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キングサリは黄色い花が美しい庭木!種には毒があるので注意

最終更新日: 2021年06月21日

フジとよく似た外見の「キングサリ」という植物をご存じでしょうか?毒を持つ植物ですが、欧米では「金色の鎖」と名付けられるほど美しい花を咲かせる落葉高木です。

金色の鎖のような黄色い花を連ねて咲かす様子は、フジとは違ったエネルギッシュな印象を与えてくれるでしょう。そんなキングサリの特徴や育て方、手入れの方法を解説します。

キングサリとは

黄色い花を咲かせるキングサリの木

キングサリはマメ科キングサリ属の落葉高木です。初夏に姿を見せる、垂れた姿が特徴的な黄色い花は、見た人の心を弾ませてくれることでしょう。

キングサリの特徴

植物名 キングサリ
学名 Laburnum anagyroides
科名 / 属名 マメ科 / キングサリ属
原産地 ヨーロッパ中南部
開花期 5月
花の色 黄色
樹高 3~10m
特性 落葉性、耐寒性、育てやすい

キングサリの栽培カレンダー

キングサリの栽培カレンダー

5月頃に花を付ける落葉高木

キングサリはヨーロッパの中南部が原産で、5月頃になると房状の黄色い花を付けます。樹高は比較的高く、5m以上の高さに育つものが多いです。

キングサリの葉は小さく、長さ3~8cmほどの大きさの葉を枝先に3枚1組でちょこんと付けます。

また暑さに弱い性質を持つため、夏の間は育て方に注意が必要になる場合もあります。気温が上がりやすい西日本や南国よりも、関東以北エリアの方が育てやすい環境でしょう。

とはいえ、植える場所や育て方に気を付ければ充分に生育は可能ですし、病気や害虫の心配が比較的少なく、どちらかといえば管理が楽な植物といえます。

黄色い花が垂れるように咲く

キングサリの特徴は花の色と咲き方です。開花の時期になると、垂れるような形で花を咲かせます。その様子がフジに似ていることから、別名「黄花藤 (キバナフジ)」と呼ばれることもあります。ただしフジとは別種の植物なので、混同しないよう気を付けましょう。

キングサリは一般的に黄色い花を咲かせますが、種類によっては淡いピンク色の花も付けます。鮮やかな黄色が垂れて咲く姿は美しく、庭木のほかに生け垣としても親しまれています。

豆の仲間で毒性がある

フジに似ているキングサリですが、別種の植物です。どちらも同じマメ科ではあるものの、フジはフジ属、キングサリはキングサリ属に分類されます。花の見た目で間違えないよう気を付けましょう。

またキングサリには毒があります。花や種の部分に毒が含まれており、特に種が持つ毒性は強力です。誤って摂取した場合、痙攣や吐き気を起こすこともあるようです。美しい外見とは裏腹に、取り扱いを誤ると危険なので、注意してください。

万が一、毒を体内に入れてしまった場合は、速やかに病院へ行きましょう。

名前の由来と花言葉

キングサリという少し変わった名前の由来は何でしょうか。元を辿ると、欧米で呼ばれている英語名が影響しています。キングサリの花言葉と併せて解説しましょう。

英語名「golden chain tree」が由来

キングサリは英語で「golden chain tree」と呼ばれています。goldenは金色、chainは鎖を意味する英語で、直訳すると「金色の鎖の木」です。

キングサリの黄色い花が垂れる姿が鎖みたいに見えたことから、そう呼ばれるようになったようです。

日本で名前を付ける際、「金色の鎖の木」そのままでは長いため、省略して「金の鎖」、そこから「キングサリ」と名付けられたとされています。由来を知ると、キングサリという名称が格式の高いものに思えてくるのではないでしょうか。

花言葉は「はかない美しさ」と「相思相愛」

キングサリの花言葉はいくつか存在します。そのうちの1つが「はかない美しさ」です。花が黄色く可愛らしい大きさで、垂れて咲く様子が美しいことから、そのような花言葉になったとされています。

