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仏壇の相場はいくら?種類別の費用相場と安く購入するコツを紹介

最終更新日: 2024年06月28日

仏壇の相場は素材や種類、製作工程によって変わります。購入場所によっても違いが出るため、仏壇の知識が欠かせません。仏壇の種類や価格相場から、安く抑えるコツまで、仏壇選びに欠かせないポイントを紹介します。

この記事を監修した専門家

株式会社SAKURA 代表取締役/一級葬祭ディレクター
近藤 卓司

仏壇の種類と費用相場

日本国内に流通している仏壇は主に「モダン仏壇」「唐木仏壇」「金仏壇」の3種類です。それぞれの特徴と価格相場を紹介します。

仏壇の種類 特徴 費用相場
モダン仏壇 洋風のインテリアになじむ 30万~50万円
唐木仏壇 唐木を使用した一般的な仏壇 70万~100万円
金仏壇 主に譲渡真宗の門徒が使う 100万~150万円

洋風インテリアに合う「モダン仏壇」

モダン仏壇 上置きタイプ
モダン仏壇 上置きタイプ

洋風のインテリアに合わせて考案されたのが、モダン仏壇です。仏壇には見えないほどのデザイン性があり、ウォールナットやメープル、ヒノキなど、リビングの家具となじみやすい素材で作られています。

仏壇内部もシンプルな造りが多く、唐木仏壇や金仏壇に見られるような、複雑な彫刻がないため、掃除がしやすく手入れに手間がかかりません。

材質が比較的安価なため、仏壇本体の価格も安い傾向があります。モダン仏壇の価格は30万~50万円が相場です。専用台の上に置く上置きタイプであれば、10万円前後でも購入できます。

伝統的な従来の形の「唐木仏壇」

唐木仏壇 床置きタイプ
唐木仏壇 床置きタイプ

唐木仏壇は天然木材の木目を活かして作られた仏壇です。唐木とは中国産の黒檀や紫檀、桑などの硬く重い木材のことを言います。

中国が唐と呼ばれていた時代に、輸入木材が珍重されていたことから、仏壇の素材として使われるようになりました。

唐木仏壇の価格は材質とそのグレードによって大きく変わり、彫刻が機械彫りか手彫りか、複雑さによっても異なります。相場は70万~100万円で、上置きタイプでは15万円以上が相場です。

豪華な金箔張りの金仏壇

金仏壇 床置きタイプ
金仏壇 床置きタイプ

金仏壇は表面に漆を塗り重ね、金箔を使った仏壇で、おもに浄土真宗の門徒が使うとされています。漆黒と黄金のコントラストが華やかさの中にも厳かな雰囲気を醸し出す、壮麗な仏壇です。新潟の三条仏壇や長岡仏壇、名古屋仏壇や金沢仏壇、広島仏壇など、金仏壇の生産地は各地にあります。

木地(きじし)・彫刻師・蒔絵師・仕立師など、多くの職人の手を必要とするため、価格相場は100万~150万円と高額です。本漆か代用漆か、漆を塗り重ねる回数、金箔の量が多いほど高額になります。

仏壇の購入先と注意点

打ち合わせ

仏壇の購入先には、主にインターネット・仏具店・葬儀社があります。それぞれのメリットとデメリットをまとめました。

インターネット通販で購入する場合

インターネット通販で仏壇を購入するメリットは、何といっても価格の安さです。店舗販売員の人件費やテナント料がかからない分、価格を抑えられるため、実店舗で購入するよりもコストが抑えられます。

また他社の仏壇と比較して、さらに安く良いものを見つけられるのも、大きなメリットです。

一方で仏壇に関する基礎知識が必要である点や、実際に見ることができない点が、デメリットといえます。不安な場合は仏壇に詳しいスタッフが、サポートしてくれるショップを選びましょう。

仏具店で購入する場合

仏具店で仏壇を購入するメリットは、実物を見ながら慎重に検討できる点です。専門知識のあるスタッフに直接アドバイスを受けながら、仏壇と一緒に仏具を選ぶこともできます。購入後も仏壇の買い替えや、修理などの相談ができて安心です。

ただしネット通販に比べて価格が高く、品数やバリエーションが少ない点に注意しましょう。家の近くに店舗がないと、仏壇選びに時間がかかってしまう場合もあります。

葬儀社から購入する場合

仏壇を葬儀社で購入するメリットは、葬儀や仏壇の知識がなくても安心して任せられる点です。葬儀を依頼する葬儀社と事前に打ち合わせをしておけば、葬儀の手続きはもちろん、仏壇選びもスムーズに進められます。

ショールームのある葬儀社では、実際に見て触って、品質を確かめることもできるでしょう。また葬儀社の会員制度に入会することで、割引や仏壇のメンテナンスを、格安に受けられる場合もあります。

デメリットはアイテム数や種類が限られていることや、仏壇メーカーとの仲介のため、価格に紹介料や仲介料が入っていることです。

仏壇の費用を抑えるには

電卓を持つ喪服の女性

仏壇は決して安くないため、なるべく価格を抑えたい人も多いでしょう。仏壇の費用を抑えるポイントを2つ紹介します。

インターネット通販を使う場合は、セールやクーポンを利用するのもおすすめです。

国産よりも外国産の方がリーズナブル

国産の仏壇は高品質なものが多い分、価格は高くつきます。仏壇の費用を安くするには、海外産の仏壇にも目を向けてみましょう

中でもインドネシア産の仏壇は、国産に近い品質ながら低価格で生産されています。仏壇で使用される最高級の木材である黒檀や紫檀が現地で調達でき、流通コストが抑えられるためです。

