木蓮を育てており、枝の伸び過ぎを解消したいけど「どう剪定したらいいのかわからない」と悩んでいる方が多いのではないでしょうか。木蓮の枝は伸びやすく、正しい剪定をしないと花が咲きません。
最悪の場合は、枯れてしまうこともあるので剪定は定期的に行う必要があります。この記事では木蓮の剪定方法や剪定を行う時期、注意すべきポイントについて紹介していきます。
木蓮の剪定を行う時期
木蓮の剪定を行う時期について説明します。木蓮は剪定時期を間違えると、花が咲かなくなったり、成長が遅くなったりすることがあります。そのため適切な剪定時期を知ることが重要です。素敵な木蓮の花を咲かせるためにも、剪定する時期を知っておきましょう。
木蓮の剪定は冬がオススメ
木蓮の剪定時期は、木が休眠している冬(11月〜2月)です。冬の時期は葉や花がないので、剪定する場所の判断がしやすいです。また木が休眠中の冬は、剪定による木への負担が最小限で済み、剪定が原因で枯れてしまうことを避けることができます。
花芽の見極めに自信がない方や、花芽を切ってしまわないか不安な方は、花が散った直後に剪定すると花牙をカットせずに済みます。自分で剪定することが難しい場合は、業者に依頼することを検討しましょう。
木蓮の剪定を春や夏に行うのは難しい
春〜夏に木蓮の剪定を行うのは難しいです。なぜなら木蓮は5月〜6月花を咲かせ、8月〜10月に花芽を形成するため、葉っぱが生い茂るからです。木蓮の成長が活発な時期に剪定するのは、木に大きい負担がかかるので、成長の妨げとなります。
また夏に太い枝を切ることで、木蓮が枯れる可能性があります。夏に太い枝を剪定してしまうと、木は切られた部分を補おうとし、さらに枝を伸ばそうとするからです。その結果、弱って枯れてしまいます。春~夏に剪定をするのは、リスクが高く難しいので、木が冬眠している時期に剪定を行いましょう。
木蓮を剪定する方法
木蓮を正しく剪定する方法について紹介します。正しい剪定方法を知ることで、失敗を未然に防ぐことが可能です。また剪定作業をスムーズに行うためには、道具を揃えておくことも大切です。必要な道具を確認し、足りない道具は揃えておきましょう。
これから紹介する必要な道具と手順を参考に、準備を整えてから剪定作業を始めてください。
木蓮の剪定に必要な道具
木蓮の剪定に必要な道具は以下の通りです。
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脚立は剪定するのに、余裕を持って行える高さの脚立を使用しましょう。高さがギリギリだと、脚立の天板に乗って作業をすることになるので、落下の危険性があります。
剪定に適した服装
剪定時の服装も紹介していきます。怪我を避けるためにも、以下の服装で剪定するのがおすすめです。
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作業手袋は必ず着用しましょう。肌を露出した状態で剪定作業を行うと、切った枝の断面で怪我をする可能性があります。また服が汚れることがあるため、枝で擦り切れても、土で汚れても問題ない服装で剪定をしてください。
木蓮の剪定方法
木蓮の剪定手順は以下の通りです。
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花芽と葉芽を間違わないよう剪定してください。木蓮は8月くらいに花芽を作りますが、そのときはまだ小さく、葉芽と花牙の違いがわかりづらいです。剪定時期である11月~2月になると、花芽が成長してくるので、葉芽との違いがわかりやすくなります。
大きな蕾が花芽で、小さい蕾が葉芽です。剪定するときは、枝の先まで確認してから剪定するようにしてください。木蓮の花は「短めの枝に咲く」性質があるため、短い枝は切らないようにしましょう。
木蓮を剪定するときに注意すること
木蓮を切る際に、注意したいことは主に3つです。
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それぞれの特徴を見ていきましょう。
剪定するときに注意すること | 詳細 |
全体のバランスを見て剪定する | 樹木の剪定は、自然に生えているような樹形を目標に行います。そのためには、常に全体を見ながら剪定をすることが大切です。数か所の剪定をしたら、木から離れた少し遠いところから全体のバランスを見てください。このときに、やってはいけないのが左右対称に剪定することです。左右対称にならないよう、剪定しましょう。 |
徒長枝をメインに剪定する | 徒長枝(とちょうし)とは、樹木の幹や太い枝からまっすぐ上に伸びている枝のことです。重力に逆らうように真上に向かって生えているため、すぐに見分けが付くでしょう。徒長枝は樹形が乱れる原因になるだけでなく、花芽がつきにくいので剪定します。徒長枝を剪定することで、残った枝や花芽に栄養が行き届きます。その結果、綺麗な花をたくさん咲かせられるようになるので、剪定するようにしてください。 |
ヤゴは適度に残して剪定する | ヤゴとは、株元から生えてくる枝のことを指します。放って置くと、どんどん伸びてしまいます。徒長枝と同様、木蓮の成長を妨げる原因になるため、剪定しましょう。 |
強剪定・弱剪定とは?
