結論からお伝えすると、トイレつまりにパイプユニッシュを使うのはおすすめしません。パイプユニッシュはトイレがつまる原因には効果が薄いだけではなく、むしろ状況が悪化してしまう可能性があります。
今回はパイプユニッシュがおすすめできない理由と、代わりになる解消法を紹介します。トイレつまりは自宅にあるもので簡単に直せるので、ぜひ参考にしてみてください。
トイレのつまりはパイプユニッシュで解消できない!溶けない理由も解説!
パイプユニッシュを使っても、トイレつまり解消の効果は期待できません。実際に製品側面の取扱説明文や公式サイトには「トイレのつまりを解消することはできません」と記載されています。
パイプユニッシュは強アルカリ性です。酸性の薬剤と違って、トイレットペーパーなどの固形物に対して、溶かして除去するような効果はりません。また小便器などがつまる原因となる「尿石」はパイプユニッシュと同じアルカリ性なので、こちらを溶かす効果もありません。
パイプユニッシュが効果を発揮するのは、皮脂や石鹼カスと髪の毛が絡まりあった汚れや、油や食材カスが原因のぬめり汚れに限られます。お風呂やキッチンの排水口の洗浄やつまり予防に適しています。
ただ、トイレつまりの原因が食べ残しの場合であればパイプユニッシュが効くこともあります。とはいえ本来の使い方ではないので、あまりおすすめできる方法とは言えません。
パイプユニッシュはむしろ逆効果?状況を悪化させることも
トイレつまりにパイプユニッシュを使用しても基本的には何も起こらず、つまりも解消されません。
しかし、実はパイプユニッシュを使うのはかなりの悪手。その後の対処を難しくさせてしまう原因にもなるのです。
アンモニア(尿)と混ざることで有毒ガスが発生することがある
まず、気を付けなければいけないのがパイプユニッシュとアンモニアを混ぜてはいけないということ。パイプユニッシュは塩素系なので、アンモニアと混ざると有毒なガスを発生させることがあります。尿の成分にアンモニアがあるため、実はトイレでパイプユニッシュを使うことは危険なのです。
有毒なガスを大量に吸うと、口・鼻・喉に炎症を起こしてしまうことも。万が一混ぜてしまった場合は、できるだけすぐにその場を離れ換気しましょう。刺激臭を感じなくなるまで立ち入らないで下さい。
パイプユニッシュを使ってしまうと、その後のつまり対策が難しくなる
実は、パイプユニッシュと混ぜてはいけない物質はたくさんあります。例えば以下のようなもの。
- お湯
- クエン酸
- 酢
これらの物質は、トイレつまりの解消に役立つものです(詳しくは後述)。しかしパイプユニッシュとの相性は最悪。つまり、パイプユニッシュを使ってしまうとこれらを利用した対処が取れなくなってしまいます。
こういったことからも、トイレつまりにパイプユニッシュを使うことはおすすめできません。
トイレつまりに効く薬剤はある?デオライトやサンポールがおすすめ
原因を確かめたうえで、デオライトなどを使用できる
パイプユニッシュは、トイレのつまりに対してあまり効果が期待できないということが分かりました。
もしトイレつまりを解消するときに薬剤を使うなら、酸性の「尿石除去剤」が有効です。ただしこの場合も、つまりの原因が「尿石などの汚れ」の場合のみ有効。おもに「小便器のつまり」に効果があると覚えておきましょう。
通常、トイレがつまるときには大量のトイレットペーパーを流してしまったり、誤ってオムツや生理用品を流したりしたときですよね。そういった原因には、ラバーカップ(すっぽん)など専用の道具を使って「圧力」による解消法を試しましょう。
洗剤の効果を、公式の用途や成分に基づいて確認してみましょう。
デオライト | 和協産業
「デオライト」は和協産業が販売する尿石除去剤です。基本的には業務用のプロ向け販売品ですが、ネット販売でも買うことができます。
「デオドライトSP」という種類がもっとも強力な薬剤ですが、プロ用の強力な酸性洗剤なので「医薬用外劇物」に分類されています。
一般家庭では劇物ではない「デオライトL」という製品がオススメ。小便器の尿石を除去してくれます。浄化槽つきの場合には、ピーピースルー(アルカリ性)と併用して中和するように注意喚起されています。
