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アシナガバチの巣への対処方法!ハチの生態や被害が増える時期も解説

最終更新日: 2022年04月28日

自宅にアシナガバチの巣ができていたら、対処に困りますよね。

「アシナガバチってそもそも危険?」「巣は放置してもいい?」

このような疑問を持っている方に、アシナガバチの基本情報や巣の対処法などを詳しく紹介していきます。

アシナガバチの巣は放置しても大丈夫?

アシナガバチはあまり攻撃性が高くないので、普段通らない場所にできた巣は積極的に駆除しなくても大丈夫です。ただし家の周りを蜂が常に飛び回っている状態のときは駆除をおすすめします。

アシナガバチの巣を予防するには?

予防効果のある駆除スプレーを、蜂の巣ができやすい軒下やベランダなどに噴射しておくとよいです。換気扇フードや通気口にカバーをかぶせておくのも1つの手段でしょう。

アシナガバチの生態と巣の特徴、危険性

アシナガバチ 巣

アシナガバチは、私たちの周りに身近に存在している蜂の一種です。

一見おとなしそうに見えるアシナガバチですが、何気ない場所に生息し危険な毒針を持っているため油断は禁物。

生態
  • おとなしい性格
  • 足を下げて体を揺らしながら飛行
  • 危険な毒針を持っている
  • ハスの実のような丸い形
  • どこにでも作られる
危険性
  • 危険な毒針を持っている
  • 刺されると強烈な痛みがある

以下でアシナガバチの生態や巣の特徴、巣作りの時期、危険性について詳しく解説します。

アシナガバチの生態

アシナガバチは体長1.2〜2.6cmくらいの蜂で、おとなしい性格をしています。間にとって身近な場所で、足をだらんと下げて揺れながら飛行するのが大きな特徴です。

巣を攻撃したり、直に触れたりといった行為をしない限りは、人間に危害を加えることはありません。

アシナガバチは基本的に肉食です。農作物や植物に繁殖する芋虫・毛虫を捕食してくれるので、人間にとっては益虫ともいえます。花の蜜を吸うこともあります。

日本でよく見かけるアシナガバチは11種と言われています。具体的には「セグロアシナガバチ」「キアシナガバチ」「フタモンアシナガバチ」「コアシナガバチ」などが存在します。

関連記事:アシナガバチの種類と特徴を解説。遭遇した場合の対処法も紹介|ミツモア

アシナガバチの針は危険!

アシナガバチ

アシナガバチの針の毒性はスズメバチよりも弱いとはいえ、刺されて平気というわけではありません。アシナガバチの毒とスズメバチの毒には共通する成分が多く含まれており、危険性も高いのです。

刺されてしまった場合は、毒針による猛烈な痛みを伴います。スズメバチに刺されたときと同じくらいの痛みを感じることも珍しくありません。また体質によってはアナフィラキシーショックが起こる可能性がある点も、スズメバチの持つ危険性と似ています。

いくらおとなしい蜂だからとはいえ、刺激して攻撃されれば危険なことには変わりはありません。十分な注意が必要です。

アシナガバチの巣の特徴

アシナガバチの巣の特徴と、スズメバチの巣の違いを解説します。

アシナガバチの巣

アシナガバチ 巣

スズメバチの巣

スズメバチ 巣

逆さまのシャワーヘッド 丸い
巣穴 たくさん ひとつ

アシナガバチの巣の形状は、まるでシャワーヘッドを逆さまにひっくり返したような、ハスの実のような形をしています。

外に向けて複数の穴が露出しており、六角形の巣穴が見えるのも特徴です。

基本的に巣は露出しています。そのため薬剤をまきやすく、巣の駆除は比較的容易といえるでしょう。

アシナガバチとそっくりな虫にスズメバチがいますが、巣の形によって見分けることができます。スズメバチの巣は丸みを帯びていて巣穴は1つしかないのが特徴です。

関連記事:

蜂の巣の種類と見分け方!形状をみて一目で危険性を判断 | ミツモア

アシナガバチやスズメバチの違い・見分け方を解説!危険性や巣の違いは?