剪定には強剪定と弱剪定があります。2つの違いを知っておきましょう。
剪定の種類 | 詳細 |
強剪定 | 太い枝を剪定すること |
弱剪定 | 花芽や葉芽を残しながら、整える程度に剪定すること |
強剪定は木蓮が大きくなり過ぎたときや、若返りをさせたいときに行います。太い枝を切るので、剪定ノコギリを使いましょう。枝が分岐しているところから、5〜10cm程度離した場所を切るようにしてください。強剪定は、樹木への負担が大きいです。場合によっては、枯れる原因になるため、プロに依頼するか、必ず休眠期(11~2月)に行いましょう。後述しますが、剪定後は切り口に癒合剤を塗ることも忘れないようにしてください。
弱剪定は、混み合った部分を減らすだけの剪定なので、樹形への影響はありません。剪定するときは剪定バサミを使い、切り口に水がたまらないよう角度を変えながら剪定しましょう。
木蓮の剪定での注意すべき6つのポイント
木蓮を剪定をするときに、注意すべきポイントが6つあります。6つのポイントを押さえて、美しい樹形に整え、健全に育てていきましょう。「剪定で注意すべきポイント」で紹介することは、満開の花を咲かせることはもちろん、害虫対策にも有効です。円滑な剪定作業のためにも、ぜひ参考にしてください。
写真に切る枝を事前に収めておく
木蓮の剪定をする冬は葉がない状態なので、どれくらい葉が混みあっているのか、わかりにくいです。剪定時に葉がある時の状態を確認できるように、葉が生い茂っている6月頃に、写真を撮っておきましょう。写真があれば剪定時の参考にでき、どこを剪定したらいいのか、わかりやすくなります。
写真で確認しながら剪定作業を進めると、花が咲く枝の剪定を防げます。感覚で枝を切ってしまうと、間違えて花芽がたくさんついてる枝まで切ってしまう可能性があるので注意が必要です。木蓮は花を楽しむ植物です。花を楽しむためにも、必ず夏の間に写真を撮って、花牙がついている枝を残せるようにしましょう。
害虫がいたらすぐに対処が必要
剪定中に害虫を見つけたら放置せず、すぐに駆除することが大切です。害虫を放置したままにすると、葉を食害されるだけでなく、木が病気になってしまうことがあります。病害虫は木蓮の成長を妨げ、枯れる原因にもなるので、必ず駆除しましょう。
木蓮に付きやすい害虫:カミキリムシ
カミキリムシは幼虫が木の幹に入り込み、木の内部を食い荒らします。木蓮の根元に木くずが落ちていたら、カミキリムシの幼虫が住み着いている証拠です。
食い荒らされた幹は剪定して、薬剤を撒いて予防します。薬剤の中には、毒性の強いタイプの薬剤があるため、成分を確認してから使用してください。使用するときは、薬剤の注意事項を守りましょう。
木蓮に付きやすい害虫:カイガラムシ
カイガラムシは、白い見た目が特徴です。木蓮の幹の表面に住み着き、ときにはびっしりと大量のカイガラムシが発生していることがあります。カイガラムシから出る排泄物が「すす病」を引き起こす原因になります。
すす病とは、すす病菌と呼ばれるカビの一種が葉の表面で繁殖する病気です。繁殖すると葉が黒くなってしまい、光合成や水の蒸散ができなくなります。最悪の場合は、木が枯れてしまうことも。
カイガラムシは貝殻のような厚い皮に守られており、薬剤は効きません。そのため手で取るしか駆除方法がありません。
脚立は転倒の危険がある
脚立が必要な木蓮の剪定には、転倒への注意が必要です。脚立に乗ったままの作業は、バランスを崩しやすく転倒する可能性があります。木の周りは、地面が凸凹でフカフカしており、安定しにくいので注意しましょう。
また剪定するときは無理な体勢をとってしまいがちです。ちょっと体重移動をしただけでもバランスを崩し、脚立から落下するかもしれません。剪定したい場所が高すぎたり、1人での作業が難しかったりする場合は、剪定業者に依頼することを検討しましょう。
詳しくは「業者に木蓮を剪定してもらうには?」で解説しているので参考にしてください。
左右対称に切らない
剪定するときは左右対称に切らないよう注意しましょう。木蓮の花を美しく魅せるのであれば、左右対称にしないほうがバランスが良くなります。また左右対称にしない目的は見栄えだけではありません。
