家の近くにミツバチの巣があると不安ですよね。この記事ではミツバチと巣の特徴や巣がもたらす被害、巣を見つけた時の対処法について解説します。
ミツバチの巣の特徴は?
ミツバチの巣は平らな板が垂れ下がった形をしていて、六角形の巣穴はミツバチの腹部から分泌される蜜蠟(みつろう)によって作られています。巣の規模が大きくなると板の枚数が増え、場合によっては10枚以上になることもあるでしょう。
ミツバチの巣は放置してもいい?
ミツバチの巣を放置してはいけません。フンや蜜、死骸による汚染被害の恐れがあるからです。またオオスズメバチなど、より危険な害虫が集まってくる危険性もあります。
ミツバチの生態と巣の特徴
ミツバチの生態
大きさ | 15mm |
色 | 黒っぽい胴体に黄色のしま模様 |
性格 | 穏やかで、自ら攻撃することはあまりない |
1つの巣にいる数 | 小さい巣:約3,000匹 大きい巣:約50,000匹 |
活動時期 | ほぼ1年中 |
ミツバチは黒と黄色のしま模様をした丸っこい見た目をしています。花の蜜や花粉を集めて生活する「花蜂」です。
性格は人を襲うスズメバチやアシナガバチに比べてとても穏やか。ミツバチは一度針を刺すと針が抜けて死んでしまうため、巣を守るとき以外は攻撃しないと言われています。
ただし1匹のミツバチが人を刺すと、仲間のミツバチを呼ぶ刺激臭が発生するため、大群が集まってきて襲われることがあります。注意しましょう。
ミツバチの巣の見た目と特徴
ミツバチの巣は、表面に六角形の巣穴があり、平らな板が何枚も垂れ下がったような形をしています。巣の規模が大きくなると板の枚数が増え、場合によっては10枚以上になることもあるでしょう。
巣穴はミツバチの腹部から分泌される蜜蝋(みつろう)によって作られています。最初は白色ですが、だんだん黄色になります。
ミツバチの巣の構造
ミツバチの巣は、六角形をすき間なく並べた「ハニカム構造」になっています。ハニカム構造には下記のような特徴があります。
六角形をすき間なく並べたハニカム構造は、平面充填によって無駄なスペースを省いています。この構造のおかげで、働きバチの部屋を無駄なく敷き詰め、多くの部屋を作ることができるのです。
面あたりの「辺」の数が多いほど、衝撃が加わったときに力が分散され、巣へのダメージを抑えることができます。ハニカム構造は、力の分散が最適化され丈夫なため、飛行機の翼や人工衛星の壁にも活用されているのです。
ミツバチの営巣場所と探し方
ミツバチの巣は、屋根裏・換気扇フードの内側・床下・軒下などの閉鎖空間にあることが多いです。
家の周りにミツバチがたくさん飛び交うようになったら、どこかに巣ができているかもしれません。一度確認してみましょう。
ミツバチの巣が作られやすい場所を探しても見つからなかった場合は、業者に依頼しましょう。ミツバチを追いかけて巣を探す方法もありますが、刺激してしまった時に危険です。
また近くでミツバチを見かけたからといって、巣を作っているとは限りません。数匹しかみていない場合は、受粉を手伝いに来ているだけかもしれませんよ。
ミツバチの活動サイクル
ミツバチは1年を通して以下のようなサイクルで活動しています。
3月 | 働き蜂が盛んになる。女王蜂は大量の卵を産む |
4~5月 | 女王蜂が新女王蜂と雄蜂を産む |
4~6月 | 分蜂(巣分かれ)をする |
7~11月 | 越冬に向けて活発になる |
12~3月 | 女王蜂も働き蜂も越冬をする |
スズメバチやアシナガバチは冬を迎える前に働き蜂が死に、女王蜂のみが越冬しますが、ミツバチは女王蜂以外も越冬します。
越冬前後の10~11月と2~3月は、巣に貯蔵した蜜を消費して生き延びています。この時期は冬を越えて生きるために必死なので、攻撃性が高い傾向にあります。
働き蜂も一緒に越冬するので、他の蜂と比べてもかなり早い3月ごろから活動を再開するのです。
大量の蜂が群がっていたら「分蜂」かも
4~6月に大量のミツバチがかたまりになって群がっていたら、「分蜂」の最中かもしれません。
分蜂(巣分け)とは、ミツバチの引っ越しのこと。新女王蜂が誕生すると、元の女王蜂が働き蜂を半分ほど引き連れて引っ越しをするのです。
ミツバチが大量発生していて怖いと感じるでしょうが、分蜂中のミツバチはほとんど攻撃してきません。お腹いっぱいに蜜を持っているので、精神的に安定しているのです。
分蜂中のミツバチを見たら駆除せず、そっとしておきましょう。
ミツバチの巣を放置すると被害はある?