【トイレつまりには効果なし】ピーピースルー | 和協産業
パイプ掃除といえば「ピーピースルー」は有名です。こちらもデオライトと同じ和協産業の製品。
しかしピーピースルーはアルカリ性の薬剤なので、尿石などの分解には適していません。
ピーピースルーが効果を発揮するのは、浴室や洗面台などの排水パイプ。毛の絡まりや石鹸カスが語ってヘドロになっているものを溶かし、パイプの通りをよくします。
【トイレつまりには効果なし】パイプハイター | 花王
花王が販売する強力な漂白剤である「パイプハイター」(アルカリ性)は、トイレのつまりを解消するために作られた製品ではありません。
水垢や尿石などの汚れはアルカリ性なため、取り除くには酸性の洗剤を使う必要があります。ただパイプハイターはキッチン・浴室・洗面所などのつまり防止には有効です。正しい使い場所に使用して、家庭をキレイに保ちましょう。
普段のトイレ掃除においては、便器を除菌洗浄できる「トイレハイター」という製品がオススメです。普段からトイレを掃除しておくことで、衛生的に保ちましょう。
サンポール
「サンポール」はキンチョールや蚊取り線香で有名なKINCHOが販売する、トイレの黄ばみや尿石汚れに特化した酸性のトイレ掃除用洗剤です。
トイレのつまりの原因が尿石、排泄物等の日々の汚れの蓄積だった場合には、サンポールを使うことで解決できる可能性があります。
ただし、トイレットペーパーやその他固形物が原因のつまりに対しては効果は期待できません。また「つまり解消」をうたった製品ではなく、あくまで掃除用の洗剤なので、使用するときには注意しましょう。
かんたん洗浄丸 | 小林製薬
小林製薬の「かんたん洗浄丸」は、弱酸性~中性の薬剤です。キッチンや浴室、洗面台などの水たまり部分に入れるだけで洗浄効果を発揮するという製品。
酸性なので尿石などの汚れに対し効果を発揮しますが、すでにつまっているほどの汚れに対しては、デオライトなど強酸性の薬剤のほうが効果的と言えるでしょう。
普段のパイプ掃除にはもってこいなので、日ごろのお手入れに便利です。
パイプユニッシュの代わりなるものは?トイレつまりを解消する方法
前述の通り、市販の薬剤も場合によっては効果が見られることがあるものの、基本的にトイレのつまりに対応するようには作られていません。ここからは、トイレつまりの解消に効果的な方法をご紹介します。
簡単に試せる方法から順番に見ていきましょう。
バケツで水を流す
バケツなどの容器を使って水をトイレの排水口に向かって流し、水圧を利用してつまりを押し出す方法です。
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レバーを引いて水を流すと、水が便器から溢れてしまう可能性が高いため控えましょう。
お湯と洗剤を使う
お湯と洗剤を使うことで、トイレにつまった便やトイレットペーパーを溶けやすくすることができます。ただし便器を傷つける恐れがあるため、あまりオススメはできません。
やり方は以下の通りです。
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便器内の水を減らしておかないと、効果が薄れてしまう可能性があるので気を付けてください。
また、お湯の温度にも注意が必要。温度は必ず40~60度程度にしましょう。それ以上の熱湯をかけると、便器がひび割れしてしまうことがあります。40~60度の目安は、ヤカンの中でお湯がふつふつと泡立ったり、湯気が出てきたりする程度がベスト。万が一沸騰してしまった場合は、お湯と同じ量の水道水を混ぜることで50~60度になります。
ちなみにこの方法は、既にパイプユニッシュをトイレに使っている場合はNGです。前述の通り、パイプユニッシュとお湯は相性が悪く、混ざると有害ガスを発生させてしまうことがあります。
重曹とクエン酸(お酢)
重曹とクエン酸(お酢)を使ってトイレつまりを解消することもできます。
やり方は以下の通りです。
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お湯の温度は今回も45~60度程度です。家に材料がある方は試してみてください。
