車のエアコンが効かないと、季節によっては運転やドライブが苦しいものになるでしょう。車の機能の中でも、エアコンは大切なパーツです。車のエアコンが効かない原因や、応急処置を解説します。故障時の修理先も紹介します。
車のエアコンが効かない原因
車のエアコンが機能しなくなる理由はいくつかあります。最初は簡単に目視できるものから確認し、それでも原因が分からない場合は冷却回路などの故障を疑いましょう。
車のエアコンが効かない原因を紹介します。
エアコンフィルターが詰まっている
車のエアコンにもフィルターが付いており、これが汚れているとエアコンが効かない原因になる場合があります。
フィルターは車内のホコリや花粉、排気ガスなどを取り除く役割があり、定期的に掃除しないと汚れやすくなるものです。
フィルターの目にホコリが詰まると空気の通り道がせまくなり、送風量が低下してしまいます。
車を使用している頻度や走行距離にもよりますが、フィルターは1年に1度は買い替えた方がよいでしょう。10,000km以上走行している場合も同様です。
エアコンが効かないと感じたら、まずはフィルターの状態を確認しましょう。
フロンガスが漏れている
エアコンが効かない原因の一つに、フロンガスの漏れがあります。このガスは液体が気体になる際に周辺の熱を奪うことで、冷たい空気を作り出します。これが不足しているとエアコンの効きが悪くなるのです。
車のエアコンは走行中の振動が配管部分などに少しずつダメージを与えるため、ガス漏れなどの故障が起きやすくなります。エンジンルーム内にフロンガス用ののぞき窓があれば、ガスの容量をすぐに確認できます。
エアコン動作時に、泡が白く濁っていたらガス不足です。透明で大きな泡が浮いていればガス詰まりが疑われます。
ただしこれらはあくまでも目安として捉えてください。正確に原因を突き止めるのであれば、点検が必要です。
コンプレッサーが故障している
フィルターはキレイでフロンガスも足りているのにエアコンの効きが悪い場合は、コンプレッサーの故障が考えられます。コンプレッサーはエンジンの側面にあるので、エンジンから伝わる揺れの影響を大きくうけやすいためです。
例えばコンプレッサーオイルが漏れていると、潤滑油がないためコンプレッサーが焼き付いてしまう恐れがあります。
またコンプレッサーは常に振動しているため、ちょっとしたヒビなどでも冷房ガスが漏れてしまう繊細なパーツです。冷房ガスが車内に十分行き届かなくなってしまい、エアコンの効きが悪くなります。
サーモスタットが故障している
暖房の効きが悪いとサーモスタットの故障が考えられます。サーモスタットは冷却水の温度を一定に保つための装置です。
これが故障すると冷却水の温度を保てなくなり、エアコンで指定した温度をコントロールできず、暖房の効きが悪くなると言われています。
エアコンの効きが悪くなるのは初期段階であり、さらに故障が進むとエンジンまで悪くなってしまう可能性があります。そのため故障したら早めに交換した方がよいでしょう。
車のエアコンが効きづらいときの対策
車のエアコンが効きづらい際は、車の設定を変えて対処することも有効です。車の機能を用いた、簡単にできる対策を紹介します。
内気循環設定をする
エアコンには内気循環設定と外気環境設定があります。内気循環設定は、車内のみの空気を循環させる機能です。外気環境設定は、外の空気と車内の空気を入れ替えながら循環させます。
エアコンの効きが悪い場合は、内気循環設定を利用するとよいでしょう。車内の冷やされた空気もしくは温められた空気のみを循環させるので、エアコンの効果が高くなるのです。
しかし長時間使用していると二酸化炭素濃度が上がるため、30分に1回は窓を開けて換気するとよいでしょう。このことから、内気循環設定は短時間の使用に向いています。
アイドリングストップ機能を解除する
車種によっては赤信号で停車すると、アイドリングストップ機能が働きエンジンが自動停止される場合があります。
エンジンが停止するとエアコンを動作させるコンプレッサーも止まるため、エアコンまで停止してしまいます。そのためアイドリングストップ機能を解除しておくとエアコンの効きを維持しやすくなるのです。
ただしアイドリングを停止させると、燃費が節約できたり排出ガスを削減したりできるなどのメリットがあるため、これらを考慮して機能を停止するか選択するとよいでしょう。
エアコンが効かないときの応急処置
エアコンが効かない原因が故障であれば、修理するまでに時間がかかってしまいます。今すぐにエアコンを効かせたい場合は、自分で素早くできる対処が必要です。
車のエアコンが効きづらい場合にできる、簡単な応急処置を紹介します。
窓を開けて風を入れる
エアコンが効かない場合は、窓を開けた方が快適になる場合があります。特に走行中であれば、風が入り車内の空気が循環するため効果が高くなります。
風を取り込むには窓の開け方が重要です。乗用車であれば、前シートのどちらかの窓を10センチだけ開けましょう。次に対角にある後部席の窓を5センチほど開けます。