刺された時の危険性が高まる
ミツバチは人を刺すと仲間を呼ぶ刺激臭を発します。そのため巣を放置した状態で1匹に刺されると、仲間が次々と集まって来てしまい、大量に刺される危険性があるのです。
ミツバチの針は毒性も弱めですが、アナフィラキシーショックを起こすと発疹や吐き気、呼吸困難などの症状が出て、最悪の場合は死に至ります。
ミツバチに刺されたときの応急処置として、以下の4つを行い、すぐに病院へ向かいましょう。口で毒液を吸い上げるのはNGです。
ミツバチに刺されたときの応急処置 |
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フンや蜜、死骸による汚染被害
巣を放置していると、汚染被害が起きやすくなります。
ミツバチは外で飛びながらフンをする習性があります。特に「白いもの」の上で集中的に排泄しやすく、洗濯物・車・建物の壁などが被害に遭いやすいです。
また家の中に巣ができてしまうと、巣から蜂蜜が漏れて染み込んだり、ミツバチの死骸の体液が漏れたりして、天井や壁などを汚してしまうこともあります。蜂蜜が染みたまま放置していると、木材が腐って家が傷んでしまうことにもつながるのです。
オオスズメバチなどの害虫が寄ってくる可能性
ミツバチの幼虫を襲いに来たオオスズメバチの被害に遭う可能性があります。オオスズメバチはスズメバチの中でもっとも攻撃性が高く、たった10匹前後だけで数万匹のミツバチを襲うのです。
オオスズメバチは刺されたときの痛みや、毒性が強いため危険です。家にできたミツバチの巣を放置しておくことで、オオスズメバチを呼び寄せてしまう可能性があるため、早めに対処しておくのが無難と言えます。
またミツバチの蜜の匂いに誘われて、ゴキブリやアリなども集まってきやすくなります。
ミツバチの巣を見つけたときの対処法
養蜂場に引き取ってもらう
温厚な性格で、蜂蜜を作って暮らすミツバチ。殺して巣を無理やり駆除するのには抵抗があるという方もいらっしゃるかもしれません。
養蜂場がミツバチの巣を保護・回収してくれることもあります。ミツバチの巣を保護することで、蜂蜜やロイヤルゼリーの回収・養蜂に貢献できることもあるため、環境や人にとってもよい駆除方法といえます。
ただし養蜂場によっては、駆除業者に依頼するよりも手間や時間がかかることがあります。すべての養蜂場で対応してもらえるわけではないので、事前に連絡して確認することが大切です。
自治体に駆除を依頼する
自治体のなかには、ミツバチの巣の撤去を行ってくれるところもあります。対応は自治体によって異なるので、一度お住まいの地域の役所か保健所に問い合わせてみると良いでしょう。
駆除を受けていない場合でも、蜂の巣駆除の資金援助を提供している自治体や、駆除業者の紹介をしてくれる自治体があるので、1度相談してみると良いでしょう。
蜂の巣駆除の専門業者に依頼する
近くにミツバチの巣を保護してくれそうな養蜂場がなかったり、自治体が対応していない場合は、蜂の巣駆除の専門業者に依頼すると良いでしょう。
ミツバチは巣に住んでいる個体数が多いうえにハチミツが詰まっていて重いので作業が大変です。そのため蜂自体の危険度はそこまで高くなくても、費用は10,000円~とアシナガバチなどに比べて少し高いです。
詳しい費用は関連記事をご覧ください。
ちなみに、下記のような理由で、ミツバチの巣を自力で駆除するのはおすすめできません。
- 刺激すると何千、何万匹に集団で刺される危険性がある
- 巣に蜂蜜が溜まっているため重く、扱いづらい
- 巣から蜜が漏れ自分や周囲がベタベタになりやすく、後始末が大変
- 閉鎖空間に営巣するので、駆除作業がしづらい
ミツバチはスズメバチ、アシナガバチほど攻撃的ではありませんが、巣に蜜が溜まっており、狭い空間に営巣するので、巣の駆除は想像以上に難しいです。
またいくら温厚な蜂とはいえ、危害をおよぼすと攻撃されることはあります。何万匹と刺されると命にかかわることもあるので注意しましょう。
自力で駆除する
どうしても自力で駆除したい場合は、サイズが小さいうちであれば、装備をしっかりそろえて対処することも可能です。
必要なアイテムとおおまかな手順は以下の通り。
用意するもの |
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手順 |
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蜂の駆除に効果のあるスプレーは以下の記事で紹介しているので、参考にしてみてください。
ミツバチは基本的に益虫
ミツバチは害虫であると同時に、益虫でもあります。生活に影響がない場所に巣がある場合は、そっとしておきましょう。
ハチミツや蜜蠟(みつろう)の供給源
ミツバチはハチミツや蜜蝋(みつろう)、ローヤルゼリーを供給してくれます。
蜜蠟はリップクリームや石けんにも使われていて、なくてはならない存在です。ローヤルゼリーは、サプリとして販売されるほど栄養価が高いものです。
またミツバチの巣は「巣みつ」として販売されていて、食べることができます。巣みつはビタミンやミネラルが豊富で、疲労回復にも繋がります。口に残る蜜蠟は、花粉症の軽減に役立つプロポリスが含まれています。
植物の受粉を助ける
ミツバチは、植物の受粉を助けてくれます。花蜜や花粉を幼虫のエサとして集めるため飛び回ることで、花の受粉が成立するのです。そのため農家にとっては、益虫と言えるのです。
ミツバチがいなかったら、農家は手作業で受粉を行う必要があります。手作業だと時間と労力がかかり、生産量が低下してしまうためミツバチのアシストは重要なのです。
蜂の巣駆除のプロ探しはミツモアがおすすめ
ミツバチは1つの巣に住む個体数が多いうえに、巣が重いので駆除が大変です。自力で駆除せず、専門業者に依頼しましょう。
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