他には「相思相愛」という花言葉もあり、キングサリの花がまとまって咲く様子が仲睦まじく見えることが由来しているといわれています。こうした由来を参考にして、大切な人に花を贈るのもいいですね。

キングサリの育て方

スコップと土

鮮やかな黄色い花が印象的なキングサリはガーデニングでも人気の高い花木です。育て方のポイントを抑えて、キングサリの栽培に挑戦してみてはいかがでしょうか。

栽培環境

キングサリを植える際には、水はけの良い場所を選びましょう。湿度と乾燥のバランスがよく、生育に向いています。

一方で、キングサリが乾燥に弱い性質を持っているという点には注意が必要です。水はけが良すぎて乾燥してしまう場合は、逆に生育を妨げてしまう恐れがあります。こまめに水をやったり、場所を変えたりすることで対策を取りましょう。

またキングサリは風通しがよく、日当たりの良い場所を好みます。ただし、日当たりが強すぎる場所は、生育の妨げになる恐れがあります。たとえば建物の西側など、西日が強い場所に植えることは控えましょう。

水やり

植え付けから2年未満の株は、土の表面が乾いたタイミングでたっぷりと水を与えてください。特に夏場は乾燥しやすいため、土の乾燥状態を気にしつつ、水を適宜与えるようにしましょう。

地植えの場合は2年以上植え付けから経過するとしっかりと根付き、雨水で水分が事足りるようになるため、水やりの必要は特にありません。

肥料

1月頃に寒肥として、有機肥料を株元に与えます。鉢植えの場合は、花後に化成肥料を追い肥として株元に施しましょう。

肥料のチッソ分が多くなると花付きが悪くなるため、リン酸やカリを主成分に含んでいる肥料を施すのがポイントです。

用土

土の質は細かく気にする必要はありません。強いて挙げれば、腐葉土などを混ぜて植えるのがおすすめです。湿気を適度にキープでき、育ちやすくなるでしょう。

植え付け・植え替え

キングサリの植え付け時期は、地植えと鉢植えどちらの場合も、冬が終わって暖かくなってきた3月頃が適期です。植え付け場所にはチッソ分の少ない緩効性の化成肥料を元肥として施しておきましょう。

病害虫

キングサリは病気や害虫の心配はほとんどありません。

【剪定・誘引】キングサリの手入れのコツ

キングサリを植えて育てていく上で、適切な手入れは必要です。正しい手入れの方法を理解し、コツを掴んでおけばキングサリを健やかに育てることができるでしょう。剪定や誘引などのポイントを紹介します。

強い剪定は避ける

キングサリは大きくなっても樹形が崩れにくい植物のため、剪定は少なめで問題ありません。自然な樹形に育つので、剪定の際には枝が混み合っている箇所を整える程度にしておきましょう。

剪定を行う時期は、6月が適期です。樹形を乱している邪魔な枝・枯れている枝があればそれらを優先して剪定しましょう。

最初は不要な枝が見分けにくく感じるかもしれません。その際は理想の樹形をイメージし、全体のバランスを確認しながら剪定作業を行うと良いでしょう。

誘引して形を整える

キングサリの手入れには、剪定のほかに誘引も必要です。また誘引を行うのは、剪定と同じ6月が望ましいでしょう。ちなみに誘引とは植物の茎や枝、つるなどを固定するために、支柱に結びつける園芸作業のことを指します。