そうすれば空気の圧力に差が生まれ、多くの空気が入りやすくなります。車内のこもった空気が効率よく循環されるため、効果が高まるでしょう。
コンデンサーに水をかける
フロンガスを冷やす役割を担う装置が、コンデンサーです。ここが熱くなっているとガスを冷やす効果が薄くなり、冷たい空気を作る時間やエネルギーが多くかかってしまいます。
そのため単純にコンデンサーに水をかけて、コンデンサー自体を冷やすことが効果的なのです。この装置はほとんどの場合、車のフロント部分についています。
網目状になっており、ラジエーターの前面に付いているものです。シンプルにホースやペットボトルで水をかけてあげるとよいでしょう。
エアコン修理の依頼先
エアコンの修理を相談できる業者は、車を買ったディーラーだけではありません。業者の種類によって価格や得意分野が異なるため、これらを把握したうえで選択するとよいでしょう。
車のエアコン修理の依頼先や、費用相場を紹介します。
ディーラーや整備工場に依頼する
エアコンの修理は、ディーラーに相談するか整備工場や電装屋に依頼するのが一般的です。
エアコンの修理は分類上「電装系」になるため、電装屋に修理してもらった方が費用を抑え品質にも期待できます。
しかし電装屋は、ディーラーを通さないと仕事を引き受けてくれない場合があります。その場合はディーラーに依頼することになりますが、費用は高めになるのが一般的です。
整備工場は技術力が高く、ディーラーよりも費用が安くなる傾向があります。ただし自動車整備士は電装系の修理に対応できない場合があるため、修理できるか事前に確認するとよいでしょう。
エアコンの修理費用相場
エアコンの修理費用には、一般的に診断料と修理費がかかります。診断料の費用相場は12,000~15,000円程です。修理費は5,000~80,000円程になります。
一番安いのはフロンガスの漏れ・詰まりに対する修理費や補充です。およそ5,000~30,000円で対処してくれるでしょう。
コンプレッサーの修理に関する費用相場は約35,000~50,000円です。ただし金額は車種によって異なります。一般的に軽自動車よりも乗用車の方が高くなります。
費用相場はあくまでも目安です。正確な価格を知りたい場合は、業者から見積を取得しましょう。
修理業者を選ぶコツ
修理業者を選ぶ際は、相見積もりを取得するとよいでしょう。それぞれの業者から見積りを集め、金額とサービス内容を比較すると選びやすくなります。
ミツモアを利用すれば、質問に答えるだけで複数の業者から迅速に見積書を取得できるでしょう。
その中でも明細内容を細かく提示してくれる業者は、腕の自信や誠実さに期待が持てます。さらに故障部分の説明や、それに対する修理内容を説明してくれる業者だと安心です。
また地域密着型企業であると、交通費が多くかからないメリットやアフターフォローが充実している傾向があります。
エアコンの故障を防ぐ方法
日頃から丁寧な使い方を心掛けると、モノの故障は起きにくいものです。エアコンも同様に、扱い方に注意すれば簡単に壊れるものではありません。
エアコンの故障を防ぐ方法を紹介します。
エアコンを定期的に使う
エアコンは使えば使うほど部品の消耗が激しくなりますが、使わないと劣化しないわけではありません。
長く使用していないエアコンを動かすと、固着していたパーツに負担をかけてしまい故障することがあります。例えばコンプレッサーはポンプ状になっているため、長く使用しないと固まってしまいます。
特に秋や春はエアコンを使用しない人が多くなるため、夏や冬に故障が発生しやすくなるのです。季節を問わず定期的にエアコンを使用しましょう。
バッテリーへの負担を考慮する
車のバッテリー負担を少なくすると、エアコンにも大きな負担をかけることはありません。例えば風量を控えめにすれば、ファンの回転数が少なくなり電力消費も軽減できます。
電力消費を下げるとバッテリーへの負担も抑えられるのです。車内の温度が適温になった際は、風量を抑えるなど工夫して使いましょう。
また設定する温度も極端な数値にすると、電力消費が激しくなります。メーカーの推奨する温度は約25度です。なるべくこの温度を保つよう心掛けて使用しましょう。
小まめなメンテナンスを心掛けよう!
車のエアコンが効かない原因として、フィルターの汚れやコンプレッサーなどの故障が考えられます。これらに対処するまでの間は応急処置が有効です。
例えば内気循環やアイドリングストップ機能の解除など、車の設定でエアコンが効きやすくする方法があります。
また効率よく空気が入るよう窓を開けたり、コンデンサーに水をかけるなどの対処も効果的でしょう。
修理の依頼先は一般的にディーラーや整備工場、電装屋です。それぞれ得意分野や金額などの特徴があるため、慎重に選択しましょう。
日頃からエアコンに負担をかけないようにし、小まめなメンテナンス等を心掛けてください。
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