人の生活圏に巣を作る!

新築住宅がある町

「生活圏にいなければ大丈夫だろう」と思うかもしれませんが、残念ながらアシナガバチは人の生活圏で巣を作る蜂です。場所を選ばずどこでも営巣する点が、スズメバチやミツバチと異なります。そのため何気ないところで見かける可能性が高いでしょう。

アシナガバチが巣を作る場所は、主に公園や市街地です。雨風や日光を防ぐため、狭くて暗い隙間や乾燥した場所に好んで巣を作ります。そのためアシナガバチの巣は見つけるのが難しいです。

具体的には以下の場所が挙げられます。

  • 家の軒下
  • ベランダの柵
  • 屋根裏
  • 壁の断熱材の隙間
  • 物置の中
  • 室外機の隙間
  • 庭に植えられた木の中
  • 置きっぱなしのプランターの中

このことからも、アシナガバチにとって人の生活圏は出没スポットといえます。環境次第では、毎年同じ場所へ巣を作りにやってくることもあります。

アシナガバチの巣作りの時期はいつ?

アシナガバチの巣

アシナガバチの巣作りは、4〜5月からスタートします。初めは女王蜂だけで活動しており、その時期はあまり攻撃性が強くありません。その後しだいに増え始めた働き蜂がさらに巣を大きくしていき、徐々に活動的になります。

活発に活動している6〜9月は、被害報告も多くなる傾向があります。ちょうど梅雨から初秋にあたるこの時期は、防衛本能が強く出る時期です。幼虫が増えて働き蜂も活発に活動しており、巣や食料を守るために警戒心が強くなります。むやみに近づくのは避けましょう。

洗濯物を取り込む際や庭掃除、水撒きなどの何気ない行動を、蜂が攻撃だと勘違いして刺してくる可能性もあります。6月〜9月のアシナガバチには、一層の注意が必要です。

交尾が終わると11月頃から越冬に入ります。巣は1年限りで、翌年に再び利用されることはありません。

アシナガバチの巣は駆除した方がいい?

アシナガバチの巣

アシナガバチは比較的おとなしいものの、場合によっては危険です。自宅に巣を作られたら、どのような対処をすればよいのでしょうか。

関連記事:蜂の巣の駆除はどうする?自分で安全に駆除する手順!業者に頼むかの判断方法も|ミツモア

巣を駆除すべきかどうかの判断基準

以下の条件に当てはまる場合は、アシナガバチの巣を駆除する必要性は低いです。

  • 生活に支障のない場所
  • 人がほとんど近づかない場所
  • 開け閉めしない窓やベランダ
  • 隣家と近接していない2階の軒下

アシナガバチは攻撃性がそれほど高くなくおとなしいため、自力でアシナガバチの巣を駆除する人も多いです。

しかし、むやみにアシナガバチの巣を駆除するのはおすすめできません。アシナガバチは益虫としての側面もあります。畑の厄介者でもある毛虫や蛾などを狩るので、農業や園芸にとってありがたい存在なのです。

自宅の軒下や通路、出入り口など、身の安全が脅かされるような場所でなければ、放置して様子を見るのもひとつの選択肢です。反対に生活に支障をきたす所で巣を発見した場合は、なるべく早く駆除するのがベターです。

放置するときに注意しておくべきこと

アシナガバチ

園芸をする方にとって、植物につく害虫を食べてくれるアシナガバチは益虫です。

しかし巣を放置していると、ヒメスズメバチがやってくる可能性があります。ヒメスズメバチはアシナガバチの幼虫をエサとする蜂で、とても攻撃的な性格です。

特に8〜9月はヒスズメバチの攻撃性が強くなります。この時期には、アシナガバチの巣を放置しておかない方がいいでしょう。

駆除するなら冬が適切

もし自力で駆除するなら冬季がおすすめです。冬は寒さで働き蜂が死んでしまい、女王蜂は越冬するために暖かい場所に移動しています。冬は巣を駆除する絶好のチャンスといえるのです。