花が咲き終えた後に伸びすぎた枝、固くなってしまった枝が誘引の対象です。ひもを用いて結ぶことで、キングサリの形がより美しく整います。

ひもは麻の素材を選ぶと良いでしょう。きつく結びすぎるとキングサリを傷つけてしまう恐れがあるため、適度な力で結ぶようにしてください。

アーチ状にして楽しむことも可能

キングサリのアーチ

キングサリを誘引して枝をうまく誘導すれば、アーチを作って楽しむこともできます。枝が柔らかいため、しなやかに仕上げることができるでしょう。

鮮やかな黄色い花が織りなす光景は、見る人の心を豊かに彩ります。

キングサリの増やし方

種まきをする男性

キングサリを育てていく中で、もっと増やしたいと思うこともあるでしょう。キングサリは「挿し木」または「種子」で増やすことができます。なお種には毒性があるので取り扱いには注意しましょう。

挿し木で増やす

キングサリは挿し木によって増やせます。挿し木とは植物の一部を切って土に埋める方法です。種から増やすことが難しい植物に用いる方法で、剪定時に切った枝を活用できます。

挿し木を行う時期は、3月頃が望ましいです。それ以外の時期に行う場合もありますが、真夏・真冬は避けるようにしましょう。

挿し木の方法

  1. 育っている新しい枝を15cmほどの長さに切る
  2. 数時間水に浸す
  3. 植え付け場所に挿す
  4. たっぷりと水を与える

挿し木のポイントは、育っている部分の中で新しい枝を15cmほどの長さに切ることです。切った枝は数時間ほど水に浸してから土に挿します。挿した後は、充分に水を与えます。前述の通り、キングサリは乾燥を嫌う性質があるためです。

種から増やす

挿し木のほかに、種から増やす方法もあります。秋に種を収穫して保存した後、3月下旬頃までにまくようにしましょう

土に種をまく際には、午前中は日当たりが良く、午後から日陰に変わるような場所を選んでください。なぜなら、日光を適度に浴びせながら、乾燥も避けることができるためです。

またキングサリを種から増やす方法のデメリットとしては、開花までに長い時間がかかる点が挙げられます。長ければ4〜5年ほどかかることもあるため、早く育てたい場合は、種からではなく挿し木で増やすのがおすすめです。

毒を持つので種の扱いに注意

種をまく際には、もう一点よく注意すべきポイントがあります。キングサリの種は、アルカロイドと呼ばれる毒性を持っている点です。中国では「毒豆」と呼ばれているほどです。

ペットを飼っている場合は、間違って飲み込んでしまうなどの危険性があります。そのため種まきをする際は、充分に注意しなければいけません。挿し木と種まきであれば、挿し木の方が安全な方法といえるでしょう。

キングサリの種類

キングサリ ボッシー

キングサリにはいくつかの種類があり、それぞれで特徴も異なります。お気に入りの品種を見つけて、自宅のガーデニングに取り入れてみてはいかがでしょうか。

キングサリ ‘ボッシー’

キングサリ ’ボッシー’

キングサリ ’ボッシー’ は大きな花穂が特徴の園芸品種です。通常のキングサリの花穂の長さが20cmほどなのに対し、3倍近くにもなる50~60cmほどの巨大な花穂を付けます。

またそれに伴い、樹高も高くなる傾向にあります。よりダイナミックな姿のキングサリを楽しみたい方におすすめです。

ラブルヌム・アルピヌム

ラブルヌム・アルピヌムは、キングサリの同属別種の品種です。樹高が5mほどと本家のキングサリよりも少し低く、花穂が大きいのが特徴です。その大きさは大きいもので70cmもの大きさにまでのぼります。

キングサリは毒性に注意しつつ美しい花を楽しもう

種に毒を持つキングサリですが、気を付けて育てれば、やがてきれいな黄色い花を咲かせます。環境に適応する力が強い部類の植物のため、園芸初心者でも育てやすいというメリットもあります。

また気軽にガーデニングを楽しみたい方には「宿根草」の栽培もおすすめです。手入れが簡単なため、キングサリとの寄植えを楽しむのもよいのではないでしょうか。

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庭一面に広がるキングサリの花は見応えがあり、庭の景観を美しく彩ってくれます。正しい育て方や増やし方を覚えて、家庭で育ててみてはいかがでしょうか。