的になるので避けてください。
蜂の巣対策に効果的な方法は?
蜂の巣を予防する殺虫スプレーを事前に散布する方法があります。予防効果が高いうえに、手軽にできるのが魅力です。他には木酢液を散布する方法や、捕虫器で女王蜂を捕まえる方法などがあります。記事ではそれぞれの方法について詳しく解説しています。
蜂の巣を作らせない対策6選
蜂の巣の予防方法として、以下の6つがあります。ここではそれぞれのメリット、デメリットや具体的な使用方法を解説します。
方法①:殺虫スプレーを散布する
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殺虫スプレーの中には殺虫効果のみならず、予防効果もある製品があります。それらのスプレーを巣が作られやすい場所に吹きかけておきましょう。1箇所あたり5~10秒間、しっかり吹きかけると良いです。
殺虫スプレーの効果持続時間は2週間~1ヵ月。もし危険な蜂が侵入してきたときには、殺虫剤としても使用できるので一石二鳥です。
ただし、屋外で使い過ぎると植物に悪影響を与える可能性があるので要注意。植物を育てている場合は木酢液がおすすめです。
関連記事:蜂駆除スプレーは噴射力や成分で選ぼう!使用時の注意点もチェック|ミツモア |
方法②:蜂が嫌いなニオイである「木酢液」を使う
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「木酢液(もくさくえき)」とは、ブナやカシなどの木炭を焼いて発生した煙を冷却し、液化させたものです。土壌に散布することで、植物の生育に効果を発揮します。
木酢液は植物が燃えるような独特の臭いがあり、蜂はこの臭いを避ける習性があります。ただし殺虫効果はないため、蜂に直接吹きかけても効果はありません。
使用方法は簡単で、製品が指定している濃度まで木酢液を希釈し、スプレー容器などに入れて散布するだけです。薄めた木酢液をペットボトルに入れて巣が作られやすい場所に吊るしておく方法もあります。
ただしベランダなどに使用すると、洗濯物に臭いが移ってしまうことも。また木酢液のニオイが苦手な人も多いので、まずは自分に向いている方法かどうか確かめてみる必要があります。
方法③:水をまく
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蜂は乾いた場所に巣を作る傾向があるので、水をまくだけでも効果があります。ただし頻度が高いと木材が腐ってしまうリスクがあるうえに、すぐ乾いてしまうというデメリットもあります。
他の方法を実行するまでの応急処置としてはおすすめですが、中長期的な対策は別の方法をとりましょう。
方法④:蜂用の捕虫器で女王蜂を捕まえる
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日中の気温が15℃以上になる4月頃は、女王蜂が単独で巣作りをすることが多いです。そのためこの時期に女王蜂を捕らえると、結果的に巣作りを防止できるのです。
女王蜂をとらえるために、捕虫器を使いましょう。蜂が好むニオイで誘引し、容器の中で殺虫するという仕組みです。
なるべく庭木などの緑の近くに設置するのが効果的。製品によって異なりますが、およそ30日間ほどで有効期限が切れるので、交換するのを忘れないようにしましょう。
また捕虫器の近くで殺虫剤や木酢液を使用していると、誘引剤の効果が弱まってしまうので、使用場所や併用には注意しましょう。
捕虫器を自作する手順は以下の通りです。
捕虫器の作り方 |
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うまくいけば、誘引剤に引き寄せられた女王蜂がペットボトルのなかに落ちて捕獲できます。
捕獲されて弱った蜂でも、毒針を刺すことがあるので注意しましょう。また死んでいるように見えても、肉体の反射で針を刺すこともあります。
方法⑤:ダミーの巣を設置する
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蜂の巣が作られやすい場所に、新聞紙などで作ったダミーの巣を設置する方法があります。営巣にやって来た蜂が「先客がいる」と勘違いして、予防することができると言われています。
ただし現状では、「蜂が勘違いして巣作りを避ける」という説に科学的根拠はありません。あくまで「実際に試した人たちが効果的だと感じている方法」だと認識しましょう。
確実な根拠にもとづいて蜂の巣を予防したいなら、蜂駆除スプレーや木酢液などを使いましょう。
まず新聞紙を何枚か重ねて丸め、バスケットボールくらいの大きさにします。新聞紙がなければチラシやコピー用紙などで代用してもOKです。
丸めた新聞紙をさらに下から上を絞るよう重ね、ひもで縛りましょう。
