車のエアコンガスはエアコンを効かせるためにとても重要な要素です。しかし長く車に乗っていると、このガスが漏れてしまうことがあります。車のエアコンガスが漏れる原因や、補充方法を紹介します。費用相場やガスを扱う注意点も見ていきましょう。
車のエアコンガスの役割
車のエアコンの効きが悪くなったら、エアコンガスが影響している可能性があります。エアコンガスの役割や、長年使用しているとエアコンの効きが悪くなる理由などを紹介します。
車のエアコンガスとは?
車のエアコンガスは冷たい空気を作るためになくてはならないものです。このガスは液体から気体になる際に、周囲から熱を奪います。
この原理は注射を打つ際のアルコール消毒と同じです。アルコールは腕に塗布するとすぐに揮発し、気体になります。この時腕がひんやりしますが、これとエアコンガスは同じ仕組みなのです。
エアコンはこれを利用して冷たい空気を作り、ファンで車内に送風しているのです。具体的にはエバポレーターと呼ばれる装置を冷やし、涼しい風を送っています。
ガス漏れするとエアコンが効かなくなる
エアコンガスが漏れて不足すると、エアコンの効きが悪くなります。空気を冷やす媒体が減るため、車内を冷やすのに時間がかかったり十分に冷やせなくなったりするのです。
そのためガスが不足したら、その分ガスを補充しなければなりません。それと同時にガス自体をキレイな状態にしましょう。
エアコンガスは吸湿性が高いため、使用していると水分を吸収してしまいます。さらに不純物も混じり、エアコンガスが汚れてしまうのです。
この状態だとガス本来の性能を引き出せないため、ガスを補充する際はガスクリーニングも実施するとよいでしょう。
エアコンガスが漏れる原因
エアコンガスは車の振動により配管接続部などから外に漏れだしてしまいます。そのためできる限り優しい運転を心掛けると、ガス漏れのリスクを抑えられるでしょう。
また砂利道などを走ると飛び石が配管を傷つけ、そこからガスが漏れることもあります。なるべく舗装された道を走ると安心です。
エアコンガス配管のつなぎ目にはゴム素材の部品が使用されているため、車の振動による亀裂や経年劣化は免れません。
エアコンの効きが悪くなったら、ガスの補充を検討しましょう。
エアコンガスの補充方法
エアコンガスを補充する際は、なるべく業者に依頼するのが安全です。一般的に依頼できる業者の種類など、エアコンガスの補充方法について紹介します。
自動車整備工場に依頼する
エアコンガスの補充には特別な資格は要りません。しかしガスは高圧なので素人が扱うのは危険です。扱い方を間違えると、重大な事故につながる可能性があります。
そのためガスの補充は、必ず自動車整備工場などのプロに依頼しましょう。
ガスを補充する前は、必ず配管のひび割れやパーツの劣化を確認します。これを怠るとガスを補充したところで、同じ原因でガス漏れが発生してしまうからです。
この点検も素人がやるのは難しいため、知識のあるプロにしてもらうのが一番です。
ディーラーに依頼する
業者にガス補充を依頼すると費用が発生しますが、車を購入したディーラーに依頼すれば無料で修理してもらえる可能性があります。
例えばオプションなどでメーカー保証やディーラー保証を付けていると、期間内であれば無償で補充してくれるかもしれないのです。
ただしこのような保証がない場合は、一般的にディーラーに対処を依頼すると費用が多く発生する傾向があります。
特にエアコンなどの電装系の修理は、ディーラーにとって得意分野ではありません。外注する場合がほとんどなので、その分費用が高くなるでしょう。
自力で補充する
前述したように、よほどの理由がない限り自力でガスを補充するのはおすすめできません。どうしても自分で補充する場合は、十分に注意してください。
ガスを補充する際は、事前に市販されているエアコンガスを購入します。車に合った指定のガスを選びましょう。
それに加えガス本体とエアコンガスを注入する部分のつなぎ目として、チャージングホースも用意しましょう。
エアコンを動作させて一番低い温度に設定し、風量を最大にした状態でガスを補充します。ガスを補充する量は、エンジンルーム内ののぞき窓から確認してください。
エアコンガス補充にかかる費用
エアコンガスの補充を依頼した場合、どれだけの費用がかかるのでしょうか。エアコンのガスを補充する際の費用相場と、業者を選定するポイントを紹介します。
業者に依頼した場合の費用相場
エアコンガスを補充する際、業者に依頼した場合の費用相場は3,000~5,000円程度です。車のエアコン修理の中でも簡単な作業であるため、手頃な価格で対応してくれるでしょう。
しかしほとんどの場合、補充だけでなくガス漏れ箇所の点検もします。そこでガス配管などが破損していたり接続部品が劣化していたりすれば、修理や部品の交換が発生するのです。
エアコンガス補充自体は安価でできますが点検料や交換する部品代、交換作業料が追加されることは想定しておきましょう。
修理業者を選ぶコツ
業者を選ぶ際は、経験豊富なところに依頼した方が安心です。業者を利用した人の口コミやレビューを見て、どのような対応をしてくれたのか確認するのも一つの手段です。
地域密着型の業者を選んだ方が、ほとんどの場合交通費は安くなります。その土地で長く経営している会社であれば、それだけ評判のよい会社といえます。
見積は1社からだけでなく、複数社から取得しましょう。各社の金額とサービス内容を比較して選定すれば、納得のいく業者を選びやすくなります。
その際、ミツモアを利用すれば見積取得にかかる時間や手間を削減できるでしょう。
エアコンガスの入れ過ぎに注意
エアコンガスは入れ過ぎてしまうと、かえって状況を悪化させてしまう恐れがあります。エアコンガスを入れ過ぎた場合に起きる事象や、ガスを抜く際の注意点を紹介します。
エアコンガスは適量が原則
エアコンガスは、量が多ければ多いほど効きがよくなるわけではありません。ガスの入れ過ぎは禁物で、適量の補充が求められます。
ガスが多すぎると、急に気化するため冷たい空気を過剰に作ってしまいます。すると循環がうまくいかず逆に冷えなくなってしまうのです。
ガスが注入され過ぎると、コンプレッサーに負担をかけてしまい異音が発生してしまう場合もあります。
この装置が故障してしまうと100,000円以上の修理代がかかることもあるため、ガスの量はとても大切です。
ガスを抜くための対処法
仮にエアコンガスを過剰に入れてしまった場合は、ガス抜きをしなければなりません。しかしガス抜きには技術が必要です。そのまま大気に解放してしまうのは違反になってしまいます。
そのためガス抜きは慎重に実施しなければならない工程です。ガソリンスタンドのバイトに任せるよりも、ディーラーや整備工場の経験豊富な社員にしてもらうようにしましょう。
この作業を自力でするのはおすすめできません。大気解放は違法なので、必ず業者に依頼して抜いてもらうようにしてください。
エアコンガスの補充は専門業者に任せよう
車のエアコンガスは、冷たい空気を作るのに必要な媒体です。これが不足したり漏れたりすると、エアコンの効きが悪くなってしまいます。
エアコンガスは、車の振動などにより配管接続部分が劣化して漏れてしまうのです。そのため定期的な点検を実施し、エアコンガスが漏れていないか確認するのが望ましいでしょう。
修理する際はディーラーや整備工場などの業者に依頼するのが安全です。高圧ガスを扱うため、自力でするのは危険を伴います。
業者を選ぶ際は地域密着型の企業や、評判のよい業者を選ぶと安心です。エアコンガスの補充は専門業者に依頼し、快適なドライブを維持しましょう。
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