左右対称の樹形だと、日当たりや風通しが悪くなり、木の健康に良くないのです。日当たりや風通しは、木が健康に育つために大切なことで、害虫予防にもつながります。剪定時に左右対称にしないことで、見栄えと木蓮の健康が両立できます。
切り口のケアで雑菌の繁殖を防ぐ
剪定後の切り口には、適切なケアをしてあげましょう。切り口をそのままにしてしまうと、木に含まれる養分や水分が流れ出てしまい、雑菌が入り込んで枯れる原因になります。
ケアの方法はシンプルで、切り口に癒合剤(ゆごうざい)と呼ばれる薬剤を塗るだけです。塗るときは刷毛(はけ)を使うと癒合剤が塗りやすいです。切った枝が太ければ太いほど、病気にさらされる可能性ガ高くなります。切り口が太いものから順番に塗っていき、雑菌の繁殖を防ぎましょう。
剪定後は肥料を与えよう
剪定後は切られた部分の成長を補おうとするので、一時的に木蓮が弱りやすい状態になります。場合によっては枯れる可能性があるため、肥料を与えてしっかりケアをしてあげましょう。
与える肥料の量は、多くても少なくても良くありませんので注意が必要です。与える量が少ないと効果が出ませんし、逆に肥料が多いと浸透圧(しんとうあつ)の関係で木蓮の水分が土の中に流れ出てしまい肥料やけをします。肥料やけをすると、さらに木が弱ってしまうので適量にしましょう。
肥料によって適量が異なるため、説明書を読んで適量を確認してから肥料を与えてください。
業者に木蓮を剪定してもらうには?
木蓮が大きく成長し過ぎて、自分で剪定するのが難しい場合は、業者に依頼しましょう。剪定のプロに頼めば、キレイに仕上げてもらえます。
どの業者に頼めば良いのか、どのくらいの費用がかかるのか、不安な方もいるでしょう。そこで剪定業者に依頼する手順や料金相場を紹介していきます。業者への依頼を検討している方は参考にしてください。
木蓮の剪定を業者に頼む際の流れ
木蓮の剪定は、以下の手順に沿って依頼をしてみましょう。
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剪定作業をするタイミングは、木蓮の成長具合によって違います。時期をずらして剪定するケースもあるので、業者にいつ頃になりそうか確認を取っておきましょう。
特に木蓮の成長が活発な夏の剪定は、素人が作業するのは避けた方が良いです。プロの業者であれば、夏であっても適切な剪定をしてくれます。夏に剪定の必要がある場合は、必ずプロに依頼しましょう。
木蓮の剪定業者の料金相場
プロに依頼したときの料金は主に3つにわかれます。種類と相場は以下の通りです。
種類 | 料金相場 |
日当制 | 15,000〜30,000円(1人あたり) |
時給制 | 2,000~3,000円(1時間あたり) |
単価制 | 6,000〜7,000円(木の高さ3〜5mぐらいの場合) |
日当制や時給制は作業員1人につき支払う金額です。作業員の腕次第で、作業の所要時間に差があります。1日で済むこともあれば、2日以上かかる場合もあり、時間にばらつきがあるため注意が必要です。
単価制は木の高さによって料金が決められます。業者選びに自信がない方は、単価制で依頼したほうが安心です。ただ春の4月〜6月を過ぎて、繁忙期の5m以上になると料金が割増になるため、注意してください。上記の他にもゴミ処理代や軽トラ代がかかることもあるので、見積り時に確認しましょう。
業者に剪定を頼むメリット
業者に木蓮の剪定を頼むメリットは以下の3つです。
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剪定業者は、どのように切れば美しく、木蓮の健康を損なわないかを熟知しています。また短時間で仕事を終わらせてくれることも、プロに依頼するメリットです。忙しい方や自分の時間を有効活用したい方は、業者に依頼することをおすすめします。
また剪定作業では、切った枝や葉っぱが大量に発生し、時には軽トラック1台分になることがあります。自分で処分すると時間と手間がかかりますが、剪定を頼めば切った枝や葉っぱの処分も可能です。
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