カーエアコンが故障すると、箇所によって異なる症状が現れます。この記事では症状別の故障部位や、修理の依頼先、修理・交換費用について紹介します。

冷房の効きが悪いときの原因と修理費用
カーエアコンの冷房の効きが悪いのは、エアコンガスかコンプレッサーが原因です。
エアコンガスに問題がある場合、ガスを追加するだけでいいケースと、ガスを追加しても改善しないケースがあります。
それぞれの原因への対処法と修理にかかる費用について解説します。
エアコンガスが不足している
カーエアコン内部にはエアコンガスが入っていて、ガスが気化と液化を繰り返して循環することで空気が冷やされます。冷房をつけていて風が出るにもかかわらず冷たくない場合は、エアコンガスの不足が原因として考えられます。
エアコンガスは密閉された空間に入っていますが、車の振動によってわずかな隙間から少しずつガスが漏れてしまうものです。
一般的には3〜4年で冷房の効きが悪くなります。
ガスが抜けているだけならパーツの故障が原因ではないので、特に修理する必要はありません。抜けた分のガスを補充するだけで、冷房が正常に機能するようになります。
抜けた分を補充するだけなら費用の相場は3,000〜5,000円です。一度ガスを全て抜いてから補充するエアコンガスクリーニングなら6,500〜8,000円です。
エアコンガスクリーニングでは故障箇所がないか点検してもらえるほか、不純物を取り除くことで冷房の効きを回復させる効果があります。
ガスの充填作業にかかる時間は30分〜1時間ほどです。
エアコンガスが漏れている
エアコンガスを補充しても冷房の性能が回復しない場合は、ガス漏れしている恐れがあります。
経年劣化によりガス管が破損したり亀裂が入ったりしてガスを密閉できなくなると、いくらガスを補充しても本来の能力は発揮されません。
ガス漏れが原因の場合には、どこが破損しているのかまずは特定することが重要です。
破損箇所を見つけたら修理を施してガスを再補充します。
ガス漏れの修理には3日〜1週間ほど必要で、かかる費用は2万〜3万円です。破損箇所によっては5万円ほどかかるケースもあります。
コンプレッサーが故障している
ガス不足やガス漏れが原因でなければ、コンプレッサーの故障が原因で冷たい風が出ない可能性が高いと考えましょう。
コンプレッサーはエアコンガスを液化するための装置です。コンプレッサーが正常に機能していれば、エアコンのスイッチを入れたときに「カチッ」という音がします。
この音が聞こえないなら、コンプレッサーの故障を疑います。ただしコンプレッサーが故障しているかどうかを自分で判断するのは困難です。カーエアコンの不調についてプロに相談し、判断してもらうといいでしょう。
コンプレッサーの修理にかかる日数は3日〜1週間ほどです。修理費用は高額で、5万〜10万円かかります。
コンプレッサーが故障している場合は、カーエアコン自体の交換も考慮に入れるといいでしょう。
暖房の効きが悪いときの原因と修理費用
暖房の効きが悪くなる原因は、冷却水の不足かサーモスタットの故障です。
暖房機能が低下する理由と修理にかかる費用について解説します。
冷却水が不足している
暖房機能が低下している一つ目の原因として、冷却水の不足が考えられるでしょう。
冷却水はラジエーター液やクーラント液とも呼ばれ、エンジンの熱を奪って冷やします。
エンジンの熱によって温められた冷却水がラジエーターを通るときに熱を放出し、車内が温められるというのが暖房の基本的な仕組みです。
暖房が正常に機能するには熱を運ぶ冷却水が十分になければいけません。
冷却水が少なくなると熱の移動効率が悪くなり、暖房効率も下がります。
冷却水が不足している場合は、冷却水を新しいものに交換することで再びエアコンから暖かい風が出るようになります。
交換には5,000円ほどかかり、作業時間は数時間程度です。
サーモスタットが故障している

暖房機能が低下する原因として多いのが、サーモスタットの故障です。サーモスタットには冷却水の温度を調節する働きがあります。
弁を使って冷却水の通り道を塞いだり広げたりして、適切なタイミングでエンジン付近に冷却水を流すことで、効率よくエンジンを冷やす仕組みです。
サーモスタットの弁を正常に開け閉めできなくなると、車内を暖めるのに十分な熱が冷却水を介して伝わらず、暖房の効きが悪くなります。
エンジンにも支障をきたす恐れがあるので、早急に修理か交換をしましょう。
サーモスタットの修理費用は10,000円ほどです。作業には3日〜1週間ほどかかるのが一般的と考えましょう。
風が出ないときの原因と修理費用
そもそもエアコンから風が出ない場合の原因について解説します。
修理する場合にかかる費用についても確認しましょう。
ファンモーターが故障している
ファンモーター(ブロアモーター)が故障していると、カーエアコンから風が出てきません。
ファンモーターはファンを回転させることで風を生み出す装置です。
ファンモーターに異常があると、エアコンをつけているときに「カラカラ」と乾いた音がするほか、ラジオにノイズが入ります。
ファンモーターは20,000〜30,000円で交換でき、作業に3日〜1週間ほどかかると考えましょう。
エアコンの風が臭いときの原因と洗浄費用
エアコンから吹き出る風が臭い場合は、パーツの故障ではなくカビや汚れが原因です。
汚れている箇所によっては自分で掃除するのは難しいでしょう。ケース別に対処方法や洗浄にかかる費用を解説します。
エアコンフィルターの汚れは自分で対処可能