ただし既にパイプユニッシュをトイレに使ってしまった方は、この方法は厳禁です。さきほども少し触れたように、パイプユニッシュはクエン酸(お酢)との相性が非常に悪いのです。
クエン酸(お酢)は酸性なので、パイプユニッシュに含まれる塩素系の成分と混ざると有毒ガスが発生し、めまいを起こしてしまう可能性があります。万が一混ぜてしまった場合は、すぐに換気して下さい。
薬剤を使ってトイレつまり解消するときの注意点
パイプユニッシュはトイレのつまりに効果がありませんが、上記で紹介したように、酸性の薬剤や「尿石除去剤」であれば原因になっている汚れを取り除ける可能性があります。
しかし大小兼用の洋式トイレに使うときには、効果が分かりづらいので注意しましょう。汚れが溶けるのを待つ必要があるうえ、実際には「どのくらい排水パイプがキレイになったか」は見えにくいものです。
つまりの原因を見定める
再三の注意書きをしてきましたが、トイレがつまっている原因によっては、薬剤は全くと言っていいほど効果がありません。
- トイレットペーパーのつまり
- 水に溶けない固形物のつまり
これらのように、何かしら「モノ」が原因でつまっているときには、薬剤で対処しないようにしましょう。一度薬剤を投入してしまうと、その後の処置において皮膚などへの影響を考慮しなくてはいけないので、作業が大変になります。
「尿石除去剤などの酸性の薬剤でつまりが直るかどうか」という判断は難しいので、どうしてもラバーカップ(すっぽん)などの手作業をしたくない方は、業者に依頼して修理してもらいましょう。
「混ぜるな危険!」説明書・成分表示をよく見ておこう
トイレや、そのほか水回りにつかう薬剤は、かなり強力な成分になっていることが多いです。
「もっと効果が欲しい」と考えて、規定量より多く使いたくなってしまいますが、便器や配管を傷つける恐れがあるので説明書のとおりの分量・使い方を心がけましょう。
また、それぞれ「酸性」や「アルカリ性」など、用途によって成分が異なります。誤って混ぜあわせることによって有毒ガスを発する可能性が高まるので、「いくつかの薬剤を一度に使用する」のは絶対にやめましょう。
換気をする
用法・用量を守っていても、便器や配管の汚れを分解するときには悪臭・ガスが発生します。
一般家庭のトイレはいくら広くても1人分くらいの広さです。その環境にガスがまん延してしまうと、健康に害を及ぼす恐れがあるので注意しましょう。
薬剤を使う作業の時には、必ず換気してください。また皮膚や目を守るために、ゴム手袋やゴーグルなどの着用をオススメします。
トイレのつまりには、薬剤よりも専用道具がオススメ
トイレがつまったとき、ついつい「パイプユニッシュでカンタンに直らないかな?」と考えてしまいますが、やはり専用の道具を使って解消するのがイチバンです。
尿石除去剤などの小便器に効果的な薬剤もありますが、大便小便の兼用便器なら、やはり圧力を使った方法のほうが即効性が期待できます。
ここでは代表的なラバーカップ(すっぽん)とワイヤーブラシについて紹介しますが、より詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
ラバーカップ
ラバーカップは手軽にトイレつまりを解消できる定番アイテムです。以下のような手順で使用します。
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ラバーカップは引っ張ることでつまりを解消する仕組みになっています。押すときではなく、引くときに力を入れましょう。
「ラバーカップを持っていない」という方は、100円ショップやドラッグストア、ホームセンター、Amazonなどのインターネット通販で買うことができます。一つ持っていると頑固なトイレつまりに対処できるので、家にない方はぜひ購入を検討してみてください。
ワイヤーブラシ
排水口のつまりに使えるアイテムとして、ワイヤーブラシがあります。以下の手順で、つまりの原因を除去します。