冬季以外で巣を見つけた場合は、春先の女王蜂しか活動していない時期が適しています。越冬から目覚めたばかりの女王蜂は動きが鈍いです。また巣の大きさもテニスボール大なので、比較的駆除しやすいといえるでしょう。

10cm以上を超える巣の駆除は危険

自力で駆除を行う前には、必ず巣のサイズが10cm未満であるかどうかを確認しましょう。10cm以上を超える巣を自力で駆除するのは危険です。15cm以上のサイズとなれば、巣の中に生息しているアシナガバチの個体数もそれだけ大量になります。

反対に10cmよりも小さいサイズであれば、駆除の危険性は少なく比較的カンタンに駆除することが可能です。

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自力でアシナガバチの巣を駆除するときのポイント

ポイント

アシナガバチの巣を自力で駆除するときのポイントは主に以下の5つです。できる限り安全に作業を進めていくためにも、念入りに確認しておきましょう。

  • 肌の露出した服装・黒っぽい服装で駆除しない
  • 午後21時以降が駆除のベストタイミング
  • スプレータイプの殺虫剤を使用する
  • 巣は完全に撤去する
  • 刺されたら応急処置してすぐに病院へ

肌の露出した服装・黒っぽい服装で行わない

いくら蜂がいないとはいえ、万が一のことも考えられます。完全防備を心掛けて駆除するに越したことはありません。

駆除する相手は毒針を持つ蜂なので完全防備が鉄則です。手足だけでなく首や頭、顔なども覆い、皮ふの露出を無くした状態がベスト。少しでも出ている部分があれば、隙間から狙われてしまう危険があります。

また黒っぽい服装は、アシナガバチを寄せ付ける効果があります。そのためできるだけ白か白っぽい服を選びましょう

香水や整髪料などもアシナガバチを興奮させる要因になります。駆除の前に触れるのは避けておくのが安心です。

防護服や防蜂ネットはインターネットで購入できます。事前に揃えておきましょう。

午後21時以降に駆除しよう

駆除するのに最適な時間帯は、日が落ちてからの21時以降です。アシナガバチは、暗くなると動きが鈍くなる習性があります。

反対に昼間に駆除するのは控えましょう。アシナガバチは日中、つまり朝6時から18時くらいまで活動します。アシナガバチが巣から離れている時間帯に駆除しても意味がありません。駆除した後に巣を離れていたアシナガバチが戻ってきて、攻撃されてしまうリスクがあるのです。

ただし暗くて見えにくいからといって、懐中電灯を使うのは避けましょう。蜂は光に集まる習性を持っています。アシナガバチを興奮させないためにも、静かに巣に近づいて駆除するのがコツですよ。

スプレー型の殺虫剤を使って蜂の巣を駆除

巣を駆除する上で殺虫剤は欠かせません。殺虫剤自体はさまざまなタイプがありますが、蜂の巣駆除にはスプレー型でジェット噴射ができるものを用意しましょう

ジェット噴射が可能なタイプであれば、少し巣から離れていても十分な効果が期待できます。1〜2mほどの風上から、巣に向かい20〜30秒ほど殺虫剤を吹きかけます。驚いた蜂が飛んでくることがありますが、構わず吹きかけ続けるのがポイント

そもそもアシナガバチは、殺虫剤に対して非常に弱い虫です。少し薬液が掛かっただけでも徐々に攻撃性が落ち、しまいには死んでしまいます。

関連記事:蜂駆除スプレーは噴射力や成分で選ぼう!使用時の注意点もチェック|ミツモア

巣は完全に撤去しよう

駆除した巣は放置せず、完全に撤去するのも重要なポイントです。

駆除が完了したから安心と思っていても、巣の奥にいる幼虫に殺虫剤がかかっていない可能性が考えられます。

幼虫が羽化するのを防ぐためにも、駆除が完了したらすぐに撤去しましょう。噴射が終わったら蜂が動かないことを確認して、巣をビニール袋などに落として撤去しておけば安心です。巣があった場所に重ねてスプレーをしておけば、別のアシナガバチが巣を作るのを防ぐこともできますよ。

もし刺されたらどう対処する?