最後にこのダミーの巣を、2~3mほどの高さの木の枝や、軒下などにつるして完成です。ベランダや物干しざおに吊るすのもよいでしょう。
方法⑥:床下や換気口、室外機などを物理的にブロックする
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床下や換気口、室外機にフィルターや防虫ネットを設置して、蜂の侵入を物理的にブロックしましょう。
網目がなるべく細かい製品を選ぶのがポイントです。蜂のサイズを考えると、最低でも1cm以下の網目が望ましいです。ただし引火のリスクがあるので、給湯器に防虫ネットを使うのは避けてください。
室外機の場合は専用カバーがおすすめです。上画像の製品のように、遮熱効果が付属しているものを選べば、冷房機能を効率化するはたらきもあります。
蜂の巣を作られやすい場所とそれぞれに適した対策
蜂が好む環境、巣を作りやすい場所をまとめてみました。それぞれの場所にどの対策が適しているかも紹介します。
特徴 | 具体的な場所 |
雨風の影響を受けない場所 | 軒下、ウッドデッキ、屋根裏など |
閉鎖的な空間 | 給湯器、エアコンの室外機 |
栄養が豊富な場所 | 植え込み、土の中、庭木 |
雨風の影響を受けない場所
スズメバチやミツバチは、雨風の影響を受けない場所を好みます。特に注意しなければならないのが、軒下、ウッドデッキ、屋根裏などです。
ウッドデッキの場合、食べ残しにも注意が必要です。庭でバーベキューなどをして食べ残しや飲み残しを放置していると、蜂がニオイをかぎつけて寄り付く可能性があります。
屋根裏に巣を作られると、蜜やフンが木材に深刻なダメージを与えることも。蜂に巣を作られないよう、対策が必要な場所です。
軒下 | |
ウッドデッキ | |
屋根裏 |
閉鎖的な空間
蜂は天敵から身を守るため、閉鎖的な空間を好みます。特に、屋外にある給湯器のカバーの内側は雨風も入りにくいので、いつの間にか巣を作っている場合もあるでしょう。
室外機の中も注意が必要です。春はエアコンの使用頻度が低く、室外機のファンが回らないため、蜂が入り込んで巣を作る場合があるのです。
給湯器もエアコンの室外機も、なかに蜂の巣がある状態で起動したら、故障の原因になります。蜂の巣は燃えやすい素材でできており、火災など危険な状態を引き起こすため、巣を発見したら駆除するまで機器を動かさないようにしましょう。
対策としては、「床下や換気口、室外機などを物理的にブロックする」という方法があります。
関連記事:室外機に蜂の巣を見つけたらどうする?安全な対処法と予防法を解説|ミツモア |
栄養が豊富な場所
巣の中には成虫や幼虫が沢山いるので、植え込みや土の中、木の根元など、栄養が豊富な場所も好みます。
植え込みや木の近くは、蜂のエサとなる小さな昆虫や、蜜が取れる花が多いので営巣に注意しましょう。目視でもいいので、小まめに確認するのが大切です。
庭木がある場合は、枝などの高所だけでなく、幹の穴や根本の土を確認しましょう。とくにオオスズメバチなどは、これらの場所に巣を作りやすいのです。
このような場所では「捕虫器で女王蜂を捕まえる」という対策がおすすめです。
蜂の巣対策は4~5月に行うのがベスト
蜂の巣が作られるのを防ぐための対策は、4~5月頃の春先に行うのがベストです。日本で家屋に巣を作ることが多い「スズメバチ」「アシナガバチ」「ミツバチ」などはいずれも、4~5月頃から営巣を始めるからです。
巣が作られ始めた初期であれば、女王が1匹だけで巣作りしていることが多く、巣のサイズも小規模です。
逆に7月~12月になると、働き蜂の数がどんどん増えていき、巣も巨大になっていきます。エサが少なくなりはじめる秋ごろや冬前には、蜂たちの攻撃性も高くなるため注意しましょう。
予防効果を高めるひと手間
予防効果を高めるためには、以下の3点が重要です。
予防効果を高めるポイント |
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定期的に見回りをし、対策の効果が持続しているか、ネットが破れていないかなどを確認しましょう。
また使っていない物に巣を作られないよう、定期的に掃除をして要らないものを捨てるのも重要です。庭木の剪定は蜂の巣の早期発見に役立ちますよ。
家の周りを飛び回る蜂への対応
家の周りを蜂が飛び回っていると怖いですよね。蜂に刺されないためには、以下の点に気を付けてください。
蜂に刺されないためには |
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大きな声や激しい動きは、蜂を刺激してしまい刺される可能性を上げてしまいます。家の周りに蜂がいたら、刺激しないよう注意しましょう。
また蜂は黒いものやフローラルな香りに反応します。蜂を寄せ付けないために、柔軟剤選びや洗濯物の干し方が重要です。
巣を作ろうとしている蜂はどうする?