エアコンフィルターは車外からホコリや塵が侵入したり、湿気が入ったりするのを防ぐ部品です。
そのためカビが発生しやすい部位といえるでしょう。フィルターに溜まったカビや汚れが原因で、エアコンをつけると風とともに異臭が車内に蔓延してしまいます。
単に車内が臭くなるだけでなく風で舞い上がったカビやホコリを吸い込むことになるため、アレルギー症状やぜんそくを引き起こす恐れもあります。
フィルターは自分で交換できる場合が多いので、体調を崩す前にフィルターを交換しましょう。
助手席のグローブボックス奥にフィルターが設置されている場合、グローブボックスを外して、フィルターを引き抜くだけで取り外し可能です。
エアコンフィルターは2,000〜5,000円で購入可能で、数分で取り替えられます。
普段から定期的にフィルターの掃除を行った上で、年に一度の頻度で新品のフィルターに交換するといいでしょう。
エバポレーターの汚れはプロに任せよう
車内の空気を冷やす際に使われる熱交換器のことを「エバポレーター」といい、助手席前にあるダッシュボードの中にあります。
エバポレーターにホコリや汚れが溜まると、異臭がするほかエバポレーターが腐食して破損し、エアコンガスが漏れてしまいます。フィルターの汚れよりも深刻な症状といえるでしょう。
エバポレーターの交換には50,000円前後かかり、非常に高額です。作業時間も3日から1週間ほどかかります。洗浄する方法もありますが、取り出して洗浄するなら100,000円を超えるケースもあります。
そのため専用のクリーナーを用いて、エバポレーターを取り出さず洗浄を行うのが一般的です。クリーナーを用いた洗浄は5,000〜10,000円ほどの費用で、30分〜1時間あれば完了します。
カーエアコンはどこで修理してもらえるのか
カーエアコンの修理・交換や洗浄にかかる費用を確認しましたが、修理・交換や洗浄はどこに依頼できるのでしょうか。
依頼先によってメリット・デメリットがあるので、自分に合った場所を選ぶことが大切です。
保証期間中ならカーディーラーで
修理の依頼先としてディーラーを最初に思い浮かべる人も多いかと思いますが、ディーラーは費用が高額になりがちです。
修理の実作業は多くの場合外注して行われるうえ、部品も純正品しか選べないからです。
ただし新車購入後のメーカー保証やディーラー保証の有効期限内なら、無料か格安で修理してもらえるケースもあります。
保証期間中ならディーラーで修理・交換・洗浄を頼むといいでしょう。
手軽で安いカー用品店やガソリンスタンド
カー用品店やガソリンスタンドなら、手軽に立ち寄って修理してもらえるので便利です。
無料で点検してもらえる場合があるほか、ディーラーと比べて修理費用が安く済みます。
カー用品店には各種のパーツが揃っているので、ガソリンスタンドよりも安く修理が可能です。パーツを自分で持ち込んで修理を依頼することも可能ですが、作業工賃が高くつくので店頭でパーツを選んだ方がいいでしょう。
カー用品店やガソリンスタンドは手軽で安く済みますが、複雑な作業が必要な場合は対応できないケースもあるので、症状に応じて使い分けることが大切です。
信頼と安さの整備工場や電装業者
複雑な作業を要する修理を頼みたいけれど費用も抑えたいなら、整備工場や電装業者に頼むといいでしょう。
整備工場の整備士や電装パーツに特化した電装業者は、信頼できる確かな技術力を持っています。
複雑な修理作業もこなせるので、安心して任せられるでしょう。
修理費用も安価です。普段から修理・点検で付き合いのある整備工場や電装業者なら、修理費用を割引してもらえる場合もあるかもしれません。
安心して低価格で修理や洗浄を任せたいなら、整備工場や電装業者に依頼するのがおすすめです。
費用がかさむ原因と修理しない方がいい場合
故障しているパーツによっては、カーエアコンごと交換した方が安く済むケースもあります。
車自体が古い場合はカーエアコンを修理しても割に合わないかもしれません。修理しない方がいいケースについて、理由とともに解説します。
修理費用のほかにかかる費用
カーエアコンの修理をプロに頼む場合、修理のための作業工賃のほかに診断料や部品代がかかるのが一般的です。
故障箇所や作業内容によっては予想よりも高額になるケースがあるので、注意が必要です。
エアコンガス漏れなど一見しただけでは故障箇所が分からない場合は、診断料がかかります。診断料は12,000〜15,000円が相場です。
診断して故障箇所が特定できたら修理に取りかかりますが、コンプレッサーやエバポレーターが原因だと修理費用が跳ね上がります。
見積もりはあくまでも見積もりに過ぎないので、修理が完了したら想定以上の費用を請求されたというケースも珍しくありません。
どれくらいの修理費用が掛かるか心配な場合は、ミツモアを利用して見積もりを取りましょう。簡単な質問に答えるだけで、最大5社から見積もりが届きます。診断料や見積もり以外にかかる費用なども、あらかじめ相談しておけるので安心です。
車が古い場合は売却や廃車も検討しよう
カーエアコンの故障箇所によっては、比較的手軽に修理を依頼できます。
しかし古い車に乗り続けている場合は、カーエアコンの修理代が高額になるケースもあります。
修理に出す前に車自体の売却や廃車も検討することが大切です。
古い車であれば他のパーツにも支障が生じ、先々長く乗れない可能性が高いでしょう。
短い間しか乗れない車のエアコンを直すのに、高額を支払うのは割に合いません。
古い車に乗っていてカーエアコンに異常が見られる場合は、すぐに修理を依頼するのではなく、車自体の買い替えや廃車も視野に入れて考えましょう。
まずは自分でエアコンの状態を確かめよう
カーエアコンに不調が起きている場合、不調の原因によって修理する箇所が異なります。
修理・交換や洗浄するパーツによっては非常に高額の費用がかかるケースもあるでしょう。
修理費用を抑えるためには、まずは自分である程度原因を特定してから修理を依頼することが大切です。
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