場合によっては駆除をしている最中に刺されるかもしれません。もしアシナガバチに刺されてしまったのであれば、すぐに応急処置を施して病院に行きましょう

応急処置の手順

  1. 刺された場所を水で流す
  2. 刺された場所をつまんで毒を流す
  3. アレルギー用の皮ふ薬を患部に塗る
  4. 患部を冷やして毒が回るスピードを遅らす

蜂の毒は水に溶けやすい性質があるので、水に流すだけでも表皮部分の毒には有効です。

症状によって受診する病院は異なります。もし痛みやかゆみといった局所症状であれば、皮ふ科に相談します。一方で全身に吐き気やめまい、息苦しさなどの症状が出ている場合は、内科受診が望ましいです。子どもが刺されてしまったのであれば、小児科で診てもらいましょう。

【巣の場所が見つからなかったら】捕獲器を活用しよう

 暗くて狭い場所に巣を作るアシナガバチは、飛んでいる姿は見つけやすいものの、巣は見つけづらいことが多いです。

そんなときは、アシナガバチがよく出没する場所に「蜂用捕獲機」を吊るしておくと便利。蜂を誘引する成分が含まれており、蜂が付着したら即座に駆除することができます。「巣の場所が分からないけど早く蜂を駆除したい」という方は取り入れてみることをおすすめします。

アシナガバチの巣を予防しよう

アシナガバチの巣

アシナガバチの営巣を予防することができたら、巣の駆除を行う必要もありません。

アシナガバチの巣作りを予防するには、以下の3つのポイントを押さえましょう。

  • 予防に適した時期は3月末〜4月初旬
  • 駆除スプレーが予防に効果的
  • 通気口やフードには予防ネットをかけておく
関連記事:蜂の巣を予防対策すべき時期と方法を解説!巣を作り始めるタイミングでの対処が肝心|ミツモア

3月末〜4月初旬にかけて予防しよう

アシナガバチの巣作りの予防措置は、3月末〜4月初旬にかけて講じましょう。アシナガバチの営巣は4〜5月にかけて行われます。特に女王蜂は4月に活動を開始するので、活動が活発化する前に予防しておくのがベターです。

駆除スプレーを利用して予防しよう

比較的効果の長い駆除スプレー、もしくは木酢液を用います。

アシナガバチが好んで営巣を行いそうな場所に、駆除スプレーを前もって散布しておくだけで効果が期待できます。駆除スプレーの中でも「蜂の巣予防」をうたっているものを利用するとなおよしです。

木酢液は、その独特のにおいが蜂に効果的です。入手しやすく害も少ないので安全に使用することができます。ただし人間にとっても嫌なにおいを放つので、人があまりいないところで使用するといいでしょう。

通気口やフードには予防ネットをかけておこう

前もって侵入予防ネットをかけておくだけでも巣の予防に効果的です。通気口やフードからアシナガバチが侵入し、営巣される場合も見られます。

ただし高い所にある通気口やフードに網をかけるときは危険が伴います。十分に注意して作業を行うように心がけましょう。

巣を見かけたらすぐに対処しよう

殺虫剤

アシナガバチの基本情報や巣を見つけた場合の対処法を紹介しました。

アシナガバチは自力で駆除しやすい蜂であるとはいえ、益虫としての側面もあります。駆除するかどうかは巣の場所や大きさを考慮して決めましょう。

またおとなしい性質ですが、時期によっては不用意に近付くことで刺されてしまう恐れがあります。危険な毒を持つ虫であるため、見つけたら最大限の注意を払って対処しましょう。

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アシナガバチは比較的攻撃性の高くない蜂とはいえ、針には有害な毒を持ち、刺されたら危険です。

自力での駆除が不安な場合や、アシナガバチが活動的な時期には、蜂の巣駆除の専門業者に依頼することも1つの手です。

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ぜひ一度、ミツモアを試してみてはいかがでしょうか。

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