シンプルな素材とデザインを選ぶ

最高級の木材を使用している場合や、職人の手間がかかるほど価格は高くなります。費用を節約するには安価な材質で、シンプルなものを選ぶと良いでしょう

仏壇の中でも高価な金仏壇は、金箔と漆を使用しているため、材料や職人のコストがかかります。次いで高価なのは唐木仏壇で、高級天然木材を使用し、銘木の美しい木目を活かしながら、彫刻や塗装、組み立てに手仕事を必要とします。

モダン仏壇は材質よりも、デザイン性の高さとシンプルな造りに特徴があり、ほかの仏壇に比べると比較的安価です。

購入前に確認したい仏壇の大きさや置く位置

リビングにある仏壇

いざ仏壇を設置するとなった際に「置く場所がない」とならないように、仏壇のサイズ感や置く場所の確保、納品時期を確認しておく必要があります。

購入前に確認しておくべき、具体的なポイントを見ていきしょう。

仏壇の大きさ

仏壇の大きさは、台がついている床置き(台付き)タイプの場合は高さが120~170センチ、上置きタイプは高さ40~80センチが一般的です。

仏壇のサイズは、上置き仏壇の「号」、床置き仏壇の「尺」、金仏壇の「代」の3つで表示されます。ただし近頃の仏壇は形に関係なく、「号」で表示しているものが多いです。

「号」は仏壇の高さを表します。1号は1寸=約3cmで、14号であれば高さ約44cm、幅約30㎝、奥行き約25㎝です。

床置きタイプは横幅と高さでサイズを表示します。たとえば45-18号という場合は、高さ約142cm、幅約62㎝、奥行き約53㎝などです。

仏壇は、実際に扉を開閉させたときに必要なスペースも考えて決める必要があります。

仏壇を置く場所の位置や方角

仏壇は直射日光を避け、お参りしやすく落ち着ける場所に置きましょう

仏壇の向きについては「本山中心説」「西方浄土説」「東面西座説」「南面北座説」の4つの考え方があります。

本山中心説とはお参りする際に、宗派の本山に向くように仏壇を置く考え方です。真言宗は金剛峰寺に向くように置くので、本山中心説となります。

西方浄土説は浄土が西にあるとしているので、お参りするときに西に向いて拝むよう、仏壇は東向きに置く考え方です。浄土真宗や浄土宗、天台宗は、東向きに置くことが多いとされています。

東面西座説は「日が昇る東は立身出世する良い向き」ということから東向きに座り、仏壇は西向きです。南面北座説は仏壇を南向きに置き、拝む人は北向きになります。曹洞宗と臨済宗が南面北座説に該当するでしょう。

納品時期

仏壇はいつ購入しても問題ありません。ただし身内が亡くなってから、新たに仏壇を購入する場合は、納期に注意が必要です一般的には四十九日法要までに仏壇を家に迎え入れ、魂入れのための開眼供養(かいげんくよう)を行う必要があります

仏壇は受注してから生産・取り寄せするケースが多く、即日配達は原則行っていません。注文してから早くても数日、注文品では3ヶ月以上必要とする場合もあります。日取りや六曜を考えるよりも、余裕をもって前倒しに納期を決めましょう。

仏壇の納品が四十九日法要に間に合わない場合は、別途開眼供養を行います。開眼供養に関しては、菩提寺に相談してみると良いでしょう。

仏壇をじっくり選ぶなら早めの検討を

仏壇の前で手を合わせる女性

仏壇は決して安い買い物とはいえないため、慎重に選ぶ必要があります。材質や種類によって価格相場が異なります。まずは家の雰囲気や設置スペースを考えて選ぶと良いでしょう。

また購入先はいくつかあり、それぞれのメリット・デメリットを把握しておくことも大切です。納品時期も考慮しながら、納得のいく仏壇を選びましょう。

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監修者:近藤 卓司

株式会社SAKURA 代表取締役
厚生労働省認定 一級葬祭ディレクター

1964年東京都生まれ、中央大学卒。大手互助会で大型葬儀や社葬、合同葬を担当。独自の音楽葬スタイルを研究し、世に広めるため家族葬専門葬儀社を経て株式会社 SAKURAへ転職。2012年代表取締役に就任後、音楽葬プランの立ち上げ、日本のおもてなしの原点である茶道の取り入れを含め、葬儀プランをすべて見直す。これまでに3,000名以上のお葬式を手掛ける、現役の一級葬祭ディレクター。

著書・監修

  • 『わたしの葬式心得』(幻冬舎) 2016/07/01発行

コメント
仏壇は「家の中のお寺」であるとか『ご先祖の家』とも言われています。その造りは寺院の本堂を模したものです。寺院は、信仰のよりどころとしての存在意義があります。家庭に仏壇、すなわち「家の中のお寺」があることにより、ご先祖との対話の場となるのです。
仏壇の意味合いを理解する事が最も大切な事になります。仏壇は必ずしも立派なものである必要はありません。日々の暮らしの中に【心のよりどころ】となる仏壇を置いてみてはいかがでしょうか。