4~5月頃に家の周りを1匹で飛び回っている蜂は、巣を作る場所を探している女王蜂の可能性があります。そのまま巣を作られてしまうのは防ぎたいですよね。
女王蜂は比較的おだやかとはいえ、こちらから攻撃を加えると反撃してくる可能性があります。相手が1匹でも、普段着のままスプレーなどで駆除しようとするのはおすすめしません。
離れていったタイミングを見計らって、玄関先や軒下など巣を作られやすい場所に殺虫スプレーをまいたり、捕虫器を仕掛けておいたりするとよいでしょう。
詳しい方法は以下のリンクをご覧ください。
ただしすでに巣が作られ始めている場合や、少しでも不安を感じる場合は、無理せず業者に依頼することをおすすめします。
【蜂の種類別】巣の見た目の特徴
巣が作られやすい蜂の種類を大別すると「スズメバチ」「アシナガバチ」「ミツバチ」に分けられます。それぞれの巣の特徴と、駆除の難易度を把握しておきましょう。
関連記事:蜂の巣の種類と見分け方!形状をみて一目で危険性を判断できます | ミツモア |
スズメバチ
「スズメバチ科」のなかには「スズメバチ亜科」や「アシナガバチ亜科」なども含まれていて、「スズメバチ亜科」だけでも17種が日本で確認されているのです。
そして蜂の種類によって、巣が出来る場所は違います。最強と言われる「オオスズメバチ」は閉所に巣を作り、「コガタスズメバチ」などは軒下などの開けた場所に巣を作ります。
巣の見た目はどの種類も似ていて、初期はとっくりのような形、中期~後期はまん丸な形が特徴。また黄色から茶色のような色合いで、マーブル模様になっているのが「スズメバチ」の巣です。
巣の駆除費用は、オオスズメバチであれば25,000~50,000円ほど、その他のスズメバチなら10,000円~です。
関連記事:スズメバチの種類を知りたい!見分け方と危険性、駆除方法もチェック | ミツモア |
アシナガバチ
アシナガバチは「スズメバチ科」のなかの「アシナガバチ亜科」に属する虫の総称です。
スズメバチほど攻撃性はありませんが、毒針を持っているので注意が必要。庭木や軒下などに巣を作るので、庭の手入れや家の出入りなどのときに、気付かずにアシナガバチに近づいてしまうこともあります。
アシナガバチの巣は、育房とよばれる巣穴がむき出しになっていて、お椀をひっくり返したような形が特徴です。比較的、駆除の難易度が低いので、業者に依頼するときの費用は安めです。
関連記事:アシナガバチの巣への対処方法!ハチの生態や被害が増える時期も解説 | ミツモア |
ミツバチ
ミツバチは比較的おとなしい性格で、こちらから手を出さなければ刺してくることはありません。しかし巣が作られると厄介です。
ミツバチの巣は、巣穴がびっしり並んでいて、個体数が多いのが特徴。またハチミツがぎっしり詰まっているので、巣に重みがあり、ベタベタです。
そのため駆除の難易度が高いのが特徴です。業者依頼にかかる費用もスズメバチとさほど変わらない10,000~50,000円ほど。
またミツバチは、オオスズメバチなどに捕食されることがあります。ミツバチの巣を放置すると、スズメバチが寄ってきてしまうという二次被害もあるのです。
家の中に巣が作られた時には、ハチミツで木材をダメにしてしまうなどの被害もあります。
関連記事:ミツバチの巣は駆除した方がよい?起こり得る被害と対処法を紹介 | ミツモア |
蜂の巣ができてしまったときの対処法
蜂の巣駆除の専門業者に依頼
蜂の巣が小さい場合でも、駆除は業者に依頼した方が良いです。自分で用具を準備する必要がないうえ、刺されるリスクを最小限にできるからです。また蜂の巣が10cm以下だと、追加料金がかからないので安く駆除できます。
10cm以上の蜂の巣は、必ず専門業者に駆除を依頼しましょう。自分で駆除するのが危険だからです。現地調査が必要な場合もあるので、早めに連絡しておくと安心です。
蜂の巣の駆除は蜂の種類によって基本料金が決まっています。巣の大きさ、場所、数によって追加料金が加算されるという仕組みです。費用相場は以下の通りです。
ミツバチ | 10,000円~ |
アシナガバチ | 6,000円~ |
スズメバチ | 10,000円~ |
オオスズメバチ | 20,000円~ |
なかなか高額ではありますが、身の安全には変えられません。しっかり駆除してもらって、二度と巣を作られないように予防対策を徹底しましょう。
ちなみに、自治体によっては蜂の巣駆除を無料でおこなったり、補助金を支給したりする制度もあります。まずは地域の自治体に問い合わせておくと、お得に蜂の巣駆除ができるかもしれません。
関連記事:蜂の巣駆除にかかる料金はどのくらい?費用相場や、安く済ませるポイント | ミツモア |
巣が小さいうちは自力で駆除も可能
蜂の巣駆除は専門業者に依頼した方が安心ですが、10cm未満の小さい蜂の巣なら、殺虫スプレーや捕虫器を使って自分でも駆除できます。
ただし巣が10cmを超えるか、蜂の数が4~5匹では済まないときには、自分で駆除せずに専門業者に依頼しましょう。
自力で駆除する場合は必ず防護服や軍手、長靴などを着用しましょう。防護服の貸し出しをしている自治体もあるので、問い合わせてみると費用を抑えられます。また防護服の上から、分厚いジャンパーやスキーウェアなどでガードすると、より安心です。
殺虫スプレーでの駆除は、巣から1~2mほど離れた位置からスプレーを20~30秒ほど噴射します。
蜂が弱って下に落ちるまで、しっかりと当て続けてください。噴射を終えて巣に蜂がいないことを確認したら、ハサミで巣を切り落としてゴミ袋に入れて処理しましょう。
巣を除去した後にも、もう一度スプレーを散布することで予防効果が高まります。
関連記事:蜂駆除スプレーは噴射力や成分で選ぼう!使用時の注意点もチェック|ミツモア |
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