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長いワイヤーをトイレの奥に差し込むことで、つまりの原因に直接アプローチできるため、ラバーカップで解消できなかったつまりにも効果が期待できます。
トイレットペーパーなどがつまったときは、これらの方法を試してみましょう。
トイレのつまり修理を業者に依頼するときの費用
トイレつまりの原因がトイレットペーパーや排泄物以外のものだと、上記のことをやっても解決できない可能性があります。そのような場合は業者に頼むのがおすすめです。
業者に依頼するときの費用相場
費用の相場はだいたい8,000円~30,000円ほど。値段に幅があるのは、つまりの原因やトイレ環境によって作業難易度が変わるためです。
修理内容によっては、便器を取り外さないといけなかったり、配管工事が必要だったりするケースも。また、出張料金がかかる場合もあるので、まずは事前に見積もりを取りましょう。
賃貸住宅の場合は大家さん・管理会社に相談
賃貸住宅に住んでいる場合、トイレがつまった責任が誰にあるかによって、業者に支払う修理費用の負担者が異なります。
固形物を落とした、トイレットペーパーを流し過ぎたなど、入居者に責任がある場合は修理費用も入居者負担となることが多いですが、経年劣化に起因する場合は大家さんや管理会社に修理する責任が生じます。
いずれにせよ、相談なしに水道業者を手配してしまうとトラブルに発展する可能性があるため、業者を呼ぶ前に一度大家さんや管理会社に連絡をとるのが確実でしょう。
トイレつまりを予防する方法
ここまでトイレがつまってしまった場合の対処法や業者に依頼するときの注意点について説明してきました。
あまり清潔な場所ではないですし、できればトイレはつまらせずに生活したいですよね。つまりを予防するために、普段からできる対策をご紹介します。
トイレットペーパーを一度に流し過ぎない
トイレのつまりでよくあるのが、大量のトイレットペーパーを流そうとして失敗する例です。
特に小洗浄で水を流した場合、水流の勢いが足りずにトイレットペーパーを流しきれず、排水管の途中でつまってしまうことがあります。
むやみに大量消費しないことが一番ですが、どうしてもたくさん使う必要がある場合は大洗浄で流す、または何回かに分けて流すことで、つまりを予防できるでしょう。
トイレに流せるアイテムであっても大量に流さない
おしりふきやトイレ掃除アイテム、水に溶けるティッシュなど、「トイレに流せる」と銘打たれた商品は数多くあります。
いくらトイレに流しても問題ないとはいえ水に溶けるには一定の時間を要するため、トイレットペーパー同様、大量に流すとつまりの原因になります。
流す場合は少量におさえるか、可能であれば通常の可燃ごみ等として捨てるようにしましょう。
定期的に便器を洗浄する
日常的に使用しているだけでも便器には様々な汚れが付着しますが、その中でも尿石汚れは固くなって蓄積すると水の通り道が狭くなり、トイレつまりを引き起こしやすくなります。
尿石はアルカリ性の汚れなので、酸性の汚れである黒ずみなどに効く洗剤では解消できません。一種類の洗剤で掃除をしている場合、気付かないうちに尿石が溜まっている可能性もあります。
つまりを防ぐには、定期的に酸性の洗剤を使って掃除をすると良いでしょう。
過度な節水をやめ、洗浄時に必要な水量を確保する
タンク内にペットボトルなどを入れ、貯水量を減らしている人もいるかもしれません。
これは節水にはなるかもしれませんが、トイレットペーパーや排泄物を流すのに必要な水量が足りないとトイレがつまるリスクが高くなる上に、タンクが破損する可能性もあります。
修理代が節約できた水道代を上回ってしまっては元も子もありません。タンク内は洗浄に必要な水量を保ちましょう。
トイレのつまり修理のプロ探しはミツモアがおすすめ
自分でできる対処法を試してもつまりが解消しない場合や、自力での対処が難しい場合、原因が分からない場合は、無理をせずトイレのつまりに対応してくれる専門業者に依頼するのがおすすめです。
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